カンスト!北郷一刀『魏伝』二章
[全6ページ]
-1ページ-

カンスト!北郷一刀『魏伝』二章

 

 

 

 

 

「………何度見ても、壮観だなぁ」

 

城壁の下を走りまわるのは、完全武装の兵士達。

束ねられた槍は薪のゆに積み上げられ、その隣には槍束を二回りは小さくした束がさらに大きな山を築いている。

弓兵隊の使う、矢だ。

武器に糧食、補充の矢玉。薬に防具に調理の鍋まで、戦に使う備品はその幅広さに事欠かない。

そして何より凄いのが、これら全てがセットやCGでも、小道具ですらない………本物って事だろう。

 

「どうした、そんな間の抜けた顔をして」

「ん? ただ、こんなにたくさんの兵達を見るのは初めてだからな。少し感動したというか、驚いたというか………」

 

何百人か、何千人か………。ぱっと見で何人いるかさえ、今の俺の感覚じゃ見当もつかない。

 

「………この程度でか?」

「そりゃ春蘭は見慣れてるだろうがな。………俺達の国じゃ、こんな光景はありえないんだよ」

 

日本でこんな武装集団がいたらあっという間に世界各国に潰されるだろうしな。

 

「やれやれ………。今からそのザマでは、いずれ華琳さまが一軍の将、一国の主になられたときは、驚いて死んでしまうのではないか?」

「いやいや。流石にそれまでには慣れるだろ」

 

そんな無駄話を俺と春蘭がしていると後ろから声がかかった。

その声は我が主様の声だった。

 

「………何を無駄話をしているの、二人とも」

「か………っ、華琳さま………! これは、北郷が!」

「おいおい、春蘭。いくらなんでもそれは酷いだろ………」

 

先に話しかけてきたのは春蘭だというのに。

なんで俺が悪いみたいになるのかね?

 

「はぁ………春蘭。装備品と兵の確認の最終報告、受けてないわよ。数はちゃんと揃っているの?」

 

華琳もそんなに呆れるなよ………

 

「は………はいっ。全て滞りなく済んでおります! 北郷に声をかけられたため、報告が遅れました!」

 

だ〜か〜ら〜、お前が先だろうが!

 

「………その一刀には、糧食の最終点検の帳簿を受け取ってくるよう、言っておいたはずよね?」

「あぁ。それな、さっき行こうとしたんだが急に春蘭が話しかけてくるもんだからまだ行けてないんだよ」

 

ほんと困るよな。

………まぁ確かに俺も少し忘れてたけど。

 

「んじゃ一走りしてくるわ!」

 

そう言い残しは俺は全力でダッシュする。

なんたって後ろから尋常じゃない殺気を出してる覇王様がいるからな。

下手したら死ぬじゃねぇか………

 

「はぁ………。さて、春蘭? あなたに非があるようだけどそこのところはどうなのかしらね?」

「えっ………あの、その………」

「まぁいいわ、今回は見逃してあげる。けど次からは無いようにしてね?」

「はい、華琳さま!」

 

 

 

 

 

馬具が置いてあるのは………ここか。

 

「………あれ」

 

今気付いたけど、俺、監督官の人の顔知らないぞ………?

だぁー! 来る前に秋蘭あたりに聞いておくべきだったな。

 

「いつまでダラダラやってやがる! 馬に蹴られて、山の向こうまで吹き飛ばされてぇのか!」

「は、はいっ!」

 

出撃前ってことで、どこもピリピリしてる。

精神修行がなってないな、タクッ………。

………どうせ聞くんなら、あんまりピリピリしてない人に聞くか。

そう思い辺りを見回すと一人の少女を発見した。

 

「お、そこのお前」

「……………」

「お〜い、聞こえてるか?」

「……………」

 

何故か物凄く無視されてるんだが。

俺なんかしたか?

 

「聞こえてないのか? おーい!」

「聞こえているわよ! さっきから何度も何度も何度も………いったい何のつもり!?」

 

いきなりキレられた!?

 

「聞こえてるんなら返事くらいしろよ………」

 

ってか、この子も相当ピリピリしてるな。

声かける相手、間違ったか?

 

「アンタなんか用はないもの。で、そんなに呼びつけて、何がしたかったわけ?」

 

そりゃお前からは用はないだろうな。

あるのは俺だし。

まぁ一応話は聞いてくれそうになったから尋ねてみるか。

 

「糧食の再点検の帳簿を受け取りに来たんだが………監督官って人がどこにいるか知らないか?」

「何でアンタなんかに、そんなことを教えてやらないといけないのよ」

 

だから何でそこまで邪見するんだよ!

初対面の人にコレはやりすぎだろ!?

流石に俺もキレるぞ!?

 

「…………何で、か。華琳に頼まれたからだけど」

「な…………っ! ………ちょっと、何でアンタみたいなヤツが、曹操さまの真名を呼んで………っ!」

「ん? そりゃ呼んでいいって言われたからに決まってるだろ?」

 

はぁ………それよりさっさと監督官から帳簿を貰って華琳のところに戻らないとな。

今ごろめちゃくちゃ怒ってんじゃなぇのか?

 

「そんなわけないでしょう! 曹操さまのお耳に入ったら、アンタなんか叩き斬られるわよ!」

 

ほんとこの子なんなの?

もうめんどくさいなぁ〜。他の人に聞いちまうか?

 

「斬られるわけないだろ。俺の方が華琳より強いし」

「!? 信じられない…………なんで、こんな猿に………」

「お前な………初対面の相手に向かってメチャクチャ言い過ぎだろ」

 

俺って実はこの子とどっかであった事があったのか?

その時に恨まれるようなことをしたとか……………覚えがないな。

 

「あんた、このあいだ曹操さまに拾われた、天界から来たとかいう猿でしょ? 猿の分際で曹操さまの真名を呼ぶなんて………ありえないわ………」

 

俺としてはお前の存在の方がありえないんだけど。

 

「どっちかっていうと、俺が華琳に覇業の手伝いをして欲しいって言うからここにいるんだけど」

「嘘おっしゃい! そんなはずあるわけないでしょう!?」

「なら華琳に聞いてみれば?」

「そんな事も出来るわけないでしょう!? 少しは考えなさい、この屑!」

 

あ〜、ほんとムカツイてきた。

やっべ〜な、このままだと殴りそうだわ。

 

「単刀直入に尋ねる。糧食の帳簿を監督官から受け取ってくるように、華琳から言われてるからとっとと教えてくれ」

「………曹操さまに? それを早く言いなさいよ!」

 

………何度も言ったろうが。

はぁ………コイツ、根は悪い子じゃ………ない…………のか?

