MUV-LUVALTERNATIVETOTALECLIPSE外伝 灰色の軌跡 |
MUV-LUVALTERNATIVETOTALECLIPSE外伝
灰色の軌跡
第??話
混血と紅の交わる夜に
??『ふ??ん、此処から先がヤバイのか……あっちは斑鳩の皆様が居るから良いとしてもこっちは仲間割れ始めちゃったユーコン精鋭と私だけかな?』
殆ど機能していない戦術リンクを確認しながらクリスカ・ビャーチェノワ少尉に似た金髪の女性は不満そうに呟いた
??『まったく!ソ連の連中何やらかしてくれてんの?1機であんだけ倒せれば充分だけど暴走して他の迷惑になるとかホントあり得ないんですけど?』
暴走したSu-37と不知火弐型の戦闘を最大望遠で確認しながら自機の周囲にいるBETAを狩っていく
ーーピッピーー
ーカチッー
ハルトウィック『イリス!無事か!』
通信が来たのでスイッチを入れて繋ぐと養父の大声が送られて来た
アイリス『ふぅ……ハイ!無事ですよ、パパこそ拘束されたって聞いたけど大丈夫なの?』
少し呆れながらも自分を心配してくれているのが伝わってくるため元気に返事を返す
ハルトウィック『私の方は大丈夫だ、イリス、レッドラインの事は知っているか?』
養父の言葉に私は肯定を返す
ハルトウィック『ならば話が早い、済まないが光線級の所為で空爆が遅れてしまった、このままだとΔ2方面の迎撃が間に合わん!そこでイリスは其方のユーコン精鋭部隊と連携してΔ2方面の敵を掃討して欲しい。』
いつになく真剣な表情でお願いしてくる父だったが……
アイリス『あーー……パパ?非常に言いにくいんだけどね?今…その…精鋭?の人達?まーユイ達なんだけどね?暴走戦術機と戦闘中。』
ハルトウィック『……………………』
通信画面に映る父の顔はポカン?と言った感じの表情で固定されて言葉を失っているようだ
ん?たしかこういう状態を……
アイリス『返事がない、ただの屍のようだ?………だっけ?』
昔、本当に昔…私がまだ幼い時に世話を焼いてくれた施設のお姉さんが教えてくれた言葉だ、綺麗だったが変わった人で他の研究者が私達を番号で呼び捨てにするのにあのお姉さんだけが”さん”や”ちゃん”を付けて呼び、おやつまでくれて遊んでもくれた。
ある事件の後、姿を全く見なくなり死んでしまったのかと施設の子供達で悲しんでいた。
数年経ち、施設の生き残りも私だけになった頃
テオドール『他に生き残りが居ないか探せ!急げ!時間が無いぞ!』
赤毛の軍人さんが研究者が出入りする扉を蹴破って入って来た。
その背後から入って来た女性に見覚えがあり、霞む視界を向けて確認すると、
お姉さん『ドヴェースチちゃん!ドヴェースチちゃん!大丈夫!助けに来たのよ!分かる?』
あぁ、天国に着いたんだ…と安心して目を瞑り眠りについた
それから色々あって何の因果か、アラスカで私の姉妹と言える娘達と会ったり、あのお姉さんの妹とも逢えた運命の悪戯だとしても不思議である
考えが逸れた、気がつくと彼方の戦闘は終了したのかSu-37と不知火弐型は完全に機能を停止しているようだ
私は佇んでいる山吹色の戦術機に通信を入れる
アイリス『あーー、テステス、ユイ?聴こえる?』
篁『?!この声はイリス?何処だ?何故此処がわかった?』
アイリス『悪いけど時間無いから手短に言うよ、今から起こる事見なかったことにしてね?じゃ無いと軍法会議+査問委員会に強制出席だからね?』
篁『え?ちょっ!イリス?』
イキナリの私の通信に驚くユイを尻目に私は要件だけを伝えて一方的に切る
アイリス『ではでは!ちょーっと本気でやっちゃいますか!………………リミッター解除、対軍滑空砲fireLinkLock解除、Over Drivesystem解放!』
私の本気、さっきSu-37が見せたプラーフカに似ているがまったく異なる1人の天才が作り上げた”私”と言うパーツが有って初めて起動するsystem
アイリス『ああ…そうだ、別に全て倒してしまっても良いだっけ?……?何か違う?』
緊張感の欠片も無い台詞を吐きながら私は数千を超えるBETAに向かって行った。
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