ポケットモンスター トライメモリーズ 第50話
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第50話:いざ、ルネシティへ・・・!

 

「ありがとうクウヤ。ランを助けてくれて」  

「それに、宇宙センターのロケットの燃料も無事に守ることができたしね。」

「気にすんなって!」

 

あの事件から数分、クウヤはフウやダイゴから礼を言われる。

そこには双子の父親である宇宙センターの長までいた。

 

「それにしてもマグマ団・・・燃料を何に使うつもりだったんだ?」

「あ」

「そのことについてだが、どうやらすべて煙突山の溶岩に注ぎ込もうとしてたようだ。

捕らえた下っ端たちが白状したよ」

「えぇっ!?

そんなことしたら噴火しちゃうじゃないの!」

「そのとおり」

 

ダイゴの話に3人は驚く。

特にクウヤにおいては一度えんとつやまで火山の噴火を目論む現場に居合わせその野望を打ち砕いたのだから。

 

「ヤツらしつけぇーな!

まぁーだ火山の噴火を狙っていたのかよ!」 

「・・・のようだね」

「やっぱりクウヤ、奴等と戦ったことあるの!?」

「ああ。

おまけにアクア団に・・・・・・・あ・・・・・・・・」

 

クウヤは思い出した。

 

アクア団の少年との約束を・・・。

 

いまだにアクア団の動きはわからないが、それでもなんとしてでも、奴らを止めなければならない。

 

「どうしたんだい?」

「・・・オレ、アクア団をぶっとばさなきゃ・・・とめなくちゃいけない。

大事なことを忘れちまうとこだったぜ」

「!君は・・・・」

「ダイゴ」

 

クウヤは何か言いかけたダイゴをさえぎる。

 

「あんたの言いたいことはわかる。  

ダイゴが思ってるとおり、オレはまだ12歳の子どもだ。」

「・・・」

「でもオレはもう弱くないぜ!

みんなと・・・友達と仲間と、ポケモンと、今までずっと一緒にがんばって、強くなれたと思うんだ!

だから何度あいつらとぶつかって戦ってここまで勝ち抜いてこれたんだ!」

 

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「・・・そう、だね。

すまない、僕は君を侮っていた。

過小評価しすぎてたのかもしれない。」

「えへへ、わかってくれたんならいいよ」

 

無邪気で陰りのない笑顔を見せるクウヤ。  

それを見何かを思いつくと、石を取り出し少年の前に差し出す。

 

「これは?」

「月の石、ですね?」

「そうだ。

これがあれば君のエネコはエネコロロに進化することができる。

使いどころは君次第だけどね」

「オレ、次第・・・」

 

クウヤは月の石を、じっとみつめる。

 

「・・・それじゃ、僕はまだやらなければならないことがあるんだ。

ここで失礼するよ」

「あ、ああ・・・サンキューな」

 

クウヤのお礼にたいし静かにほほえむと、ダイゴはエアームドでどこかへ飛び去っていった。

 

「いい人だけど、妙にマイペースなんだよな・・・ダイゴって」 

 

彼の去った方向を見て、クウヤはそう呟くのだった。

 

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その夜、クウヤはフウとラン、そしてその両親の気配りによって晩飯をご馳走になる上にとめてもらうことになったのだった。

 

部屋は、フウと同室だ。

 

「なんかデジャヴ」

「クウヤ、入っていい?」

「ラン?いーぜー」

 

部屋に入ってきたのはラン。

クウヤは何も気にせず招き入れる。

  

「フウはお風呂?」

「あぁ。

ラン、どうしたんだ?

捕まった時の疲れがまだ残ってるのか?」

「ううん、違うの。

あ、あのね」

「?」

「月の石なんだけどね、満月に使うと良いって聞いたことがあるの」

「満月?」

 

ランの話に対し、クウヤは首を傾げる。

 

「色々な話があるんだけれども、願い事がかなうとか、その石を使ったポケモンには輝かしい未来があるとか・・・!」

「うーん・・・よくわかんねぇけど良いことがあるっつーことか?」

「・・・まぁ、そんなトコロかな?」

「でも今日は満月じゃねーから無理だな」

「そうね・・・」

 

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「クウヤは明日の船でルネシティへいっちゃうんだもんね」

「ああ・・・久しぶりだよ」

「あそこにはあなたの家族がいるの?」

「いないぜ。」

 

クウヤの言葉にランはえ、と目を丸くした。

 

「オレはあそこで生まれたわけじゃねーし。

育った家族は血がつながってないし家族と見られてねぇし、 基本嫌われてるからなぁ」

「そんな・・・」

 

そんなにつらい秘密を持っていたことを知らなかったランは目を丸くする。

その後フウも入ってきて3人でいろんな話をした。

 

クウヤは気にせず旅のルーツを話せば驚かれる。

 

しかし話を弾ませれば弾ませるほどお互いをよく知り合い友達としての絆も深まっていった。

 

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翌日、クウヤは船でルネシティへ旅立っていった。 

ランとフウに見送られながら。

 

「いろんなことがあったな、トクサネシティ」

「シャー」

「ま、フウとランと友達になれたし、 ジムバッジもゲットできたからいいか」

 

そう、クウヤはトクサネを出る前に二人のジムリーダーからトクサネジムのバッジ、マインドバッジをもらっていたのだ。

 

宇宙センターの一件の礼であり、彼のバトルを見た二人(特にラン)が その実力を認めたのだ。  

7つのバッジがはめこまれたバッジケースを リュックに戻すとクウヤはつぶやく。

 

「次はルネシティのルネジム・・・おじちゃんがあいて、なんだよな・・・」

「シャーモ?」  

「アーチ、次のジムリーダーはオレがとっても世話になった人なんだ。

でも負けたくない。

どんだけ勝つことが失礼で、その人を裏切っちゃうことになっても・・・

オレはここまで仲間たちとがんばってきた、

強くなったということを見せたいんだ。」

 

第一、彼が優しいことは知っているから・・・もしかしたら、受け入れてくれるかもしれない。

強くなった自分を認めて、喜んでくれるかもしれない。

 

「ここまで一緒にいてくれたお前たちのため、 今までオレを助けて一緒にバトルしてくれたたくさんの人のため!

だから負けたくない、勝ちたい!

アーチ、これからもオレと一緒に戦ってくれ!」

「・・・シャーモ!」

 

主の言葉に、思いに、声に。

クウヤのまっすぐな気持ちにポケモンは、アーチは応えた。

 

説明
ついに50まできましたが、まだ終わりません。
しつこいほどに続きます。
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