英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク 改訂版
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〜隠者の庭園〜

 

「………つ、つまりルークさんが持っているその”ローレライの鍵”っちゅう剣は”精霊”の力を宿した剣っちゅう事ですか!?」

話を聞き終えたケビンは口をパクパクさせながら信じられない表情で訊ねた。

「そう捉えてもらっても構いません。”ローレライ”を含めた音素の集合体は見方を変えれば”精霊”といってもおかしくありませんしね。」

「フッ、”精霊”の力を宿した剣か。まるで伝承で出てくるような剣だね。」

「というか実際わたし達の世界でも伝説扱いされていた剣でしたから、まるでも何もその通りです♪」

ジェイドの答えを聞いて静かな笑みを浮かべたオリビエにアニスは笑顔で指摘し、皇族であるオリビエに露骨に媚びを売っている様子のアニスの態度にケビン達は冷や汗をかいた。

「アハハ……あら?でも確かあの時レーヴェの代わりに絶対障壁を破ったのはルークさんの他にももう一人いたわよね?」

「うん。レイスさんも何らかの”力”を使って兄さんと一緒に”環”の障壁を破壊したね。それを考えるとレイスさんも………」

ある事に気づいたカリンの疑問に頷いたヨシュアは心配そうな表情でクローゼに視線を向け

「なっ!?まさかレイシス王子殿下まで異世界の方なのか!?」

「レイシスお兄様が…………で、でもさすがにそれはありえないと思います。レイシスお兄様のご両親―――私のお父様とレイシスお兄様の産みの母親であるロナ様は私達の世界―――ゼムリア大陸で生を受けた方達なのですし。」

二人の会話を聞いてある事に気づいたユリア大尉は驚きの表情で声を上げ、信じられない表情をしていたクローゼだったがすぐに気を取り直して反論した。

 

「ま、それについてはレイスお兄さんが解放された時に聞けばいいんじゃないの?それよりも………………………………」

「え、えっと……?私に何か聞きたい事でもあるのかしら?」

クローゼの疑問を軽く流した後真剣な表情をして自分の周囲を回りながら自分を観察するレンの行動に戸惑ったティアはレンに訊ねた。

「ええ、一つだけ。ティアお姉さん、だったかしら?料理はできるかしら?」

「え?人並みにはできるけど………」

「まあ、ナタリアの料理と比べれば誰でも人並みにはなりますけどねぇ?」

「というかナタリアのは料理と言える物じゃないですよねぇ?」

「おい……メリルの料理の腕前はどれだけ未熟だったとしても幾らなんでも言い過ぎだぞ。」

「お父様の言う通りですわ!ルークでも作れるようになったのですから私だって、普通に作れますわよ!」

レンの質問にティアが首を傾げている中それぞれからかいの表情をしているジェイドとアニスをナタリアはバダックと共に睨んで反論し

「いや、ラルゴは知らないからそんな事が言えるんだ。ナタリアの場合、その”普通に作った料理”が料理と言える物じゃないんだよ………」

「お黙りなさい!」

「どわっ!?幾らなんでも矢はやり過ぎだろ!?」

更に疲れた表情で呟いたガイの指摘を聞いたナタリアはガイに矢を放ち、放たれた矢をガイは間一髪で回避し、その様子を見守っていたケビン達は冷や汗をかいた。

 

「…………………うん、合格♪さすがルークお兄様。レディを見る目もちゃんとあるわね♪」

「え………ご、”合格”って一体何の事かしら??」

一方真剣な表情で少しの間黙り込んでティアを見つめた後笑顔を浮かべて呟いたレンの答えの意味が理解できなかったティアは不思議そうな表情でレンに訊ねた。

「や〜ね、そんなの勿論ルークお兄様の結婚を前提にした恋人に決まっているじゃない♪これでルークお兄様にもやっと春が訪れるわね♪」

「ふふっ、モテている癖に頑なに恋人を作らなかったルークを心配していた先生とレナさんもようやく安心できるわね♪」

「!!!!!!???な、ななななななななっ!?」

そして小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンとレンに続くようにからかいの表情で自分を見つめて呟いたシェラザードの答えを聞くと顔を真っ赤にして混乱した。

「まあ……そちらの世界でのルークは女性達にとってそんなに魅力的な殿方なのですか?」

一方ナタリアは目を丸くしてケビン達に訊ねた。

 

