幻想郷へ れっつ・ごー!!!:4
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再びアリスさんの家。

バタバタとお人形さんが騒々しく動く。

 

 

 

アリス「皆、紅茶でいい?」

 

ハク「あっ、はい。」

 

魔理沙「おう!!」

 

霊夢「悪いけれど、私はお茶で。」

 

 

 

お人形さん達が紅茶(霊夢さんはお茶)を持ってきてくれた。

 

 

 

上海「……。」

 

 

 

無言でお人形さんが頭を下げる。

 

 

 

ハク「あっ、どうも。」

 

アリス「珍しいわね。上海の方から挨拶するなんて。」

 

ハク「そうなんですか?」

 

 

 

あまりに可愛かったので頭を撫でる。

ちょっと照れているみたい。

 

 

 

アリス「そうよ。…なんか結構、懐いてるわね。」

 

 

 

私の肩にチョコンと上海ちゃんが座った。

 

 

 

ハク「そうみたいですね。なんでだろ?」

 

魔理沙「純粋な所が上海と引き合うんじゃないのか?」

 

ハク「純粋…、ですか?」

 

 

 

上海ちゃんが頬をすりすりしてくる。

 

 

 

アリス「それにしても懐き過ぎっぽいわね。」

 

霊夢「…そろそろ本題いいかしら?」

 

 

 

お茶を飲み終えた霊夢さんが私達に言った。

そういえば、元々ココにはそれを話す為に来たんだった。

 

 

 

ハク「一体なにが起きたんですか?」

 

霊夢「それよりハク。貴女にはこの世界の常識…、っていうかある程度の知識をつけてもらうわ。」

 

ハク「?」

 

 

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霊夢さんが立ち上がり説明を始めた。

 

 

 

霊夢「まずはスペルカードについて。」

 

 

 

どこからともなくカードを取り出す。

 

 

 

霊夢「魔理沙と戦ったのなら分かると思うけど、

   魔理沙はマスタースパークを放つ時はこの私みたいな…」

 

魔理沙「悪い霊夢。スペカは使用しないでマスパ撃ったから、ハクは分からないと思うぜ。」

 

霊夢「…まぁ、いいわ。

   とりあえずこのスペルカード、略してスペカ。

   このカードがまず戦いの基本になるから覚えといて。」

 

ハク「はぁ…。」

 

 

 

スペカと言うカードを手から消す。

私にも使えるのかな…、って何かポケットに入ってる。

 

水符【水華恋歌】、水斬【水雫のシンフォニー】、禁符【涙の雫】、水弾【アクアレヴァリエ】

幻魔【水写月下】etc…

 

これって…、スペカ!?

 

 

 

霊夢「あら?なんだ、持ってるじゃない。」

 

ハク「いえ、これは…」

 

魔理沙「水ばっかだな。単体だけじゃあキツイぜ?」

 

 

 

確かに私の技ばかりだけど、いつの間に…。

 

 

 

霊夢「まぁいいわ、次ね。次は結界について。」

 

ハク「結界?」

 

霊夢「えぇ。この幻想郷は『博麗大結界』によって外の世界…」

 

ハク「つまり私が居た世界ですね。」

 

霊夢「そうよ。続けるわよ。

   早く言えば、幻想郷と外の世界の壁となっているのがその結界なの。

   外の世界の者をこの幻想郷に簡単に入れない為にある結界でもあるわ。

   因みにこの結界は簡単には破れないわ。」

 

 

 

ちょっと待ってください。

じゃあ…

 

 

 

ハク「私はその結界を破って入って来た…、って事になりますよね?」

 

霊夢「そうなるけど、それがこの異変の原点なのよ。」

 

 

 

眉間にしわをよせ、考える風な体勢を取り霊夢さんは言った。

 

 

 

霊夢「結界は『誰かによって意図的に破かれていた』のよ。

   その結果、貴女がココへ偶然はたまた意図的に誰かの手によって入って来たと考えていいわ。」

 

ハク「その犯人は見つかったんですか?」

 

霊夢「犯人の名前は『アオイ』って言うらしいわ。」

 

魔理沙「紫の情報によるとだけどな。」

 

 

 

アオイ…。

もしかしてだけど、もしそうだったら不味い。

ココの人達が居なくなっちゃう。

 

