真・恋姫†無双 異伝「絡繰外史の騒動記」第十二話
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「お待ちしておりました葵(馬騰の真名)様。葵様達が味方についていただき、まさに百万

 

 の味方を得た思いです」

 

「ふっ、月の口からそこまで歯の浮くようなお世辞を聞く日が来ようとはな…私も年を取っ

 

 たわけだ」

 

「葵様は母と共に戦っておられた頃から何一つ変わってないように見えますけど?」

 

 董卓側の援軍として洛陽に入った馬騰は、月と会うなりそんな軽口を叩きあっていた。

 

 ちなみに、会話の中にもあった通り、馬騰は月の母親と同じ部署に所属し共に戦っていた

 

 仲間であった。その縁で月とも小さい頃から交流があり、今回の袁紹からの檄文に記され

 

 ていた『董卓が洛陽で暴政を行っている』という内容に疑問を抱いており、出兵するかを

 

 迷っていた所に公達の訪問を受け、それが董卓側での参戦を決意させる事になったのであ

 

 った。しかし、ただそれだけで董卓側についたわけではなく…。

 

「ところで月、何でもこっちには凄い馬具があるそうだな?」

 

「えっ…ああ、公達さんから聞かれたのですね。今それを馬具職人総出で造ってもらってい

 

 る最中ですので、数が揃い次第、葵様にもお渡し出来るかと」

 

「ほぅ、それは楽しみだな…それはそうと、その馬具を考案した者は今何処にいる?」

 

「今は洛陽を離れていますが…何か御用事ですか?」

 

「いや、何でもその者は洛陽で『絡繰興行』なる物をやっていたと公達から聞いてな、その

 

 興行の噂は武威にも届いていたもので…その、何だ、一度見てみたいなぁと」

 

 少し恥ずかしそうに顔を背けながらそう言う馬騰の姿に月はつい笑ってしまう。

 

「い、良いじゃないか。私だって気になる物は気になるんだ」

 

「いえ、そういう所は昔から変わっておられないようなので…近い内に一度こっちに戻って

 

 来るはずですので、その時に時間があれば話しておきます。もしくは、戦に勝った後にな

 

 りますけど」

 

 

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「うむ、分かった…ところで今『戦に勝った後』と言ったが、勝てるのだろうな?」

 

「…葵様は我らが負けるとお思いなのですか?」

 

「いや、そうではないが…正直、向こうは袁紹を中心としてその数は二十万を超えると聞く。

 

 どうやらこっちにも十万以上はいるようだが、物量の差をどうやって埋めるのだ?一度此

 

 処まで攻め込まれればもう覆しようは無いはずだ」

 

「大丈夫です。そもそも、敵を此処まで踏み込ませませんから」

 

 自信満々にそう言い放つ月に馬騰は少し驚く。

 

(ううむ…あの万事控えめだった月が此処まで言うとは。正直、私は戦に勝つ為というより

 

 は、もしもの時には月だけでも武威に落とすつもりでこちらの味方についたのだが…どう

 

 やら、敵を破る備えを既に用意済という感じだな。ふふっ、ならば私もそのつもりで戦わ

 

 せてもらおうか)

 

 そう考えている馬騰の眼は爛々と燃え上がっていたのであった。そこに…。

 

「申し上げます!敵、水関に向けて軍を動かしたとの事です。先鋒の旗印は『孫』!」

 

 駈け込んで来た伝令のその言葉に月よりも先に馬騰が反応する。

 

「何、それは孫堅の事か!?」

 

「はっ…おそらくは」

 

「そうか、報告で聞いた通り炎蓮の奴は敵か…月、水関には私に行かせてくれ!孫堅の首

 

 は私が取る!」

 

 馬騰はそう月に訴えるが、

 

「ダメです。今頃もう水関は向こうの手に落ちているはずですから」

 

 月がしれっとそう言ったので、馬騰の眼は驚きにさらに見開かれていた。

 

「安心してください、それも作戦の内です…それに孫堅さんとの決着は虎牢関でもつけられ

 

