マイ「艦これ」「みほちん」(第参部)EX 第3話『遭難』
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「緊急事態とのこと……この方たちでしょうか?」

 

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マイ「艦これ」「みほちん」(第参部)

 EX回:第3話『遭難』

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「ようやくブルネイ泊地に到着したんだな」

 私は自分に言い聞かせるように小さく呟いた。

 

 窓越しに機長が何かを指差している。そしてOKのサインを返した。

 

それを受けて日向が大艇の扉を開ける。

「開けます」

 

 ガバッという感じの音と共に外気が入ってきた。うむ、十分なほどに高い気温と湿気だ。やはりここはブルネイ、南国だな。

 その扉の直ぐ横には先方の内火艇が横付けされていた。甲板の上では艦娘らしき少女が敬礼をしていた。恐らく、この娘も噂の「量産型艦娘」なのだろう。

 

そう思っていたらいきなり後ろから跳ね飛ばされそうになった。

「Oh!」

 

「どいて、どいてぇ!」

 機内から二人の艦娘が慌ただしく飛び出してきて、我先にと内火艇に飛び乗った。

 

「おい、おいっ」

 少しムッとした私が注意する間もなく、彼女たちは内火艇の甲板に腹ばいになると海面へ向かってゲロゲロやり始めた。

 

「……」

私も、その他のメンバーも呆れた。

 

そして甲板上の「量産型艦娘」も目を丸くしていた。誠に申し訳ない、呆れるやら恥ずかしいやら……お前らは美保鎮守府の恥か? ……ったく。

金剛と夕立……特に帰国子女は戦艦だろ? 

 

「お前なぁ」

私は思わず照れ隠しのように声を掛けた。

 

 すると、金剛が恨めしそうに振り返った。美人台無しだ。

「シット……船と空は違ぅ」

 

 夕立は向こうを向いたまま弱々しいがオクターブ高い声で言う。

「電気で……痺れたっぽぃ」

 

秘書艦の祥高も苦笑して声を掛ける。

「はいはい。大変でしたね」

 

「夕立? 髪の毛汚れるわよ」

夕張が声を掛ける。

 

 突然の出来事に目を丸くしていた少女(艦娘)は、直ぐに気を取り直したように言った。

「ブルネイ泊地・第3鎮守府所属の駆逐艦、五月雨です。お待ちしておりました。緊急事態とのこと……あのぉ、この方たちでしょうか?」

 

 あ、そうだった。本来の認識コードが通用しないってことは先方は私たちのことも、演習のことも知らない恐れがある。ここは一時的に遭難のフリをするしかないかな?

 

 私は直ぐに機内に引き返すと寛代に言った。

「寛代、作戦指令だ! 病気のフリをして現地の病院へ行き、この鎮守府内の情報収集に努めよ!」

 

 本来、友軍を偵察するとは気が引けるが、何か異質な気配を感じる。直感だ。

「……」

 無言で敬礼をする寛代。

 

 再び外へと戻った私は、その『五月雨』に言った。

「申し訳ないが急病人が中にももう一名いるんだが、救護を頼めるか?」

 

 五月雨は微笑んだ。

「はい、直ぐに手配します。病気の方は前の幌の下へどうぞ。提督は、その後ろの艦長席のほうへ。機体は港湾内に係留いたしますので機長はこちらの指示に従って下さい」

 

 てきぱきと、しかし淡々と進む。とりあえず私の受けた指令書の件は伏せておこう。まずは相手の出方を見てからだ。

 

「ありがとう」

私は五月雨に応えた。彼女は私の言葉になぜか、ちょっと驚いた顔をしていた。

 

 一同は、荷物を抱えて内火艇へ移動した。五月雨は自分の無線で司令部と連絡を取っている。しきりにうなづく。

 

やがて五月雨は言う。

「では船を出します」

 

半病人や元気なメンバーなど、全員を乗せた内火艇は、ゆっくりと出発した。

 

 ここは、ようやく到着したブルネイ泊地だが、どことなく異質な印象が拭えない。美保の艦娘たちも、そわそわして周りを見回している。妙な雰囲気は鎮守府の港湾内全体からも感じる。そもそも艦船や各種の装備類が、まったく見たことがないタイプだ。青葉と日向も、盛んに指差しながら何かを話し合っている。

 

 ここには実験施設もあると言う。しかし仮にそういった部署があったとしてもだ。港湾内に現行の機種や物品類は見かけてしかるべきだろう。

私は秘書艦に聞く。

「君は、ここの第一印象を、どう思った?」

 

 彼女は、いつものすまし顔ではあるが、困惑したように応えた。

「はい。ここは本当に帝国海軍なのでしょうか? という印象です」

 

「そうだよな」

そもそも、この内火艇からして変な雰囲気だ。とはいえ船内の備品類の文字表示は日本語だ。だから外国製ではない。それでも、どこのメーカー製造なんだ?

 

 だが私たちの不安とは裏腹に鎮守府全体は明るくて揺いムードで一杯なのだ。さっきも上空からチラッと見えたが、内火艇で移動すると、さらによく分かる。屋台に人ごみ、浮かれた雰囲気。早い話、ここの「お祭り」なのだ。

 

するとバシャ! というシャッター音がした。青葉さんは例外だな。でも案の定、彼女は五月雨から『港湾内の撮影は遠慮して下さい』と注意された。

 

「てへっ」

舌を出している彼女。

 

まあ友軍であっても遠慮すべきだな……でも撮った写真は後から見せてもらおう。気になる機体や艦船が多すぎる。

 

「海が綺麗よぉ」

龍田さんは、マイペースだった。

 

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※これは「艦これ」の二次創作です。

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サイトも遅々と整備中〜(^_^;)

http://www13.plala.or.jp/shosen/

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PS:「みほ3ん」とは

「美保鎮守府:第参部」の略称です。

説明
何とか着水した司令たちは、ようやく目的地であるブルネイ泊地へと向かう。しかし、そこはすべてが異質な場所と感じる所だった。
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艦娘 艦これ 艦隊これくしょん 美保鎮守府 二次創作 「みほちん」 ブルネイ 

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