「ルーク先輩ですか?ええ、遊撃士達の中では多分先輩が一番モテていると思いますよ。先輩って顔は結構整っている上親しみやすい性格ですし、遊撃士としてのランクは最高ランクのA級正遊撃士でもある為稼ぎもいいですから。まあ、さすがにユリアさん程の人気ではありませんけど。」

「ア、アネラス君……そこで私が出てくるのは色々と間違っていると思うのだが……」

「ア、アハハ……」

「フッ………確かに大尉の人気は格が違うから比べる事自体が間違っているな。」

アネラスの答えを聞いたユリア大尉は表情を引き攣らせ、クローゼは苦笑し、ミュラー少佐は静かな笑みを浮かべ

「わたし達からしたら信じられない事だけど、よくよく考えてみたら昔のルークは最悪で家柄しか取り柄がなかったけどまともな性格になったルークって、普通の女性からすれば結構お買い得な男ですよねぇ?」

「しかも稼ぎもいいそうですからね。それらを踏まえると一般的に考えればルークが女性達にモテてもおかしくはありませんね。」

「みゅ?ご主人様は元々優しい方ですから女の人達に人気があってもおかしくありませんの!」

それぞれからかいの表情でティアを見つめるアニスとジェイドにミュウは不思議そうな表情で首を傾げて指摘した。

 

「ハハ……というか何で最初からティアに的を絞ったんだ?」

「お兄様が大切にしているガイお兄さん達が写った写真の事とティアお姉さん達の男性関係を考えればすぐに気づけるわよ。ナタリアお姉さんは王族かつ既婚者という事を考えると、結婚以前も元々婚約者みたいな将来の相手がいる可能性が高いと考えて除外。アニスお姉さんは当時の写真から推測すると当時の年齢は今のレンと同じくらいだから、消去法で最後に残ったティアお姉さんになるわ。それに大分前にレンがルークお兄様の好きな人の予想としてティアお姉さんを出した時、ルークお兄様、凄く慌てていたもの♪」

苦笑しているガイの疑問に答えたレンは笑顔を浮かべ

「ふふっ、随分と懐かしい話が出たわね。確かあの日はあんたたちが準遊撃士になった日のお祝いの日だったわよね?」

「ええ。レン、ちなみにどうしてアニスさんは自分と同じ年齢だからって理由で除外したんだい?」

シェラザードと共に昔を懐かしがっていたヨシュアはレンの推測を聞いて気になっていた事を訊ねた。

「だって、一般的な男性の平均的な好みを考えたら成長が未熟なアニスお姉さんよりスタイル抜群で美人さんなティアお姉さんが好みと考えるのが普通だし、もしルークお兄様の好みがアガットと同じだったらアニスお姉さんより可愛いレンがルークお兄様のお目にかなわない訳がないもの♪」

「おいコラ!そこで何で俺が出てくる、このクソガキが……!というか前から気になっていたが何でシェラザード達と違って俺だけ呼び捨てにしているんだよ!?」

「そこのロリコン赤毛はどうでもいいとして、このアニスちゃんを目の前にアニスちゃんの成長が未熟って言った上更にアニスちゃんより自分の方が可愛いなんてそんな調子に乗った発言をするなんて………月夜ばかりと思うなよ。」

レンの説明を聞いたケビン達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アガットはレンを睨み、笑顔を浮かべて呟いたアニスは一瞬”本性”をさらけ出してレンを睨み、それを見たケビン達は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「うふふ、もしお兄様に相応しいお相手が現れなかったら将来大人のレディへと成長したレンが”既成事実”を作ってお兄様のお相手になろうと思っていたけど、ティアお姉さんみたいなレンより遥かにとっても素敵なレディがお兄様のお相手になってくれるのだったら安心してルークお兄様の事を任せられるわ。ルークお兄様の事、よろしくね、ティアお姉さん―――いえ、ティアお姉様♪」

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!??」

「そんな事を考えていたんだ、レンちゃん………」

「幾らなんでもマセ過ぎだぞ……」

「というかそれって、本人からしたら”余計なお世話”だよね?」

「しかも”既成事実を作る”って、あんた、大人になったらルークに一体何をするつもりだったのよ……」

(よかったな、ルーク……ティアがいてくれたお陰でお前の貞操は守られた上”ロリコン”の烙印を押されなくて済んだぞ……!)

