英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
頂上に向かって先を進み続けていたリィン達が再び広間に出ると一部の人物達にとって見覚えのある人物が待ち構えていた。
〜真・煌魔城〜
「うふふ、まさかこんなにも早くここに到達するとは。さすがは双界の命運をかけた決戦の本隊の精鋭部隊と言った所ですか。」
「?貴女は一体………」
「”杖”を持っているという事は恐らく私やエマ達と同じ”魔女”よね?もしかしてエマやヴィータさんの知り合い?」
「い、いえ……少なくても私達の隠れ里には目の前のような方はいません。」
目の前にいる人物――――マリアベル・クロイスの亡霊を見たリィンは不思議そうな表情をし、ゲルドに訊ねられたエマは戸惑いの表情で答え
「………それ以前に彼女が扱うのは貴女や私達が扱う”魔術”ではなく”魔導”よ。だから厳密に言えば彼女は”魔女”ではなく”魔導師”よ。」
「”魔術”ではなく”魔導”、ですか?」
「……アンタが知っているって事は目の前の女は大方”結社”の関係者なんでしょうね。」
静かな表情で答えたクロチルダの答えが気になったエリスは不思議そうな表情で首を傾げ、”結社”出身のクロチルダがマリアベルを知っている事でマリアベルの正体をある程度推測できたセリーヌは厳しい表情でマリアベルを睨んでいた。
「あっ!貴女は……!」
「IBC総裁の娘にして”D∴G教団”を裏から操っていた史上最低最悪の一族の末裔、”クロイス家の魔女”マリアベル・クロイス……!」
「ええっ!?そ、その人って確か……!」
「ディーター・クロイスを裏で操り、”碧の大樹”を顕現化させた真の黒幕の一人か……!」
一方マリアベルを見たエステルは目を丸くして声を上げ、厳しい表情で声を上げたルフィナの言葉を聞いたアリサは驚き、トヴァルは厳しい表情でマリアベルを睨み
「確か彼女は”外法認定”された為”星杯騎士団”によって狩られたとの事ですが………」
「―――ああ、オレが”狩った”で。ま、3年前に滅した”白面”が出てきてんからむしろ先月オレに狩られたばかりのあのお嬢さんが出てけえへん方がおかしいやろ。」
「……やはり貴女もこの世に未練を残していたのですね。」
エリゼに視線を向けられたケビンは冷酷な笑みを浮かべて答え、リースは真剣な表情でマリアベルを見つめて呟いた。
「フフ、当たり前でしょう?わたくし達によって生み出された紛い物の存在が主(わたくし達)に逆らった挙句、わたくし達の死のきっかけを作ったなんて、絶対に許せませんわ。」
「紛い物の存在だと………?」
「一体何の事を言っているんだ……?」
マリアベルの話の意味がわからないユーシスとマキアスは眉を顰め
「……君はまだキーアの事をそんな風に見ているのか。」
「わかってはいた事ですけど相変わらず人として最低な方ですね。」
「ええっ!?”キーア”って確か”零の至宝”のあの娘の事よね!?それじゃあ彼女や彼女の一族が……!」
「ああ………遥か昔に消滅した”幻の至宝”―――虚神(デミウルゴス)に代わる物を求めて”零の至宝”である彼女を生み出したんだ。」
アドルとエレナはそれぞれ厳しい表情マリアベルを睨み、アドルの話を聞いてキーアの事を思い出して驚いているアリサを含めたキーアの事を知らないリィン達にヨシュアが説明をした。
「………―――例え人工的に作られた”ホムンクルス”であったとしてもそこに”感情”―――”意志”が宿ればもはやそれは”ホムンクルスという物”ではなく生きとし生ける者―――つまり”人”です。キーアさんとも接した事がある貴女は未だそれがわからないのですか?」
「お黙りなさい!―――”空の女神”エイドス!クロイス家の妄執の原因となった諸悪の根源の癖に先祖代々受け継いで来た私達クロイス家の悲願が叶う肝心な所で現れ、台無しにした貴女だけは絶対に許しませんわ……!」
「どう考えても逆ギレにしか見えないの。」
「……彼女は”人として堕ちすぎました”。そんな彼女ではエイドスの指摘は理解できないのでしょうね………」
「そして彼女がそこまで”堕ちてしまった”のも、人が己の力にするにはあまりにも分不相応な”力”―――”至宝”を求めた結果でしょうね。」
「何だか彼女が哀れに見えてくるね……」
エイドスの指摘に対して怒りの表情で反論したマリアベルの様子をノイは呆れた表情で見つめ、フィーナとクレハの話を聞いたナユタは哀れみの目でマリアベルを見つめていた。
「フフ、”空の女神”を許せない事については僕も同感だね。」
するとその時眼鏡をかけた司祭服を着た男性の亡霊がマリアベルの傍に現れた!
