むかしむかし、ある((国|くに))にひとりの((王|おう))さまがいました。

　((王|おう))さまはいつもおおいそがしです。

　でもいま、((王|おう))さまはとってもこまっていました。

　((王|おう))さまの((国|くに))では((悪|わる))い((病気|びょうき))が((国中|くにじゅう))ではやっていたのです。

　このままでは((王|おう))さまの((国|くに))はほろんでしまうかもしれません。

　((王|おう))さまの((国一番|くにいちばん))のお((医者|いしゃ))さんに、どうすれば((病気|びょうき))をなおせるのかききました。

　すると、((国一番|くにいちばん))のお((医者|いしゃ))さんはこういいました。

「とおい((西|にし))のはてに((悪|わる))い((龍|りゅう)) に((荒|あ))らされた((村|むら))があります。 ((村|むら)) を((荒|あ))らしている ((悪|わる))い((龍|りゅう))をたおして、その((肉|にく))をたべさせてあげれば、((病気|びょうき))はすぐになおります。」

　それをきくと、((王|おう))さまは ((急|いそ))いで((悪|わる))い((龍|りゅう))をたおしに((行|い))くじゅんびをしました。

　そして、((王|おう))さまは((悪|わる))い((龍|りゅう))をたおしに((行|い))くために((国中|くにじゅう))から、とってもつよい6((人|にん))のなかまたちをあつめました。

　お((医者|いしゃ))さんも、((一度|いちど))だけ((近|ちか))くに((行|い))ったことがあるので、((道案内|みちあんない))についてきてくれることになりました。

　((病気|びょうき)) で((苦|くる))しんでいる((人|ひと))たちに、きをつかわせてしまうかもしれないと思った((王|おう))さまたちは、((夜|よる))になってからこっそり((出発|しゅっぱつ))します。

　((旅|たび))はほんとうにたいへんでした。

　((崖|がけ))からおちそうになったり、((川|かわ))でながされそうになったり、どくヘビにかまれて((死|し))んでしまいそうになったりもしました。

　それでも、((王|おう))さまたちは((力|ちから))をあわせて((乗|の))りこえます。

　お((医者|いしゃ))さんが((案内|あんない))してくれたおかげで、((王|おう))さまたちはおもっていたよりもずっとはやく、((悪|わる))い((龍|りゅう))の ((住|す))んでいる((山|やま))につきました。

　((龍|りゅう))は((長|なが))い((爪|つめ))と((鋭|するど))い((牙|きば))をもっていて、((皮|ひ))ふは((固|かた))くて((口|くち))から((火|ひ))をふき、((空|そら))だって((飛|と))べるのです。

　((王|おう))さまたちは((力|ちから))をあわせてたたかいました。

　なんども((危|あぶ))なくなってもぜったいにあきらめないで、たたかいぬきました。

　((三日間|みっかかん))のたたかいのすえに、((王|おう))さまたちはついに((悪|わる))い((龍|りゅう))をたおします。

　こうして、((王|おう))さまたちがもって((帰|かえ))ってきた((龍|りゅう))の((肉|にく))をたべて((病気|びょうき))がなおった((人|ひと))たちは、げんきに((国|くに))をささえて、ながくながくさかえていきました。

　めでたしめでたし、おしまい。