本編補足
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手帳

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C1 依頼

C2 魔力反応

C3 成行き

C4 手帳

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C1 依頼

 

ガイデン王国。アスタデルタの街の郊外。成金魔術師カウジィの所有していた館の外庭に止まる南部バンガロール王国のマジック・シード財団仕様のヴェルクーク級人型機構。

 

館を警護していたオンディシアン教国暗部の隊員達が剣を抜く。マジック・シード財団仕様のヴェルクーク級人型機構のコックピットのハッチが開き、降り立つマジック・シード財団団員のアールマーフラー。彼は館を見て眉を顰めた後、オンディシアン教国暗部の隊員達を見回し、書状を取り出す。

 

アールマーフラー『マジック・シード財団のアールマーフラーです。依頼の件できました。』

 

顔を見合わすオンディシアン教国暗部の隊員達。アールマーフラーに近づき、書状に目を通すオンディシアン教国暗部の隊員A。

 

オンディシアン教国暗部の隊員A『そうか。あんたが…。』

 

頷くオンディシアン教国暗部の隊員A。

 

オンディシアン教国暗部の隊員A『隊長に会わせる。ついてきてくれ。』

 

頷くアールマーフラー。彼はオンディシアン教国暗部の隊員Aの後に続く。

 

アールマーフラー『随分ものものしいですな。』

 

アールマーフラーの方を向くオンディシアン教国暗部の隊員A。

 

オンディシアン教国暗部の隊員A『知らんのか?街で聞かなかったのか?』

アールマーフラー『ええ、こちらは死の火山での大発見でそれどころではなかったので。情報も神話時代の手帳の発見という信憑性のないものでしたし。』

 

右眉を上げ、首を横に振るオンディシアン教国暗部の隊員A。

 

オンディシアン教国暗部の隊員A『そうか。アビスの破片は知っているな。』

アールマーフラー『ええ、知らない人などいないでしょう。』

 

立ち止まるオンディシアン教国暗部の隊員A。

 

オンディシアン教国暗部の隊員A『そして、この館は最近、空き家になった。』

 

オンディシアン教国暗部の隊員Aは腕組みしてアールマーフラーの方を向く。

 

オンディシアン教国暗部の隊員A『つまり、そういうことだ。もう買い手もつかんだろう。』

 

頷き、歩き出すオンディシアン教国暗部の隊員Aについていくアールマーフラー。

 

C1 依頼 END

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C2 魔力反応

 

ガイデン王国。アスタデルタの街の郊外。成金魔術師カウジィの所有していた館のウッドデッキに立つオンディシアン教国暗部第27小隊隊長のホフマン。彼に近づいていくオンディシアン教国暗部の隊員Aとアールマーフラー。彼らの方を向くホフマン。

 

ホフマン『随分と遅かったな。』

アールマーフラー『死の火山で世紀の発見がありまして。』

ホフマン『そうか…。まあいい。ついて来い。見てもらいたいものがある。』

 

頷くアールマーフラー。ホフマンはオンディシアン教国暗部の隊員Aに目くばせして、館の中に入って行く。続くアールマーフラー。

 

閉じる扉の音。

 

壊れ散乱する瓦礫や生活用品、大きな血だまり。眉を顰めるアールマーフラー。彼の方を向くホフマン。

 

ホフマン『正直に言って構わんぞ。どんな感じだ?』

 

首を横に振るアールマーフラー。

 

アールマーフラー『…魔力反応が強いですな。』

 

頷くホフマン。

 

ホフマン『そうだ。アレを始末してもこの魔力反応はまだ収まらんし、衰えはせん。生物にかけられた呪いでない限り2、3日ももたん…。』

 

眉を顰めるアールマーフラー。

 

アールマーフラー『いったい何日この状態で…。』

ホフマン『1ヶ月…。』

 

眼を見開くアールマーフラー。

 