「!?あんたはまさか……!」
「去年のクロスベルで”教団事件”を起こした”D∴G教団”の生き残りのヨアヒム・ギュンターか!」
男性―――ヨアヒムの姿を見て何かに気づいたサラ教官とトヴァルは血相を変えて声を上げた。
「”D∴G教団”……レン姫の過去を聞いた際にプリネ達の口から出た外道の集団か……!」
「確かヨアヒム・ギュンターは”グノーシス”で自身を”魔人”と化させた後”特務支援課”やファラ・サウリン卿達との戦いによって敗北し、肉体ごと消滅したとの事ですが………」
「”教団”の悲願を叶えられなかった事を未練に持ち、この世に留まり、奴も”鉄血宰相”の甘言に乗ったという所だろうな。」
「ったく、ホント、揃いも揃ってしつこいわね〜!?」
ヨアヒムの正体を知ったラウラは厳しい表情でヨアヒムを睨み、シグルーンとゼルギウスはそれぞれ真剣な表情で呟き、エステルは呆れた表情で声を上げた後ヨアヒムとマリアベルを睨んだ。
「あれ?でも、ヨアヒムがオズボーン元宰相に力を貸しているのって変じゃない?ヨアヒムは”教団”では”御子”扱いしていたキーアちゃんを崇めているよね?」
「………言われてみればそうですわね。」
「オズボーン元宰相の目的はキーアが改変した世界を破壊する為だから、キーアを憎んでいるマリアベルさんやオズボーン元宰相達と違って、彼がオズボーン元宰相達に力を貸しているのは確かにおかしな話だね。」
ある事に気づいたミントの疑問を聞いたフェミリンスは静かな表情で頷き、ヨシュアは考え込みながらヨアヒムを見つめて呟いた。
「ふふっ、彼女達の”目的”の一部と僕の”目的”の一部は一致しているからね。その”目的”を果たすまでは一時的に共闘しているのさ。」
「……”目的の一部が一致している”だと……?」
「……その目的とは一体何なのですか。」
ヨアヒムの話を聞いたセリカは眉を顰め、ツーヤは厳しい表情で問いかけた。
「フフッ、それは勿論キーア様を我が”D∴G教団”にお戻りになる事を邪魔する愚かな”特務支援課”や七耀教会が創造したまやかしの存在である”空の女神”と彼女に従う君達を含めた愚か者達を葬り去る事に決まっているじゃないか!」
「―――なるほど。双方にとって”邪魔者”である俺達を排除した後、”鉄血宰相”達を排除し、キーアを手に入れるという寸法か。」
「あまりにもお粗末な計画ね………」
「というか”鉄血宰相”も自分から獅子身中の虫を受け入れるような事をしたわよね……」
「まあ〜、オジサンの場合目的を果たす為なら自分の寝首を掻くとわかっている相手を利用してもおかしくないけどね〜。」
「……そうですね。閣下は自らをも”駒”に見立てている程の方ですから………」
「つーか、普通に考えて”鉄血”達を一人で排除するとか無理だろ。」
ヨアヒムの答えを聞いてヨアヒムの目的がわかったレーヴェは静かな表情で呟き、セリーヌとクロチルダは呆れた表情でヨアヒムを見つめ、ミリアムの推測にクレア大尉は複雑そうな表情で同意し、クロウは疲れた表情でヨアヒムを見つめていた。
「と言うかエイドスさんが目の前にいるのに”空の女神”がまやかしの存在って………」
「うふふ、”D∴G教団”は”空の女神”の存在を否定していましたから、必死に現実逃避をしているのではないですか?」
「………まあ、”こんなのが空の女神”だなんて、わたし達の方も信じたくないけどね。」
「フィ、フィーちゃん。」
一方ヨアヒムがエイドスの存在を否定している事に呆れてジト目になったアリサにシャロンは微笑みながら指摘し、アリサ同様ジト目で呟いたフィーの意見を聞いたエマは冷や汗をかいた。
「うふふ、そう言う訳でここは通しませんわよ?」
「”特務支援課”じゃないのは残念だが……まずは君達を葬らせてもらうよ……!」
そしてマリアベルとヨアヒムがそれぞれ杖を構え、それを見たリィン達がそれぞれの武器を構えて戦闘態勢に入ろうとしたその時
「―――だったら、あんたの要望通りあんた達の相手は俺達がしてやる。」
リィン達が来た出入り口とは別の出入り口から聞き覚えのある青年の声が聞こえてきた!
「この声はまさか……―――ロイドさん!?」
声に驚いたリィンが声が聞こえた方向に視線を向けるとロイド達――――”特務支援課”が別の出入り口から現れた!
と言う訳で残り2回の内の1回の援軍イベントにてついに零・碧陣営であるロイド達が駆けつけました!そして今回リィン達の道を阻んだのは光と闇の軌跡シリーズではラスボスキャラの癖に軌跡シリーズでは三下キャラとして有名な(笑)ギルバートとは別のベクトルの三下っぷりを見せてくれた三下コンビすww
説明 | ||
第653話 | ||
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コメント | ||
本郷 刃様 まあ、堕ちる所まで堕ちていますものねぇ 匿名希望様 実は当初カシウス&ヴィクターVSマクバーンという対決を考えていましたが話の都合上断念しました(汗)(sorano) 彼らの相手をするのは、やっぱり特務支援課ですよね。あと1回援軍イベントがあるんですよねえ。無理だろうけど、せっかくだからチート親父軍団の援軍を見てみたい気も……。(匿名希望) 特務支援課登場ですか、というかエリィからして最早こんなマリアベルは友達と思えるのだろうかと思ったり…(本郷 刃) |
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