Triangle Goddess! 第23話「森を元に戻せ!」 |
石化したワクノニの森を元に戻すため、三女神とトールは犯人を捜していました。
「どうにかして、森を戻さなければなりませんね」
「動物達が可哀想だしね!」
そう、このまま森を放っておけば、やがて全てが石化してしまい、森が滅びてしまう事でしょう。
その前に犯人を捜して元に戻さなければなりません。
「でも、どうすればいいんだろう。四使徒には逃げられたし……」
「だったら、四使徒がけしかけた魔物を倒せばいいさ!」
「……そう、ですね!」
ジャンヌはトールに元気づけられ、犯人捜しのやる気を見せました。
ジャンヌ達は森の中を歩き回りました。
しかし、犯人はなかなか見つかりませんでした。
15分は歩いたのですが、犯人の気配はありません。
「犯人はどこに隠れているのでしょうか……」
「これだけ歩き回ったのに見つからないとはな……」
「……仕方ない。ディテクト・マジックで見つけるよ!」
ディテクト・マジックとは、相手の位置を探る事ができる魔法です。
ただし、相手が微量でも魔力を持っていなければ、位置は全く分かりません。
ですが、知覚に優れるバイオレットの前ではその欠点はありません。
「その方がいいでしょう!」
「じゃあ、いくよ! ……ディテクト・マジック!」
バイオレットは、ディテクト・マジックを唱え、犯人の場所を探知しました。
すると、バイオレットの目に何かが見えたような気がしました。
「……あっちに、犯人の魔力が見えるよ!」
バイオレットは東を指差しました。
ジャンヌ、ゲール、トールは、バイオレットの指差した方に向かっていきました。
数分走っていると、魔力を出しているものを見つけました。
「いたぞ!」
「あっ、あれは……」
バイオレットは、遠くからそれを見ていました。
「メデューサ!」
「メデューサだって!?」
この森を石化させた魔物の正体は、メデューサでした。
地上にいるメデューサは、トロイヤのゴルゴーン三姉妹の子孫と言われています。
当然ながら力はゴルゴーン三姉妹に劣るのですが、数だけは多いようです。
「早く行かなきゃ!」
そう言い、ジャンヌ達は大急ぎでメデューサのところに行きました。
「ヒャーハハハハハ!」
「アンタがこの森を石にした奴だな?」
「いかにも! アタシは主の命令に従い、この森を石化させているのさ!」
「んじゃ、アンタを叩けばいいってわけだな?」
そう言い、トールはミョルニルを構えました。
「おやおや? 随分と好戦的な奴じゃあないか。……なら、そこにいる小娘達をみんな石にしてやるよ!」
メデューサはそう言うと三女神をちらっと見ました。
「その時の絶望した顔、見たいんだよねぇ!」
ケラケラと笑うメデューサに、ゲールは多少怒りました。
「……その絶望を、あなたに届けていいでしょうか?」
「キィィィ! 小娘の癖に、生意気な!」
メデューサは怒りに任せ、自身の髪となっている無数の蛇をゲールに伸ばしました。
「不意打ちですか!」
「危ない!」
ジャンヌはゲールにメデューサの蛇髪が届かないよう、風の能力でそれを切り裂きました。
「よくもアタシの髪を……! はぁぁぁぁぁぁ!!」
自身の蛇髪を切り裂かれたメデューサは、残りの蛇髪でバイオレットを打ち据えました。
そしてメデューサはバイオレットに近付き、その目を光らせて彼女を石化させようとしました。
「ぐ……うっ……!」
バイオレットの腕が徐々に石化していき、彼女の表情は苦しみ歪みました。
「危ない! バイオレット! ウィンドカッター!」
バイオレットを解放するために、ジャンヌは遠くから風の刃をメデューサに飛ばしました。
風の刃はメデューサの目に命中し、彼女が目を覆うと同時にバイオレットは解放されました。
「ああああああ! 目が、目がぁぁぁぁぁぁぁ!!」
自慢の目を潰されたメデューサは、顔を両手で覆い、叫び始めた。
「許さんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
激怒したメデューサは、三女神とトールに襲いかかってきました。
最早彼女には、理性よりも感情しか存在しません。
「キエェェェェェェェェ!!」
メデューサの蛇髪が三女神とトールを打ち据えました。
「いた、いた、あいたたたたたた!」
「こいつに気を取られるな! 怖いのはあくまで石化の魔眼だけだ!」
「……では、見なければいいんですね!」
ジャンヌとゲールは、メデューサの目を見ないように攻撃を始めました。
風の刃がメデューサを切り裂き、ゲールの杖にメデューサの生命力が吸い取られます。
「魔物め! この森から消え失せなさい!」
ジャンヌの風の能力で起こした嵐が、メデューサに襲いかかりました。
バイオレットも石化した腕を押さえながら、影の能力でメデューサを絡め取りました。
「う、動けない……!」
「さあ、とっととくたばりやがれぇっ!」
そして、上空からミョルニルを構えたトールが襲い掛かりました。
ミョルニルがメデューサの頭部をかち割ると、そこから大量の液体が飛び出しました。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「これで……とどめです! テンペスト!!」
そして、ジャンヌの両腕から緑のエネルギーが放たれ、
それがメデューサに命中すると、竜巻となってメデューサを吹き飛ばしました。
「これで、メデューサは倒れましたね」
「さあ、とっとと森を元に戻そうぜ」
「……分かりました」
生命を司る女神、ゲールは静かに祈りを捧げました。
すると、石化していた森は、みるみるうちに活力を取り戻しました。
「わぁ……」
「これが、森の本当の姿か……」
生気を失っていた動物達も、森が復活したと同時に元気になりました。
「ほら! 動物達も、元気になりましたよ!」
「ホントだ!」
「これが、平和、って奴だな」
「……ええ……。気持ちがいい、ですね……」
ジャンヌ達は、平和になった森でゆっくりした後、本来の目的を思い出しました。
「早く、水のナッツォを探さなきゃ!」
「ああ! とっととぶっ潰そうぜ!」
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