 ますから」

 

 月はそう言って馬騰のその表情を笑顔で流していたのであった。

 

 

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 その頃、水関…というより水関を超えておよそ三里位の場所にて。

 

「何だこれは…向こうが水関を捨てた理由はこれか」

 

 孫堅は眼の前にそびえ立つ物を見上げながら、忌々し気にそう呟く。

 

 それは高さ10mはあろうかという壁であった。しかもその前には幅5〜6m程の堀まで

 

 あり、さらにはその堀の中には異臭を放つ液体…糞尿混じりの水が湛えられていて、その

 

 臭いが既に辺りに充満している状態であった。さすがに孫堅や孫策は何とか耐えていたも

 

 のの、兵達の多くは既に嘔吐を繰り返しており、それが兵達の体力・気力を大幅に減退さ

 

 せていたのであった。ちなみに道が完全に塞がれているわけではなく、真ん中辺りにおよ

 

 そ30cm位の幅の道らしき物が一本通っていて、その先に幅1m位の隙間があってそこ

 

 から進めそうではあるのだが、その道の上にもご丁寧に糞尿がまかれており、兵の誰もが

 

 そこを進もうとしていなかったのであった。

 

「申し上げ…うぷっ…ます。袁紹様よりこれが…うえっ」

 

 そこに袁紹からの文を携えて来た兵がやって来たが…その兵もこの強烈な臭いに吐き気を

 

 催していた。

 

「母様、袁紹は何と?」

 

「早く先に進めとさ…『敵が水関を放棄したのは連合に恐れをなして逃げ出したからである

 

 から、その勢いを以て虎牢関まで突き進め』って書いてあるけど、袁紹には是非此処に来て

 

 もらいたいもんだ」

 

 袁紹からの命令を読んだ孫堅は眉間の皺をますます深める。

 

「どうするの?あの道を進めばとりあえずは向こうに行けるんでしょ?」

 

「雪蓮…まさか、お前本気でそう思ってるんじゃないだろうな?」

 

「まさか、あんなの十中十まで罠に決まってるじゃない。でも、出来るだけ水関から離れた

 

 方が良い気がするのよ」

 

 

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「例の『七志野権兵衛』とやらが言った言葉か?」

 

「ええ『水関は抜けない』ってね。でも、私達が来た時には此処には誰もいなかった。一応、

 

 冥琳が調べたけど、何か細工をしているわけでもなかった。でも…まだ終わってないって私

 

 の勘が言ってるわ」

 

 孫策のその言葉に孫堅はさらに眉間の皺を深くする。そして…。

 

「仕方がないか…おい、誰か大盾を持って来い!それを先頭に立てて先に進む。悪いが堀に落

 

 ちた者については自己責任だからな!」

 

 苦々し気な顔のままそう命令を下していた。

 

 ・・・・・・・

 

 その頃、水関の後方二里程の場所にて。

 

 劉備は曹操・公孫賛と共にこの場での待機を命じられていた。

 

「どうしたのかな?孫堅さんの軍が水関を突破してからもう三刻は経っているよね?まだ先

 

 に進んでいないみたいだけど…白蓮ちゃん、何か知ってる?」

 

「さあ、私も詳しくは聞いていないが…どうやら敵の仕掛けが水関の先にあったみたいだな。

 

 おそらくそれを抜くのに時間がかかっているんだろう」

 

 劉備の質問に公孫賛はそう答える。ちなみに二人は同じ私塾に学んだ同輩であり、真名を預

 

 けあう程の仲でもある。

 

「どうやら公孫賛の言う通りみたいよ」

 

 そこに袁紹に状況を確認しに水関へ行っていた曹操が近付いてくる。

 

「曹操さん…それじゃ」

 

「ええ、水関の先三里の辺りに大きな壁と堀があって進めないみたい。孫堅もそれで苦労し

 

 ているみたいだけど、残念ながら麗羽にはそれが分かっていないみたいね。孫堅に対して早

 

 く先に進めって一点張りだったわ」

 

