Triangle Goddess! 第16話「海賊との出会い」
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 その頃、下界では三女神が土のミリオーネを探していました。

 彼が結界を作っている、とゲールは推測しているからです。

 

「しかし、彼の姿が見当たりませんね……」

 が、そう簡単にミリオーネが見つかるはずがなく、三女神は困っていました。

「あっ! ゲール、わたくしの力を使えば!」

 その時、ジャンヌが何かを閃きました。

 自分の風の能力を使って、ミリオーネを探そうとしたのです。

「そうか! お姉様の力を使えばいいのですね!」

「ええ……。ウィンド・ルモール!」

 ジャンヌは風の言葉を唱え、近くにいる人を探しました。

―ビュウッ

「!」

「見つかった? お姉ちゃん!」

「……五時の方向に、海賊の姿がありました!」

「海賊!?」

「……ミリオーネじゃないんだね。でも、行かなきゃ」

 ミリオーネではないため妹二人はがっかりしましたが、今は贅沢を言っている暇はありません。

 使者と共に、その海賊のところに行くのでした。

 

「おや? お前達は一体……」

「あ、わたくしはジーンと申します。こちらはゲルダとヴィアです」

「その従者のヴァルン・ジークスだ」

 ジャンヌ、ゲール、バイオレット、そして使者はその海賊に偽名を名乗って話しかけました。

「(どうやら敵意はなさそうだな、こちらも話しておくか)私は逆戟蒼海団の団長、青鮫のレオーネさ」

 その海賊は、レオーネと名乗りました。

 しかし、海賊と聞いた途端、ジャンヌ達は震えました。

「海賊!? まさか、密売とか……」

「するわけがないよ。私達は決して、金持ち以外からは奪わない。

 貧しい奴らが困っていたら奪ったものをそいつらに渡す。そして、麻薬や奴隷は許せない。

 どうだ? これで信頼するか?」

「……は、はい」

 レオーネは、逆戟蒼海団は海賊だが義賊である事をジャンヌ達に話しました。

「それで、あたし達に何かできる事はある?」

「ああ、そうだな……少し、頼みを聞いてくれないか?」

「頼み?」

「実は、海賊を許せないとか言って、緑の服を着た男が悪事を働いているんだ」

「緑の服を着た男?」

 それを聞いたバイオレットは、それがミリオーネではないか、と推測しました。

「私達で何とかしたいのだが、逆戟蒼海団のポリシーで無益な殺生をしてはいけないからな」

「という事は、私達が代わりに倒せ、って事ですか?」

「そういう事だ」

 つまり、レオーネが率いる海賊団は無益な殺生ができないため、

 代わりに三女神が倒す事になったのです。

「でも、肝心の彼はどこにいるんでしょうか?」

「ついてこい、船がある」

「はい」

 レオーネに言われ、三女神と使者はレオーネの船に乗りました。

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「これを見てみなよ」

「うわぁ……」

 そこにあったのは、無残な光景でした。

 真っ黒い液体に、ドロドロに溶けた人々の遺体……。

 どこからどう見ても、悪魔に荒らされたとしか思えない光景です。

「間違いない……これは、誰かが悪魔を召喚したから起きたんだ」

「普通に人を殺しても、こうはなりませんしね」

「この近くに、お前らが探している緑の服を着た男がいるはずだ。

 もっとも、ここからは逃げてしまっているが」

「そうだねえ……」

「ここら辺に生き残ってる奴はいるか?」

「あっ、いました!」

 ジャンヌ達が辺りをきょろきょろと見渡すと、遠くに女の子がいるのを見ました。

 どうやら、彼女はこの惨状で唯一生き残った人のようです。

 

「一体どうしたんですか?」

「ううっ……へんなおとこのひとが、こわいいきものをよびだして、

 わたしのパパとママをころしちゃったの……」

「その男の人は、どこに行ったんですか?」

「あっち」

「あっちですね! 分かりました!」

 ジャンヌ、ゲール、バイオレット、使者、そしてレオーネは、女の子が指差した方へと向かいました。

 恐らくは、その方向に土のミリオーネがいるかもしれないからです。

 

 その頃、土のミリオーネは……。

「フフフフフ……。ここに来る奴は、みんな一網打尽にするザマス……」

 無数の悪魔を従え、どこかで待っていました。

説明
三女神が新たな人間キャラと出会います。
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