Triangle Goddess! 第11話「神界からの使者」 |
「見つけたぞ……三女神よ」
「!!?」
トロールを倒し、男の子を助けたのも束の間。
なんと、謎の人物がジャンヌ達の目の前に現れました。
「三女神だと!?」
エルダーは謎の人物のその発言に驚きました。
さらに、それを聞いたジャンヌ達が震えています。
「……ジーン、ゲルダ、ヴィア。何故震えているのだ」
「……とにかく! エルダーさん、逃げましょう!」
「えっ! ちょっと、お姉様!?」
ジャンヌは風の如きスピードで逃げていきました。
「まったく、お姉様はこういう時になると慌てるんですから」
せっかちで慌て者なジャンヌにゲールはやや呆れていました。
「ほら、行きますよ! バイオレット! エルダーさん!」
「はーい! ほら、エルダー! 早く逃げよう!」
「あ、ちょっと待てよ! オレもオレも!」
ゲール、バイオレット、エルダー、男の子は、その謎の人物から逃げ出しました。
「逃がすか……!」
その人物は神の如きスピードで、ジャンヌ達を追いました。
……いえ、そのスピードは「神」そのものでした。
当然、人間のエルダーと男の子はすぐに追いつかれてしまいましたが、
ゲールとバイオレットはぐんぐん距離を離していきます。
「俺達は後から行く、お前達は追いつかれるなよ……!」
「まってろよー!」
三女神と謎の人物の追いかけっこは続きました。
謎の人物が追いかけると三女神は逃げ、三女神が逃げると謎の人物が追いかけ……。
繰り返される事、人間の時間で僅か50秒。
ついに、三女神はギルド本部へ逃げ込みました。
そして10分後、エルダーと男の子もギルド本部へと入りました。
「はぁ、はぁ、はぁ……。報酬を頼む!」
「は、はあ……随分お疲れのようで」
ぜえぜえと息を切らすエルダーと男の子を見ながら?マークを浮かべるマーベル。
しかし、報酬を渡さないわけにもいかなかったので、エルダーに約束の報酬を渡しました。
「ああ、報酬ありがとう」
「一体どうしたのですか? そんなに慌てて……」
「話は後だ! とにかく俺達を匿ってくれ!」
「……分かりました」
どれかの時間が経った事でしょう。
謎の人物は、何分経っても追ってくる事はありませんでした。
「もしかして、わたくし達……助かったのでしょうか?」
ジャンヌ達はゆっくりと、ギルド本部を出ました。
……しかし、そこにあったのは……。
「!!!!!」
たくさんの魔物が蔓延る、地獄のような地でした。
まるで、初めてエルダーと出会った時のようです。
「くそっ、また魔物か……!」
エルダーはぎりっと歯を食いしばり、剣を構えました。
どうやら、あの魔物と戦おうとしているようです。
「どうしてこんな事が起きたのでしょうか……」
「全部、あいつのせいなの……!?」
「……これも俺の責任だ。全て、俺が取らなければいけない」
「待ってください! エルダーさん! 一人では危険で……!」
ジャンヌの制止も聞かず、エルダーは魔物の群れに突っ込んでいきました。
「……ごめんなさい。あなたがそうするのならば、私達はこうします」
そう言い、三女神はエルダーから目を背け、逃げました。
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