| SA-16 STYLET 禍月 | 次 |
| 説明 | ||
| 新型武装に搭載予定のＴＣＳオーシレーターは、機体各部にシールド発振器を搭載し現存する射撃兵装の一切を遮断可能とした月面軍要の兵装である。 猛毒を開発するのと同時にワクチンが生成されるのと同じく、最強の盾を開発するのと同時にこの盾を崩す方法も研究される。 「射撃がダメなら近接格闘を仕掛ければ良い。」至極明快な回答の元、あらかじめ鹵獲しておいた昏睡状態のスティレットを洗脳改修を施し新型武装の模擬対戦者として仕上げる。 こんな感じで良いだろうか？部下Ａは頭をかきながら調整の終わった赤い装備を装着している彼女を見る。近接格闘戦に特化したその容姿は戦国時代の武者を思わせ、近接武器もそれに合わせて刀（※１）をチョイスしてみた。また、外装増加による機動性の低下は、リアブースターの改修で補っている。改修と言っても月面技術を入れすぎるては模擬対戦相手にならないので、地球技術で改良可能 な程度（※２）に抑えてある。我ながら良い武者っ子に仕上げているだろう。 主任「ほぅ、武者っ子かね・・私はてっきり騎士っ子に行くものかと思っていたが」 部下Ａ「おつかれさまです主任、っというか、この子のエラ（※３）はどう見ても武者のエラですよ。」 背後から某新型装備担当主任の声がする。あの装備に負ける為に作ったと思うと気が滅入ってくるが・・・勝てなくても引き分けに出来るくらいの設定にはしたハズだ。まぁ彼女次第になるがな・・・。 部下Ａ「とりあえず完成ですよ。設定は、定時索敵中に敵新型と遭遇し部隊は一方的に壊滅（※４）。部隊長の機転により唯一生き残った彼女(※５)は、仲間の仇を討つ為、武装の設定を効果のない射撃兵器を捨て、唯一可能と思われる近接格闘武器による敵撃破という特異な設定へと変更するってな感じで良いですかね？ あとは実践的な戦闘データが欲しいので、洗脳者には、仲間の仇討ちの為に敵と戦い続けているという仕様で良いでしょうか？」 主任「グッド！ なかなか良いプランだ。」 部下Ａ「試験場は、月面地下にある破棄されている一部（※６）にて偽装空間（※７）を展開し実施します。」 彼女の舞う死刑台が完成していく。 ・ ・ ・ Chapter：０２ 機会 幾たびの戦場の末 恋焦がれる敵に巡り会う 歓喜震える衝動を解き 仲間の仇を討つ為に 禍つく刃を月湖にて放つ 惑わされたこの身なれど この機を逃す訳には成らぬ いざ参らん （※１：日本刀を模した２刀兵装と、現在技術で作成した刀兵装がある。） （※２：リミッター解除による出力向上とベクターノズルへ変更することにより小回りが可能になって総体的機動性が上がったが、じゃじゃ馬仕様になっている。） （※３：この子はスティレット、エラは頬横のパーツ形状を指す。） （※４：実際の部隊全滅時のログを反映している。６機編隊にて哨戒中に敵１機により全滅、彼女は遭遇戦初手でエンジン部を被弾して墜落、他５機は、その後の戦闘により撃破。 参照：戦闘ログ 作戦開始。 大気圏より降下し哨戒中の敵機を確認。 敵６機編隊中の１機を高々度より狙撃し中破に成功。 敵と同高度まで降下し近接格闘武器にて２機目を大破。 敵２機による射撃攻撃を確認。 飛行モードで距離を試みるが敵２機の追撃を確認。 後方からの射撃に対しシールドでこれを防ぎつつ人型モードに変形を行い急制動をかける。 急減速により敵との間合いを詰めて近接格闘を実行し敵２機を撃破。 残２機による波状射撃攻撃をシールドで防ぎつつ応戦。 内１機が捨て身の捕縛行動を実施、身体に取り付かれ一部の行動が制限を受ける。 残１機が近接格闘武器による攻撃を確認するが通常格闘攻撃でこれを迎撃し撃破する。 敵部隊の全滅を確認。 生体反応１を確認。 地上部隊へ回収を申請し本機は帰投する。） （※５：新入隊員スキル死んだふりで回避するの術［実際瀕死で動けず月面側に回収された］） （※６：生活用のジオフロントコロニー区画で、理由により破棄処分されたエリアを指す。） （※７：破棄エリアを改修して地球上の空間を再現する。） |
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