Triangle Goddess! 第15話「英霊として」
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 アインヘリアルとなったエルダーは、ラグナロクに備えてヴァルキリーに鍛えられていました。

「せぇいやっ!」

「振りが遅い!」

 エルダーは高速で剣を振り下ろしましたが、それでもヴァルキリーからは「遅い」と言われました。

「はぁっ……。それでも遅い、と言うのか……」

「相手となる巨人の攻撃はそれ以上に速いぞ?」

 ラグナロクでアインへリアル達が相手にする巨人は、非常に高い身体能力を持っています。

 動きが遅いかと思いますがそうではなく、動きの速い巨人も存在します。

 そのために、ヴァルキリーは厳しい訓練をアインへリアルに積ませているのです。

「あと素振り何回やればいいんだ?」

「5000回。お前ならできるだろう?」

「……分かった」

 ヴァルキリーに言われ、エルダーは素振りを5000回行いました。

 

「はぁ、はぁ、はぁっ」

「よし」

 ようやく、エルダーは5000回素振りを行いました。

 しかし、彼の表情には疲労が見えました。

 神の力を与えられているとはいえ、立場としてはジャンヌら三女神同様「見習いの神」なのですから。

 

「巨人は、どれほどの強さなんだ……」

「それは分からない。だが、強敵なのは確かだ。それまでに訓練を積んでおけ」

 

 ヴァルキリーの訓練が終わった後、エルダーはアインへリアルに声を掛けられました。

「訓練お疲れ様! やっぱりゲイレルル様の訓練は厳しかったわよね」

「ゲイレルル様?」

「知らないの? さっきあなたに訓練をつけてくださった黄金のヴァルキリーなのよ」

「そういう名前だったのか!」

 エルダーの魂を選定した黄金のヴァルキリー・ゲイレルルの訓練は厳しい事で有名です。

 しかし、彼女の訓練を受けた者は、非常に強いアインへリアルとなる事でも有名なのです。

「私の担当はスケッギョルド様だったからなぁ。いいな〜」

「……あの鬼のような訓練を受けたいか?」

「や、やめておきます;」

 スケッギョルドもまたヴァルキリーですが、ゲイレルルよりも訓練は緩めなのです。

 その分、積まれる経験値はゲイレルルよりも減りますが……。

 

 その頃、ヴァルキリー達はというと。

 

「トールがアスガルドを抜け出したようです」

「何!? またミッドガルドに行っただと!?」

 オーディンの子・トールが行方不明になった事を知らせました。

 アールガルドにおいては、下界の事を「ミッドガルド」と呼ぶのです。

 それに対し、この神界の事を「アスガルド」と呼びます。

「ええ。ミッドガルドの様子を見てみましたが、その通りのようです」

「我の子でありながらもその自覚が無いとは……。一刻も早く、アスガルドに連れ戻すのだ!」

「御意」

 オーディンの命令で、ヴァルキリーは下界に向かう事になりました。

 

 アールガルドも色々と大変なようです……。

説明
神界サイド、すなわちエルダーのターン。
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