ポケットモンスター トライメモリーズ 第60話
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第60話 蒼い霧

 

クウヤを先に行かせ、ラカイはアオギリと向き合う。

 

「さて・・・お前の屍を奴に見せつけねばな」

「勝手に決めないでほしいわね!」

 

アオギリのドククラゲに対抗してラカイはポワルンのポワンを出した。

 

「私のこのドククラゲにそのような小さいもので挑もうとはな」

「甘く見るんじゃないわよ、ポワンお願い」

 

ポワンの姿がみるみるうちに変わった。

アオギリは気にすることなくドククラゲにバブルこうせんを指示したがいまひとつだった。

 

「む?」

「あいにくね、今のポワンは水タイプよ」

「ならば、ヘドロばくだんだ! うてぇ!」

「そんなもの簡単に打ち砕けるわ、シャドーボール!」

 

ポワンの一撃はヘドロばくだんをうちけしそのままドククラゲに命中し小さな爆発を起こしてすかさず追撃でかみなりを落とす。

 

「なっ・・・」

 

かみなりを受けたドククラゲは戦闘不能になった。

いくら効果抜群だからといってもまさかあっさりおちるとは思ってもいなかったアオギリは開いた口が塞がらないのだった。

 

「・・・!」

 

それは試合を見ていたシグレも同じだった。

 

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「このまま下がるものか!

ゆけルンパッパ!」

 

もはや自暴自棄なのだろうか、アオギリは勝負の手を止めようとしない。

ラカイはすぐにポワンを下げてルンパッパに相性で有利なムアを出す。

 

「ムア、ドリルくちばし!」

「耐え抜いてギガドレイン!」

 

しかしギガドレインで回復できる体力は少ない。

ラカイは攻撃の手を休めずにはがねのつばさでハイドロポンプを打ち消して突撃、そのまま反撃の隙を許さないままつばめがえしをヒット、ルンパッパは吹っ飛ばされる。

 

「まだ倒れないなんて相当な耐久力の持ち主ね」

「ルンパッパ、れいとうビーム!」

「だけどこれでおしまいよ!

かげぶんしんからのドリルくちばし!」

 

れいとうビームは影を貫通しドリルくちばしは再びルンパッパに刺さりルンパッパは戦闘不能になった。

 

「これでよしっ!

お疲れムア、一度戻って休んで」

 

ラカイはムアをさげる。

 

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一方的にやられてるアオギリはふたつのモンスターボールを構えて投げつける。

 

「このまま・・・このまま貴様に負けたまま果ててたまるかぁ・・・・!

こうなればもはやルールなどというもの知ったことではないわぁ!!」

 

その場に繰り出されたのはサメハダーとシザリガー。

彼の暴走にあきれながらもラカイの表情は余裕だ。

 

「2対1・・・まぁいいわ、これくらい余裕よ」

「余裕をほざいてられるのも今のうちだ!」

「というわけでここはあなたの出番よ、キッサ」

 

ラカイが出したのはキノガッサのキッサ。

相性のいいポケモンを出してきたことに対しアオギリはますます感情的になり同時に攻撃を指示した。

 

「サメハダーかみつけ!

シザリガーはそこにれいとうビームをうちこめ!」

「かわして!」

 

キッサは高くジャンプして交わす。

 

「ぐ・・・もう一度だ!」

「もういちどかわして、サメハダーにタネマシンガンを

さらにシザリガーにマッハパンチ」

 

この状況でもラカイは取り乱すことなく冷静に対処するラカイ。

性懲りもなく攻撃を仕掛けてくるサメハダーとシザリガーにたいしても

 

「そのまま、きのこのほうし」

 

補助技を指示して2匹の動きを封じる。

動きが止まったサメハダーとシザリガーにアオギリは焦りと怒りが混じった感情をあらわにする。

 

「ええい・・・このできそこないが・・・」

「そのままきあいパンチ!」

 

2匹が眠っている隙に力をためたキッサは助走をつけて2匹同時に殴りとばす。

 

「うぐはっ!」

 

ポケモンごと壁にたたきつけられアオギリはそのまま気を失った。

 

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「うぅん、ちょっとやりすぎたかしら?」

 

ラカイは気絶したアオギリの様子を伺う。

 

「でもこうでもしないとさらに悪あがきしそうだし」

 

仕方ないか、と腰に手を当て小さくため息をつくとシグレの方を向きそっちへ歩いていく。

 

「シグレ」

「・・・ラカイ、さ」

「ううん、もう謝らなくていいわ。

最後にあなたは勇気を出してアオギリと戦った、それだけであなたは立派なポケモントレーナーよ!」

「・・・」

 

シグレはうつむく。

 

「どうかしたの?」

「外にでたらチャンピオンがいる・・・ということは・・・父さんは今までやってきたことからして恐らく投獄されるかもしれない・・・」

「・・・そうね・・・それは避けられないわ。

いくらあなたのお父さんといってもアクア団のリーダーであることも、今まで多くの悪行をやってきたことも変わらない。

そこは、わたしにもフォローはできないし帳消しなんて望めない」

 

それを聞いてうつむくシグレ。

でもラカイは彼に向けて迷うことなく手をさしのべる。

 

「だったら、何年かけてでも罪を償うしかない。

それ以外にアオギリもシグレも救われる方法はないとわたしも思うな。

少し厳しいかもしれないけどね・・・大丈夫よ。

わたしが助けてあげるから、ね!」

 

そういい、手をさしのべる。

おそらくクウヤがレックウザにたどり着いたことを感じたのであろう。

 

「さあ帰ろう、わたしたちのホウエン地方に」

 

ラカイの微笑みに、シグレは涙を流した。

 

説明
7月になっちゃいましたが、完結も近いので一気に行きます
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