 

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「まったく、麗羽の奴は…しかし、それでは私達はしばらくこのままという事か?」

 

「ええ、既に水関の中は袁紹と袁術の兵でごった返していて、私達の軍が入れる余地は無さ

 

 そうよ」

 

 公孫賛の質問に曹操はそう言って肩をすくめていた。

 

「袁紹さん達も最初は孫堅さんに攻撃させようとして自分達は後ろの方にいたのに、孫堅さん

 

 から『水関に敵兵の姿は無い』って聞いた瞬間に全軍で中に入って孫堅さん達を追い出し

 

 ちゃったばかりか、私達が先に進めないように道を塞いじゃうんだから…この先どうするつ

 

 もりなのかな?」

 

「まあ、麗羽の事だから大して何も考えてはいないのだろうけどな」

 

「それに関しては公孫賛の意見に賛同するわ…うん?何か変な音がしない?」

 

 公孫賛の意見に苦笑いを浮かべながら賛意を示した曹操の耳におかしな音が聞こえる。

 

「音…ですか?そういえば…白蓮ちゃん、何だろうこれ?水関の方からかな?」

 

「ああ、桃香の言う通り水関の方からするな…何の音だ?まるで何か大きな物がきしむよう

 

 な…まさか!?」

 

 公孫賛が何かに思い当ったように水関の方を見上げたその瞬間、辺り一帯に『バキッ』と

 

 大きな音が響き渡り、それと同時に眼の前にある水関の建物が土台ごと崩れ始める。

 

「なっ…一体何事!?」

 

「白蓮ちゃん、あれじゃ中にいる袁紹さん達が!」

 

「待て、桃香!このまま行ったら私達も巻き込まれるだけだ!!」

 

 公孫賛がそう言って水関の方に駆け寄ろうとする劉備を止めていたその時、一本の火矢が

 

 崩れ始めた水関に飛ぶ。それがかろうじて形を残していた屋根のある一点に当たったその

 

 瞬間、一気にその火は建物一面を焼き尽くす程の勢いとなって燃え広がり、それと同時に建

 

 物全てが完全に崩れ始める。

 

 曹操達はそれを半ば呆然と見上げる事しか出来なかったのであった。

 

 

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 一方、その状況は堀を渡っている最中の孫堅軍にも見えていた。孫堅軍にしてもそれは他人

 

 事ではなく…というより、その音と状況に驚いた兵の何人かが堀の中に落ちてしまい、行軍

 

 を中断してその兵達を救い上げなければならなくなったのであった。

 

「雪蓮…これがお前の勘が鳴らしていた警鐘か」

 

「さすがにこれは想定外だったけど…水関から離れていて正解だったのは確かね」

 

「ちっ…誰か、出来るだけ水関に近付いて袁紹達の様子を確認してこい!あんなのでも総大

 

 将だ、こんなんで死んじまったら、もはや連合は意味を成さんからな…但し、無理には近付

 

 くな、命は大切にしろ!」

 

「堅殿、此処は儂に任せよ」

 

「祭か…任せた」

 

 孫堅は名乗り出た宿将の黄蓋に水関の様子を見に行かせると忌々し気に水関と壁の両方

 

 を睨みつけていた。

 

「くそっ…これで我々は進む事も退く事もままならなくなった。これがお前の策か、七志野権

 

 兵衛!!」

 

 ・・・・・・・

 

「はっくしょん!!」

 

「…どうしました、北郷様?風邪…ですか?」

 

「大丈夫、大丈夫。誰かが噂でもしてたのかな?」

 

 俺は敵の様子と仕掛けがうまくいくかの確認の為に出来るだけ前線近くにいたいと虎牢関で

 

 待機していた。李儒さんは『…私の仕事は北郷様の補佐ですから』と洛陽に戻らずに一緒に

 

 いてくれている。そこに…。

 

「一刀、ただいま」

 

「おかえり、恋。どうだった?」

 

「うん、一刀に作ってもらった弓、凄く良い。かなり遠い所からでもちゃんと水関の屋根の

 

