Dear My Friends! ルカの受難 第20話 流れ弾には気をつけな!
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<第19話末文より抜粋>

 

ルカ「くっ・・・さすが私の遺伝子・・・巧妙な策を立てる・・・・・」

 

 ミクもルカも、反撃から転じて、窮地に陥ってしまったのだった。

 

 どうする? 初音ミク! 巡音ルカ!

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<Dear My Friends! ルカの受難 第20話 流れ弾には気をつけな!>

 

(アフス城内・開発武器試験場・闘技スペース)

 

 ギギギギギッ

 

 ミクの銃剣とルカコピーの剣は、まだ鍔迫り合いを起こしていた。近すぎており、銃自体が鍔迫り合いで使われているため、ミクはルカコピーに向けて弾丸を撃てない状態だった。勿論ルカコピーも剣を使っている状態のため、二人とも出来ることは、“離れて間合いを取る”、しか無かった。勿論離れるために、相手の腹部に蹴りを入れるとか、ある程度の体術は使えるが、それほど種類はない。

 

 しかし“モチベーション”という意味ではルカコピーの方が上であった。ルカコピーの巧みな話術により、ミクの戦闘意欲は低下し、更に“ユナイテッド=サドンデスアビリティ=武器が離れない”の逆効果で、ミクは完全に追いつめられていた。

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ルカ「まずい…、このままではミクは策で潰されてしまう…」

アペンド「ルカ! ミクの魔弾銃の弾丸は、火炎弾、氷結弾、電撃弾、疾風弾、それと覚悟を決めた時だけ撃てる“ブレイヴバレット”だけだ! そして全ての弾丸が、ソニカのホーミングアビリティで的中率を上げてある! それとあの銃は相手に勝つか自分が倒されるまで離れない! だが銃剣の剣術だけは、こっちの手練れのアビリティを付けているから安心だ! 何か打開策を考えてくれ!」

ルカ「それは相手は知っているんですね?」

テル「ああ、残念だが、全部知られていた。だからホーミングアビリティがありながら、ほとんど弾丸を当てることが出来ないのだ」

ルカ「う〜ん、“自暴自棄から来る覚悟”でも必殺弾は撃てるだろうが、おそらく一発撃って、その後は戦意喪失で終わってしまうだろう…、アペンドさんはそういう使い方は考えてないだろうし、二人とも“勝つ”事を目標にアビリティを付けたし、私もそうだから、それ以外を考えないと…」

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 ギッ・・・ギッ・・・ギッ・・・

 

ルカコピー「あらあら、防御の力が弱くなってきたね。そろそろ観念かな?」

ミク「くっぅ・・・・守っているだけで精一杯・・・・・・・今の私では・・・・・彼女を・・・斬れない・・・・」

 

ルカ「・・・・・・・・・・・・ミクの今のモチベーションでは斬れない・・・・・でも、4属程度の弾丸を撃つ覚悟は出来ている・・・・」

 

 ギッ・・・・・

 

ルカコピー「そらそら、そろそろ根負けかな?」

ミク「くっ・・・・ここまでか・・・・」

 

ルカ「相手は接近戦しか頭にない・・・・・こっちは中距離戦の間合いが欲しい・・・・・・・・・!!! よし!」

 

 どうやらルカは“その策”を思いついたようだ。

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ルカ「ミク! こんな時になんだけど、ゲーセンの“クイズマギカスクール”って覚えてる?」

 

アペンド「へ?」

テル「んん?」

学歩「なんと!?」

 

ミク「お・・・・覚えてるけど、なんでこんな時に?」

ルカ「クイズ間違えたときにさ、罰のシチュエーションで、ガイドさんが使う魔法攻撃、まだ覚えてる?」

ミク「え・・・えっと・・・あ、覚えてるよ・・・・・・・・・・・・よしっ!」

ルカコピー「奇策か?」

 

 どうやらルカは、策を直接言葉にせず、相手に悟られずに伝えたようだった。

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ミク「火炎弾!」

 

 ボワッ!

 

ミクは間合いが欲しかったので、鍔迫り合いをしている状態なのに火炎弾を上方に一発発射し、二人の目の前の中間地点に“火炎”を発生させた!

 

ルカコピー「ちぃ! 目くらましか!」

 

 シュラ! ジャキン!

 

 ミクは、力が抜けたルカコピーの剣から銃剣をスライドさせて、鍔迫り合いから抜けだし、5歩後ろにバックステップして、とにかく間合いを取った。

 

ルカコピー「ちぃ・・・・火炎で目がチカチカする!」

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 するとミクはルカコピーの“両足”に着弾する位置に銃口を向けた。

 

ミク「氷結弾!!!!」

 

 バシュバシュバシュバシュ!

