真・恋姫†無双〜貞操逆転伝〜1 |
この世界はおかしい――俺は改めて目の前の光景を見てそう思っている。
男の裸が描かれた本(性本? 春画?)をニヤニヤした表情で読みながら歩く女性。
お店の前に立つ、怪しげなおじいさんと必死に交渉している女性陣。……看板には【男根燃】と書かれている。
そして極めつけは、それ等を遠目で見て尚且つひそひそ話している男共である。ちょっと気持ち悪いんだよ!
……もうやだこの世界。俺が熱心に読んだ三国志の世界を返して!
真・恋姫†無双〜貞操逆転伝〜【第一章 一刀、ナンパされるのこと】
「うむ。なかなかに賑わっている街のようだな」
うん、確かに賑わっているね趙雲さん。一部がね。
「ここ等一帯を治めているのは、袁紹殿です。流石は名族の出だけあって活気に溢れています」
性欲に溢れてるの間違いじゃないかな郭嘉さん。
てか袁紹かよッ! 欲望に忠実すぎでしょこの街!
「ですが思った通り、若い男性の姿はないですねー。袁紹さんも偉い人の特権を行使しているようです」
「やれやれ、まだこの世には貧困と男に喘ぐ民がいると言うのに……」
男には喘がなくていいんじゃないですかねぇ……。
というか真面目な話題なのに卑猥に聞こえるので止めて頂きたい。
「だいぶ歩いたし、こうして無事に街にも着いた。今日はここの宿に泊まるとしよう」
「そうですねー。風はもう足が痛いのですよー」
『おうおう。この兄ちゃんの宿代どうすんだよ』
あっ、言われてみれば流されるままに三人に付いてきちゃったけど、俺って言わばイレギュラーなんだよな。
旅の費用だってキッチリ三人分で計算している筈だし。程cさんの頭の人形――宝ャくんは大事なことに気がついた。
「あのー、良ければ俺は一人で「野宿するとは言わせんぞ一刀殿」うえッ?」
「はあ……一刀殿、我々の話をもう忘れたのですか?」
「そうですよお兄さん。若い男の人が一人野宿なんかしたら確実に襲われますよ」
「あっ」
ああ、そうか。俺は元の世界で言えば女性みたいなものなんだよな。
ぶっちゃけて言えば、女性に性的に襲われるってほぼご褒美みたいなものなんだけど。
「しかし実際問題、一刀殿の宿代はどうしましょうか。手持ちに余裕はありませんが……」
「そのことに関しては心配するな。この趙子龍に良い策がある」
「……星の策と言えば、とんでもない予感しかしないのですが」
「何、任せい。一刀殿、ちょっと協力してもらいますぞ?」
なんだろう……ってうわ〜、趙雲さんが何か悪い顔してるなぁ。
◆
う〜ん……交渉してくるからって宿の前で待たされてるけど、ものっそい落ち着かない。
何でかって? 周囲の女性陣にめっちゃ見られてるからだよ! 何か徐々に増えていってる気がするし。
ちょい右の人! あそこの彼いくらって、俺は売り物じゃありませんからね! 待ってるだけだからね!
「よ、よう兄ちゃん。今、暇してるのか?」
「えっ? いや、その……」
何だ? 急に緑色の、ショートカットの女の子が話しかけてきたぞ。
というかボーイッシュな感じでなかなか可愛い。言葉遣いもそうだけど。
「よ、良ければだけどよぉ……あ、あたい達と一緒にそこ等で飲まねえか? 連れを待たしてあるからさ」
「はっ……?」
ナ、ナンパだぁー! この娘ナンパしてきたぁー! こ、これが所謂逆ナンて奴ですかそうですか。
「ど、ど、どうよ……?」
視線泳いでるし、真っ赤だし、メチャクチャ汗かいてるじゃん。台詞から察したけど、この娘初めてだ。
…………そうか。初心な男子のナンパ姿って女子の目線からはこう見えるのか。……知りたくなかった。
と言うか断らないといけないよな。確か程cさんが言うには――
『良いですかお兄さん。待っている間、女性が声を掛けてくるかもしれません。というか確実に掛けられると思います』
『その時はキッチリハッキリバッサリ断って下さいねー。前にも言いましたが、風達女性の性欲は凄いのです』
『風達のようにある程度理性で抑えられる人もいますし、薬で抑えている人もいます。ですが例外もいます』
『優しく声を掛けられたからといってホイホイ付いていくと、何時の間にか路地裏に連れ込まれて襲われたりするのですよー』
『下手に情を掛けるのも厳禁です。お兄さんはどうも、その辺りが無防備ですから』
うん。厳しい心を持って、情に流されずに、断る。やってみよう。
「お、おい。何時まで黙って「お断りします」えっ……?」
こう、俺の昔のトラウマ。初ナンパで笑顔のままの女性に連続『お断りします』攻撃だ。
「お断りします」笑顔だ笑顔。
「あ、あの、でも飲むだけなら……」
「お断りします」笑顔を浮かべるんだ。
「あ、あの……」
「お断りします」罪悪感が……でも笑顔で。
「…………はい」
おお、成功したようだ……。うわー……目に見えて落ち込んでる。
勇気を出して声を掛け、心を圧し折られる姿――まるっきり昔の俺だ。
トボトボ歩きながら去っていく。ううう、心が、心が痛い。
――――やっぱり無理だ! ごめん程cさん!
