Triangle Goddess! 第23話「森を元に戻せ!」
[全2ページ]
-1ページ-

 石化したワクノニの森を元に戻すため、三女神とトールは犯人を捜していました。

 

「どうにかして、森を戻さなければなりませんね」

「動物達が可哀想だしね!」

 そう、このまま森を放っておけば、やがて全てが石化してしまい、森が滅びてしまう事でしょう。

 その前に犯人を捜して元に戻さなければなりません。

「でも、どうすればいいんだろう。四使徒には逃げられたし……」

「だったら、四使徒がけしかけた魔物を倒せばいいさ!」

「……そう、ですね!」

 ジャンヌはトールに元気づけられ、犯人捜しのやる気を見せました。

 

 ジャンヌ達は森の中を歩き回りました。

 しかし、犯人はなかなか見つかりませんでした。

 15分は歩いたのですが、犯人の気配はありません。

「犯人はどこに隠れているのでしょうか……」

「これだけ歩き回ったのに見つからないとはな……」

「……仕方ない。ディテクト・マジックで見つけるよ!」

 ディテクト・マジックとは、相手の位置を探る事ができる魔法です。

 ただし、相手が微量でも魔力を持っていなければ、位置は全く分かりません。

 ですが、知覚に優れるバイオレットの前ではその欠点はありません。

「その方がいいでしょう!」

「じゃあ、いくよ! ……ディテクト・マジック!」

 バイオレットは、ディテクト・マジックを唱え、犯人の場所を探知しました。

 すると、バイオレットの目に何かが見えたような気がしました。

「……あっちに、犯人の魔力が見えるよ!」

 バイオレットは東を指差しました。

 ジャンヌ、ゲール、トールは、バイオレットの指差した方に向かっていきました。

 

 数分走っていると、魔力を出しているものを見つけました。

「いたぞ!」

「あっ、あれは……」

 バイオレットは、遠くからそれを見ていました。

「メデューサ!」

「メデューサだって!?」

 この森を石化させた魔物の正体は、メデューサでした。

 地上にいるメデューサは、トロイヤのゴルゴーン三姉妹の子孫と言われています。

 当然ながら力はゴルゴーン三姉妹に劣るのですが、数だけは多いようです。

「早く行かなきゃ!」

 そう言い、ジャンヌ達は大急ぎでメデューサのところに行きました。

 

「ヒャーハハハハハ!」

「アンタがこの森を石にした奴だな?」

「いかにも! アタシは主の命令に従い、この森を石化させているのさ!」

「んじゃ、アンタを叩けばいいってわけだな?」

 そう言い、トールはミョルニルを構えました。

「おやおや? 随分と好戦的な奴じゃあないか。……なら、そこにいる小娘達をみんな石にしてやるよ!」

 メデューサはそう言うと三女神をちらっと見ました。

「その時の絶望した顔、見たいんだよねぇ!」

 ケラケラと笑うメデューサに、ゲールは多少怒りました。

「……その絶望を、あなたに届けていいでしょうか?」

「キィィィ! 小娘の癖に、生意気な!」

 メデューサは怒りに任せ、自身の髪となっている無数の蛇をゲールに伸ばしました。

「不意打ちですか!」

「危ない!」

 ジャンヌはゲールにメデューサの蛇髪が届かないよう、風の能力でそれを切り裂きました。

-2ページ-

「よくもアタシの髪を……! はぁぁぁぁぁぁ!!」

 自身の蛇髪を切り裂かれたメデューサは、残りの蛇髪でバイオレットを打ち据えました。

 そしてメデューサはバイオレットに近付き、その目を光らせて彼女を石化させようとしました。

「ぐ……うっ……!」

 バイオレットの腕が徐々に石化していき、彼女の表情は苦しみ歪みました。

「危ない! バイオレット! ウィンドカッター!」

 バイオレットを解放するために、ジャンヌは遠くから風の刃をメデューサに飛ばしました。

 風の刃はメデューサの目に命中し、彼女が目を覆うと同時にバイオレットは解放されました。

「ああああああ! 目が、目がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 自慢の目を潰されたメデューサは、顔を両手で覆い、叫び始めた。

「許さんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 激怒したメデューサは、三女神とトールに襲いかかってきました。

 最早彼女には、理性よりも感情しか存在しません。

「キエェェェェェェェェ!!」

 メデューサの蛇髪が三女神とトールを打ち据えました。

「いた、いた、あいたたたたたた!」

「こいつに気を取られるな! 怖いのはあくまで石化の魔眼だけだ!」

「……では、見なければいいんですね!」

 ジャンヌとゲールは、メデューサの目を見ないように攻撃を始めました。

 風の刃がメデューサを切り裂き、ゲールの杖にメデューサの生命力が吸い取られます。

「魔物め! この森から消え失せなさい!」

 ジャンヌの風の能力で起こした嵐が、メデューサに襲いかかりました。

 バイオレットも石化した腕を押さえながら、影の能力でメデューサを絡め取りました。

「う、動けない……!」

「さあ、とっととくたばりやがれぇっ!」

 そして、上空からミョルニルを構えたトールが襲い掛かりました。

 ミョルニルがメデューサの頭部をかち割ると、そこから大量の液体が飛び出しました。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「これで……とどめです! テンペスト!!」

 そして、ジャンヌの両腕から緑のエネルギーが放たれ、

 それがメデューサに命中すると、竜巻となってメデューサを吹き飛ばしました。

 

「これで、メデューサは倒れましたね」

「さあ、とっとと森を元に戻そうぜ」

「……分かりました」

 生命を司る女神、ゲールは静かに祈りを捧げました。

 すると、石化していた森は、みるみるうちに活力を取り戻しました。

「わぁ……」

「これが、森の本当の姿か……」

 生気を失っていた動物達も、森が復活したと同時に元気になりました。

「ほら! 動物達も、元気になりましたよ!」

「ホントだ!」

「これが、平和、って奴だな」

「……ええ……。気持ちがいい、ですね……」

 

 ジャンヌ達は、平和になった森でゆっくりした後、本来の目的を思い出しました。

「早く、水のナッツォを探さなきゃ!」

「ああ! とっととぶっ潰そうぜ!」

説明
暑さに耐えながら執筆しました
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
288 288 0
タグ
オリキャラ オリジナル 長編 

Nobuさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com