魔術士オーフェン異世界編@〜鋼の後継、異世界へ〜
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まえがき

この作品を制作するにあたって問題になったのは、作者である私が『魔術士オーフェン』は愛読者だったので問題はほぼなかったのですが、『なのは』のほうは全く見たことがなかったので、他のサイトの作者様の作品を見たりして「このキャラはこんな感じの子なんだ」ってイメージを膨らませました。ちょっと本編とキャラが違うかもしれませんがその辺はご容赦ください。

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牙の塔でも最高の生徒が集うと言われる大陸最強の黒魔術士、チャイルドマン教師が受け持つ『チャイルドマン教室』。その教室の7人の生徒の中で鋼の後継―――サクセサー・オブ・レザーエッジと呼ばれる少年―――キリランシェロの姿はとある遺跡の中にあった。天人(ノルニル)の残した遺跡の調査を『塔』上層部―――長老(エルダー)達に命じられ訪れたのだが―――

(とはいっても)

コツ、コツとブーツが遺跡のかなかにこだまする音だけが聞こえる。後は無音の世界。その世界の中でキリランシェロはひとりごちた。

(あらかた掘り尽くされた遺跡に新しい発見が早々あると思えないけどなぁ・・・)

しかしキリランシェロが調査している天人種族の残した遺跡には彼女らの魔術―――ウィルドグラフ(魔術文字)を媒体とする沈黙魔術が何かの拍子に発動して未侵入の小部屋にたどりつき、新たに天人の遺産を発見、なんていう展開が無きにしも非ずという訳で、牙の塔及び大陸魔術師同盟(ダムズルズ・オリザンズ)は所属する魔術士に定期的に調査を命じており、今回はキリランシェロだったという訳だ。キリランシェロは「塔」指定の黒一色の戦闘服に身を固め、首からは剣に絡みついた一歩足のドラゴンの紋章―――牙の塔の上級魔術士たるペンダントを首から下げた姿だ。

キリランシェロが歩いている遺跡は10年ほど前に発掘を終了した遺跡で、彼の教室の仲間も何度か調査に入った事があったがなしのつぶてであった。

(ま、さっさと終わらせて帰ろう)

キリランシェロは傍らに魔術で呼び出した鬼火を浮かばせて歩を進める。遺跡の奥へと。

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一時間ほど歩いただろうか、そろそろ遺跡を半周したぐらいになってキリランシェロは壁に横穴が空いているのに気がついた。鬼火を先行させると、どうやら地下につながっているらしい。降りて調査してみることにしたキリランシェロだが階段などといった下りるための足場は無く、穴が広がっているだけ。

「我は駆ける天の銀嶺」

重力制御の魔術を行使して宙に浮かび、ゆっくりと降下していく。一分程度たってから足が地面に着いた。消えかけていた鬼火をいったん消し、再び鬼火を呼びだす。

「我は生む小さき精霊」

鬼火を呼びだして自身の横に浮かべて慎重に歩みを進める。こういった天人種族の遺跡には彼女らが刻んだウィルドグラフ―――文字を媒体とする天人種族、ウィールド・ドラゴンとも呼ばれる彼女らが行使する沈黙魔術の罠があってもおかしくないからだ。いつどのような罠に出くわしてもいいように防御の魔術を構成しながら歩みを進める。幸いにも罠には一回も出くわす事もなく最終目的地であるらしい小部屋にたどりついた。

「何もない部屋だな・・・ん?」

肩を落として踵を返そうとしたキリランシェロだったが、ほこりや砂に覆われた床になにやら刻み込まれているのに気がついた。

「ウィルドグラフか・・・?」

だとするとうかつに触るのは危険。刻み込まれたウィルドグラフの起動は実は誰にでもできる。文字をなぞればいいだけだからだ。

しかし興味を持ったキリランシェロは「なぞらなかればいいか」と判断し、革手袋に包まれた手でパタパタと土埃を払う。地面に刻まれたそれは沈黙魔術の文字とは違った不思議な紋様だった。