 油を染み込ませた所に当たった。それに、全力で引っ張ったのに全然弓も弦も壊れない」

 

 

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「それじゃ、仕掛けの方はうまくいったのかな?」

 

「うまくなどという物ではありませんぞ!水関は一刀が言った通りに多くの人が入った重み

 

 で倒壊、そこに恋殿の放った火矢がしっかり油を染み込ませた所に命中して一気に火の海で

 

 すぞ!」

 

 俺の問いに恋と同行したねねがそう答えてくれる。

 

 そうか…良し良し、うまくいったか。それじゃ今頃は水関じゃなく水関だった物の所で

 

 連合は右往左往だな。

 

「それだけではありませんぞ!どうやら、水関の中にいたのは袁紹と袁術の軍だったらしく、

 

 もしかすればこれでこの戦は終わるかもしれないのですぞ!!」

 

 ほぅ…袁紹の性格からすれば、水関を制圧したと聞けば真っ先に中に陣取るだろうという

 

 のが皆の見解だったけど、こうもうまくいくとは。どうやら袁紹が総大将のようだし、これ

 

 で袁紹に何かあれば、これで戦が終わりという可能性もあるわけか。

 

「しかし、ホンマに一刀は凄いなぁ。どうやってあんな大きい建物を崩す事が出来るん?」

 

 報告を聞いて、俺の横にいた霞がそう不思議そうに聞いてくる。

 

「どのような物でも必ず重心…重さの均衡を保っている所がある。そこが壊れるようにするわ

 

 けだ。今回は建物の中に千人以上の人間が一気に入れば数刻以内に崩れるようにしておいた

 

 んだよ…とは言っても、実際成功するかどうかはドキドキものでね。もし崩れなかった時の

 

 為に、恋にいてもらったのもあるんだけどね」

 

 霞に言った通り、実験出来ない以上あくまでも計算上でやらなくてはならなかった為、もし

 

 うまく崩れなければ、恋の火矢による火計だけになっていた可能性もあったのである。火計

 

 だけでも十分に敵にダメージを与えられるとは思っていたけど、実際うまく崩れたので、火

 

 計とのダブル攻撃で計算上での一番大きな成果の通りにいってホッとしたのが実情だったり

 

 する。

 

 

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「これで月にもええ報告が出来るで!これで戦が終われば月も喜ぶやろうしな!!」

 

「まだだよ、あくまでも連合が撤退するまで警戒態勢のままだ。もしかしたら、袁紹が生き残

 

 っているという可能性も考えられるからな」

 

「それもそうか…もし、袁紹が生き残ってたら絶対に『復讐だ、報復だ』って喚き散らすやろ

 

 うしな」

 

 ・・・・・・・

 

 その頃、水関(だった物)の先の一里程の地点にて、一刀の懸念が当たったわけではない

 

 のだろうが…。

 

「何て事ですの!?この私がこのような目にあうなど…この屈辱、董卓の首を刎ねるだけでは

 

 済まされませんわ!!」

 

 何と袁紹が奇跡的に生き残っていて、周囲にそう喚き散らしていたのであった。

 

 ちなみに何故彼女が生き残ったのかというと、建物が崩れる瞬間、たまたま外側に近い所に

 

 いて、外に放り出され、しかも落ちた所がたまたま馬用の干し草の上だった為、かすり傷程

 

 度で済んだからである。ちなみに側近である顔良は曹操への言伝の為、後方に出ようとした

 

 所であった為、何とか逃げ出して曹操の陣におり、文醜はこちらもたまたま前方の状況確認

 

 の為に孫堅軍の様子を見ようとそちらに向かっていたのでこちらも無事で、何とか袁紹と合

 

 流していたのであった。

 

(顔良の無事は反対側からの矢文で確認済である。曹操の命で夏侯淵が放った物であった)

 

「まあ、何とか姫と斗詩が無事だったのは幸いだったけど…おい、何人生き残ってる!?」

 

