ポケットモンスター トライメモリーズ 第45話 |
第45話:アクア団の強襲!
「ついたぞ、ミナモシティだー!」
道中様々な、主に迷子を理由にした紆余曲折がありつつもクウヤは無事、ミナモシティに到着した。
ここ、ミナモシティはカイナ以上の港町であり大都会だ。
ポケモンコンテストの会場や、ホウエン一大きいといわれる立派な美術館、高層デパート、素晴らしく広い港。
「おもしろいことがたくさんありそうだな!」
そんな港町に少年は胸躍らせながら腰のボールベルトに手をかける。
「じゃ、ポケモンセンターで休んだら速攻で船でトクサネシティ!
一気に行くぞーっ!」
クウヤはそのまま街の中へ突入した。
その様子を見られているとも知らずに。
数時間後、ポケモンセンターで手持ち全ての回復を終えるとクウヤはトクサネ行きの船に乗るため港へ向かった。
「フンフフーン♪
次の相手はどんな奴なのかな〜、あーもう楽しみだ、早く戦いたいぜ、とにかく強い奴と!」
「シャーモ・・・」
トクサネはまだ遠いというのに今からはしゃいでどうするんだ、とアーチは呆れた目でクウヤを見ている。
だがすぐに何かの気配を察知すると立ち止まった。
「どうした、アーチ?」
「シャッ!」
「うわ!」
突如何かが飛んできた。
アーチはクウヤを抱えジャンプしそれを回避する。
どうやら飛んできたのは「はっぱカッター」のようだ。
すぐさま攻撃の犯人を探し出し、再びはっぱカッターが飛んできたその方向にアーチがめざめるパワーを放つ。
「だれだ!出てきやがれ!」
「ほーぅ、ガキの割りに強い。噂どおりだな」
「・・・お前はアクア団!」
物陰から出てきたその男にクウヤは対抗心むき出しにする。
側には男のポケモンであろう、ハスブレロがいた。
「てめぇこの街でなにするつもりだ!」
「用があるのは・・・キサマのみだ」
「なんだと?」
「オレ達の計画に邪魔なガキが今3人ほどマークされててな・・・そのうちの1人なんだよ、お前は」
「・・・」
ますます睨んでいる目を鋭くさせるクウヤ。
アクア団も笑みを増しハスブレロに指示を出す。
「ハスブレロ、みずでっぽう!」
「アーチ、かわしてスカイアッパー!」
そのスカイアッパーがハスブレロを吹き飛ばすが吹っ飛びながらも繰り出されたタネマシンガンを受ける。
相性以上に鍛えまくったアーチはそれに余裕で耐え抜き火炎放射を食らわせる。
水と同時に草タイプを持つハスブレロはそれなりのダメージを受けた。
怯んでバランスを崩したハスブレロにでんこうせっかを食らわし倒す。
「よしっ」
「戻れハスブレロ! 次はおまえだ!」
アクア団はハスブレロを戻すと次にホエルコを出す。
クウヤもアーチを戻してエーネを出し戦う。
「のしかかり!」
「かわしておうふくビンタ!」
ホエルコののしかかりを回避しおうふくビンタを連続で命中させる。
負けじとホエルコもみずでっぽうを放つが、エーネはそれを軽々とよけた。
「よしエーネ!ねこのてだ!」
「なにぃ!?」
エーネの発動した「ねこのて」は雲を呼び寄せホエルコに雷を落とした。
これによりホエルコは戦闘不能。
「初めて使ったけど、すげぇ技だな」
ねこのては自分の手持ちポケモン全ての中からランダムで技を繰り出す まさにメリットとデメリットが表裏一体となった技だ。
先程出たのはピーカの「かみなり」。
「へっへへ、ここまでくる途中もお前いっぱい修行して強くなったもんな!」
「ネェー」
「取りあえず戻って休めよ」
クウヤはバトルが終わったということでエーネをモンスターボールに戻した。
しかし、その行動が仇となってしまった。
「スキあり!」
「なっ・・・うぐぁ・・・!」
突然背後から殴られクウヤはそのまま倒れる。
先程戦ったアクア団とはまた別の団員だ。
打ち所が悪かったクウヤはそのまま意識を失った。
「こいつがリーダーとシグレ様が言ってたガキか」
「おぅ、ガキだと思って油断した俺が馬鹿だった。
見た目に合わずめっちゃ強いぞ」
「負けたんだろ。
オレは今待機しておられる幹部のウシオさんたちとずっと見てたんだ。
さっきのバトルを全てな」
「・・・・!」
「だが安心しろ、シグレ様は心お優しい方だ。
その方の提案により弱い奴は
失脚処分という話はなくなった。
お前はまだアクア団でいられる」
「ほっ・・・・それなら大丈夫だな、安心したぜ。
んで、こいつはどうするつもりなんだ?」
「それについてだが」
アクア団はクウヤのモンスターボールをベルトごと奪い取る。
「こいつのポケモンを没収しアジトに閉じ込める。」
「は?」
「これはリーダーからではなくシグレ様の命令だ」
「わ・・・わかった。にしても・・・
わざわざ始末もしないで閉じ込めるだけとは・・・・。
なぁ、最近のシグレ様おかしくないか?」
「・・・・・さぁ?
オレにも分からんな。
今回は単にあの方が殺傷を好まないからかもしれないぜ?」
「それもそうだな」
アクア団はクウヤを担ぎ上げるとアジトへ帰っていった。
―――アクア団のアジト。
ミナモ近辺の岩をえぐり作り上げた機械的なところだ。
そこは先程の2人と少年・・・シグレの姿があった。
「シグレ様、例の少年は牢に閉じ込めております」
「そうかい、連れてきてくれてありがとう。
あぁそうだ・・・・彼のボールは僕が預かっておくよ」
「あ・・・はい・・・・?」
シグレは男からボール付きベルトを受け取る。
アクア団の下っ端2人が出て行くと、シグレはなにか決意を浮かべていた。
「・・・・・」
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