 

「まぁ、いいや。どこにいるの?」

「私よ」

「はいはい。………で。どこにいるの?」

「だから私って言ってるの」

 

お前かよっ!

 

「お前が………?」

「悪い? 何か文句ある? 私がここの監督官をしている事で、あなたの人生に何か致命的な問題があるとでも言いたいわけ?」

 

ここまでマシンガンのように言葉を放たれると最早呆れるより尊敬するよ。

 

「もしあるっていうのなら、そこのところを倫理的に説明してみなさいよ。少しでも倫理が破錠してるなら嗤ってあげるからさ」

「しいて言えば、華琳に怒られるってことだけだな」

「大問題じゃない!」

 

そこまで大事か?

 

「そう言うなら早く、その再点検の帳簿っての、渡してくれるか?」

「………その辺に置いてあるから、勝手の持って行きなさい。草色の表紙が当ててあるわ」

 

勝手に!? そんな適当でいいのかよ………

 

「あ、そうかい…………」

 

その後、俺は帳簿を見つけた。

その帳簿に何故か興味を持った俺は帳簿を見る。

 

「……………」

「何? 何か不都合な問題でもあったの?」

 

さっきの少女は俺を嗤いながら尋ねる。

俺はそんなことは無視して真剣に聞く。

もしこの子がこれで帳簿が合っていると思ってるなら、即刻に監督官の任を追放しなくてはならない。

けど…………もし、この子が何かを考えそれを実行したということなら―――――――

 

(コイツ……………)

 

「お前……………」

「だからどうしたのよ?」

「帳簿はこれで合ってるのか?」

「当り前じゃない。あなた馬鹿なの?」

 

少女は俺を嗤うがその表情には焦りが見られた。

 

(コイツは…………化ける!)

 

俺はこの子の評価を改めることにした。

下手すると首が飛ぶことだってあるかもしれないのに、それに怖気ないで実行する胆力。

そしてその智謀。

 

(コイツは華琳の覇業の一角を担える存在だ)

 

「お前の名前は何て言う?」

「何? いきなり。私が答えるとでも思ってるの?」

「もう一度聞く…………お前の名前は何て言うんだ?」

 

俺は体から殺気を出しながら答える。

本当はしたくないんだがこうでもしないとこの子は名前を教えてくれないだろう。

 

「っ…………! 荀文若よ! 文句ある!?」

「お前が…………」

 

俺の目の前にいるのが、あの覇王、曹操の覇業を手助けした王佐の才を持つ人物、荀文若らしい。

確かにこの智には目を見張るものがあるから本物なんだろう。

けど…………

 

(なんで皆女の子なんだ?)

 

これが今一番思う疑問だ。

史実なら男のはずの人間が全て女の子になっているこの世界。

何かおかしいようでおかしくない。

そんな曖昧さがある世界に俺は首をかしげる。

 

(まぁ今はそんなことどうだっていいか…………)

 

俺は内心でそう決着を付け、さっきから睨んでくる荀文若に話しかける。

 

「俺はこれから華琳のところに戻るんだが…………お前も付いて来い」

「なんであんたの命令を聞かなくちゃいけないのよ!」

「そんなの簡単だろ? どうせもう一回呼ぶ羽目になるんだ。それなら先に連れて行く方が手っ取り早いだろ?」

 

俺は荀文若の策を見抜いた上でそう告げた。

荀文若の方も自分の策に気付かれたことに気付いたみたいだ。

 

「あなた…………何者?」

「…………俺はただの剣だよ。主の覇業を妨げる者を斬り裂くな…………」

-2ページ-

「華琳、遅くなったな。これが再点検の帳簿だ」

「待ちくたびれたわよ。早く見せなさい」

 

俺は荀文若から渡された? 帳簿を華琳に渡す。

 

「……………」

 

案の定華琳は難しい顔をした。

 

(間違いなく華琳なら監督官の者を呼ぶようにって言うだろうな)

 

俺はそのことを見越して荀文若を柱の陰に隠している。

 

「………秋蘭」

「はっ」

「この監督官というのは、一体何者なのかしら?」

 

よし、っと俺は心の中でガッツポーズを決める。

後は華琳が一言言うのを待つだけ。

 

「はい。先日、志願してきた新人です。仕事の手際が良かったので、今回の食料調達を任せてみたのですが………何か問題でも?」

「ここに呼びなさい。大至急よ」

 

来た!

 

「その必要はないよ、華琳」

 

俺は呼び出そうとする華琳を遮る。

 

「その必要はないってどういうことかしら?」

「俺がもう呼んでるってこと」

「はぁ?」

 

俺は華琳にそう告げると荀文若を呼ぶ。

荀文若は柱から走り出して華琳のもとにやってくる。

 

「…………お前が食料の調達を?」

「はい。必要十分な量は、用意したつもりでしたが………何か問題でもありましたでしょうか?」

 

いけしゃあしゃあとよく華琳の前で言えるなぁ。

 

「必要十分って…………どういうつもりかしら? 指定した量の半分しか準備出来てないじゃない!」

「……………」

 

俺は内心でほくそ笑みながら事の経緯を見守る。

いきなり殺されそうになったら守ってやるかな…………この子はこれから必要な人材だし。

 

「このまま出撃したら、糧食不足で生き倒れになる所だったわ。そうなったら、あなたはどう責任をとるつもりかしら?」

「いえ。そうはならないはずです」

「何? …………どういう事?」

 

おぉ、あの華琳が困惑してるよ。

珍しい顔だな。

 

「理由は三つあります。お聞きいただけますか?」

「………説明なさい。納得がいく理由なら、許してあげてもいいでしょう」

 

あの華琳だ。荀文若の理由で絶対に納得するだろう。

 

「………ご納得いただけなければ、それは私の不能がいたす所。この場で我が首、刎ねていただいても結構にございます」

 

この子も流石の胆力だな。

さっきも俺の殺気に対して耐えていたし。

 

「………二言はないぞ?」

「はっ。では、説明させていただきますが………」

 

早速荀文若の説明が始まった。

この説明が終わった後の華琳の顔を考えると楽しそうで堪らないな。

 

「………まず一つ目。曹操さまは慎重なお方ゆえ、必ずご自分の目で糧食の最終確認をなさいます。そこで問題があれば、こうして責任者を呼ぶはずです………まぁ今回はそこの男が先に私を呼んでいたのですが…………」

 

そう言いながら俺を睨んでくる。

そう怒るなよな。これでも時間短縮のためにやったんだぜ?