「はっ、今こちら側に助け出せたのが257人、その内軽傷で済んだのが37人です。向こう

 

 側の方でどうなっているかは顔良様からの報告待ちですが…我が軍及び袁術軍の8割以上が

 

 犠牲になったものと…」

 

 文醜の問いかけに兵がそう答える。ちなみにこの兵は文醜の視察に同行していた為、難を逃

 

 れている。

 

 

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「美羽…袁術様の行方は?」

 

「いえ、未だ発見できておりません…しかし、水関の中でお姿を見たという者もいますので、

 

 おそらくは…」

 

 兵はそう言いながら水関の残骸の方へ眼を向ける。

 

「こうなれば、美羽さんの弔い合戦ですわ!皆、一気に虎牢関に…『妾を勝手に殺すでない!』

 

 …美羽さん?」

 

 袁紹がいきり立って命令を下そうとしたその時、当の袁術がひょっこり姿を現す。

 

「ご無事でしたのね、美羽さん…七乃さんも」

 

「ええ、まあ、何とか…っていうか、私達もたまたま外にいましたもので。美羽様の身の安全

 

 を最優先にと少し離れておりましたので、戻るのが遅くなりまして申し訳ございません」

 

 そう言って謝るのは、袁術の側近である張勲である。

 

「まあまあ、それはそれは…これも全て袁家の者が持つ強運という物ですわね」

 

 袁紹はそう言って安堵した表情を見せるが…。

 

(なあ、七乃。やっぱり此処で『実は蜂の巣を捜しに外に出てました』と言っては具合が悪そ

 

 うじゃのぉ)

 

(はい、沢山死人も出ているようですし、それは二人だけの秘密にしておきましょう)

 

 実際はそんな理由であったのである。

 

「しかし、七乃〜。お前の所もほとんどやられちまったぞ。どうすんだ、これから?」

 

「そうですよね〜。まさかこんな所で万単位の死者が出るとは予想外にも程があります。将の

 

 方はほとんど南陽に置いてきているのでどうにか対応出来るとは思うのですが…本当にどう

 

 しましょう」

 

 文醜の問いかけに張勲もさすがに困った顔を見せる。

 

 

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「何を仰いますの!これから犠牲になった皆さんの弔い合戦です!!全軍、一気に虎牢関へ突

 

 き進むに決まっているのですわ!!」

 

「麗羽様〜、突き進むって言ったって、今こっち側にいるうごかせる軍勢は孫堅の所だけっす

 

 よ〜。せめて向こう側に残っている連中と合流しないと…」

 

「ならば、すぐに呼び寄せなさい!!」

 

「だから、呼び寄せようにも、まずはこれをどうにかしないとどうにもならないっすってば」

 

 訳の分からない命令ばかり出す袁紹にさすがの文醜も呆れ顔で水関の残骸を指差す。

 

「きーーーーーっ、ならばすぐにこれをどうにかなさい!!孫堅さんの軍にも今すぐそう伝え

 

 なさい!!向こう側にいる華琳さんにもですわよ!!」

 

 文醜は袁紹のその命令を部下に伝えながらも…。

 

(あ〜あ、最初からこんなんで本当に勝てるのかねぇ…分の悪い賭けは嫌いじゃねぇけど、こ

 

 れじゃ賭けになるのかも怪し過ぎるなぁ)

 

 さすがに内心ではそう思っていたのであった。

 

 

                                        続く。 

 

 

 

 

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 あとがき的なもの

 

 mokiti1976-2010です。

 

 今回はかなり早めに此処まで書けましたのでお送りいたします。

 

 とりあえず今回は水関に仕掛けた一刀の罠が炸裂しました。

 

 そして悪運強く生き残る袁紹主従・袁術主従という…この人達

 

 が死ぬ所だけは正直私も想像しにくいですね。

 

 そして次回から虎牢関戦ですが…連合がそこに辿り着くまでに

 

 また何か一工夫となるかもしれません。とりあえず壁は超えな

 

 いと来れませんし。

 

 それでは次回、第十三話にてお会いいたしましょう。

 

 

 

 追伸 曹操・劉備達の動きや心情については次回にて。

 

    公孫賛は…どうでしょう?

