ポケットモンスター トライメモリーズ 第30話 |
第30話:激突!えんとつ山!
隕石を取り返すためにマグマ団をおい煙突山に到着したクウヤとリクガ。
だが・・・。
「えーとクウヤ、おさらいしようか?」
「ああ」
「ここはどこでしょう」
「えんとつやま」
「ボク達はどうしてここへ来たのか覚えてる?」
「博士の隕石を取り返しに来たんだよな」
「正解。そしてここにはもちろん」
「マグマ団が待ち構えてるんだろ?」
「そう。マグマ団が警備してるはず・・・・なのに」
「「なんじゃこりゃあぁ!?」」
この火山で見た光景に対し2人は唖然としている。
その光景とは・・・マグマ団とアクア団がお互いでお互いを相手にし戦っているのだ。
クウヤもリクガもどうやら2つの組織は同じものでありあえて別の名と目的を語ってるだけだと思っていたようだ。
しかしその思想は思い切り外れ、元からこの2つの組織は別々のものでありお互いに敵意を抱いているようだ。
「同族嫌悪・・・ってやつかな」
「どーぞくけんお?」
『俺(私)はこいつらとちがあああう!!!!!!!』
「・・・・あ、そ。
でもボクにはそんなこと関係ないな。
ジュプトル、ユンゲラー、行くよ!」
ボールからジュプトルとユンゲラーを繰り出し双軍につっこむ。
その隙にクウヤはロープウェイの中でリクガが立てた作戦通りに
隕石を持っているであろう親玉の元へ向かう。
横目でちらりと見たリクガは、自分よりレベルが高いポケモンに的確な指示を出しアクア団もマグマ団も圧倒している。
「やっぱ、リクガは・・・」
リクガのトレーナーとしてのレベルは・・・高い。
あの時のドクケイルも今は彼にしっかり従っている。
しかし今は他人と自分の優劣など気にしてる場合ではないしそんなのクウヤには全く関係のないことだ。
「リクガが下っ端をひきつけてくれてる!
その隙にオレは・・・あいつを倒す!!」
辿りついた先にあったのは、隕石がはめ込まれた謎の機械・・・さらにそこには、中年の男がいた。
「てめぇは!」
「以前我々の邪魔をした子どもはお前か・・・。
なるほど、部下の話してた通りの黒い髪と緑の目だ」
「なにブツブツ言ってやがんだ」
「くっくっく・・・。
私こそがマグマ団の首領、マツブサだ」
「てめぇが!」
赤く薄い髪に年季の入った顔。
マツブサはクウヤを嘲笑しボールを構える。
「丁度良い、お前をここで私が潰そう!」
「へんっ!
やれるもんならやってみろよ、このおっさん!」
「・・・・・貴様・・・私を本気で怒らせたな。
行け、バクーダ!」
「頼むぜ、ナーク!」
マグマ団首領マツブサのバクーダに対してクウヤはナークを出した。
ナーク以外に相性で有利なのは水タイプのヒーンなのだがここは火山・・・それも噴火口が近い。
だから有利でもありこの地形にも熱にも耐えられる じめんタイプのナークを選んだのだ。
体格はもちろんだがレベルも恐らくバクーダの方が上・・・。
だがクウヤもナークも逃げの体制は一切取らない。
「いくぞ!」
先手を取りナークはあなをほるで地中に潜る。
しかし、マグニチュードで地中に攻撃されナークはそのまま地上へ引きずり出されてしまう。
負けじと相手にかみつくがふりはらわれ、さらにふみつけられてしまった。
「なっく」
「ナーク!」
「どうやら役割を間違えたようだな」
「なんだと!」
マツブサは、嘲笑している。
「お前はアクア団と共にお互いの雑魚潰し合いの方が似合うではないか?
私と戦うのはあそこの少年が相応しいだろう、 あいつの方がお前より強い。
私にとって弱い者いじめは退屈しのぎにもならん」
「っく・・・!」
真正面から他人と自分の差を突きつけられ沈むクウヤ。
「そんな出鱈目に惑わされるな!」
「!」
そこにリクガが思い切り叫ぶ。
「ボクがキミに親玉を潰す役目を任せたのは・・・キミなら絶対に大丈夫だと思った!