 

 

ハク「早く探しましょう!!」

 

 

 

いきなり立ち上がったせいで、上海ちゃんが落ちる。

それをキャッチして私はテーブルに上海ちゃんを置いた。

 

 

 

アリス「急にどうしたの?」

 

ハク「いいから早くその人を…」

 

 

 

首元に霊夢さんのスペカ、夢想封印を突きつけられた。

 

 

 

霊夢「何か知ってるようね。…まぁ、慌てないで座んなさい。」

 

ハク「……。」

 

 

 

確かに焦ってもしょうがないけれど…。

 

 

 

ハク「アオイは私の師匠であり、目標の人でした。でも彼女は…。」

 

霊夢「?」

 

ハク「死んだ筈なんです。自らの力によって…。」

 

アリス「自らの力に支配されたって事?」

 

ハク「いいえ違います。

  『力を求めすぎたせいで自らの力が膨張し、異次元へと消えてしまった』んです。」

 

 

 

そうだ。

 

『自分の力でこうなるなんてね…。さようならハク…。』

 

彼女はそう言って消えていった。

黒い境に吸い込まれながら…。

 

 

 

?「そうよ、私は愚かだった。」

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背後から聞き覚えのある声が…。

 

 

 

ハク「貴女は…。」

 

葵「久しぶり、柊ハク。」

 

 

霊夢「!?」

 

アリス「いつの間に…。」

 

 

 

落ち着いた口調で葵は言う。

 

 

 

葵「十六夜咲夜…。彼女の『時間を操る程度の能力』よ。

  そしてこれは…」

 

霊夢「なっ!?」

 

 

 

カードを取り出す。

あれは…

 

 

 

葵「射命丸文のスペルカード、風符【風神一扇】。」

 

 

 

風が私達を外へと押す。

 

 

 

葵「吹き飛べ。」

 

 

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窓を突き破り、私達は外へ吹き飛ばされた。

 

 

 

魔理沙「いちちっ…、一体なんなんだよ!!」

 

アリス「宣戦布告…、と見ていいわよね?」

 

 

 

服の汚れをはたきながら、アリスさんが怒り気味に言った。

 

 

 

葵「どうぞ、そう受け取って貰って結構よ。」

 

ハク「一体何のために…」

 

葵「理由?そうねぇ…。しいて言えば強くなるためよ。」

 

ハク「強くなるため?」

 

葵「えぇ。ここの住人は不思議な力を持つと聞いたのよ。

  だから、軽く結界を破いて入ってきちゃったわけ。

  因みに貴女は私が意図的に連れてきて貰ったの。」

 

ハク「連れて来て貰った?」

 

葵「八雲紫…。知ってるわよね?そこの巫女さん。」

 

 

 

霊夢さんを指差す。

紫って、この情報を教えてくれた人なんじゃ。

 

 

 

霊夢「やっぱりね。あのスキマ妖怪め、面倒な事を…。」

 

アリス「ほんっと。面倒な事やってくれるわ。」

 

 

 

へっ?

皆さん、それを知っていて…。

 

 

 

霊夢「大体想像はつくわよ。」

 

葵「なら話は早いわね。」

 

 

 

スペカを取り出す。

確実に戦闘態勢に入ってる。

 

 

 

葵「奇跡【虹色の輝きをもつ未来】。」

 

 

 

辺り一面が光り輝く。

…眩しい。

 

 

 

葵「滅亡【核による惨劇】」

 

霊夢「げっ!!」

 

 

 

核の雨が降ってくる。

あんなのが一気に堕ちてきたら…

 

 

 

ハク「(早く防がなきゃ…)」

 

 

 

でもどうやって?私にはそんな力…。

 

 

 

ハク「水の神が告ぐ。空より墜ちし殺人兵器を消し去れ。」

 

 

 

口が勝手に口走る。

体が勝手に…

 

 

 

ハク「水神【マーキュリーギガブリザード】!!」

 

 

 

空中の核が凍り、地面に当たり砕け散る。

 

 

 

葵「へぇ…」

 

ハク「貴女は私が倒す!!」

説明
今回は戦いに入ります。

なぜ、ハクがここに居るのか
を解明していきます。
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