 

「ば………っ! 馬鹿にしているの!? 春蘭!」

 

ちょっ! 華琳キレるの早すぎだろ!?

 

「はっ!」

「はっ! じゃねぇよ、馬鹿!」

 

俺は春蘭の七星餓狼を奪い取る。

 

「華琳も後二つの理由が残ってるんだから最後まで聞けよ。判断するのは、それを聞いてからでも遅くないだろ?」

「北郷の言う通りかと。それに華琳さま、先ほどのお約束は………」

 

華琳を宥めつつ春蘭に七星餓狼を返す。

俺と秋蘭の言葉で少し冷静になったのか、華琳は、

 

「………そうだったわね。で、次は何?」

 

ふぅ、危なかったな。

もう少しで荀文若の首が刎ねられるところだった。

 

「次に二つ目。糧食が少なければ身軽になり、輸送部隊の行軍速度も上がります。よって、討伐行全体にかかる時間は、大幅に短縮できるでしょう」

「ん………? なぁ、秋蘭」

「どうした姉者。そんな難しい顔をして」

 

春蘭がもの凄い顔で悩んでいる。

? 何か荀文若の説明で分からない点でもあったのか?

 

「行軍速度が早くなっても、移動する時間が短くなるだけではないのか? 討伐にかかる時間までは半分にはならない………よな」

 

そこですか………

糧食を無くしたら行軍にかかる時間が無くなるわけがあるはずないんだから当たり前だろう。

 

「ならないぞ」

「良かった。私の頭が悪くなったのかと思ったぞ」

「そうか。良かったな、姉者」

「うむ」

 

……………

ま、まぁ気にしないでおこうか。

 

「まぁいいわ。最後の理由、言ってみなさい」

 

これだ。俺がずっと待ち望んでいた言葉。

 

「はっ。三つ目ですが………私の提案する作戦を採れば、戦闘時間はさらに短くなるでしょう。よって、この糧食の量で十分だと判断しました」

 

キタキタ!

さぁ言え! 最後の言葉を!

 

「曹操さま! どうかこの荀文若めを、曹操さまを勝利に導く軍師として、配下にお加え下さいませ!」

「な……………っ!?」

「何と………」

「…………」

 

皆良い感じに驚いてるな〜。

 

「どうか! どうか! 曹操さま!」

「………荀文若。あなたの真名は」

「桂花にございます」

 

ちょっ! 真名ってそんな簡単に教えていいの!?

俺のときとか死闘を繰り広げて教えてもらったのに。

 

「桂花。あなた………この曹操を試したわね?」

 

華琳の体から殺気と覇気が放出させる。

そのことに荀文若も体を強張らせながらも対峙する。

 

「はい」

「な…………っ! 貴様、何をいけしゃあしゃと………。華琳さま! このような無礼な輩、即刻首を刎ねてしまいましょう!」

「あなたは黙っていなさい! 私の命運を決めていいのは、曹操さまだけよ!」

「ぐ………っ! 貴様ぁ………!」

 

やるなぁ〜。あの春蘭にここまで言うなんて、並みの武芸者でも出来ないぞ。

ま、俺は春蘭を落ちつけさそうか。

 

「待て待て。落ち着け、春蘭………」

「ぐぅぅ………」

 

俺は春蘭を羽交い絞めにしながら荀文若から距離を取る。

 

「桂花。軍師としての経験は?」

「はっ。ここに来るまでは、南皮で軍師をしておりました」

「………そう」

 

華琳は何かを思案する顔になる。

そのことで事態が少し硬直したので俺は秋蘭に俺の知識がどれほど合っているものかを確認する。

 

「なぁ秋蘭。南皮っていうと袁紹の本拠地だったよな?」

「そうだ。ついでに言うと、袁紹は華琳さまと昔からの腐れ縁でな………」

 

何故か秋蘭は袁紹の名前を出した瞬間に苦い顔をする。

何かコイツらの間にあったのか?

 

「どうせあれのことだから、軍師の言葉など聞きはしなかったのでしょう」

 

思案は終わったのかまた事態が進んでいく。

それにしても袁紹の扱いが“あれ”って………どんだけ酷い扱いなんだよ。

 

「それに嫌気が差して、この辺りまで流れてきたのかしら?」

「………まさか。聞かぬ相手に説くことは、軍師の腕の見せ所。まして使える主が天を取る器であるならば、その為に己の力を振るうこと、何を惜しみ、ためらいましょうや」

「………ならばその力、私のために振るうことは惜しまないと?」

 

だんだん華琳の顔が楽しいおもちゃを見つけた感じになってきている。

 

(後もう少しだな………)

 

「一目見た瞬間、私の全てを捧げるお方と確信しました。もし御不用とあらば、この荀文若、生きてこの場を去る気はありませぬ。遠慮なく、この場でお切り捨てくださいませ!」

「どうするんだ?」

 

俺は華琳に問いかける。

 

(どうせもう決めているんだろ?)

