SAO~黒を冠する戦士たち~ 英雄外伝 第12話 軍を追う姉妹 後編
[全3ページ]
-1ページ-

 

 

 

 

 

 

 

 

 第12話 軍を追う姉妹 後編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-2ページ-

 

「えっ・・・・・?」

 

「ん?・・うおっ!おっさんいつのまに!?」

 

姉が後ろを振り向けば誰もいないと思いきや、ななめ下に路地の壁を背をおいて座っているゼウスがいた。「よう。」と声をかけるとゼウスはおしりをはたきながら、ゆっくりと立ち上がった。

 

「ゼウスさん、どうしてここに?」

 

「いや、なに軍のゴーバッツって奴と話し始めた時から変な視線を感じてな。もしかしたらと思ってさぐってみたら・・お二人がいた訳だ。」

 

どこか得意気に話すゼウス、妹は「かなわないな」と思いつつ納得するも、姉はと言うと、

 

「バレていたのかよ・・クソッ」

 

「もちろんです、プロですから(笑) ぐっほっ!!」

 

いきなり姉がボディブローを放ちそれが見事にヒットしゼウスはうずくまるのだった。

 

「お、お姉ちゃん、だめだよ年上にこんなことをしたら! それにこの人は・・」

 

「いいよ、いいよ、そんなに心配しなくても大丈夫だよ‘カヤ’ちゃん。」

 

笑顔でそう言って何事もなかったように立ち上がった。

 

「おっさんもこう言ってんだ、おまえが心配するほど、やわじゃあねぇよ。」

 

「お前はもう少しカヤちゃんから、おしとやかを学んだらどうだ‘マヤ’ちゃん。」

 

「大きなお世話だ。」

 

「フン」と鼻をならしてそっぽ向くマヤ。姉のマヤと妹のカヤ・・この二人がエドから生きるためのすべを教わり、軍の動きや内情を探っている、情報屋の姉妹である。今は二人とも黒いローブで顔を隠しているが、ゼウスとエドいわく、彼女らは双子の姉妹で見てもすぐに見分けがつかないほど似ているとのことだ。

 

「と言うか、こんな所でおっさんと戯れている場合じゃあなかった、いくぞカヤ。」

 

「えっ・・う、うん。」

 

そう言ってマヤはゼウスに背を向けて歩きだしカヤは一度、ゼウスにお辞儀をして後を追おうとしたが

 

「行くのか? 不安な心を背負ったままにか?」

 

マヤは歩みを止めた。

 

「どこまで、知ってんだよ。」

 

「1人二役で三文芝居で再現してやろうか?」

 

余裕の態度で答えるゼウス、マヤはどこか苛立ちを隠せないのか「チッ」と下打ちをするのだった。そして、勢いよくゼウスに振り向いて指をさした。

 

「言っとくけど、おっさんに止める権利はないからな!これは俺達の意思だ! 他人の意思に干渉しないのがおっさんの信条だろ!」

 

「(僕は行くの反対なんだけどな・・・)」

 

と、カヤがそんなことを思っているとは知らずにマヤは言い放った。ゼウスはそれを聞いて「うーん」と言いながら頬をポリポリとかきながらつぶやいた。

 

「別に止めるつもりはないんだけどな〜。ただ、不安を抱えたまま行くと思考を鈍らせ場合によっては死につながる・・・俺、いやなんだよね〜今日親しく話した知り合いが明日にはこの世界にいないってのは。」

 

「もしかしって、ゼウスさん僕達のこと心配してくれてるの?」

 

「そりゃあもちろん。こんなかわいい女の子を心配しないほうが男としてどうかしてるぜ。」

 

「ふん、気持ち悪いな、おっさんの心配なんかなくても俺は大丈・・「でも、さっきお姉ちゃん『俺も怖い』ってさっき言っていたよね」え、いや・・」

 

「というか俺、全部聞いていたんだけどな〜」

 

「っ-------。」

 

カヤが笑顔うかべながら言葉で責めて、それにたたみかけるように追い打ちをかけるゼウス。

 

何とも言い返せない状況に言葉をつまらせて苦い顔をするマヤ、さすがにかわいそうだなと思ったゼウスはいつもの陽気から変わり、真剣な表情になって話はじめた。

 

「悪かった悪かった、からかったりして、でもマヤちゃん俺は真剣にマヤちゃんのことを心配して言っているんだぜ。別に俺の心配をけがしても構わない・・けど、現実世界はもちろん、この世界でも心配してくれる人はいる。妹のカヤちゃん、お前らの師匠で俺の相棒(バディ)のエド、そして  もだ。」

 

「......ッ!?」

 

「   も、師匠もやっぱりしてくれたんですね。」

 