 

 ミクはルカコピーの両足目がけて、数発の“氷結弾”を発射した。氷結弾は“氷の弾丸”ではなく、着弾すると着弾点を氷塊で凍らせる凍結魔法を封じた弾丸なのだった。そして、数発の氷結弾は、ホーミング性能も手伝って、全て両足に撃ち込まれた。

 

 ペキペキペキペキ

 

 ルカの両足は氷で覆われて凍結してしまった。つまり、“動けなくした”、のである。

 

ルカコピー「こ、こんなもの! 私のパワーで!」

ミク「そうはさせない! これでも喰らえ! 電撃弾!!」

 

 ルカコピーのボディ付近に向けられていたミクの魔弾銃の銃口から、電撃の魔力を吸った弾丸が10発程度発射され、その弾丸はルカコピーの近くで炸裂し、

 

ルカコピー本体

ルカコピーの剣

ルカコピーのアーマー

 

に落雷していった。当然、ルカコピーは動けないながらも悶絶してありったけの声で咆吼した!

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ルカコピー「ぬぁぁあぁぁぁぁあぁああああああああ!!!!!!!」

ミク「はぁ・・・・はぁ・・・・わ、私は貴方を直接斬って、血しぶきを見る事はまだ出来ない・・・でも、貴方に銃口を向けて魔弾を撃つ覚悟は出来ていたのよ。都合のいい覚悟だと思うけど、魔法の手応えと斬りつける手応えは、違う物なの…」

 

テル「ル、ルカ…、そのガイドが使った“罰の魔法”というのは、これか?」

ルカ「大体そう。火炎とか光で目くらましして、氷で足を凍らせて身動きを取れなくしてから、連続落雷で感電させる、エグい魔法よ。でもゲームでは“血”の表現を全く使わない、まさにミクには都合がいい攻撃なの」

 

 テルとアペンドは、珍しく冷や汗を垂らした。

 

テル、アペンド(ルカさん、味方で良かった…)

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 ブスブスブス・・・・・

 

 ミクのフィニッシュの“連続落雷”は相当効果があったようだった。ルカコピーの顔は煤けており、アーマーの皮部分も焦げ付き、剣と盾は当然手から放れており、未だ足は凍りついて動けず、まさに、ミクのあの攻撃は、起死回生の一手だったのである。

 

ルカコピー「ぐっぁ・・・・・・・・や・・・・・やるならやれ・・・・・」

 

 ミクはルカコピーから更に数歩離れた位置で、まだ銃口を向けていた。が、その銃は光り輝き、弾丸表示には“BRAVE”、つまり“ブレイヴバレット”を撃てる状態になっていた。先ほどの攻撃で、ついにミクは決心が付いて覚悟を決めたのである。

 

『弾丸なら撃ち込める』

 

と。

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テル「最後は意外にあっけなかったな」

アペンド「まんべんなく魔弾を使ってくれて嬉しいぞ」

レン「やっちゃえ!」

リン「ルカコピー、最後です!」

学歩「うむ、覚悟いたせ」

ソニカ「これで最後ね」

 

イロハ「さすが、ルカさんとミクさん。うー、私の右腕として二人とも欲しいのが、ホンネだ、わかるか? ミキ?」

ミキ「お察しいたします」

 

 このイケイケ状態と正反対にあったのは、言うまでもなく、“ユキ”側だった。我慢できなくなったユキは、かじり付く勢いでマイクに向かって怒鳴り散らした!

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ユキ「くぉぉぉらぁぁぁ!!!!! ルカコピー!!!! なんだ! その体たらくは! 論破も出来ず、話術の策も失敗し、物理戦闘でも魔法戦闘でも、あんな素人に負けたあげくに、今度は試合にも負けるのかぁ?」

 

ルカコピー「ユ・・・・ユキ様・・・・」

ユキ「お前に命を与え、ルカという高性能の遺伝子を与え、屈強な戦士の能力を与え、それなのにお前は負けるのか!? 出来損ないめ!」

ルカコピー「・・・・・・・」

アル「ユキ! ちょっと待て! 言い過ぎだ!」

ユキ「言い過ぎなものか! あいつは所詮、人造人間なのだぞ! 我々の僕(しもべ)なのだよ! 勝つために“作られた”戦闘人形、それ以上でも以下でもない! 勝つのだ! いかなる手段を使っても、絶対に勝つのだ! それがお前に与えられた『生きる意味』だ!」

アル「だから、いくら何でも言い過ぎだって!」

ユキ「アル皇帝、あなたは甘すぎる! 軍政国家の冠はどうした! 戦士達に情でも移ったのか!?」

アル「ユキ! 言葉を選べ! 私は皇帝だぞ!」

ユキ「この試合の後、我らもアイツらも全員、同じ土俵で法廷に立つことになる! もう、上も下もない!」

アル「狂ってる…」

ユキ「とにかく! ルカコピー! 勝つんだ! 足を捨てても、腕を捨てても、いかなる手段を使っても勝つのだ!」

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 ギューーーーーーーーーーン!