 

「………………」

「華琳さま」

「春蘭」

「はっ」

「華琳さま………っ!」

 

華琳は秋蘭の言葉を聞く様子もなく、春蘭から受け取った大鎌を、ゆっくりと荀文若に突き付けた。

 

「桂花。私がこの世で尤も腹立たしく思うこと。それは他人に試されるということ。………分かってるかしら?」

「はっ。そこをあえて試させていただきました」

「そう………。ならば、こうする事もあなたの手のひらの上という事よね…………」

 

そう言うなり、華琳は振り上げた刃を一気に振り下ろし―――――――

 

「…………………」

「…………………」

「…………………」

 

少女は動かない。

しかし血は一滴も飛び散りはしなかった。

 

「それが答えか? 華琳」

 

退いた刃の先に絡んだ淡い色の髪の毛は、荀文若の髪だろう。

ほんの少しでも荀文若が動いていたら、そのまま真っ二つになっていたんだろうが…………

 

「最初から殺す気はなかったみたいだな」

 

華琳は俺の問いかけに笑って返す。

その返答もずっと前に予測していたことだが。

 

「当然でしょう。………けれど桂花。もし私が本当に振り下ろしていたら、どうするつもりだった?」

「それが天命と、受け入れておりました。天を取る器に看取られるなら、それを誇りこそすれ、恨むことなどございませぬ」

「…………どっちにしろ俺は止めてただろうがな」

 

俺は苦笑する。

一応あり得ないことだと分かっていながら華琳を止めれる位置で何時でも準備していたのだ。

 

「………嘘は嫌いよ。本当の事を言いなさい」

「曹操さまのご気性からして、試されたなら、必ず試し返すに違いないと思いましたので。避ける気など毛頭ありませんでした………それに私は軍師であって武官ではありませぬ。あの状態から曹操さまの一撃を防ぐ術は、そもそもありませんでした」

「そう…………」

 

小さく呟いた華琳が、荀文若に突き付けていた大鎌をゆっくり下す。

 

「………ふふっ。あはははははははっ!」

「か、華琳さま………っ!?」

「最高よ、桂花。私を二度も試す度胸とその知某、気に入ったわ」

 

華琳はいつもでは見られないくらいの大笑いをした後に荀文若に告げる。

 

「あなたの才、私が天下を取るために存分に使わせてもらう事にする。いいわね?」

「はっ!」

「ならまずは、この討伐行を成功させてみなさい。糧食は半分で良いと言ったのだから………もし不足したらその失態、身をもって償ってもらうわよ?」

「御意!」

「これで一件落着か…………」

 

俺は一仕事終えた感じに呟きを漏らす。

その呟きをここぞとばかりに拾った華琳は、

 

「一刀…………あなたはこうなることが分かっていたの?」

「ん? あぁ、大体な」

 

俺は華琳の方を向いて事の詳細を話す。

 

「俺が最初に疑問に思ったのは華琳と同様の帳簿だ。けどそこで俺は思ったんだ………これは失態じゃなく自分を売り込むための布石じゃないかと」

「へぇ」

「んで、少し荀文若にカマを掛けてみたらそうだったってわけ。………………名前に聞き覚えがあったしな」

「何て?」

「いや、なんでもないよ」

 

あまり未来の知識をペラペラと喋るのは危険だと俺は思ったので、今回は詳細を濁す。

 

「後はそれから考えられることを考えたらこうなるだろうなぁ、って思って先にコイツも連れてきたわけだ」

「なんでそんな事がわかるのよ、この変態!」

「なんで変態!?」

 

俺は何もしてないだろ!?

 

「桂花、あまり一刀に酷いことを言っては駄目よ。一刀は私が唯一認めた男なんだから」

「曹操さま!?」

 

あまりのことに驚く荀文若。

だから言ったろ? 華琳の方から頼んだことだって。

 

「そうだな。私も認めているしな」

「姉者は一騎打ちにも負けていたしな」

「うぅ、秋蘭〜」

 

姉イジリが楽しくなったのか秋蘭はもっと春蘭をイジっている。

 

「そんな…………あの夏候元譲を一騎打ちで破るなんて………」

 

最早驚きを通り越してなんか呆れられてる感じがする。

 

「ということで桂花、一刀や春蘭達にも真名を教えてあげなさい」

「そんな!?」

「おいおい……………」

 

だから真名って大事なものじゃなかったのか?

これだけ簡単に扱っていいものなのか?

 

「曹操さま、それだけは!?」

「別にいいじゃない。私の真名も呼ばせてあげるから」

「うぅ〜〜〜」

 

華琳の真名を取るか俺に真名を教えるかで悩んでいる荀文若。

…………そんなに無理するなよ。

 

「それによ? 春蘭を凌ぐ武にあなたに匹敵するほどの智を持つ人物なんてこの国にいるかしら?」

「それは……………」

 

今の言葉がきっかけになったのか、荀文若は俺の方を向き、キッと睨むと、

 

「私の真名は桂花! きやすく呼ばないでよね、変態!」

「だから俺は変態じゃ―――――まぁ、今はいいか。俺も一応自己紹介しておく。北郷一刀だ。字と真名はないから好きに呼んでくれて結構」

「わかったわ、変態」

「それ以外の呼び方にしろ!」

-3ページ-

馬は、思ったよりもゆっくりと進んでいた。

予定期間の半分の行軍だというから、もっとペーズを上げるものだと思ったんだが………

いつもの行軍より、少し早い程度でしかない。

 

「北郷、大丈夫か?」

「あぁ。大分慣れてきたからな………」

 

もうそろそろ騎馬戦くらいをこなせるレベルだ。

まぁこれで春蘭と戦えなんて言われたらまだ無理だが。

 

「それにしても………アイツは大丈夫かな?」

「大丈夫だろう。華琳さまや姉者の前であんなに言い切ったのだから」

「お、噂をすれば…………。おーい、桂花」

 

俺は先ほどの問題児―――桂花を発見したので呼んでみる。

呼んだ直後に振り返った桂花は、俺の顔を見ると嫌そうな顔をしていた。

 

「な…………っ! アンタ、何で………っ!」

「何でって………来る前のやり取りで真名で呼んでいいってことになったろ?」

「そうだったけど………覚える気にもならなかったわ!」

 

なんで俺はコイツにこんなに嫌われているんだ?

