真・恋姫†無双 〜魏〜 終焉後物語5
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盗賊に襲われた次の日、一刀は警備兵を集めていた。

 

一刀「まずみんなには警邏をするものとして自覚を持ってほしい」

 

怪我をしてる人間もいたが昨日の出来事が堪えたのか、

 

全員が真剣な顔持ちだった。

 

一刀「この戦争が終わってからの三年間、何事も無く平和だったかもしれない。でも、みんなは街を守ってるんだ。それだけは忘れちゃいけない」

 

自分の考えを訴えかけるように話しかけた。

 

一刀「俺は昨日の事態が一番最悪な場合だと思ってる」

 

あえて一番厳しい言葉を選び、投げかけた。

 

警備兵の中には顔をうつむいたもの、悔しそうにしているものと様々だった。

 

一刀「それは何でかわかるかな?」

 

警備兵A「不様に負けたことですか」

 

一刀「違うよ」

 

警備兵B「街を守れなかったことでは・・・」

 

一刀「違う」

 

警備兵C「見張りをおこたっていたことですか」

 

一刀「違うよ」

 

警備兵A「ではなんなのです!」

 

一人の隊員が痺れを切らし声を張り上げてきた。

 

一刀「それは・・・命を守れていなかったことだよ」

 

その言葉に隊員の一人が反応した。

 

警備兵A「私たちが言ったことと何が違うのですか?」

 

一刀「みんなが言ったことなんて大間違いだよ」

 

その発言に対しての反感の意志が伝わってきた。

 

一刀「街を守るために命を懸けて戦ったのかもしれない、盗賊を倒すために死ぬ覚悟で立ち向かっていったのかもしれない。でもそれじゃだめなんだよ」

 

一刀は話を止めずに続けた。

 

一刀「戦いで勝てなくったっていい、全然かなわなくたっていい。でも街のみんなを守ることだけは譲っちゃいけない。敵を倒しても、守れなかったらそれは負けと同じだから・・・」

 

一刀「それに俺は命は懸けるものだと思わない。命は・・・繋ぐものだと思ってる」

 

警備兵C「・・・繋ぐ?」

 

一刀「うん。多くの人を助けても自分が死んでしまったら、もう、誰も助けることは出来なくなるんだよ。それがどんなに名誉だったとしても、死んでしまってはそれでおしまいなんだよ。どんなに窮地に陥っても、君たちが生き残る道を選べば、未来に多くの人を助けることができるかもしれない。」

 

警備兵「・・・・・・・」

 

その場の誰もが一刀の話を聞き入っていた。

 

一刀「どんな状況でも命を取られなければ負けじゃない、信念さえ折られなければ負けじゃない。心と体が生きてさえいればどんな相手にも最後には勝てるよ。絶対に・・・!」

 

一刀は昔のことを思い出しながら話をしていた。

 

一刀「自分の命を繋げば、絶対に他の命を繋げることが出来る。だから、どんな状況でも死より生を選んで欲しい」

 

一刀「俺は、甘いのかもしれない、偽善なのかもしれない。それでも・・・俺は・・・俺が正しいって信じるよ」

 

その場の空気は軽くなっていた。

 

誇りよりも命、名誉よりも未来をとれという考えに唖然としてはいた。

 

なぜこんな奴が強いのか?なぜこんな奴が俺たちに説教をしているのか?こんな奴はありえない・・・

 

普通ならそう考えていただろう。

 

しかし、この人は違う・・・偽善などではなく本当の優しさを持っている・・・

 

なぜかそう思えたのであった。

 

警備兵B「なら、我々はどうすればいいんですか」

 

一刀「俺が出来るだけ協力したいと思う。不満もあるとは思うけど、それでも絶対に力になって見せるよ」

 

一刀は笑顔を浮かべた。

 

警備兵A「いえ、むしろ我々が協力をお頼みしたいぐらいですよ」

 