 

 ミクの魔弾銃の銃口は、ルカコピーに向けたまま、更に輝きを増していた。完璧にミクはルカコピーをブレイヴバレットで撃つ気なのだ。

 

ルカコピー「こ・・・こんな所で・・・死ぬわけには・・・いかないのだ・・・私は・・・ルカの遺伝子を持った・・・最強の・・・」

 

 ガツガツガツガツ!

 

 ルカコピーは必至で足を動かして、氷結による束縛から逃れようとしていた。しかし、どうしても氷塊に囲まれた足を抜き出すことが出来なかった。

 

 ビィーーーーーーーン!

 

 ミクの銃口はほぼMAXレベルまでエネルギーを溜め込んでいた。当たれば、それでGAME ENDであることは明白だった。

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イロハ「・・・・・・・・ミキ、ルカさん、手すりに掴まって、衝撃に備えなさい」

ミキ「は、はい。あれの直撃爆発ですからね、相当の衝撃でしょう」

ルカ「・・・・・・そうね、でも、おそらく『当たる場所』は・・・・・」

イロハ「…さすがルカさん、私と同じ考えですね」

ルカ「…そうです。ミクは、『本当に撃つべき相手』がわかったはずですから」

ミキ「え!?」

 

テル「・・・・アペンド達全員、ショックに備えろ。上からガレキが落ちてくるはずだ。というか360度全方位に用心しろ」

アペンド「・・・そうだな。私が物理シールドを張る。ガレキ類はそれでなんとか防げるはずだ」

レン「僕も一応盾を翳しておきます」

リン「私は衝撃バリアーを張っておくね」

学歩「拙者は回避出来なかったガレキを切り刻むことにする」

ソニカ「私は安全な位置で防御してます」

 

テル「アペンドは解っていると思うが、ブレイヴバレットの着弾点は・・・・」

アペンド「皆が思っている所では・・・・ないぞ?」

レン、リン、学歩、ソニカ「え!?」

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 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・

 

ルカコピー「抜け出すんだ! 抜け出すんだ!」

 

 ルカコピーはいくらやっても身動きが取れなかった。

 

ルカコピー「あ、あんなの喰らったら、いくら私でも・・・・」

 

ミク「・・・・・・ルカコピー、上半身は動けるだろ?」

ルカコピー「え!?」

ミク「腕で頭を防御しなさい。上からのガレキ位、あなたなら破壊できるでしょ?」

ルカコピー「お、おまえ、何を言っているんだ!?」

ミク「いいから、言われたとおりにしなさい!」

ルカコピー「わ、わかったけど、私は撃たれるんだぞ?」

 

ミク「私、わかったの。この試合も、これまでの確執も、この国の諸悪も、完成魔法陣を巡る問題も、本当に狂わせていたのは、誰なのか」

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 カチャ

 

ルカコピー「ひぃ・・・・やっぱり撃たれる・・・? ん? 銃口、反れてるぞ?」

ミク「確か、この試合のルールでは、『流れ弾は自己責任で回避する』んだったよね?」

ルカコピー「あ、ああ、そうだが・・・」

 

ユキ「ルカコピー! なんとかしろ!」

 

 ギューーーーーーーーーーン!!!!!!!!

 

ミク「喰らえ!!!!!」

 

 バシューーーーーーーーン!!!!!

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 銃口に溜まっていた“光”は巨大な輝くエネルギーの球体に変わり、ルカコピーの方向へ突進していった。しかし、ルカコピーが言っていたように、かなり上方へずれていたのであった。ホーミング補正がかかっても、ブレイヴバレットのエネルギー球体は、上方にずれた進行線を描き、そして、ルカコピーの頭上を、

 

『越えていった』

 

ルカコピー「え!?」

 

 そして加速を付けて、その球体はルカコピーの後ろの上方、ミクとルカコピーの点を結んだ更に後ろの補助軌跡と壁との交点、

 

『ユキ達がいるマイク部屋』

 

 に突進していった! ユキはワイヤレスマイクをスタンドから離して、マイクに叫びながら、アル達など部屋にいた全員が奥のエリアに逃げていった。

 