「あの、また……!」
「へっ……?」
「また今度、機会があれば誘ってくださいね? ね?」
◆
「待たせたな……っと、一刀殿ッ! どうしてそんな落ち込んでいるのだ!」
「……ううん。何でもないんだ趙雲さん」←orzのポーズ
自分の意思の弱さが憎い、憎いよ。でもしょうがないじゃないか。あの言葉の後、みるみる笑顔になった彼女が眩しかったんや。
単純……とか思っちゃったけど、可愛い女の子は正義なんや。仕方がないんや。
「何だか分かりませんが、とにかく中に入りましょう一刀殿。交渉は成立したので」
「あ、はい。でもどんな交渉をしたんですか?」
あれ……? 郭嘉さんが顔を赤らめて目を逸らした。
「いやはや星ちゃん、つまり趙雲さんがですねー。
店主さんに宿代一人分浮かす代わりに、お兄さんの胸を揉ませる権利をあげたんですよー」
えっ……? 何処のエロ漫画の条件ですか。
「何を言うか。そんなあからさまには言っていないぞ。ただ店主に呟いただけに過ぎん。
連れの男が若くて、腹筋が鍛えられてて、胸板は舐めたいくらいだ……と」
「趙雲さん……世界はそれを“あからさま”と言うんじゃないでしょうか」
「け、けけけ決してこれを機会にもう一回胸板や腹筋を見ようなどと思ってはないからな!」
ドモりすぎです趙雲さん。
「ええ。風達は後ろを向いてます。絶対にお兄さんの方は見ないのですよー」
棒読み気味に聞こえます程cさん。頭の宝ャくん、こんな時に何で何も言わないのか。
「さ、さあ一刀殿。中で店主が待ってますから……」
まずその鼻血を止めましょうか郭嘉さんや……。
――その後、俺は無事に宿に泊まることが出来ました。寝る時、隣に陣取る三人の息遣いが怖かったです。
ちなみに両手をワキワキさせた女性店主に胸ツンツン → 胸モミモミ → モミモミモミモミの順でやられました。
……更に行為の後、彼女に自分の部屋の場所を教えられました。お誘いですが、笑顔でお断りしました。
説明 | ||
キャラの原型は貞操逆転してる時点で投げ出しています。 | ||
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コメント | ||
よく見たらナンパしてるの文醜じゃん・・・ (バハムル) ん!?ちょっとまて!逆転してるってことは、雪蓮と華琳はどうなるんだ!?戦闘凶→昂ぶるな雪蓮だぜ?百合+守ってもらいたい系ツンデレな華琳だぜ!?つーか張三姉妹どうすんだよ!?黄巾党生まれないじゃんよぉ!?!?(心は永遠の中学二年生) この外史の、どこぞの猫耳軍師の性格ががどうなるのかな(聖龍) 続きがすごく気になる...(笑い猫) この世界での恋が気になりますね〜。食欲と性欲のどちらが強いか!(kazo) あ、漢女がモテる世界が現れた・・・世も末だ・・・于吉、お前の意見、正しかったかもしれない(心は永遠の中学二年生) この世界の価値観ではつまり魏の面々がホモォ…な感じになっててあの漢女どもが本当の意味で絶世の美人と見られている…?(masha) |
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