ポケットモンスター トライメモリーズ 第63話
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第63話:ルネジム!最後のバッジ!

 

「これより、ルネシティジムリーダー・アダンとポケモントレーナークウヤによるジム戦をはじめます!

 

あの戦いから早2日、クウヤとポケモンは全快しなかなかの感じにバトルの準備が整ったルネシティの中央でジムリーダー・アダンとのバトルをすることになったのだ。

そこを囲む岩山のあちらこちらにはルネの人々が観戦しており今後の街の復興に向けて、この試合を見て士気を高めようとしていた。

 

「ルールは3対3! よろしいですね!」

「ええ」

「おぅ!」

 

リクガもラカイも再会を約束してそれぞれ別の道へ行った。

自分もここでじっとしていられない、とクウヤもいまここで最後のジムバッジを手に入れようと希望を持って挑む。

アダンもまた、そういうクウヤの気持ちに応え全力で勝負することを決めていたのだった。

 

「では・・・バトル、スタート!」

 

審判のそのかけ声と同時に、2人はバトルフィールドに向かってボールを投げる。

 

「行くのです、ラブカス!」

「いけぇ、エーネ!」

 

ポケモンの登場とともにバトルが始まった。

先手を取ったラブカスでいきなり混乱を狙っての「てんしのキッス」を繰り出してきたがエーネはそれを回避しアイアンテールで攻撃する。

エネコからエネコロロへ進化してパワーアップしていることだけあって 一気に頼もしくなり、追撃のでんげきははラブカスに大ダメージを与えた。

 

「ラブカス、このまま攻撃しますよ!」

 

このバトルを楽しむクウヤに釣られアダンもいつもと違う戦い方を見せる。

 

「きゃー、アダンさま今日はいつもと違うわ!」

「攻撃的な攻め方もステキー!」

 

そのバトルを見る人々も徐々にテンションが上がってきていた。

 

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「ろぜっ」

「うん、それだね。

クウヤ・・・良いバトルをしている。

これだったらこの対決の勝敗はわからないな」

 

もちろんそれはクウヤやアダンと深いかかわりを持つ彼―セイ―も例外ではなかった。

今目の前に繰り広げられているポケモンバトルに心が強く動かされ顔がほころぶ。

 

――だが

 

「これはなんとしてでも、アダン殿に勝っていただかなければな」

「そうねぇ、あんな汚らわしい小僧には負けてもらわなきゃねぇ。

それも・・・無様で醜く恥をかかせてねぇ」

「!!あなたたちは・・・!」

 

セイの両親である貴一夫妻は、まだクウヤのことを認めていなかったのだ。

今まで7つのジムを勝ちぬき、かの2匹の超古代ポケモンの戦いを第三の超古代ポケモンを呼び覚ますことで止め、ルネだけでなくホウエン全土を救い出したというのに・・・・とセイは見損ないつつロゼリアを抱え彼らの元へ向かう。

 

「さっきのこそこそ話聞きましたよ・・・何をするつもりですか!?」

「ん? ・・・・はて、誰だったかな?」

「!!」

 

父親の返答にセイは驚愕する。

 

「・・・・そうきましたか、半分予想通りでしたが。

でも、クウヤとアダンさんの戦いの邪魔は・・・させませんよ」

 

悪びれた様子など微塵もなく息子を他人のようにあしらう男にセイは一瞬絶望感を感じたが、元々そういう人間だったと思い直しネイティオを出す。

 

「なにをするつもりだ!?」

「あなた達の持ってるそれを・・・ぶち壊す!