「おうよ、だからあまり心配してくれている人達を無がにするなよ。あっ・・・でも、これエドに秘密な。バレたら半殺しにされるから。」

 

妹のカヤはエドが心配してくれていることをきいて喜びと驚きを見せて、姉のマヤはゼウスの話を聞いていくうちに顔を沈めていった。師匠や  が心配してくれていたのはありがたいことで、うれしいとおもっている。でも、どうしても軍との決着をいや、けじめをつけたいという思いがある。そのためにはどうしても危険を承知で情報収取や偵察を行わければならない。どうしたら心配をかけずにすむのか、どうしたら周りを納得させることができるのか、とにかくそのことがマヤの頭のなかで回り、どうしたら良いのか自分でも分からない状態だった。

 

「‘燈台下暗し’とはこういうことだ。お前の目の前に誰がいると思っているんだ?」

 

ふと顔を上げると右手を動かしているゼウスの姿があった。

 

「何してるんだよおっさん・・・」

 

「なにって、おめぇらのためになることだよ。俺は何でも屋だぜ。何でもできるわけじゃあないが、俺ができることを精一杯やるつもりだ。そんでもって、俺が精一杯できることはおめぇら姉妹に助っ人を出すことだ。」

 

ゼウスは右手でメールを打ち込む動作をしており、ある人物とコンタクトをとっていた。カヤは助っ人の人物がもしやっと思って・・

 

「もしかして、ゼウスさん師匠を呼んでいるのですか?」

 

「いや、エドはいろいろ動いてもらっているから助っ人には呼べない。俺が呼んでいるのは・・・・おっ、きたきた。」

 

相手のメールがかえってきたのか、話しを切り上げてメールを読み始めた。数秒ほどの沈黙が流れ、メールを読み終えたのか、ゼウスは口を開いた。

 

「よし、今から最前線の広場に向え、そこで助っ人と合流だ。」

 

「誰だよ、その助っ人て?」

 

マヤがどこか落ち着いた声でゼウスに聞いた。

 

「俺の友で頼れる採掘屋さん。周りのプレイヤーは皆こう言うぜ。」

 

そういって一息いれて言った。

 

「‘剛腕’のレクスってね。」

 

 

 

 

 

 

Tobecontnued…

 

 

 

-3ページ-

 

 

 

 

 

簡単キャラ紹介

 

 

 

マヤ(CV佐倉綾音)

 

カヤとともに行動しているプレイヤーで軍に関わる情報を集めている情報屋、現実ではカヤの姉にあたる。一人称は「俺」。ぶっきらぼうで男勝りな人物であり、とくにゼウスに対してはツンが激しく対抗心を燃やしている。逆にエドに対しては師匠と言うほど呼び慕っている。

元々軍に所属していたが、あるトラブルに巻き込まれて死んだことになっており、素顔を隠して生きている。

 

 

 

カヤ(CV久野 美咲)

 

マヤとともに行動しているプレイヤで軍に関わる情報をあつめている情報屋、現実ではマヤの妹にあたる。一人称は「僕」。おしとやかで落ち着きのある人物であり、いつも姉の言動に振り回されている。エドを師匠と言って呼び慕っている。

姉と同様軍に所属していたが、あるトラブルに巻き込まれて死んだことになっており、素顔を隠して生きている。

 

 

 

あとがき

 

 

12話いかがだったでしょうか?

 

 

前回も書きましたが、この二人はいずれある事件の裏側での出来事で活躍させます。というか一番の見せ場ですね。二人のキャラの容姿はまだ内緒で、言えるとしたら二人とも違う作品のキャラです。でも、双子なので見た目が良く似ているキャラになっています。

あと、空白のところがあったと思いますが、これは本郷さんの作品に出てくるあるプレイヤーの名前が入ります。二人の関係と言いましたら現実ではそのプレイヤーの従弟の子供がこの二人となります。

 

 

次回、時間的にはキリトがボスを倒した後くらいの話しとなります。そして、またもや新キャラ登場です。

 

 

 

それではこのへんで、ではまた・・・・。

 

 

 

説明
どうも、グルメです。ゲームをしつつ小説の構成を考えている毎日を送っています。書きたい話はあるのですけど、そこにいたるまでの過程が大変ですね。

さて、今回は前回の続き、声をかけてきたのはやっぱりあの男です。

それでは、どうぞ。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
873 869 1
コメント
本郷さん 解決までの道のりは長いです。どこかで二人の回想は入れたいですかね。(グルメ96)
元軍所属で情報屋、しかも死んだことになっているとは……そのトラブルが明らかになるのを楽しみにしています(本郷 刃)
タグ
SAO SAO~黒を冠する戦士たち~ オリキャラ ソードアート・オンライン 三次創作 作者からの許可あり。 駄文 

グルメ96さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com