マイ「艦これ」「みほちん」:第11話(改2.3)<心配> |
(何事も当たって砕けろだ)
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マイ「艦これ」(みほちん)
:第11話(改2.3)<心配>
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「ここの指令室は24時間は動いていないんだな」
私の問い掛けに祥高さんは答えた。
「はい。美保は駆逐艦が主体ですから、まだ索敵や哨戒が主任務です。大規模な戦闘になれば、どうしても舞鶴や佐世保から支援出撃することが多いです」
彼女の言葉に私は腕を組んだ。
「なるほど。まだ鎮守府と言うよりは守備隊みたいなものか」
「はい」
そして彼女は苦笑した。
「それにもし電探に感あれば鎮守府の何処にいても走って対応出来ますから」
「あ、そうか狭いから」
私も笑った。
二人で執務室に戻ると鳳翔さんが来た。
「司令、朝の戦闘で、お召し物が汚れて……お着替えも焼けたとか」
「あぁ」
「作業着なら新品の替えが御座いますので、お持ちしましたが」
そう言いながらも申し訳無さそうな表情だ。
「司令官に、このような服を着て頂くのはちょっと……どうでしょう?」
彼女から作業着を受け取った私は早速立ち上がってそれを広げてみた。
「良いな」
サッパリしている。
「ありがとう。新しければ何でも有難いよ」
「かしこまりました」
鳳翔さんもホッとしたようだ。
「山陰地方の夏は高温多湿だからなあ」
私は呟くように言った。
「ただ、ここは浜だから海風が吹く。実は私も詰襟服は苦手でね。むしろ作業着のほうが気持ち良いな」
その言葉を受けるように鳳翔さんが確認した。
「あの……司令、お食事は、どちらでなさいますか?」
時計を見ると、もうお昼になっていた。
「もう、そんな時間か」
(朝から、いろんなことがあり過ぎだ)
私は聞いた。
「ここにも食堂、あるよね? 隊員が食べる場所」
「御座いますけど……あの」
鳳翔さんは心配そうな顔をした。
「一般兵の施設ですが、よろしいですか?」
私は軽く応える。
「構わないよ。司令と言えども引きこもっていては指揮もし辛い。それに皆(艦娘)の顔も見たいからな」
これは私の経験からも、そうしたいのだ。
「お言葉ですが……」
鳳翔さんは言い難そうだった。
すると祥高さんが説明するように続けた。
「艦娘だけの鎮守府ですから司令と艦娘が、お互い直ぐに馴染めるか心配なのだと思います」
「ふーん」
私は深く椅子に、もたれ掛かって後頭部に手を廻した。
艦娘の人格部分は普通の少女だ。男性の帝国軍人とは、あまり接点が無い。
(それに艦娘に直ぐ馴染むのは私の性格からも難しいだろう)
「でもなあ」
呟いた私は彼女たちを見た。
「今後、戦闘していく上で彼女たちと一蓮托生(いちれんたくしょう)になるんだ。綺麗ごとだけでは済まされないだろう?」
「……」
二人とも無言。
改めて気付いたが、この二人は口数が少なく大人しいところも似ていた。
私は表情を緩めて彼女たちに言った。
「敵も、今朝みたいに急に攻撃してくることもあるだろう?」
「はい」
返事をしたのは祥高さん。
私は窓の外を振り返った。そこには蒼い美保湾が広がっている。
「食堂で食べるよ」
『……』
「問題があるなら前もって皆に伝えておいてくれ。最初から外したい子は、それでも構わない」
「はい。では仰る通りに致します」
鳳翔さんは、お辞儀をすると退室した。
(彼女の場合は敬礼でなくても、しっくりくるな)
そんな取り留めの無いことを思った。
しかしこの先、果たしてどうなるのか? ちょっと不安だ。
だが、ここは私の地元。何事も当たって砕けろだ。
それに美保は新設の鎮守府だ。まだ小さいから、ほとんどの艦娘たちは他所(よそ)から赴任しているのだろう。
そんな彼女たちに対抗しうる唯一の利点が、私は地元出身だということ。
(ま……それだけ)
私は苦笑した。
「しかし、こんな形で故郷に戻るとは」
呟いた私に窓から入る海風が心地好い。
(やっぱり海は良い)
それは、この不安を一緒に拭い去ってくれるようだった。
以下魔除け
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「秘書艦(仮):第一部」の略称です。
説明 | ||
私は秘書艦に昼食は食堂でとることを伝える。心配顔の鳳翔さんに「大丈夫」と答えるのだが。 | ||
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