ずっと思ってることだが、俺は何もしていないし。

 

「はぁ…………」

「それに、古参の秋蘭はともかくとして、なんでアンタなんかに真名で呼ばれなくちゃならないのよ! 私の大切な真名をあんたなんかに犯されてたまるもんですか! 訂正なさい!」

 

犯すって、お前………

 

「そんなことより、作戦の方は大丈夫なのか? 華琳は自分が言ったことは絶対に曲げないから、この行軍が失敗したらお前の首、飛ぶぞ?」

「そんなことじゃないわよ………」

「華琳さまの命だ。諦めて受け入れるのだな」

 

まぁ俺だって嫌がってるヤツの真名を無理やり呼ぶってのは嫌なんだが………呼ばないと華琳が怒るし………

 

「で、なんですって?」

 

あ。諦めた。

 

「だから、今回の作戦」

「別にアンタなんかに心配されなくてもキッチリこなしてみせるわよ! 大体今の華琳さまの軍の実力なら、本当は私の策がなくてもこなせて当り前なんだから」

「………へぇ」

 

流石だな。

ここに来て日も浅いってのに、ちゃんと見てるな。

 

「華琳さまは知も勇にも優れたお方だが、それを頼んで無茶な攻めを強いるお方ではないからな………。正直、こういう強行軍を実戦で試すのは初めてだ」

 

思ったより華琳って慎重派なんだな。

まぁ春春蘭がいるからちょうどいいバランスにでもなってるか?

 

「ここしばらくの訓練や討伐の報告書と、今回の兵数を把握した上での計算よ。これでも余裕を持たせてあるのだから、安心なさいな」

 

なんで糧食の監督官だったヤツがそんなこと知ってるんだ?

 

「まぁお前の知は皆が認めてるから大丈夫だろ」

「な…………っ!?」

 

ん? なんで桂花の顔が赤いんだ?

まぁ気にしないでおこう。

 

「そういや秋蘭、軍師の募集ってしてなかったのか? してたらコイツのこんな無茶なんかなかったのに」

 

今まで疑問だったことを秋蘭に聞いてみる。

この時期の華琳なら募集していてもおかしくはないはずなのに。

 

「うむ。軍師の募集はしていなかった」

「試験官、あなただったものね」

 

いつのまにか顔の赤みが引いた桂花が秋蘭に言う。

 

「そうだったのか…………」

 

武官をやったり文官をやったり、新人の面接官をやったり………秋蘭が一番働いてるんじゃね?

 

「経歴を偽って申告する輩も多いのでな。個の武勇なら姉者やお前が揉んでやればだいたい分かるのだが………文館はよほど名の通った輩でない限り、使ってみないと判断がつかん」

「だから、一刻も早く華琳さまの目に留まる働きをして、召し上げていただこうと思ったのだけれど………その機が思ったよい早く来て、良かったわ」

「へぇ…………お前も頑張ってるだな」

 

俺はそんな桂花の頭を撫でる。

 

「ちょっ!? 何するのよ、この変態!」

「おっと、ごめんごめん。つい癖でな」

 

怒れる桂花を宥めながら対応する。

そんな折に少し急ぎ気味の春蘭がやってきた。

 

「おお、貴様ら、こんな所にいたか」

「どうした、姉者。急ぎか?」

「うむ。前方に何やら大人数の集団がいるらしい。華琳さまがお呼びだ。すぐに来い」

 

そんなに急ぎの用事か。

俺は桂花を撫でるのをやめ、華琳のところに向かおうをする。

 

「あっ…………」

「ん? どうした、桂花?」

「べ、別になんでもないわよ、この変態!」

「だから変態って言うのをやめろって言ってるだろ!」

「お前ら…………そんな漫談はいいから早く来い…………」

 

呆れ気味な秋蘭の声で我に返った俺と桂花は駆けだす。

これはまた華琳に怒られるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………遅くなりました」

「ちょうど偵察が帰ってきた所よ。報告を」

「はっ! 行軍中の前方集団は、数十人ほど。旗がないため所属は不明ですが、格好がまちまちな所から、どこかの野盗か山賊だと思われます」

 

野盗か山賊ねぇ………

 

「………様子を見るべきかしら」

「もう一度、偵察隊を出しましょう。春蘭、北郷、あなた達が指揮を執って」

「おう」

「俺もか?」

 

別に春蘭だけでも良い気がするが………………なるほど。

 

「春蘭の暴走を止めるための綱役かよ」

「その通りよ。分かったんならさっさと行きなさい!」

「おい、北郷! 何を納得している! それではまるで、私が敵と見ればすぐに突撃するようではないか!」

「違うの?」

「違うのか?」

「違わないでしょう?」

「華琳さままでぇ〜………」

 

集中砲火をくらった春蘭はほっておいて、俺達は話を進める。

 

「私も出ると、こちらが手薄になりすぎる。それにもし戦闘になった場合も姉者や北郷の方が適任。………そういう判断だな、桂花」

「そうよ」

 

話しは全て纏まった。そこに華琳の一声。

 

「行ってくれるでしょう? 一刀、春蘭」

「はっ! 承知いたしましたー!」

「ま、そういうことなら真面目に働きますか」

 

俺は溜息をつきながら答える。

 

「では春蘭、一刀。すぐに出撃なさい」

 

 

 

 

 

 

 

春蘭の部隊をまるまる偵察部隊に割り振って、俺達は華琳の本隊から離れ、先行いて移動を始めた。

………俺の部隊? そんなものないに決まってるだろ。まだこっちにきて日も浅いから兵を任されてないんだよ。

 

「まったく。先行部隊の指揮など、私一人で十分だというのに………」

「偵察も兼ねてるからな。通りすがりの傭兵部隊とかだったら、突っ込むなよ?」

「貴様なんぞに言われるまでもないわ。そこまで私も迂闊ではないぞ」

 

ホントかよ…………

 

「夏候惇さま! 見えました!」

「ご苦労!」

「あれか。ん? なんか、行軍してる感じじゃないな………」

 

俺は前方に見える山賊紛いの集団を見て呟く。

それは春蘭も思ったようだ。

それを証拠に向こうに見える集団は一か所に留まって、何やら騒いでるように見える。

………酒盛りって感じでもないしなぁ。

 

「何かと戦っているようだな」

 

なるほど。あれは戦っていたのか。

あ。なんか飛んだ。

布袋みたいな大きな塊から、細い棒らしきものが四本と、一抱えほどの塊がひとつくっついていて――――

 

「………って、人かよっ!?」

 

なんて出鱈目な!

人間が吹き飛ぶってどんな力だよ!

 

「なんだ、あれは!」

「誰かが戦っているようです! その数………一人! それも子供の様子!」

 

マジか!? 子供があそこまで人を吹き飛ばせるものなの!?