一刀「ははは、俺はそんなにすごい人間じゃないよ。でもそういってくれるのは素直に嬉しい。じゃあ、これからよろしくね」

 

警備隊の指揮を執る。一刀は、これが自分の役回りなのかなと思っていた

 

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その翌日から、店の営業が終わり次第、警備隊の訓練を手伝った。

 

警邏の内容に関しては洛陽のものを南陽でも採用しているため、現在時点で改善すべき点はなかったが、平和ボケしていたため仕事にかける人数が半分以下になっていたことがこの前の事態を引き起こしたのだ。

 

あろうことか、盗賊襲撃事件が彼らの気持ちを切り替える出来事になったのはいういまでもない。

 

一刀の訓練のほとんどが実践訓練となっていた。

 

そして、初日の訓練も一時間が過ぎた・・・

 

一刀「みんな、攻撃をするのが遅いよ。いっそのこと相手が準備し終わる前を狙って攻撃するぐらいがいいかな」

 

地面に倒れている警備兵たちにアドバイスをしていた。

 

警備兵A「いや・・・魏光殿・・・さ、さすがに・・・そ、それはいささか卑怯な気が」

 

訓練を受け、息が絶え絶えながらも反応をした。

 

一刀「う〜ん、そうだけど、それをいえるのは一騎打ちのときぐらいかな」

 

警備兵「?」

 

一刀「だってみんなが戦うのは確実に敵が一方的に悪い場合が多い。そういう奴相手に俺は卑怯も何もないと思うんだけどな」

 

警備兵A「それはそうですが・・・」

 

一刀「それに、誰も武器を持ってない相手を攻撃しろって言ってるわけじゃないんだから」

 

警備兵B「はぁ・・・」

 

その言葉を警備隊全員が理解できていなかった。

 

一刀「つまり、相手よりも先に有効な攻撃を仕掛けて欲しいってことなんだよ」

 

警備兵C「先にですか?」

 

一刀「そう、さっきだって俺一人に対して一人一人で立ち向かってきたじゃないか。あれももったいないよ、せっかく人数差があるっていうのに」

 

警備兵A「しかし、それでは訓練にならないのでは」

 

一刀「じゃあ、みんなは戦場で相手武将に一人で戦いを申し込むかい?」

 

警備兵A「いえ、それは・・・」

 

一刀「それに人数差があるのに一人一人で戦って、無駄な被害を増やすくらいなら俺は卑怯っていわれてもかまわない」

 

その真剣な目には警備兵たちも納得するしかなかった。

 

警備兵B「そうですね」

 

警備兵C「四の五の言ってる場合ではありませんしね」

 

一刀「そういうこと。じゃあ休憩は終わり。さぁ、続きをはじめよう」

 

警備兵たちは疲労した体を奮い立たせ、一刀に向かっていった。

 

しかし、そのあとも一刀から一本すら取ることが出来なかったことは彼らの自信喪失につながった。

 

〈盗賊襲撃事件から一週間後〉

 

洛陽の玉座の間で華琳と数名の将が街のことについての会議をしていた。

 

会議も終わり、解散をしようとしていたところに秋蘭が口を挟んだ。

 

秋蘭「華林様。南陽から来た商人に聞いた話なのですが」

 

華林「えぇ、何かしら」

 

その言葉を聞き秋蘭は話を続け、

 

秋蘭「1週間ほど前に南陽が盗賊に襲撃されたそうなのですが・・・」

 

その話をさえぎったのは春蘭だった。

 

春蘭「なに!?こうしてはいられないすぐにでも南陽に向かうぞ」

 

今にも飛び出していきそうな勢いだった。

 

秋蘭「姉者、まだ話は・・・」

 

春蘭「秋蘭、なぜそんなに落ち着いている?今すぐにでも・・・」

 

桂花「全く、これだから猪は」

 

春蘭の発言に呆れていた。桂花が口を挟んできた。

 

春蘭「な、なんだとぅ?!」

 

桂花「本当のことを言ったまでよ」

 

春蘭「お前という奴は!!」

 