ユキ「ミ、ミク! なんでこっちを“狙った”!」

ミク「悪かったな、緊張して銃口を上に向けすぎた。私とルカコピーの直線上の補助線の交点、そこに『たまたま』お前達がいたんだ。それにルールでは、『流れ弾は自己責任で回避する』、ってなっていたよな? これはルール内の不慮の事故だ」

ユキ「き・・・貴様ぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

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 そして巨大なエネルギー球体であるブレイヴバレットは、ユキ達のガラス張りの部屋に直撃し、爆散し、エリアを粉々にしてしまった。ユキ達は、なんとかそのエリアからは脱出できたが、ブレイヴバレットの爆発の衝撃で、付近のエリアも粉々になってしまったため、その衝撃でユキ達の逃げ込んだエリアも全て巻き込んで崩れ落ち、ユキ達の待機エリアまで落ちていき、ガレキと砂埃に変わってしまった。

 

 ゴゴゴゴゴゴーーーーーン!

 

 その衝撃は凄まじく、バトルアリーナ全体の弱っていた箇所が崩れ落ち、そこの面々は、上からのガレキや鉄骨などを、各自で回避、破壊していた。

 

テル「狙い通りだが、ちとエネルギーが強すぎたようだな。ちぃ、これも“自己責任”だからな。つき合おうとしよう」

 

 バシュ! バシュ!

 

 テルは頭上から落ちてきた壁材を、手のひらから発した“衝撃波”で破壊していった。

 

アペンド「“目標通り”だが、凄まじい威力だな。ほぃさっと!」

 

 ガチャン! ガシャン!

 

 アペンドもテルと同じく、衝撃系魔法を使って、周りから襲ってくるガレキを破壊して、全体の安全を確保していた。

 

レン「リン! 俺と一緒にいてくれ、武器で破壊する!」

リン「わかった!」

 

 リンを伴ったレンは、剣術を駆使して、危険な鉄塊やコンクリートなどを破壊して、回避エリアを確保していた。

 

学歩「ふぬっ! またつまらぬ物を斬ってしまうのか…」

 

 シャキン!

 

 学歩も倒れてきたり頭上から落ちてきたりするガレキを粉々に斬り捨てて、ソニカ達、防御組みの安全を確保していた。

 

 イロハ達の観覧室は丈夫に作られていたので、手すりに掴まって衝撃を回避していれば、比較的安全だった。

 

イロハ「ぬぅ、やっぱりアソコに当てたか」

ルカ「狙い通りだったけど、自業自得とはいえ、ユキ達、大丈夫かな?」

ミキ「あいつら丈夫だから大丈夫だろ?」

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 その中、移動できないルカコピーは、何度もスレスレの所に壁材が落ちてきて危険だったのだが、すぐにミクがやってきて、魔導銃の疾風弾で、危険なガレキを破壊して、安全を確保していた。

 

ルカコピー「おまえ・・・・一体、どういうことだ?」

ミク「ルカコピー、君も“被害者”だったんだよ。本当に狙うべき相手は、ユキ達だ。まぁあの程度なら生きているだろうから、本当の“バスター”にはならないけど、その後、法廷が設けられるんだから、それでヨシって事にしようと思う」

ルカコピー「おまえ・・・・」

ミク「でも、1つだけ約束して。あいつらが私を追求するときに、あなたがあなた自信で“GIVE UP”を宣言して。その宣言のキーがないと、この武器、私から離れないの」

ルカコピー「ああ、これまでの事と、助けてくれたお詫びだ。ちゃんと負けを認めよう」

ミク「ありがとう」

ルカコピー「敵にありがとうはないだろ?」

ミク「偽物だけど、貴方も、ルカ。試合が終われば、ミンナと同じ、『Dear My Friends』、だよ」

ルカコピー「・・・・・・・・・そうか・・・・まぁミクがそれでいいって言うのなら・・・・・」

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(数分後)

 

 こうしてバトルアリーナは、ほぼ半壊して、ようやっと落ち着いた。

 

 ボコッ! ガラガラ・・・・

 

 アリーナの中でひときわガレキの山になっていたエリアの中から、壊れたワイヤレスマイクを持ちながら、ユキが埃にまみれて顔を出した。アルもその他、あの部屋にいた全員が、同じようにガレキを押しのけて、脱出してきた。

 

ユキ「ミクゥゥゥ! 貴様ぁ!」

ミク「ほんとにあんた丈夫だね?」

ユキ「おかげさまでなぁ!」

ミク「でも、この破壊現象は、偶発事故。“流れ弾は自己責任”で。ルール通りなんだから、文句は言えないよね」

ユキ「ぬぬぬぬ・・・・ふっ、まぁいい。ルカコピーはなんだか知らないが無事だった。この衝撃で氷塊からも脱出できたし、これで・・・」

 

ルカコピー「私の負けだ。ここに敗北宣言をする。というわけでこの試合は終わりだ。トータルでテル達の勝ちだ」

ユキ「な!!!!! 何を言ってるんだ! そんなの認められるわけが、」

 

 カーン!カーン!カーン!