なんなんだ、この世界は!

 

「なんだと!?」

 

その報告を聞くが早いか、春蘭は馬に鞭を振り、一気に加速させていく。

 

「おい、春蘭っ! チッ!」

 

遠くになっていく春蘭に舌打ち一つ。

 

「そこのお前!」

「はっ!」

 

俺は近くにいた兵士に命令する。

 

「俺はこのまま春蘭を追って子供を救出する。そのため本隊の方に伝令を頼む。後、俺と春蘭が前方の集団と戦闘に入る、その時に何人かの山賊紛いを逃がすからそれを追いかける偵察部隊の準備を頼めるか?」

「任せてください!」

「頼んだぞ!」

 

俺はそう告げると、馬に鞭を振り春蘭のもとに駆けつける。

 

(たくっ! 誰だよ。さっきはそこまで迂闊じゃないって言ったのは………)

 

 

 

 

 

 

「でえええええいっ!」

「ぐはぁっ!」

 

少女は自分の武器である鉄球を振り回し賊を吹き飛ばす。

その力は怪力で、いとも簡単に人間を空高くに飛ばす。

 

「まだまだぁっ! でやああああああっ!」

「がは………っ!」

「ええい、テメェら、ガキ一人に何を手こずって! 数でいけ、数で!」

 

賊のリーダー格は人数で攻めるように命令する。

それに従う賊達は少女を囲み始めた。

 

「おおぉぉ!」

「はぁ……はぁ……はぁ………。もぅ、こんなにたくさん……多すぎるよぅ……!」

「ぐふぅっ!」

 

どこからともなく大剣が現れ、少女を囲っていた賊を斬りつける。

 

「………え?」

「だらぁぁぁぁっ!」

「げふぅっ!」

 

その大剣の持ち主は春蘭だった。

春蘭は少女に近寄り、

 

「大丈夫か! 勇敢な少女よ!」

「え………? あ……………はいっ!」

「貴様らぁっ! 子供一人によってたかったって………卑怯というにも生温いわ! でやあああああっ!」

 

春蘭は気合いとともに敵を斬りつける。

その一太刀で数人の賊達が絶命する。

 

「うわぁ……っ! 退却! 退却ーーーっ!」

「逃がすか! 全員、叩き斬ってくれるわ!」

「はぁ………春蘭!」

 

俺は賊を追いかけようとする春蘭を引き留める。

案の定、春蘭は「何故止める!」って感じで俺を睨んでくる。

 

「お前なぁ………俺達の仕事は偵察だぞ。その子を助けるために戦うのはいいとして、敵を全滅させる事が目的じゃない!」

「ふんっ。敵の戦力を削って何が悪い!」

「それも尤もだけどな。今は他にするべき事があるだろ?」

「………例えばなんだ!」

 

コイツ何したらいいか絶対分かってないだろ………

 

「逃がした敵をばれないように追跡して、敵の本拠地を掴むとかだな………」

「………おお。それは良い考えだな。誰か、おおい、誰かおらんか!」

「………もう何人か偵察に出したよ」

 

俺は少し疲れ気味に春蘭に告げる。

 

「むぅぅ、流石だな」

「はぁ………」

 

これがホントに、俺と双璧の最強戦力なんだよなぁ。

武勇は確かに敵なしなんだが……誰かを手綱に付けろと言った桂花の判断、見事としか言いようがない。

 

「あ、あの………」

 

俺と春蘭が話し合っていると少女が控えめに話しかけてきた。

 

「おお、怪我はないか? 少女よ」

「はいっ。ありがとうございます! おかげで助かりました!」

 

あぁ………ウチにはいないタイプの人間だなぁ。

なんか周りが周りなせいで純粋な人間を見ると心が洗われるような感じがする。

 

「? どうしたの?」

「いや、なんでもない」

 

少女が不思議そうにコチラを覗いてくるので何でもないと咄嗟に言う。

 

「それは何よりだ。しかし、なぜこんな所で一人で戦っていたのだ?」

「はい、それは―――――」

 

女の子がそんな話をしようとすると、向こうから本隊がやって来た。

 

「来たか。ここだ! 華琳ーっ!」

「………っ!」

 

ん? なんだがこの少女の気が変わった?

 

「一刀。謎の集団とやらはどうしたの? 戦闘があったという報告は聞いたけれど………」

「やっこさんらは春蘭の勢いに負けて逃げた。何人かに尾行してもらってるから、本拠地の確定までに時間はかからないだろう」

 

俺はさっきの兵士に言ったことを華琳に報告する。

そんな俺の判断に華琳は気を良くしたらしい。

 

「あら。なかなか気が利くわね」

「お褒めに預かり光栄の至り………だな」

 

俺もそんな華琳に気を良くして少しおちゃらけた感じで返す。

そんなやり取りの間に少女は入ってきた。

 

「あ、あなた………!」

「ん? この子は?」

「お姉さん、もしかして、国の軍隊………っ!?」

「まあ、そうなるが………ぐっ!」

「な………っ!?」

 

いきなり少女が春蘭に攻撃を仕掛けた。

流石の俺も行動が出来なかった。

 

「き、貴様、何をっ!」

「国の軍隊なんか信用できるもんか! ボク達を守ってくれないくせに税金ばっかり持っていって! てやああああああっ!」

「………くぅっ!」

 

あれは不味い………

 

「だからお前は一人で戦っていたのか………?」

「そうだよ! ボクが邑で一番強いから、ボクが皆を守らなきゃいけないんだっ! 盗人からも、お前達………役人からもっ!」

「くっ! こ、こやつ……なかなか………っ!」

 

チィッ! 流石に相手を本気で倒そうとしているヤツと、どうしたらいいかわからないヤツとじゃ戦闘の結果なんてわかりきっている。

このままじゃ春蘭がやられる………俺が割り込むかっ!

そう考え割り込もうとした瞬間、華琳の声で時が止まった。

 

「二人とも、そこまでよ!」

「え………っ!」

 

春蘭と少女は華琳の声が発せられた瞬間、体がピクンと動きその行動を停止した。

 

「剣を引きなさい! そこの娘も、春蘭も!」

「は………はいっ!」

 

その場に歩いてくる華琳の気迫にあてられて、女の子は軽々と振り回していた鉄球を、その場に取り落とした。

 

ドスンッ!