華琳「いいかげんになさい!二人とも」

 

二人の言い争いに一喝をいれたのは華琳だった。

 

華琳「春蘭!人の話を最後まで聞かないのは貴方の悪い癖よ。それに桂花!あなたもそう話をややこしくしないの」

 

桂花「・・・・はい」

 

春蘭「も、申し訳ありません華琳様」

 

二人が静かになったところで、

 

華琳「秋蘭、話を続けて頂戴」

 

秋蘭「はっ、そのものが言うには盗賊に警備の者たちが全員やられてしまったそうなのですが、南陽にいた青年が盗賊を一人で退けたそうです」

 

華琳「へぇ、盗賊の規模はどれくらいだったの?」

 

秋蘭「商人の話では二、三十人ほどだったそうです」

 

霞「やるやないの、そいつ!一人で全員を相手にするなんて結構強いんとちゃう?なんや会ってみたいなぁ」

 

その話を聞いた霞が青年に興味を持った。

 

春蘭「ふん、私もそれぐらいは朝飯前だがな」

 

桂花「張り合ってどうするのよ全く・・・」

 

桂花がまた春蘭の発言に呆れていると、

 

秋蘭「いやそれがな・・・」

 

霞と春蘭の発言を聞き秋蘭は話の続きを話した。

 

霞「妙ちゃん、どないしたん?」

 

秋蘭「聞いた話だと一人倒しただけ、正確に言えば二人倒しただけで盗賊は撤退していったのだそうだ」

 

華琳「・・・・・・」

 

霞「なんやそら」

 

春蘭「たった二人だと?なら、二人がやられただけで盗賊たちは逃げていったということか。それではその者が強いかどうかもわからないではないか」

 

風「そうとは言えないですねー」

 

その場にいた風が話に割り込んできた。

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霞「なんでなん?風っち」

 

風は説明を始めた。

 

風「それはですねー。平和になったとはいえ、仮にも訓練されていた警備兵がやられていたということはある程度の強さがその盗賊にはあったということでしょう」

 

風「それに、たぶんですけど。その人が倒したのは盗賊のなかで一番強かった人か主犯格の人間だったのではないでしょうか」

 

風は詳細を秋蘭に尋ねた。

 

秋蘭「よくわかったな風、そのとおりだ。その青年は一瞬で主犯格の男を倒したらしい」

 

風「ならその人はその盗賊の男を狙って倒したのですねー」

 

春蘭「なぜだ風?」

 

そこに華琳が口を挟んできた。

 

華琳「殺一警百ね」

 

春蘭「しゃ〜い〜じんぱい?ですか華琳様」

 

全く理解の出来ていない子のために華琳は説明をした。

 

華琳「殺一警百とは、敵を一人殺して、残りの百人の敵に警告をするという意味よ」

 

春蘭「・・・・・・」

 

秋蘭「つまりだ姉者。姉者が戦場で敵一人を圧倒的に倒せば、他の敵の腰が引けるということだ」

 

春蘭「おー、なるほど」

 

数人のため息が聞こえたのは言うまでもない。

 

華琳「つまりその者は頭も切れるということね、風」

 

風「・・・・ぐぅ」

 

稟「こら、風!ちゃんと起きなさい」

 

風「・・・・おぉ!?」

 

横にいた稟が風を起こした。

 

風「うぅ〜ん・・・・・まぁ、そういう可能性もあるということですねー」

 

華琳「その者にあって見なければ分からないということね」

 

華琳は少し考えた後に、

 

華琳「秋蘭、その商人はいつ頃南陽に戻るかは分かるかしら?」

 

秋蘭「一週間程したらあちらに帰るということを話しておりました」

 

華琳「なら、霞。あなたが商人の警護もかねて南陽に赴き、その男に会ってきて頂戴」

 

霞「えっ、うちがいってええん?」

 

華琳「ええ、あとは風がいればその者がどういう者か判断できるでしょう」

 