笑顔を浮かべたレンにウインクをされたティアは顔を真っ赤にし、ティータとジン、ジョゼットとシェラザードは呆れた表情で呟き、ガイは心の中で安堵の溜息を吐き

「いやはや、恋を自覚したエステル君を思い出すくらいの初々しさだね。フフ、ただでさえ素晴らしい色気がより鮮明に出てきたよ♪」

「というか当時の彼女はここまで育っていませんでしたからもしかすれば彼への想いによって更に成長したのかもしれませんねぇ?」

オリビエは酔いしれた表情でティアを見つめ、ジェイドはからかいの表情でティアを見つめた。

 

「ふざけた事を言わないで!それと中将も何の根拠もない事を言って、周りの人達に私の事を誤解させるような事を言わないでください!」

「いい加減にしろ、このお調子者が……!それと中将閣下もそのタワケの調子に合わせないでください……!」

二人の言葉を聞いたティアは反論し、ミュラー少佐は顔に青筋を立てて二人を睨んだ。

「おやおや……ただの雑談で佐官クラスが階級が遥かに上の将軍クラスの私に意見をするとは中々肝が座った方ですねぇ?」

「ふふっ、堅物のミュラーに自分より階級が上の軍人にそんな態度を取らせるなんて、さすがはボクと同じ声の持ち主だよ♪」

「いえいえ、貴方程でもありませんよ。」

(どっちもどっちですよ……)

「………………」

「しょ、少佐。落ち着いて下さい。」

それぞれからかいの表情でミュラー少佐を見つめるジェイドオリビエの話を聞いたロイドは疲れた表情で心の中で指摘し、ミュラー少佐は顔に無数の青筋を立てて体を震わせ、それを見たユリア大尉はミュラー少佐を諫めていた。

(ハア……あの二人の標的にされた方はたまったものじゃないでしょうね……)

(ハハ……あの少佐も大変だな……)

その様子を見ていたアーシアは疲れた表情で溜息を吐き、フレンはミュラー少佐に同情していた。

 

「クスクス………――それじゃレンも今後の探索に協力するから、よろしくね♪」

「ハハ……あんだけ場を引っ掻き回しておいて、収拾もせえへんのもさすがやな………ま、嬢ちゃんの力、期待させてもらうで。」

その様子を微笑みながら見た後自分を見つめて申し出たレンに苦笑したケビンは気を取り直してレンの申し出を快く受け入れた。

 

その後ケビンはメンバー編成をして、ケビン、ヨシュア、アガット、カリン、レン、ティアのメンバーで探索を再開し、ロッジ内にある石碑に転位すると外は夜になっていたので、外を出て探索を開始した。

 

〜ル=ロックル訓練場〜

 

「あれは………!」

「転位陣………次の星層への入口か!」

外に出て、崖の所にある転位陣を見たヨシュアとケビンは真剣な表情をした。

「えっと……このまま先に進みますか?」

「そやな………まずは様子だけでも確かめて―――」

カリンに尋ねられたケビンが頷いたその時、ケビン達の目の前に巨大な妖しげな光陣が現れた!

 

「くっ………!」

「ここで来たか……!」

仲間達と共に武器を構えたケビン達が警戒していると妖しげな光陣から巨大な戦斧持ち、”第二星層”で戦った悪魔―――ロストルムに似た巨大な悪魔が現れた!

「こ、これは………!」

「うふふ、どう見てもただの悪魔じゃなさそうね。」

「聖典に記された七十七の悪魔の一匹………煉獄を守る門番のもう一柱にして恐るべき禁呪を使う魔導の使い手!”深淵”のアスタルテか!」

悪魔を見たヨシュアは驚き、レンは不敵な笑みを浮かべ、ケビンは真剣な表情で悪魔の正体―――アスタルテの名を口にした。するとその時アスタルテは魔眼を発動してケビン達の動きを封じ込めた!

 

「うお……っ!?」

「くっ、身体が……!」

「みゅ〜っ!?動かないですの〜っ!?」

魔眼によって動きを封じ込められたアガットとティアはうめき声を上げ、ミュウは悲鳴を上げた。

「こ、これは………ワイスマンの”魔眼”!?」

「多分あれの原型となった空間そのものを呪縛する禁呪や!クソ………指一本も動かせへんとは………!」

自分達の動きを封じ込めているものの正体が魔眼である事に気づいたヨシュアは驚き、ケビンは真剣な表情で推測を口にした後舌打ちをした。そしてアスタルテは戦斧にすざましい雷を込めて振り上げた!