ネイティオ、サイコキネシス!!!」

 

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―――クウヤとアダンの戦いは技と技がぶつかり合うたびに激しさを増し、 観客はみな、息を呑んでその様子を見守った。

ラブカスとエーネは同士討ちとなり、今はランターンとピーカのバトルだ。

 

「れいとうビーム!」

「かわしてアイアンテールだ!」

互いに電気タイプを持ち、さらにランターンは「ちくでん」というやっかいな特性を持っている。

水技の「みずのはどう」を連続で打ってくるランターン、それを電気技で打ち消しながら隙をついてでんこうせっかで攻撃するがそれだけでは決定打にはならない・・・。

 

「うーん、どうしたらいいんだ?」

「ランターン、れいとうビームです!」

「やばっ! ピーカ、かげぶんしん!」

「逃がしません!

ランターン、連続でれいとうビーム!」

「ピーカ、凍ったところに10まんボルト!」

「!」

 

凍った海面に10まんボルトをうち氷を砕くピーカ。

その氷はランターンに連続ヒットしダメージを与える。

 

「いまだ、たたきつける攻撃!」

 

とどめに威力はあるが命中が低いたたきつける攻撃でピーカは勝利する。

 

「ランターン戦闘不能、ライチュウの勝ち!」

「やーりぃ!」

 

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「・・・クウヤ、本当に強くなりましたね。

さぁ最後の戦いを始めましょう!

・・・キングドラ!!」

 

現れたアダンの最後の一匹・・・キングドラにクウヤは武者震いする。

ただでも強敵と恐れられるドラゴンタイプとして以上に鍛えられているのがよくわかる・・・。

 

「・・・おっちゃんの切り札か」

 

このポケモンは、強い。

 

「でも、負けてたまるかよ!」

 

それでもクウヤは負けたくないとピーカに10まんボルトを指示した。

が、キングドラはそれを高くジャンプして回避しハイドロポンプの一撃で

ピーカをあっという間にノックアウトする。

 

「ピーカ、さんきゅ・・・やっぱぱねぇや」

 

にらんだとおりさっきまでの2匹とは違う強さにクウヤは驚くも持ち前の負けず嫌いさを発揮し、最後の一匹を繰り出す。

 

「アーチ、頼むぜ!」

「シャーーー!!!」

「・・・・炎タイプのバシャーモ?

勝負を捨てたのですか?」

「んなわけあるかっつーの!

アーチはうまれて始めて仲間になったオレのポケモンだ、だからこういう大事なところでも信じて一緒に戦える!

相性だってひっくり返してくれる!」

「・・・いいでしょう、私も全力を振るいます!」

 

キングドラがりゅうのいぶきでアーチを狙う。

それをアーチは持ち前のスピードで回避しつつキングドラに接近しスカイアッパーの一撃を放つ。

命中したものの反撃のバブル光線をモロにくらいふっとばされてしまう。

 

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追撃のりゅうのいぶきはかえんほうしゃで迎え撃ち相殺したがえんまくをはかれキングドラを見失ってしまった。

 

「どこだ!」

 

アーチは水上に浮かぶ岩に着地しキングドラの行方を探るクウヤに視線を向け指示を待つ。

 

「・・・アーチ、信じてるぜ」  

「シャー」

「・・・キングドラ、ハイドロポンプ!!」

「そこだアーチ!ジャンプしてかわせ!」

 

姿を現したキングドラの一撃をかわし急接近するアーチ。

 

「いまだ、いけぇー、だいもんじ!」

 

大技を放った後で隙を疲れたキングドラはその攻撃をそのまま食らう。

相性は悪くとも至近距離の大技はかなり効いたようで、キングドラは弱る。

 

「とどめの、スカイアッパー!」

 

スカイアッパーがヒットしキングドラはそのまま海に落ち戦闘不能になった。

 

「キングドラ・・・?!」

「キングドラ戦闘不能!バシャーモの勝ち!

よって勝者は・・・ポケモントレーナー・クウヤ!」

「え・・・やった・・・?

いいいいやったぁぁあっ!!!

ありがとうアーチ・・・みんな!!」 

 

クウヤの声に答えポケモンたちが全員出てきた。

クウヤはポケモン達と共に今、ホウエンリーグ制覇を果たしたのだった。

 

説明
次回でこれ、完結です。
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