宝ャ「おぅおぅ、俺に任せとけってもんだぜ」

 

風「強気発言ですなホウケイ」

 

南陽に行く人員が決まったのだが、

 

春蘭「華琳様!なぜ私ではないのですか?」

 

春蘭が不満をあげた。

 

華琳「貴方が行くと話しがややこしくなるでしょうに・・・」

 

春蘭「・・・そ、そんなぁ・・・」

 

霞「でも、元ちゃんはいいとして妙ちゃんは行かへんの?」

 

春蘭を選択肢からはずした霞が、適任でありそうな秋蘭の名前をあげてきた。

 

稟「その時期は私と秋蘭様は少しやることがありますので」

 

秋蘭「そういうことだ」

 

霞「ん〜、なら、久しぶりの遠出やし楽しませてもらうわ」

 

桂花「それより華琳様、その者を見てどうするおつもりなのですか」

 

桂花が素朴な疑問を聞いてきた。

 

華琳「そうね、使えそうだったら、私の下に置こうかと思っているわ」

 

桂花「えぇえぇぇぇーーー!?」

 

桂花の声が響いた。

 

稟「そんなに驚くことではないでしょう。むしろ、華琳様らしいではないですか」

 

桂花「これ以上将を増やしてどうするのです?それに男なんてものを・・・」

 

稟「むしろ、貴方が反対の理由はそれだけではないですか」

 

稟は桂花の私的な理由に呆れていた。

 

華琳「桂花。有能な武将はいくらいても足りないものなのよ」

 

桂花「か、華琳さまぁ〜」

 

華琳「もうこの話は終わりよ、じゃあみんな解散して頂戴」

 

こうして、南陽に霞と風が向かうことになったのだが、

 

南陽にいる一刀はそのようなことが決まっているとは心にも思っていなかった。

 

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訓練を初めてから二週間、この日は訓練は無く、一刀はお店の仕事に没頭していた。

 

お客で賑わっていた店内、

 

そんな忙しいお昼時を過ぎ、最後のお客が店から出ていった。

 

李淵「今日も人が多かったなぁ」

 

蒼蓮「そうかな、私はいつもどおりだった気がするな」

 

一刀「どちらにせよ、お客が多いのは嬉しいことだよ」

 

蒼蓮「それもそうですね」

 

と片付けを始めだした時だった。

 

???「お腹が空いたのだぁー」

 

ふと店の扉が開き女の子が入ってきた。

 

蒼蓮「あっ、いらっしゃいませ」

 

その女の子はすぐに店の席についた。

 

???「おい、鈴々、先に行き過ぎだぞ、まだここがその店かどうかもわかんないんだぜ」

 

???「ていうかお姉さまも十分早いってば・・・」

 

???「たぶん、このお店で間違いないと思います。街の人たちに聞いたとおりの場所にありましたし」

 

???「そうだよね、こんなにおいしそうな匂いがしているお店なんだし間違いないよね」

 

続々と女の子たちが入ってきた。

 

李淵「うぇ!折角片付けをはじめたのに」

 

一刀「そう言うなって、なんだかこの店目当てで来てくれた・・・っぽいし・・・・・・」

 

その女の子達の方を見た瞬間、一刀は驚きを隠せなかった。

 

李淵「魏光さん?どうかしましたか」

 

一刀の姿を見て李淵が話しかけてきた。

 

一刀「い、いや何でもないよ」

 

出来るだけ、何事も無いように振舞ったが明らかに動揺していた。

 

李淵「?」

 

一刀「(何で、蜀の人たちがここにいるんだよ。張飛に馬超、たぶんあの子は馬岱かな。それに諸葛亮も、ていうか劉備までいるし。いったいどうなってるんだ)」

 

目の前の状況にただ混乱するばかりであった。

 

一刀「(いや、もう三国は同盟を組んでるんだから魏にいたってなんらおかしいことはないのか。でも、明らかにうちの店目当てって言ういい感じだったぞ。なんだ・・・なんでだ?)」

