Triangle Goddess! 第17話「倒せ!マルコキアス」 |
「一刻も早く、ミリオーネを止めなければ……!」
「そうですね……!」
悪魔による無残な現場を発見した三女神は、より一層ミリオーネへの敵対心を燃やしました。
ミリオーネによる犠牲者を、これ以上増やすわけにはいかないからです。
「あの女の子の事もある、急がなきゃ!」
自分達に道を教えてくれた女の子が犠牲にならない、とも言えません。
そのため、早めに彼を止めなければならない、という思いが、三女神の中にはありました。
「ケケケケケ!」
「キェーッ!」
「邪魔です、ウィンドカッター!」
「シャドウエッジ!」
迫りくる悪魔達を風や影で倒しつつ、三女神と使者達は先へ先へと進んでいきました。
「マジックアップ! ファイアボール!」
使者は三女神の能力を上げつつ、自らも能力を使って悪魔達を倒していきました。
「悪魔に闇は効きにくいんだけど」
「あなたのおかげで、効果的なダメージが通ったよ!」
「ああ」
「待て! 私も急ぐ! ……速すぎて、追いつけないよ!」
一方、人間のレオーネも三女神を必死で追いかけましたが、彼女達の速度には敵いませんでした。
「あいつらは本当に人間なのか? 本当に……!?」
レオーネは気が付きませんでした。
ジャンヌ、ゲール、バイオレット、そして彼女達の従者が、神界から来た「神」だという事に……。
「やっと、着きました!」
こうして、三女神、従者、レオーネはミリオーネがいる場所に辿り着きました。
「げぇっ!? アンタ達、アタシの邪魔をしに来たザマス!?」
「邪魔をしに来た、ではありません! 悪魔を召喚して、町を荒らしたのはあなたですか!?」
「それがどうかしたザマス?」
毅然とした表情でジャンヌに指差されたにも関わらず、ミリオーネは平然としていました。
「やはりあなたは外道中の外道ですね! 覚悟なさい、土のミリオーネ!!」
そう言い、ジャンヌは能力によって風の剣を生み出し、ミリオーネに斬りつけました。
「ギャッ! な、何をするザマス!?」
「姉さん! そんなに怒らなくても……!」
「やめて! お姉ちゃん!!」
ゲールとバイオレットの制止も、ジャンヌは聞きませんでした。
ジャンヌは風の剣で、只管ミリオーネを斬りつけました。
「エアリアルブラスト!」
「ギャーッ!」
ジャンヌが放ったのは、彼女が得意とする風の力を叩き付ける能力「エアリアルブラスト」です。
全力を込めて放ったので、その威力はかなりのものです。
「トルネードソード!!」
「ギャーーーーッ!!」
そして、ジャンヌは風の剣を振り、大きな竜巻を起こしてミリオーネを切り刻みました。
「……よ、よくもやったザマスね……!」
ミリオーネはジャンヌにズタズタにされたため、その表情は怒りに満ち溢れています。
それを見たレオーネは一瞬震えましたが、すぐに振り払い、剣を構えてこう言いました。
「悪いけど、お前はお縄についてもらうよ!」
レオーネを見たミリオーネは舌打ちしました。
何故ならば、レオーネはミリオーネが嫌っている海賊だからです。
「……そこにいるむかつく奴らには、これがお似合いザマス!」
ミリオーネが呪文を唱えると、彼の目の前に悪魔が現れました。
黒い翼の生えた狼の姿をした悪魔、マルコキアスです。
「アンタ達はそいつらを相手にするザマス〜!」
「あ、待ちなさい!」
―シュン
マルコキアスを召喚すると同時に、ミリオーネはテレポートで消えました。
「ギィヤォォォォオオオォォォォォ!!」
「……ボスが現れたようですね!」
「さあ、来い!」
「私が相手してやるよ!」
「負けないからね!」
「……あるべき場所に、帰りなさい!」
ジャンヌ、ゲール、バイオレット、従者、レオーネと、マルコキアスの戦いが始まりました。
「いきますよ! ウィン……どこ!?」
ジャンヌが能力でマルコキアスを吹き飛ばそうとしましたが、姿を見失ってしまいました。
―グサッ
次に姿を確認したのは、ゲールの後ろでした。
「ゲール!!」
彼女の腹部には、マルコキアスの爪が突き刺さっていました。
「大丈夫かい、ゲルダ!」
「はい、このくらい……ヒールライト!」