「くっ………このままじゃ………!」

「………くっ………(こうなったらアレを………)」

絶体絶命の状況にヨシュアが叫び、ケビンが心の中である事を覚悟をしていたその時!

 

「―――下がりなさい。女神に背く災いなる獣よ。」

なんとアスタルテに法剣の刃が次々と襲い掛かって怯ませ、アスタルテの行動を中断させた!

「リースさん!?」

突然の出来事に驚いたヨシュアは自分達の背後にいる人物―――法剣の刃を戻したリースに気付いて驚いた。

「よかった………間に合ったみたいですね。ここはお任せを………一気にケリをつけます。」

リースは安堵の溜息を吐いた後、アスタルテに襲い掛かり激しい攻撃や高火力のアーツを組み合わせてアスタルテにダメージを与えると共に怯ませた!

 

「凄いですの!」

「やるじゃねぇか……」

「ええ……まさか単独であれ程の存在と渡り合うなんてね。」

「さすがは星杯騎士……」

「フフ、私達の知り合いの星杯騎士の方達はみんな凄いですね……」

「うふふ、あの調子ならひょっとしたら本当に単独で撃破できるかもしれないわね。」

「リース、無理すんな!一人で調伏できる相手やないことくらいわかるやろ!?」

リースの獅子奮迅の活躍に仲間達が感心している中ケビンは真剣な表情でリースに警告した。

 

「それでも私は………星杯の従騎士だから………!言いたい事は………山ほどあるけど…………!それでも私はケビンのことを守る………!私を守ってくれた………ケビンと姉様のように………!」

「!!」

決意の表情のリースが叫んだ言葉にケビンは目を見開いた。そしてリースはアーツ―――ラグナブラストをアスタルテに放った!しかしアーツが当たる瞬間、アスタルテは転移してリースの背後に回った!

「あ………」

背後に回られたリースは呆けた声を出した後、慌てて振り向いたその時アスタルテは戦斧をリースに振るった!

「あうっ………!」

「リ、リース!」

敵の攻撃により吹っ飛ばされ、さらに傷を負ったリースを見てケビンは叫んだ。するとその時敵はリースの目の前に転移した!

 

「う………ぁ…………」

目の前の敵を見たリースが呻いていると敵はリースに止めを刺す為に戦斧に凄まじいエネルギーを溜めて振り上げた!

「いけない………!」

「リースさん!」

「くっ………………っおおおおおおおおおおおッ!!」

それを見たヨシュアとカリンが叫んだその時決意の表情になったケビンは身体全体に何かを溜めて叫んだ後、何かの力を解放して、自分の背中に何かの紋章を現して魔眼による効果と結界を打ち破った!

「!?」

「ケ、ケビン………?」

それを見たヨシュアは驚き、リースは戸惑っていた。また、アスタルテは背後の違和感に気付いてケビン達に振り向いた。ケビンの背中にある紋章はケビンに力を貸すかのように紋章と同じ妖しげな赤い光をケビンに纏わせた!

 

「クク…………まさかオレにコイツを使わせることになるとはな…………悪魔相手に今更やけど………改めて貴様を”外法”と認定する。祈りも悔悟(かいご)も果たせぬまま!千の棘をもってその身に絶望を刻み!塵となって無明の闇に消えるがいい!!」

そしてケビン達はアスタルテとの戦闘を開始した!

 

 

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と言う訳でティアはレンに認められましたwwこの作品では心の奥底から慕っているレンにルークの相手として認められたのはある意味凄い事かとwwそしてレン、アニスを目の前にとんでもない発言を……そしてそれによってアニスの名言がやっと出ましたww後、ティアが現れなかった時に考えていたレンの計画を知って噴いた人たちもいるかと思いますww

説明
第143話
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コメント
master_doragon様 まあ、それはifの話であって原作アニスはそこまで強くありませんものねwというか原作アニスって、トクナガなくなったら譜術でしか戦えないのでしょうかね?(sorano)
アニスが自身の身体でシンク級の体術を使えるなら問題無いんですけどね(^_^;)(master_doragon)
master_doragon様 確かに。というか原作レンでもアニスじゃかなわないかもしれませんねww(sorano)
ん?…アニス程度じゃ逆に月夜ばかりと思うなよって言われるのがオチだからやめとけwww(master_doragon)
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