「変わった魔術文字だな・・・何の目的で刻まれた物なんだろう」

考えられるのは空間転移だが、こうして踏んでいる間もキリランシェロが転移されないという事は転移目的ではないようだ。

「こーゆーのはアザリーが詳しいんだろうけど・・・僕じゃ手に負えないから報告しに帰ろう」

地面に膝をついていたキリランシェロは立ち上がって膝に着いた土を払い、サークルから出ようとした。その時だった。

サークルから緑色の光が灯され、キリランシェロを閉じ込めたのは。

「なっ!?」

完全に緑色の筒に閉じ込められたキリランシェロは急激に気が遠くなり、目の前が真っ暗になり―――

キリランシェロはキエサルヒマ大陸から姿を消した。

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まどろみの中にいたキリランシェロは、命の危機を感じて目を覚ますというありがたくない目覚め方を体験することになった。

「―――!!」

瞬時に意識が覚醒し、転がってその場から離脱する。キリランシェロが一瞬前にいた場所に光線が突き刺さり、爆音をあげた。

「なんだっ!?」

転がり起きて身構えたキリランシェロがいたのはちょっとした木々が生える林のようなところで、彼の前にいたのは30体ほどのカプセル型の宙に浮かんでいる物体の群れであった。

「な、なんだこいつら・・・」

あまりにも想定外の敵の姿に攻撃用の魔術を構成するのも忘れて唖然とするキリランシェロ。しかし敵はそんな彼を待ってはくれない。キリランシェロを囲むように展開包囲する敵。キリランシェロは包囲が完成する前に直ちに構成を編みあげ、叫ぶ。

「我は放つ光の白刃!」

キリランシェロの手の中で発生して放たれた熱衝撃波の光は、目の前に浮かぶ敵を5体ほど巻き込んで爆砕した。敵が爆砕したのを確認する前にキリランシェロは包囲の穴が開いた方向に跳躍する。一瞬前に彼がいた場所を光線が打ちぬいた。

(こいつら、見た目はよくわかんないけど・・・攻撃は単純、大したことはない!)

敵に指を突き付け、編みあげていた構成を呪文と共に解き放つ。

「我導くは死呼ぶ椋鳥!」

ヴヴッという振動音と共に放たれた対象物を共鳴破砕の超音波が敵を2体ほど塵に返す。

「我は砕く―――」

キリランシェロは反撃の暇を与えず、広範囲の魔術で敵を殲滅させる魔術の構成を編みあげる。

「我は砕く原始の静寂!」

空間に波紋が広がり、爆発が起こる。空間爆砕の魔術は敵を残さずその効果をいかんなく発揮し、すべての敵を沈黙させた。

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すべての敵を沈黙させたキリランシェロは、魔術を放つために上げていた右腕を下して自らが粉砕させた敵から視線を逸らし、背後へ向き直る。

「・・・出てきなよ」

敵か味方かわからないので攻撃用の魔術の構成を編みあげておく。

カサッという草が擦れる音とともに現れたのは茶髪の少女。キリランシェロより年齢は彼の義理の姉達であるティッシ―――レティシャやアザリーに近いようだ。彼女は優しげな黒色の瞳を申し訳なさげに陰らせて頭を下げてきた。

「ごめんなさい、隠れていたのは謝るよ。だからキミもその怖い顔をやめてくれないかな?」

「・・・・」

キリランシェロは彼女にとりあえず自分に危害を加える気はないと判断し、険しくしていた表情を多少和らげる。構成もとりあえず消した。

「私は時空管理局・機動六課スターズ分隊長、高町なのは一等空尉です。あなたのお名前を教えてくださいませんか?」

「・・・へ?」

説明
『魔術士オーフェン』のキリランシェロ君と『魔法少女リリカルなのはStrikerS』の機動六課のクロス小説です。続く・・・といいなぁ
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コメント
抱きとめるじゃじゃ馬はどうかと思うんだ。 それにしても懐かしいですねw期待して待ってます!(sion)
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