ゲールは何とか回復魔法で傷を癒しました。
「させないよ!」
レオーネは剣を構え、即座にマルコキアスを薙ぎ払いましたが、その姿はありませんでした。
「速い……!」
「危ない、プロテクション!」
マルコキアスの爪がレオーネを切り裂こうとした瞬間に従者が結界を張り、攻撃を防ぎました。
しかし、その威力は強烈で、レオーネはかなりのけぞってしまいました。
「ギャオオォォォォォオオオオォォォォォ!!」
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
隙を突いたマルコキアスが、闇魔法「シャドウエッジ」をレオーネにぶつけました。
悪魔が使う魔法だけあって、レオーネは大ダメージを受けてしまいました。
「大丈夫、レオーネ!?」
「ああ、これくらい……つっ」
「レオーネは下がって! あたしがやる!」
バイオレットは影を呼び出し、空を飛ぼうとするマルコキアスの動きを止めました。
その隙にジャンヌが風を飛ばしてマルコキアスを攻撃しました。
「強いですね……」
「ああ、恐ろしい強さだよ」
マルコキアスの動きは、恐ろしいまでに速いのです。
現に、三女神側はまだ一撃も、マルコキアスに攻撃を当てられていません。
「一体どうすれば、攻撃を当てられるのでしょうか……」
どうにかして、マルコキアスに攻撃を当てなければ。
ジャンヌ達は慎重かつ急いで作戦を考えていました。
すると、ジャンヌはある作戦を思いつきました。
「グァオオオオオオ!!」
突然、マルコキアスが大きく叫びました。
それと同時に、辺りに煙が現れました。
視界が消えれば、相手の攻撃は当たらないはずです。
「もう、終わりか……?」
そして、マルコキアスが走り出した、次の瞬間。
―ザシュッ
「ギャアアアアアアアア!!」
風の剣が、マルコキアスを切り裂きました。
「何故、攻撃が当たった!?」
「ふふふ、見ていましたか?」
ジャンヌが風の剣を構えながら笑みを浮かべます。
マルコキアスの階級は中の下。
なので、煙を出しても、自分も見えなくなってしまいます。
それを、ジャンヌは利用し、隙を突いてマルコキアスを切り裂いたのです。
「グゥゥゥ……」
風の剣で切り裂かれたにも関わらず、マルコキアスはまだ動けます。
しかし、その動きは鈍っているようで、三女神に見切れるようになりました。
「一気に攻めますよ! 皆さん!」
「ああ!」
「ファストブレード!!」
「テンペスト!!」
「ライフドレイン!!」
「シャドウエッジ!!」
「フォース!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ジャンヌ、ゲール、バイオレット、使者、レオーネは、それぞれが持つ全力の一撃を放ちました。
これらを食らい続けたマルコキアスは、致命傷を負ってしまいました。
「ギ、ギギ、ギ……」
「これで、とどめです! 神技……ゼピュロスジャッジメント!」
ジャンヌは両手を構え、風の魔力を凝縮したエネルギー弾を生成しました。
そして、それをマルコキアスに向かって放つと、凄まじい大爆発が起こりました。
その威力は、人間の魔法では遠く及ばない……まさに「神技」です。
大爆発が治まった時には、マルコキアスは跡形もなく消え去っていました。
「す、凄い……お姉様……」
「さあ、ゲール、バイオレット。帰りましょうか」
「えっ? どうやって帰るんだい?」
「わたくしの手に捉まってください……」
ジャンヌに促され、ゲール、バイオレット、使者、レオーネは彼女の身体に触れました。
「行きますよ。……テレポート!」
その掛け声と同時に、ジャンヌ達の姿は消えました。
説明 | ||
ボス戦。神の敵は悪魔、という事で基本的にボス戦は悪魔が中心です。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
270 | 269 | 0 |
タグ | ||
オリキャラ オリジナル 長編 | ||
Nobuさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |