魏のアイドル 再会編
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シャー・・・。

 

シャワーの浴びる音がする。

それ以外は何も聞こえない静かな部屋の中で、一刀はボーッと天井を見ていた。

 

あの世界から戻ってきて、早数ヶ月。

彼女達もこちらの世界に慣れてきたようで、最初の頃のように手取り足取り教える必要はなくなっていた。

 

ようやく肩の荷が下りたと嬉しい反面、それを口実に遊びに行ったりする事が無くなったので寂しかったりもした。

だが、その寂しさはすぐに解消した。

 

彼女達が日替わりで一刀と遊ぶようになったのである。

 

聞いたところによると、みんな一刀と一緒に居たいという想いを持っている。

だが、一刀は1人だけだから全員が常に一緒にいるというのはどだい無理な話だ。

だったら、順番を決め日替わりで一緒に過ごすようにしようという事になったのだ。

 

そして、今日は華琳の日。

一刀は隣を向き、空いてしまっているベッドを撫でた。

そこには先ほどまで、華琳が一糸纏わぬ姿で一刀に抱かれていた。

わずかに残る華琳のぬくもりと残り香に、一刀の下腹部に血がたぎるのを感じた。

一刀は首を振り煩悩を振りほどくと、暇つぶしにとテレビを付けた。

 

この時間だと、今日一日のニュースやスポーツ、あとはバラエティー番組かB級映画くらいしかやっていなかった。

一刀は適当にチャンネルを変えていると、珍しく音楽番組がやっていた。

そこまで音楽に興味があるわけではないが、BGM代わりにいいだろうとそのまま見る事にした。

 

テレビにはアイドルと思わしき3人の女性が歌を歌っていた。

なかなかうまいのだが、それ以上に一刀の気を惹いたのがその容姿である。

 

中央で歌う子は、おっとりとした感じの子であったが、何より視線を釘付けにしたのがその胸である。

これは、紫苑や桔梗、真桜にも負けず劣らずといった感じであった。

そして、その左側で歌う女の子は、ボーイッシュな感じであった。

スタイル的には普通だろうが、これはこれで人気がありそうだった。

最後に右側の女の子は、眼鏡をかけたいかにも優等生といった感じだった。

 

三者三様のスタイルなのでファンが被る事はないだろう。

そう言う意味ではいい感じの3人組であった。

 

華琳「一刀、何を見ているのかしら?」

 

後ろから声がしたので、一刀は振り向いた。

 

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そこにはいつの間にかシャワーを終え体を拭いて、バスタオル一枚だけ羽織っている華琳が立っていた。

散々裸を見てはきたが、この見えそうで見えない感じもグッとくるモノがあった。

一刀は、そんな自分の考えを華琳に悟られないよう、すぐにテレビの方向にむき直した。

 

一刀「いや、適当にテレビ点けたら音楽番組がやってたから、ちょっと見ていただけだよ。」

華琳「ふーん・・・。」

 

華琳はあまり興味なさそうに、一刀の横に座った。

そして、一緒にテレビを見始めた途端、驚きの表情を浮かべた。

 

華琳「こ・・・この子達は!!」

一刀「知り合い?」

 

一刀の問いに、肯定するようにうなずく。

 

華琳「この子達、張角達よ。」

一刀「へぇ、張角・・・。ってあの張角か!?」

 

張角といえば黄巾の乱を起こしたあの張角か・・・。

一刀はそう思いながら、あれと思った。

 

一刀「確か張角って、華琳に討ち取られたんじゃなかったっけ?」

華琳「あなたの居た世界でもそうだったのね。そうよ、私達の手で討ち取ったわ。表向きわね。」

一刀「表向き・・・。あっ、そう言う事か!!」

 

あの世界で華琳達魏軍は、常識では考えられないくらい連戦を繰り広げていた。

どのようにして兵を補充しているのだろうと思っていたが、彼女達の力を利用していたのか・・・。

 

一刀なりに感心していると、華琳が聞いてきた。

 

華琳「で、一刀は3人の誰がいいのかしら?」

一刀「そうだなぁ、左右の2人も捨てがたいけど、やっぱり真ん中の子かな。」

 

華琳の突然の質問に、何も考えずに答える一刀。

気が付いたときには遅かった。

華琳はムスッとした顔で、一刀の頬をつねる。

 

一刀「いててて・・・。」

華琳「ふんっ!!」

 

華琳はムスッとしたまま横を向く。

そして悲しい顔をして自分の胸元を見た。

その仕草に、さすがの一刀も華琳が何を考えているか分かった。

 

一刀はテレビを消し、そのまま後ろから華琳を抱きしめる。

そして、小さな声で「ごめん」と言った。

 

華琳「何よ、今更。一刀はどうせ胸の大きい子が好きなんでしょ。」

 

そう言う華琳を無理矢理振り向かせ、その唇を奪った。

息が止まるほどの長いキスを交わした後、一刀が言った。

 

一刀「華琳が一番だよ・・・。」

 

華琳はその言葉に笑顔を取り戻したが、すぐに真顔に戻る。

 

華琳「そんな言葉、みんなに言ってるんでしょ?」

一刀「確かに、みんな大切な人だ。だけど、今は華琳が一番だよ。」

 

華琳の言葉に嘘偽ることなく話す一刀。

その言葉に、華琳は自分の体を一刀に預けた。

 

華琳「ホント、調子いいのだから・・・。」

一刀「ごめん。でも、俺らしいだろ。」

華琳「ホント、一刀らしいわ・・・。」

 

そう言って今度は華琳から唇を合わせていった。

キスを交わしながら華琳を体を倒す一刀。

2人の夜はまだ続くのであった・・・。

 

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翌日、朝からフラフラ状態の一刀と、なにやら艶々している華琳を見て、分かる人間には羨ましがられ、分からない人間には大丈夫かと声をかけられる一刀。

だが、朝のこの情景もここ数ヶ月は見慣れたモノになっており、多くのクラスメイトは何もなかったようにスルーしていた。

ただ及川だけが、相変わらずの恨み節を述べていた。

 

そんな感じにいつもの日常が始まる。

と思ったのだが、今朝は違っていたようだ。

担任が入ってくるなり転入生がいると言ったからだ。

 

何か違う日常がまた始まる。

そんな予感めいたモノが、一刀をよぎった。

今でも普通一般からすれば全然違う日常なのに、これ以上の変化は要らないよ。

一刀は、そう思った。

だが、この一刀の思いは通じなかった。

 

担任に促され入ってきた子は、昨日テレビで見かけたアイドルらしき歌を歌っていた女の子。

その中でも、自分がいいなと思った中央に立っていた胸の大きな女の子であった。

 

担任による紹介と、本人による簡単な自己紹介が終わり、担任が席を指定する。

と、それより早くその子は一刀の姿を確認し、走って一刀のそばに来た。

 

??「一刀・・・。やっと会えた・・・。」

 

そう言って涙目のその子は、一刀の顔を押さえキスをした。

 

唖然となる一刀。

事情を知っている華琳は、やれやれと呆れ顔であったが、蓮華をはじめとした他のクラスメイトは一様に驚きの表情を見せた。

ただ、及川だけはまたかよという感じで、一刀を睨むのであった。

 

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あとがき

 

またまたご無沙汰してしまいました。

全然アイディアが浮かばず、浮かんでもこんな感じになってしまいました・・・。

 

再会編という事で、短い物語にしました。

まずは長女ちゃんが登場しましたけど、もちろん他2人も絡ませる予定です。

 

最初の一刀と華琳の絡み、直接的な表現無いから大丈夫ですよね。

とは言っても18禁がOKになっても、そう言った事は書けないので書く気無いですが(笑

 

次回は早めにこの続きを上げられればと思ってますが、まだ未定です。

あと、前作の春蘭秋蘭編の続きも近いうちに・・・頑張ります。

 

今回もご覧いただきありがとうございました。

説明
過去作、失われゆく世界の続きです。

タイトルで分かると思いますが、あの3姉妹の話となります。
とはいえ、今回は導入編なのでほとんどというより全くと言っていいほど出てきません。
またかなり短い話となっております。

舞台は現代なので、口調は過去作に合わせてあり、原作とは若干異なる可能性もあります。

誤字脱字報告、感想、叱咤激励お待ちしております。

前作はこちら
http://www.tinami.com/view/81732
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コメント
及川ェ・・・ 結構いいキャラしてると思うんだがなぁ(Alice.Magic)
現代でもアイドルデビューしてるなんて、やっぱりレベル高いですね。(ブックマン)
これ以上増えちゃったら、一刀の体力もたないんじゃ・・・(キラ・リョウ)
テレビにでてるひとがきゅうにきちゃったよ!!(motomaru)
地和と絡ませようぞ!!!地和と絡ませようぞ!!!地和と絡ませようぞ!!!←やかましいww(零壱式軽対選手誘導弾)
ははは 今更 そんな事言っても仕方ないじゃないか はははw さて・・・一刀が生き残れるのかが気がかりですねw(Poussiere)
一刀の果てが訪れないといいのだけど・・・(kanade)
天和達も来ていたんですねwwまた騒がしくなりそう・・・一刀の体力が心配ですねww(悪来)
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真・恋姫無双 恋姫†無双 一刀 華琳 天和 及川 

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