ホフマン『この館を買った物好きな学生がこの魔力反応に1日で精神をやられ役所に駆け込んだのさ。我々も当初は驚いた。アレを倒し、この地に戻ってきても衰えない魔力反応にな。だが、これはアレの魔力反応ではなかった。』

 

アールマーフラーの方を向くホフマン。

 

ホフマン『ついて来い。あの忌々しい成金の悪趣味が見れるぞ。』

 

ホフマンについていくアールマーフラー。

 

C2 魔力反応 END

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C3 成行き

 

ガイデン王国。アスタデルタの街の郊外。成金魔術師カウジィの所有していた館の地下室へ続く廊下を歩くホフマンとアールマーフラー。

 

アールマーフラー『…強くなっていますな。』

 

頷くホフマン。

 

ホフマン『ああ、元凶はこの先の地下室にある。』

 

ホフマンの方を向くアールマーフラー。

 

ホフマン『ここの主はギャンブルで一財なして、魔導書を買いあさり、魔術師に転向した…。』

 

地下室に続く廊下に響く足音。

 

ホフマン『金というもの大量にあれば一見なんでもできるように錯覚する。神にもなれるとな…。』

 

ため息をつき、首を横に振るホフマン。

 

ホフマン『しかし、独学というものは怖いものだ。特に魔術に至ってはな。正しい知識を師から身につけねば、知らぬ間に禁忌を踏むのだ。強欲な魔術師気取りが、禁忌に手を出して取り返しのつかないことになった。よくある話だ。』

 

ホフマンを見つめるアールマーフラー。

 

ホフマン『まあ、そんな話はどうでもいい。その辺にゴロゴロしている話だからな。問題は手帳だ。神話時代のアールアル探検団の最後の探検となった洞窟がこの地にあるのは知っているな。』

アールマーフラー『はい。アギシュ洞窟ですな。それは我々の専門分野なので。』

 

頷くホフマン。

 

ホフマン『2、3年前立て続けに大きな地震が2回起きた。その後、洞窟内であの魔術師気取りは手帳を入手したらしい。』

アールマーフラー『…それがアールアル探検団の手帳…と。』

 

頷くホフマン。

 

ホフマン『さあな。ただ奴の日記にはそう書いてあった。』

 

首を横に振るアールマーフラー。

 

アールマーフラー『ありえない。神話時代の話だ。それに手帳なんて、残るはずがない。』

ホフマン『そうだな。我々もあれが古代の魔導書の類だと思っている。あの手帳に書いてある文字は我々にも、他の専門家にも分からん。だからその上の専門家であるお前を呼んだ。』

 

魔法陣の描かれた扉の前に立つホフマンとアールマーフラー。魔方陣を見つめるアールマーフラー。ホフマンはアールマーフラーの方を向く。

 

ホフマン『心配しなくていい。この扉はもう解除済みさ。怪物も死んだ。』

 

扉を開けるホフマン。一歩後退するアールマーフラー。ホフマンはアールマーフラーの方を向く。

 

ホフマン『誰だって、最初はそうなる。この俺でさえもな。ついてこい。』

 

地下室の中に入って行くアールマーフラーとホフマン。

 

C3 成行き END

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C4

 

ガイデン王国。アスタデルタの街の郊外。成金魔術師カウジィの所有していた館の地下室。入口付近に立つホフマンとアールマーフラー。引き裂かれた床に描かれた魔方陣、倒れた本棚から散乱する魔導書。足元にある血だまりを見るアールマーフラー。

 

アールマーフラー『…これは。』

 

ホフマンの方を向くアールマーフラー。

 

ホフマン『神話における造物主の最後はだいたいどうなったか知っているだろう。』

アールマーフラー『…神にですか。』

 

血だまりをみつめるアールマーフラー。頷くホフマン。

 

ホフマン『そう。金というものはなんにでもなれると錯覚させるものさ。神にでもな。』

 