 

一刀は知らなかった。

 

自分の店で振舞っている料理が有名になっていることを。

 

様々なところから訪れる商人たちの評判により、国を越え他国にまでその名前は広がっていた。

 

一刀がそんなことを考えているとは知るわけも無く、

 

蒼蓮は店の看板を下ろしていた。

 

蒲公英「あれ、看板下ろしちゃうの?」

 

桃香「えっ、お店もう閉めちゃうんですか?」

 

その様子を見た桃香が心配そうに聞いてきた。

 

蒼蓮「あっ、はい。あなた方で最後ですので、一応他の方が入ってこないようにするためです」

 

翠「なんだ、ぎりぎりだったのかよ、危なかったな。」

 

鈴々「鈴々が急いで正解だったのだ」

 

朱里「ふふ、そうですね」

 

翠「うっ・・・」

 

蒲公英「お姉さま散々ですね」

 

五人は楽しそうに話をしていた。

 

しかし、一刀は気が気ではなかった。

 

自分が知っている、自分を知っている可能性が高い人に会うのはこれが初めてだったからだ。

 

一刀「(でも、直接的に会ったわけでも戦ったわけでもないわけだから大丈夫か)」

 

そう思い、一刀は少し平静を取り戻した。

 

鈴々「早く何かを頼むのだ、翠よ。もう鈴々はおなかが減ったのだ」

 

翠「うるせぇーな、もうちょっと待てよな」

 

桃香「ねぇ、全然聞いたことの無い料理が多いよ。どうしよう?」

 

朱里「そうですね、それならむしろお店の人にお勧めを聞いたほうがいいのではないでしょうか」

 

蒲公英「賛成!」

 

桃香「うん、それがいいね。あの、すいません」

 

蒼蓮「はい、なんですか」

 

桃香「このお店のお勧めってありますか?」

 

蒼蓮「そうですね、うーん・・・魏光さんは何がお勧めですか?」

 

蒼蓮が厨房の方にいる一刀に聞いてきた。

 

一刀「(ぐふっ!蒼蓮ちゃん。俺に聞かないで欲しかった)」

 

そう思いつつも、厨房から出てきた。

 

一刀「お勧め?そうだな・・・無難に定食の中から選んでいただければいいかと思います」

 

鈴々「ていしょくってなんなのだ?」

 

一刀「定食ってのは、白米と汁物、それに惣菜に野菜なんかが一緒になったもののことです」

 

翠「へぇ、そんなについてんのか。」

 

朱里「少し変わった形態ですね」

 

一刀「そうですね、ここら辺ではない形態ですけど、私からすればこちらのほうが品目を絞ることが出来て効率がいいんですよ」

 

軍師殿に簡単な説明をした。

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蒲公英「じゃあじゃあ、それでいいと思いまーす」

 

桃香「?よくわかんないけどじゃあみんなその定食をお願いします。」

 

理解はしていなかったようだが、一刀の勧める料理に決定した。

 

一刀「わかりました。それじゃ少し待っていてください」

 

厨房に戻り調理を始めた。

 

 

 

調理が終わり、蒼蓮が二種類の定食を運んでいった。

 

桃香「うわぁ、見たことない料理だけどおいしそう!」

 

朱里「そうですね、いい香りをしていますし」

 

翠「おし!いただきま・・ってもう食ってるし」

 

翠の横では鈴々がすでにがっついていた。

 

鈴々「んーまいのだぁ!!」

 

食べながら叫んでいる鈴々を気にせず三人とも料理を食べていた。

 

桃香「おいしー、あのこれってなんて言うんですか?」

 

一刀「それは、てんぷらって言って野菜やえびとかを揚げたものなんです。」

 

朱里「へぇ、食材を揚げているんですか」

 

翠「これもそのてんぷらってやつなのか?」

 

一刀「いえ、そっちはとんかつっていうんですけど、そちらは豚肉を揚げたものです」

 

蒲公英「?どっちも揚げてるのに全然見た目が違うんだね」

 

