ポケットモンスター トライメモリーズ 第41話 |
第41話:ヒワマキシティ!天空バトル!
天気研究所でアクア団を退けたクウヤは今ヒワマキシティに到着した。
木の上に家がある・・・ツリーハウスが並ぶその美しい自然の光景に目を輝かせる。
「面白いところだな、オレこういうとこ住んでみたいな〜!」
元々こういう自然が大好きだったクウヤはわくわくしていた。
こんなところで暮らせたらどんなにいいだろうな、と。
すぐに本来ここへ来た目的を思い出し再び足を進める。
「ポケモンセンターで回復したらジム戦だ!
気合いれていくぞぉっ!」
数分後、回復を無事終えてジムの前まで来ていた。
ヒワマキのジムは天井がなくオープンになっておりバトルフィールドも高い位置に設置されていた。
この設備は高所恐怖症なら一発でアウトだがクウヤは全然、むしろこういった高いところも好きなため逆にテンションが上がっていた。
よし、と意気込みクウヤは門前に立ち叫ぶ。
「たのもーーーっ!
このヒワマキジムに挑戦に来たぞー!
バトルしてくれぇー!」
「チャレンジャーか、待っていたぞ」
「うぉ!」
上から声がしたので見上げてみると、女性がチルタリスに乗って降りてきた。
青っぽい飛行服とゴーグル、紫色の長い髪が特徴的な長身の美女だった。
外見とは似ても似つかない凛々しい口調で女性は話を続ける。
「ようこそヒワマキジムへ。
私がジムリーダーのナギです」
「あんたが・・・。
オレはルネシティのクウヤ!早速ジム戦頼むぜ!」
「ふふ、元気が良いな。
わかった、キミの挑戦を受けよう。
こちらへ・・・」
「おぅ!」
クウヤはナギに案内されバトルフィールドにたった。
ここの勝負はなんと一対一の勝負だ。
余程レベルが高いらしい。
「では、はじめようか」
「おお!」
ナギはチルタリス、クウヤは空が有利だと思い込み飛ぶ事が出来るナークを出す。
お互いの相性は互角だ。
「試合開始!」
先方は素早いチルタリスがとり、りゅうのまいで能力強化を図ってくる。
ナークもソニックブームを放つが相手の「みがわり」でダメージ無効となってしまった。
さらにはがねのつばさが激しくぶつかり合いすなじごくも無効、すなあらしもりゅうのいぶきでかき消されてしまった。
「うわっ強ぇー!
どーりで1対1なハズだぜ!」
「はじめてあった時から思っていたが・・・面白いくらいに元気が良いな。」
「なんか燃えてきた!
ナーク、ガンガンいこうぜ!りゅうのいぶき!」
「チルタリス、こちらもりゅうのいぶきだ!」
「ビーバッ!」
「チルルッ!」
再び双方の技がぶつかりあった。
それにより激しい爆発音が町に鳴り響く。
普通であれば人々がうろたえるハズだが・・・
「今日もジム戦じゃのぉ」
「ナギさん相変わらず強いわねー」
「流石というべきですかな、わっはっは」
・・・・などと呑気である。
そんな町の様子など知る由もなく2人はまだまだバトルを続行していた。
激しい技のぶつかりあいが続いていたがまだまだナギの方が一枚上手だ。
「キミはよく戦った・・・だがここで終わりだ!
はかいこうせん!」
「ナーク、よけろ!」
「遅い!」
トップクラスの威力の技がバトルフィールドを襲い辺りに土煙が広がった。
視界が開けたとき空を飛んでいたのは・・・チルタリスだった。
「ここでおわったな・・・」
「んなことねぇってーの!
おいナーク!お前はここでくたばるような奴じゃねぇよな!?
お前が強い事も頑張っていることも全部オレは知ってるんだぜ!
だから出てきて証明してやれよ!
お前が強い事を見せてやれーっ!」
クウヤの声が届いたのか、瓦礫がガタガタ動き出しそこにいた全員が驚く。
やがて瓦礫から光が漏れ天まで伸びた。
光は一つの生物へと姿を変え大きな羽を羽ばたかせながらその姿を現した。
「ナーク、ナークなんだよな!?」
「フラァァ!」
せいれいポケモン、フライゴン。
それこそがナークの進化した姿だった。
「フラァッ!」
「すっげぇ〜!進化した!」
「ふっ、そうこなくてはこちらもつまらない!
チルタリス、ゴッドバード!」
「ナーク、はがねのつばさ!」
今度はナークが力で勝ちチルタリスを地面にたたきつけた。
ひるむチルタリスにりゅうのいぶきを浴びせる。
それによりチルタリスは戦闘不能・・・勝利したのはクウヤとナークだ。
「やったぁー!ナーク最高!」
「フラァー!」
「え・・・うぉわ!」
「クウヤくん!」
ナークは一方的にクウヤを自分の背へ乗せそのまま高く飛んでいった。
それはもう気持ちよさそうに。
クウヤも最初は驚き戸惑ってたがすぐにその表情は満面の笑みに変わった。
「ひゃっほぅ!気持ちいいー!」
「フィー」
「あ・・・バッジ!
ナーク、飛ぶのはあとな!」
「キュ・・・」
少し名残惜しそうに着地しクウヤを降ろすとナギが駆け寄ってきた。
「素晴らしい。チルタリスは私のポケモンの中でも最も強いのだがキミはそれを超えた。
キミの実力を認め、このジムを勝ち抜いた証であるこのフェザーバッジを授与しよう」
「ありがと、ナギ!」
「・・・どうだった?」
「え?」
「先程空を飛び回った気分は」
ナギに言われて、クウヤはさっきのことを思いだし、笑顔で話した。
「ちょっと最初びっくりしちゃったけど・・・とっても気持ちが良くて楽しかった!
オレがずっと見てた空ってこんなに気持ちが良くてスカっとするもんなんだなーって」
「そうか。
迷ったりくじけそうな時は空を見ると心が安らぎ再び力が湧いてくる・・・私も一緒だ」
「そっか・・・そうだよな、うん!」
いつの間にか空は赤みがかかり夕暮れになっていた。
これはこれで美しいものだ。
「オレの名前は空矢・・・。
空へ何度でも飛んでいく矢、か・・・」
かつて見た夢を思い出す。
覚えてないのに懐かしい感じのする、あの夢を。
もし自分に名前をくれた親に会えたならその時は感謝したい。
大好きな空の名前を与えてくれた事を。
説明 | ||
今もときどき、この町の名前を間違えます。 | ||
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