2、3回頷くアールマーフラー。

 

ホフマン『さて…。』

 

ホフマンは壁に作られた祭壇に置かれた手帳を見つめる。

 

ホフマン『あれが、その手帳だ。』

 

手帳を見つめるアールマーフラー。彼らは祭壇の方へ移動して行く。

 

ホフマン『この魔力反応の原因はあの手帳だ。』

 

頷くアールマーフラー。

 

アールマーフラー『見ればわかります。』

ホフマン『心配はしなくていい。我々も開いてみたが特に害はない。』

 

頷き、手帳を手に取るアールマーフラー。彼は暫し手帳に目を通す。

 

ホフマン『どうだ?何かわかったか。』

 

頷くアールマーフラー。

 

アールマーフラー『…ええ。』

ホフマン『なんて書いてある?』

 

苦笑いするアールマーフラー。

 

アールマーフラー『日誌ですな。それもきちんとアールアル探検団の神話の流れの通りだ。』

 

眉を顰めるホフマン。

 

ホフマン『日誌?ここまで来て日誌とは…じゃあ。』

 

血だまりの方を向くホフマン。

 

ホフマン『奴が言っていた通り、それはアールアル探検団の日誌というわけか?』

 

首を横に振るアールマーフラー。

 

アールマーフラー『文字も古代獣魔帝国の文字、文法の破綻も無い。手帳の皮、紙の材質も古代獣魔帝国の使用していたものと合致、しかし。』

 

アールマーフラーの方を向くホフマン。

 

ホフマン『しかし?』

アールマーフラー『…虫食い、端々の劣化具合からみても、到底古代に作られたものとは思えません。保存状態が良すぎる。魔法の力ですらこんなには持ちませんよ。』

 

腕組みして頷くホフマン。

 

ホフマン『つまり、贋作と…。』

 

頷くアールマーフラー。

 

アールマーフラー『…誰が何の目的でつくったのか知りませんが。』

 

頷くホフマン。

 

ホフマン『魔導書ではないのだな。』

 

頷くアールマーフラー。

 

ホフマン『分かった少し読んでくれ。』

 

頷くアールマーフラー。

 

アールマーフラー『エクトンヘリオ暦4月1日、コロプラにて初の探索において島の発見。我々はこの名誉ある発見を…。』

 

アールマーフラーの方を向くホフマン。

 

ホフマン『神話の話は誰でも知っている。その手帳の作り手が作ったアールアル探検団の結末はどうなっている?』

 

アールマーフラーは頷いて、手帳の最後のページをめくる。

 

アールマーフラー『13日、ベイカーが化け物にやられた。私は化け物の襲撃から逃げきれた。他にも何人か残っている様だ。日か?衣服から仲間だと思った。近づくと奇声をあげてこちらへ向かってきたので逃げた。触手の様なものが見えた。化け物化するのか。日にちも分からない。化け物の襲撃、叫び声とうめき声がところどころであがり、もう何人残っているのかも分からない。正常を保っているのもやっとだ。化け物にはなりたくはない。化け物の襲撃は止み、辺りは静かだ…。あれは穏やかに揺れ、波打ちながら我々を取り囲み、徐々に近づいてくる。脱出は不可能だ…。』

 

2、3回頷くホフマン。

 

ホフマン『良くできたつくり話だな。』

アールマーフラー『しかし、この手帳の魔力反応は解明する必要はあります。優先順位は非常に低いですが…。我々がこれを預かりましょう。』

ホフマン『そうしてくれると助かる。』

 

地下室から出ていくホフマンと手帳を持ったアールマーフラー。

 

C4 手帳 END

 

END

 

説明
・必要事項のみ記載。
・グロテスクな描写がございますので18歳未満の方、もしくはそういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。
・心理的嫌悪感を現す描写が多々含まれておりますのでそれういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。
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R-18グロテスク 悪魔騎兵伝(仮) 

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