 

「……………」

 

………おいおい。地面がなんか、陥没してんだけど。

どういう重さの武器なんだ、あれ。

 

「………春蘭。この子の名は?」

「え、あ………」

 

そういやその子の名前を聞くの忘れてたな。

俺も名乗ってないし。

 

「き………許緒と言います」

 

何!? ここに来て許緒と来るか。

まぁあの怪力なら許緒と言って通じるだろうな。

しかし許緒もこういう威圧感のある相手を前にするのは初めてなんだろう。

完全に華琳の空気に呑まれきっている。

 

「そう………」

 

そして、華琳が取った行動は―――――

 

「許緒、ごめんなさい」

「………え?」

 

許緒に頭を下げる事だった。

 

「華琳、さま………?」

「何と………」

「……………」

 

俺はその光景を無言で見守る。

 

(覇王とは簡単に頭を下げてはならない………しかし、頭を下げ謝らなくてはならない時に頭を下げなくてはただの傲慢だ。そこの見極めが出来てこその覇王なんだが………流石だな)

 

「あ、あの………っ!」

「名乗るのが遅れたわね。私は曹操、山向こうの陳留の街で、刺史をしている者よ」

「山向こうの………? あ………それじゃっ!? ご、ごめんなさい!」

 

急に謝りだす許緒。

そうしたんだ? 一体。

 

「な………?」

「山向こうの街の噂は聞いています! 向こうの刺史さまはすごく立派な人で、悪い事はしないし、税金も安くなったし、盗賊も凄く少なくなったって! そんな人に、ボク………ボク………!」

 

なるほど………

ここは華琳の管轄じゃなかったのか。

それならさっきの許緒の行動も納得出来るな。

この時代の刺史のほとんどは自分の私腹を肥やすのに必死で、民のことなんか一切無視していただろうからな。

許緒にとっても刺史とは許すべきではない相手なんだろう。

それに比べて華琳はそんなことを一切していないことを知っていたからちゃんと謝ったのだろう。

 

「構わないわよ。今の国が腐敗しているのは、刺史の私が一番よく知ってるもの。官と聞いて許緒が憤るのも、当り前の話だわ」

「で、でも………」

「だから許緒。あなたの勇気と力、この曹操に貸してくれないかしら?」

 

ここで勧誘するか。他のタイミング――――いやこれが一番良いタイミングなんだろう。

 

「え………? ボクの、力を………?」

 

案の定、許緒は困惑している。

 

「私はいずれこの大陸の王となる。けれど、今の私の力はあまりに少なすぎるわ。だから………村の皆を守るために振るったあなたの力と勇気。この私に貸して欲しい」

「曹操さまが、王に………?」

「ええ」

 

そこまで断言しているところを見ると、呆れるやり感心する。

………まぁ、俺はそのために刀を振るうんだけどな。

 

「あ……あの………。曹操さまが王様になったら………ボク達の村も守ってくれますか? 盗賊も、やっつけてくれますか?」

「約束するわ。陳留だけでなく、あなた達の村だけでなく………この大陸の皆がそうして暮らせるようになるために、私はこの大陸の王になるの」

「この大陸の………皆が………」

 

そんな光景が許緒の頭の中に浮かんだんだろう。

次第に顔が綻んでくる。

 

「華琳さま、偵察の兵が戻りました! 盗賊団の本拠地は、すぐそこです!」

「判ったわ。………ねぇ、許緒」

「は、はいっ!」

「まず、あなたの村を脅かす盗賊団を根絶やしにするわ。まずそこだけでいい、あなたの力を貸してくれるかしら?」

「はい! それなら、いくらでも!」

 

話は決まった。

 

「ふふっ、ありがとう………。春蘭、秋蘭。許緒はひとまず、あなた達の下に付ける。分からないことは教えてあげなさい」

「はっ」

「了解です!」

 

春蘭も秋蘭も了承した。

 

「あ、あの……………夏候惇、さま………」

 

許緒は先ほどの事を気にしているらしい。

そこまで気にしなくてもいいだろうに。

それを証拠に春蘭は―――――――――

 

「ああ。さっきの事なら気にせんで良い。………それより、その力、その力を華琳さまのためにしっかり役立ててくれよ?」

「は………はいっ!」

 

やっぱりな。

許緒もそんな春蘭の性格を理解したのか、元気な声で返事をしている。

 

「………では、総員、行軍を再開するわ! 騎乗!」

「総員! 騎乗! 騎乗っ!」

 

そして俺達は目的地である盗賊に本拠地に向かう。

-4ページ-

盗賊団の砦は、山の影に隠れるようにひっそりと建てられていた。

許緒と出会った所からそんなに離れてはなかったけど………こんな分かりにくい所じゃ、よっぽど上手く探さないよ見つからなかったに違いない。

 

「こんな所にあったのか………」

 

もちろん近づくとすぐに見つかってしまうので、砦はまだ豆粒ほどの大きさでしかない。

 

「許緒、この辺りに他の盗賊団はいるの?」

「いえ。この辺りにはあいつらしかいませんから、曹操さまが探している盗賊団っていうのも、あいつらだと思います」

 

許緒は自分の考えを述べる。

その情報を聞き、華琳は思考する。

 

「敵の数は把握出来ている?」

「はい。およそ三千との報告がありました」

「我々の隊が千と少しだから、三倍ほどか………。思ったより、大人数だな」

「もっとも連中は、集まっているだけの烏合の衆。統率もなく、訓練もされておりませんゆえ………我々の敵ではありません」

 

桂花は華琳にそのように報告する。

しかし華琳は相手を挑発するような笑みで、

 

「けれど、策はあるのでしょう? 糧食の件、忘れてはいないわよ」

「無論です。兵を損なわず、より戦闘時間を短縮させるための策、既に私の胸の内に」

「説明なさい」

 

華琳はそのことを聞くとすぐに説明させた。

 

「まずは華琳さまは少数の兵を率い、砦の正面に展開してください。その間に春蘭・秋蘭の両名は、残りの兵を率いて後方の崖に待機。本隊が銅鑼を鳴らし、盛大に攻撃の準備を匂わせれば、その誘いに乗った敵は必ずや外に出てくる事でしょう。その後は華琳さまは兵を退き、十分に砦から引き離したところで―――――」