 

 

 

 

 

説明

 お待たせしました!

 今回は董卓側についた馬騰軍の登場、

 そして連合による水関攻めなどを

 お送りします。

 それではご覧ください。
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コメント
ジン様、再びありがとうございます。続きは現在執筆中ですので、もう少しお待ちくださいませ。(mokiti1976-2010)
この後どうなるのかすごく気になる! 次回の更新頑張ってください応援してます。(ジン)
ファイズ様、ありがとうございます。是非、袁家姉妹にはそのご褒美を差し上げたい所ですが、貂蝉と卑弥呼のキスは『良い男』にしか与えられないという専らの噂です。(mokiti1976-2010)
では幸運(悪運)で生き残った麗羽と美羽にはご褒美をあげましょう。貂蝉と卑弥呼のディープキスという名のご褒美を・・・(黒笑)(ファイズ)
聖龍様、ありがとうございます。袁家の強運で本人達は助かったものの、兵の多くを失ってしまったのでどうしましょうという所でもありますけどね。そして…間違いなく鐙装着の騎馬隊に遭遇すれば、ハムさんの驚きは凄まじい事になりそうですね。(mokiti1976-2010)
陸奥守様、ありがとうございます。一刀も自分の仕掛けで大勢の人間が死んでいる事を頭では理解しているのかもしれませんが、直接その現場を見ていないので…という所ですね。虎牢関戦でそういう風になれば多分そうなる可能性は高いですね。(mokiti1976-2010)
たっつー様、ありがとうございます。確かにこの時代において絡繰興行なんて極上級の娯楽でしょうね…その内、涼州に行って披露する日も来たりして。(mokiti1976-2010)
神木ヒカリ様、ありがとうございます。そういう所が美羽様のキャラというやつですよ!!(mokiti1976-2010)
ジン様、ありがとうございます。これからも頑張って書いて行きますのでよろしくお願いします。皇族の面々については出すかどうかも思案中ですので、どうなるかはまだ未定です。月は今の所、主君ですのでそういう関係になるかどうか…そもそもメインヒロインをまだ決めていなかったりして。(mokiti1976-2010)
Jack Tlam様、ありがとうございます。はい、一刀の目論見通りに炸裂です。三人の心情はそんな物でしょうか…華琳さんは一刀への警戒心を強めるでしょうが。そして…確かに全てを知られた時、一刀が大陸中の注目の的になるのは間違いないでしょう。(mokiti1976-2010)
未奈兎様、ありがとうございます。本当に親の顔が見てみたいってレベルですよねー。とりあえずこの場はやられ役っすね。(mokiti1976-2010)
さ、流石、袁家の強運、兵の犠牲だけで済んでしまった。次回はハムの方が鐙で驚くのですかな?(聖龍)
一刀は罠で大勢人が死んだ事に対して罪悪感を感じるんだろうか。正しい事をしていると思うけどこうゆう事は感覚の問題で一刀は一応現代日本人だしね。(陸奥守)
蜂の巣探しに行ってて助かったって、さすが美羽様ぶれないなぁ。(神木ヒカリ)
そう言えばここでもやっぱり一刀は皇族の劉姉妹に愛されるようになるのかな?あとは今回は月がメインヒロインって感じですかね? 次回の更新楽しみにしているので頑張ってください応援してます。(ジン)
見事炸裂。白蓮は「凄い奴がいたもんだ…」、華琳は「新たな強敵のようね」、桃香は「ひどい…許せない!」……こんな感じでしょうか。守備の要である水関を捨ててまでの策ですから、驚愕必至ですね。真相が知られれば、物凄く狙われる(一部からは物凄く憎まれる)一刀君は、どの外史でも前途多難ですね……主人公だからしょうがないか。(Jack Tlam)
切っ掛けなかったら名家はほんとに迷家、だからなぁw(未奈兎)
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