必ず倒してくれると確信したからだ!
全力でそのおっさんをぶっとばせ!」
それだけ言うと再び自分のバトルに戻るリクガ。
一瞬彼に沈黙が訪れ、やがて顔を上げた。
負けず嫌いなクウヤの復活だ。
「ナーク!全力であいつをぶっとばすぞ!」
「な・・・くぅぅっ!」
「!」
「っくそ!バクーダ、とどめのだいもんじだ!」
ナークの体が輝きだしバクーダの炎が襲い掛かる。
が、瞬時に現れた砂嵐がそれを振り払い光の中から新たな姿を纏った仲間が現れた。
「ナーク?」
「ビブブッ」
「すごいぞ、ナックラーがビブラーバに進化した!
そこまで強くなっていたんだ・・・!」
「ビブラーバ・・・すんげぇ!」
「やっかいなことを」
図鑑を開くと新しい技がそこにあった。
バクーダがもう一発だいもんじを放とうとした時クウヤはその新しい技を指揮する。
「ナーク、りゅうのいぶきーっ!!」
相手のだいもんじより早くりゅうのいぶきが命中し、バクーダは技の効果で麻痺して動けなくなった。
あなをほるで追撃しバクーダは戦闘不能、クウヤとナークの勝ちだ。
「やったぁ〜〜〜!」
「くそぅ!だったら火山を噴火させ・・・っ!?」
「さぁ隕石返せ!」
「なんということだ?」
「へ?」
「計画は中止だ、マグマ団撤退!」
それだけ言うとマツブサはマグマ団を率いてその場から速やかに姿を消した。
アクア団も、いつの間にやらいなくなっている。
「な、なんだ?」
きょとんとしてるクウヤにリクガが駆け寄り話しかけてきた。
「やったな、クウヤ」
「ああ!
あ・・・隕石取り戻したのはリクガだよな!」
「え、いや?ボクじゃないけど・・・」
「へ!? だ、だって」
ピピピピピピピ
「?」
突然リクガのポケナビがなり、彼はその通信に出る。
「やぁリクガくん、クウヤくん!」
「ソライシ博士?」
「君達が隕石を取り戻してくれたんだね!
私の元に届いているよ!本当にありがとう!」
「え、いや、その」
「お礼はきみ達が目指しているというフエンタウンに送っておくから!
それじゃ、旅の健闘を祈るよ!」
プ、ツーツーツー・・・・
「どうなってんだ?」
「誰かがボク達の代わりに隕石を取り返し博士の元へ届けた・・・ということか?
いったい、誰が・・・」
「ま、そんなこともういいや」
「へっ?」
クウヤの言葉にリクガはぽかんとした。
「火山の噴火はとめられたし、隕石も無事博士のトコへ届いたし、これでこの事件は全部解決!だろ!」
「・・・・ふふふ、そうだね」
クウヤの言葉にリクガは微笑みながら答える。
こうしてコトは一度収まり、彼らは再び自分たちの冒険を再開させる。
「これでいいんだ、これで・・・。
ありがとうペリッパー。
気付かれないようアジトに戻ろう」
その2人の様子を呟きながら見てた少年は彼等に気付かれぬようその場を静かに去った。
ロープウェイの復旧が完全に完了したという報告がリクガのポケナビに入った。
クウヤはこのままデコボコ山道を降りてフエンタウンへ向かうことにしたがリクガの言葉にぽかんとする。
「ここに残る?」
「うん、もう少し調べてみたい事があるんだ」
「なにを?」
ちらり、とリクガは隕石がセットされていた今は動かないマグマ団の機械を見る。
「隕石で噴火なんてできるのか、もしくはここに重大な何かが隠されているのか・・・どうしても知りたいんだ。
僕たちと、ポケモンと、人々のためにも奴らの目的を知っておきたい。」
「そっか・・・頑張れよ!」
「ああ!」
互いの拳をぶつけ合う。
「でもボクは修行の手を緩めない、強くなっていくからね!
ボクもボクのポケモンも!」
「オレだって負けねぇよ!」
お互いに激励を送り会い、実力も認め合う。
これが信頼の証だ。
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