 

 ゴングを鳴らしたのは、アルだった。

 

ユキ「な! なんで“試合終了宣言”を!」

アル「我々の負けだ。ユキ、諦めろ。本人が心から負けを宣言したのだ。これで終わりだ」

ユキ「ま、まだ・・・・・・」

 

イロハ「ユキ、ルールの通りだ。異論は受け付けないぞ?」

ユキ「イロハ!」

ミキ「これからの裁判が楽しみだな? 反逆罪だと思う、ユキさん?」

ユキ「くっ・・・・お前らだって、そっちに付いたんだ・・・・・同じく裁判を受けて貰うぞ・・・・・」

イロハ「望むところだ」

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 イロハ、ルカ、ミキの3人は、特別観覧室から移動し、闘技スペースまで降りてきていた。

 

ミク「ルカ!!!!!」

ルカ「ミク、お疲れさま。頑張ったね」

 

 カタンッ

 

 ルカコピーの敗北宣言により、テルのサドンデスアビリティが解除され、魔導銃はようやっとミクの手元を離れることが出来た。

 

ミク「ルカーーーーーー!!!!!!!」

 

 ミクはルカと抱擁できた。『ようやっと』、本物のルカと再会する事が出来たのだ。ミクの顔は涙でぐしゃぐしゃだったが、ルカも実は泣いていたのだった。

 

ルカ「ミク、うん、よく頑張った! よく頑張った! ありがとうね…」

 

リン「グスッ、二人とも、良かったね!」

レン「ようやっとの再会か。おめでとう!」

学歩「仲良きことは麗しきかな。おめでとうでござる!」

ソニカ「ふぅ、ここまでの道のり、大変だったもんね。おめでと!」

 

アペンド「ふぅ〜、これでようやっと最終段階まで来たな? テル?」

テル「まったくだ。これから、色々後処理満載だからな。とにかく完成魔法陣がユキの手に渡らなくて、本当によかった」

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 こうして、1つの試合、というより闘いが終わり、これから、取り決めの通りの“山積みの後処理”が、襲ってくるのだった。

 

 とにかく、ミクさん、ルカさん、おめでとう!

 

(続く)

 

CAST

 

ルカ姫、巡音ルカ(ルカ):巡音ルカ

初音ミク(ミク):初音ミク

 

<クリプトン(Cripton)王国サイド>

魔導師アペンド:初音ミクAppend

 

僧侶リン(リン):鏡音リン

勇者レン(レン):鏡音レン

 

<インタネ(Interne)共和国サイド>

異国の剣士 神威学歩:神威がくぽ

 

<アフス(A-Hu-Su)帝国サイド>

魔導師テル:氷山キヨテル

 

皇帝イロハ:猫村いろは

神官ユキ:歌愛ユキ

クグツロボット(コードネーム)“ミキ”の外観:miki

(ミキの中身=ミリアム:Miliam)

 

ルカコピー:巡音ルカ

 

<フォーリナー(Foriner)軍政国家サイド>

変身兵士 ソニカ:SONiKA

 

皇帝アル:Big-AL

重機動兵器アン:Sweet Ann

剣士レオン:Leon

圧殺兵士ローラ:Lola

導士オリバー:Oliver

拳闘士シユ:SeeU

 

その他:エキストラの皆さん

 

***

 

<残りのバトルアリーナの対戦カードの結果>

 

EX最終戦 : ○ミク   vs  ×ルカコピー

説明
☆当方のピアプロユーザーネーム“enarin”名義で書いていました、ボーカロイド小説シリーズです。第15作目の第20話です。
☆今回は1話分を短めにした、ファンタジーRPG風味の長編です。

☆当時は2期を意識してなかったのですが、本作は最新シリーズ“Dear My Friends!第2期”の第1期という作品になり、第2期のシナリオやカラクリに、第1期となる“本作”の話も出てきますので、長い長いお話ですが、長編“Dear My Friends!”として、お楽しみくださいませ。

☆遂に戦闘終結です。最後はちょっとあっけなかったかも。
☆このビデオゲームのエグイ魔法ネタは、とあるゲームを参考にしてます。
☆さて、次回から、後処理です。
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