うだるような暑さが続く7月下旬。

「みおつくし」2階、天満橋家・テムナの部屋。

「…ん〜♪」

「はぁ、ひんやりして気持ちいいなぁ♪」

「…いやあの、そんなにいっぺんに入られても困るんだけどね？」

飯田橋ミウと天満橋テムナに挟まれているのはスライム娘の池野瑞香。

ミウとテムナは瑞香の腕に顔をうずめて涼んでいるようだが、とうの瑞香はちょっとお困りの様子。

「それにしてもやっぱり暑い日ってこう、やる気も体力もそがれていやになりませんか？」

と、ノートを扇子代わりにしながら話しかけるのは寺内菜乃花。

「あーっ、確かに。特にあたしらセリアンスロゥピィは毛皮があるからなぁ」

と、マオ・スペアが続く。

「でも瑞香ちゃんは一人しかいないし…？」

「いや、全員なんて無理だからね」

ミウに無茶ぶりをされてさらに困り果てる瑞香。

「あ、せやった。もう一人いてるやんか！」

「もう一人？」

テムナのひらめきに、一瞬きょとんとするアンネ・フライベルク。

「もう一人って誰です？」

「ふっふっふ、あの子や！」

テムナが指さした先にいたのは…

「…は、はいぃ！？」

幽霊の児玉麗子だ。突然の出来事に動転している。

「あ、そうか！麗子ちゃん幽霊だから冷たいよねきっと！」

「それは言えたｗ」

「いや、私クーラーじゃないんだけど…」

どこかのんきな勉強会の一幕だった。