一刀「そこは調理法と材料の違いですよ」

 

翠・鈴々「???」

 

二人の頭の上には特大の?が見えそうなぐらいの顔だった。

 

一刀「まぁ、おいしくいただいてもらえればそれでいいんですよ」

 

鈴々「うん!十分においしいのだ」

 

翠「あぁ、こんなにおいしいんならここまで来た甲斐があったな」

 

ふと漏らした翠の言葉に一刀が食いついた。

 

一刀「そういえば、南陽の方ではありませんよね?」

 

桃香「えぇ、私たち蜀の成都から来たんです」

 

一刀「そんな遠いところからなんで南陽に来られたのですか?」

 

一刀は疑問に思っていたことを口にした。

 

桃香「それはですね・・・」

 

鈴々「おいしい店が南陽にあるっておじちゃんが言ってたのだ」

 

桃香をさえぎって鈴々が答えてきた。

 

一刀「お、おじちゃん?」

 

朱里「あっ、その方は南陽から来た商人の方のことです」

 

鈴々「そうなのだ」

 

一刀の計らいで特盛にされていた料理を鈴々はおいしそうにほうばっていた。

 

朱里「その方が南陽においしくて珍しい料理を出すお店があるという話をしていまして、その話を聞いたとたんに桃香様と鈴々ちゃんが行きたいとおっしゃったもので・・・」

 

蒲公英「はるばるこんなところまで来てあげたわけ♪」

 

翠「おい、たんぽぽ口が悪いぞ」

 

そういうと翠は蒲公英の頭を殴った。

 

蒲公英「いったぁーい」

 

一刀「そういうことでしたか。じゃあ、貴方が蜀の劉備さんですね」

 

桃香「えぇ!?どうしてわかったんですか」

 

一刀「いや、成都から来られてますし、これだけの方々を見ればたいていの人間は分かるというものです。それに、あなた方のうわさは何度も耳にしたことがありますし」

 

朱里「・・・・・・」

 

鈴々「鈴々たちは有名なのだ」

 

蒲公英「まぁ、桃香様って分かりやすいしねー」

 

一刀「そこで、なんなんですが。折り入ってお頼みしたいことが」

 

桃香「?、なんですか」

 

一刀「それは・・・・」

 

 

料理を食べ終わり、桃香たちは外へと出てた。

 

桃香「じゃあ魏光さん、また明日!」

 

一刀「はい、よろしくお願いします。」

 

蜀の面々は街の宿へと向かっていった。

 

翠「たく、桃香様はすぐに承諾しちゃうんだから」

 

蒲公英「そうだよー。蒲公英、お店まわろうと思ってたのに」

 

桃香「えぇー、だって頼りにしてくれてるからあんなことを頼んでくれたんだよー。それに、またご飯食べさせてくれるっていってくれたし」

 

鈴々「鈴々はおいしいものが食べれればそれでいいのだ」

 

翠「いやたしかに、あの店の料理はうまかったけどさ・・・ていうか桃香様何にもしないじゃん」

 

桃香「えへへ」

 

翠「もう、朱里も何とか言ってくれよ」

 

朱里「・・・・・・」

 

蒲公英「?どうしたの」

 

考え込んでいる朱里に声をかけた。

 

朱里「あっ、いえなんでもないんです」

 

蒲公英「??」

 

朱里「(なんであの方は確認を取るように名前をいってきたんだろう・・・お店に入ったときに私たちの顔を見て、驚いていたから私たちのことを知っていたはずなのに。でも、嘘をついているような人には見えないんだよなぁ。)」

 

朱里は不可解な行動に疑問を持っていた。

 

そして、明日魏光さんに問いかけてみようと考えていた。

 

 

 

一刀は、少し思いふけっていた。

 

他国の子達とはいえ、彼女たちが以前に比べて大人になっていたことを。

 

一刀「(だいぶ、みんな大人になっていたな。張飛さんなんてほとんど戦場でしか見たことなかったけどだいぶ大人っぽくなってたな)」

 

一刀「(蜀の子達があんなに変わってるんだ。魏のみんなもだいぶ大人っぽくなってるんだろうな・・・)」

 

会えないのではなく、時が来るまで会わないようにしていることが少し苦しく思えてきた一刀だった。

 

一刀「一目だけでも・・・みんなをみたいなぁ・・・」

 

李淵「魏光さん!片付け手伝ってくださいよ」

 

一向に入ってこない一刀に李淵が声をかけた。

 

一刀「あぁ、ごめんごめん今行くよ・・・まぁ、時が来れば会えるか」

 

そう思い、一刀は店に戻っていった。

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・ ・ ・ 雑 談 ・ ・ ・

 

いやぁ、更新遅くなりました。

 

謝りませんよ!確実に時間を見つければもっと早く更新できたにの更新していなかったことは!!

 

・・・・・

 

すいません(_ _)

 

 

 

それに、ちょっと、動き出したぐらいであまり進んでいないなんて・・・

 

そんなこと気にしないです!!!

 

終わり方が毎度似ているなんてそんなことも気にしないです!!

 

 

そういえば、魏光じゃ風にすぐばれるんじゃってのをいただいたのですが、

 

名前ではばれないんじゃないかと思っています!!(願望)

 

いや、根拠はないんですが、

 

ただ、名前に魏って入ってる人はたくさん三国志の世界にはいますし、

 

「変わった名前ですね」ってぐらいですむのではないかって思ってます。

 

現に、魏延っていますしね!!

 

・・・

 

えっ?

 

別に名前からじゃなくて、言動からみてばれるって?

 

一緒にいたら最終的に、名前も怪しまれるんじゃないかって??

 

・・・・・

 

 

 

さて、内容の話に行きましょう!!

 

今回、一刀君が警備の方々にかなり熱弁をしました。

 

すこし、一刀君っぽくなかったような気がしますが、それだけ一刀君も分かった欲しかったってことで・・・

 

あと、一刀君の強さはなんだかこれまでの内容だとすさまじく性能UPしていますが、

 

そこらへんの話も今後していきたいと思ってます。

 

それと、キャラ全員を出すのはまだまだ時間が掛かりそうです。

 

魏でさえ、みんなでていないというのに、

 

呉なんて、ほとんど・・・・・

 

魏のその後だからまいっか!!(笑泣

 

 

 

そういえば、

 

S 恋、貂蝉、卑弥呼

A 愛紗、鈴々、星、翠、華佗

B 紫苑、桔梗、焔耶、華琳、春蘭、秋蘭、季衣、流琉、雪蓮、祭、思春、明命、霞、華雄、美以

C  蒲公英、凪、真桜、沙和、蓮華、小蓮、冥琳、亜莎、白蓮、斗詩、猪々子

D 一刀?、桃香、穏、麗羽、七乃、地和、トラ、ミケ、シャム

E 朱里、雛里、璃々、桂花、風、稟、月、詠、音々音、美羽、天和、人和

 

が強さランクだそうですね。

 

なんだか?っておもうところも僕は会ったんですけど、みなさんはどうですか?

 

またまた一度聞いてみたかったんです。

 

 

 

なんだか、いらない話をしましたけど、今回はこれで。

 

いつも、支援、コメント、閲覧してくださってる方ありがとうございます。

 

 

 

それではまた次のお話でお会いしましょう (・ω・)ノシ

 

説明
こんにちわharutoです。
更新遅れてます!!
それと、魏に少しだけ動きありです^^;

熱読してもらえれば光栄です^^
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コメント
一刀はランクSSじゃないのか!(女性に対して)ww(零壱式軽対選手誘導弾)
強さランクは乱世の経過の仕方で結構変わると思いますw(rikuto)
ランクの蜀贔屓がひどいですねw恋姫無双だとあれですが同じく蜀贔屓の三国志演技なら文醜とか顔良とかもAでしょうし(sg)
最上那智さん:ぐはっ!?まだ誤字があった。報告感謝です!(haruto)
誤字です。朱里のセリフの、言えなんでもないですは、いえなんでもないですでは?(最上那智)
motomaruさん:自分もそう思います。鈴々に勝てなかったとはいえAはあるでしょう。(haruto)
なんとなくだけど春蘭と霞はAでもいような〜。(motomaru)
sinさん:ありがとうございます。出来る限り奮闘させていただきます!!(haruto)
面白かったです。次話を楽しみに待っています。(sin)
キラ・リョウさん:璃々はたしかにおかしいですねwwていうか地和がDなのがよくわかりません(haruto)
零壱式軽対選手誘導弾さん:美以は不明ですよね;;凪も真桜と沙和と同格にされてますし^^;(haruto)
一刀怪しまれてますね・・・   続きが気になります。  璃々がランキングには入ってるのはおかしいような・・・(キラ・リョウ)
凪と美以逆じゃねと思うのは俺だけかなぁ´・ω・`  あと華ダがAなのに驚いた!あれって強さなのか!!!(零壱式軽対選手誘導弾)
村正さん:そうですね、あれだと蜀が負けるのがおかしい設定ですよね(笑 次回、一刀君はどうなるのやら!(haruto)
ブックマンさん:三人からの魔の手から一刀君は逃れられるか・・・・ってあれ、いつ魔の手になったんだろう(笑(haruto)
クォーツさん:作者も次のお話を期待です!!(笑汗(haruto)
Poussiereさん:誤字指摘感謝です。それは、また次のお話ということで!(haruto)
jackryさん:何!?そうだったのか。危うくだまされるところだった・・・(笑(haruto)
悪来さん:そうですよね。霞なんて愛紗とやり合ってたところがあるのにBですし。(haruto)
最上那智さん:そうのです!孔明さんはゆえにはわわなのです(笑(haruto)
ブレイドさん:そういっていただけるのは感謝です。頑張れ俺!頑張れ俺!(haruto)
cheatさん:はははっ・・・(汗汗) そんなこたー・・・(¬▽¬;(haruto)
munimuniさん:一刀君は何かを頼んだんです!そうなにかを・・・(haruto)
とらいえっじさん:作者(それはですね・・・ 李淵(作者さーん早く話を書き上げてくださーい 作者(あっ、はーい。それはまた次のお話で(haruto)
トーヤさん:音々音が一刀をけるときはすさまじいジャンプ力を見せますしね(笑(haruto)
st205gt4さん:そういっていただけるなら頑張るしかないです!(haruto)
強さランクは雪蓮、祭、春蘭がちょいひくいような・・・てか蜀が強すぎるw朱里の目に留まった一刀はどうなることやら・・・期待してます♪(温泉まんじゅう)
朱里からは目をつけられ、魏からは風と霞の魔の手がせまる?一刀はどうするのか。(ブックマン)
二人はどんな反応するのかな? 次作期待(クォーツ)
さてさて・・・・・・・後々出会う 霞と風・・・・・どんな再開が見れるのか愉しみですねー^^w(Poussiere)
ははは、どうでも良い誤字あったー 6p目 亜莎 亞莎の間違いですね はいw。(Poussiere)
凪はBでしょ?てか美以がBなんですか?つっこみ処だらけのランクですねーΣ(・ω・;)(悪来)
さすが孔明ですね(最上那智)
あぁこの後の展開が気になる、早く続きが読みたい(ブレイド)
霞も風もそれぞれ直感と観察力でどんな偽装でも見破りそうですねぇ (・∀・)ニヤニヤ(cheat)
桃香に頼みごとかぁ・・霞や風とすれ違いで蜀にでも行くのかな?(とらいえっじ)
自分は音音音は一刀より上でしょう。陳宮キックの破壊力は半端無いと思います。(トーヤ)
あまりないSSで面白い・これからも支援するです。(st205gt4)
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