「私と姉者で、敵を背後から叩くわけか」

「ええ」

 

なるほど………その策なら大分の時間短縮になるだろう。

そう皆が思っているところで、仲間の内の『愛すべき馬鹿』の称号を持つ者が反発した。

 

「ちょっと待て。それは何か? 華琳さまに囮をしろと、そういうわけか!」

「そうなるわね」

「何か問題が?」

 

桂花はさも当然のように聞き返した。

俺も何も問題はないと思うんだが。

 

「大ありだ! 華琳さまにそんな危険なことをさせるわけにはいかん!」

「なら、あなたには他に何か有効な作戦があるとでも言うの?」

「烏合の衆なら、正面から叩き潰せば良かろう」

「………………」

「………………」

 

全員が唖然とした表情で春蘭を見る。

春蘭の方はフンッ、とした感じで俺達を見ている。

 

「春蘭…………お前、やっぱり馬鹿だったんだな」

「油断した所に伏兵が現れれば、相手は大きく混乱するわ。混乱した烏合の衆はより倒しやすくなる。華琳さまの貴重な時間と、もっと貴重な兵の損失を最小限にするなら、一番の良作だと思うのだけれど?」

「な、なら、その誘いに乗らなければ?」

「……………ふっ」

「な、なんだ! その馬鹿にしたような…………っ!」

 

春蘭…………それは馬鹿にしたようなじゃなくて、馬鹿にしてるんだ、きっと。

 

「華琳さま。相手は志も持たず、武を役立てることもせず、盗賊に身をやつすような単純な連中です。間違いなく、春蘭よりも容易く挑発に乗ってくるものかと………」

「……………な、ななな………なんだとぉー!」

「桂花。その誘いを乗ってこなかった時の対策は?」

「ふんっ! あなたに言われなくても考えているわ」

「はいどうどう。春蘭。あなたの負けよ」

「俺もそう思う。今回は桂花の策に乗っておけ」

 

今回は完全に桂花の勝ちだ。

それに流石は荀文若だな。第一の策だけでなく、その策が失敗した場合の第二の策を考えているとはな。

 

「か、華琳さまぁ………」

「桂花、事前の策の説明をお願い」

「はっ。この近辺で拠点になりそうな城の見取り図は、既に揃えてあります。あの城の見取り図も確認済みですので………万一こちらの誘いに乗らなかった場合は、城を射ちから攻め落とします」

 

淡々と述べていく桂花を尻目に見ながら俺はこれからのことを思っていた。

 

「分かったわ。なら、この策で行きましょう」

「華琳さまっ!」

 

俺は春蘭の声で我に返った。

………コイツまだこんな事言ってたのかよ。

 

「お前なぁ………これでけ勝てる要素の揃った戦いで、囮の一つも出来ないようじゃ………この先やってけないだろ?」

「一刀の言う通りよ、春蘭」

「変態の言う通りって気に食わないけど………華琳さま、ただ賊を討伐した程度では、誰の記憶にも残りません。ですが、最小の損失で最高の戦果を上げたとなれば曹孟徳の名は天下に広まりましょう」

 

俺、華琳、桂花に言われ、流石の春蘭も堪えていた。

これで諦めるかと思ったがそこは春蘭、せめてと思い桂花に提案した。

 

「な、ならば………せめて、華琳さまの護衛として、本隊に北郷と許緒はを付けさせてもらう! それでもダメか?」

「北郷と許緒は貴重な戦力よ。伏兵の戦力が下がるのは好ましく無いのだけれど…………」

「私が北郷と許緒の分まで暴れれば、戦力は同じだ。それで文句は無かろう」

 

俺は春蘭を見つめる。

そこには、それくらい簡単だ。とでも言いたげな春蘭の顔が見て取れた。

 

「………分かったわよ。なら、囮部隊は華琳さまと北郷、私、許緒。伏兵は秋蘭と春蘭。これでよろしいでしょうか、華琳さま」

「それで行きましょう」

 

そして華琳はすぐに周りに命令する。

そして数分後、作戦は開始される。

 

「では作戦を開始する! 各員持ち場につけ!」

 

そんな中、俺は一つの不安と戦っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春蘭達の隊が離れていく。

これで、こちらの手勢は本当に数えるほど。

まぁ俺と華琳、許緒がいれば別の問題はない。

 

「あ、兄ちゃん。どうしたの?」

「ん? ………ああ、許緒ちゃんか」

 

俺はトコトコと近づいてくる許緒に話しかける。

 

「季衣でいいよー。春蘭さまと秋蘭さまも、真名で呼んで良いって言ってくれたし」

「そうか? ………そういえば、こっちで華琳の護衛をする事になったんだったな」

「うん。たいやく、なんだってさ」

「そうだな。何せ、華琳を守る仕事だからな」

「そっか………。たいやく、かぁ………。うぅ、なんか、緊張してきちゃった………」

「大丈夫だって。いざとなったら俺が助けてやるよ」

 

俺はワシャワシャと季衣を撫でる。

その事に季衣はよろこんでくれた。

 

「そういえば、兄ちゃん強いの? あんまり強そうには見えないけど………」

「失礼なやつだなぁ。これでも俺は春蘭より強いんだぞ?」

「ホント!?」

「あぁ、ホントだ」

 

季衣は俺の言葉にビックリしている。

 

「兄ちゃん、あの春蘭さまより強いんだぁー」

「あぁ強いぞ。一騎打ちで倒したからな」

 

俺はそんな事を話しながらさっきから不安に思っていることを口に出していた。

 

「………これから殺し合いが始まるんだよな」

「兄ちゃん?」

 

俺は人は殺したことは………………ある。

けどあの時は自我を保っていなく、狂乱状態でした事だからあまり覚えていない。

それでも少しだけ覚えている。

 

 

 

 

人を斬り殺したあの感触を。

 

 

 

 

斬りつけた相手の断末魔を。

 

 

 

 

泣き叫びながら命乞いをする人の声を。

 

 

 

 

「ボクも最初は人を殺すのは嫌だったんだ…………」

「季衣?」

 

季衣は語る。それは俺のためか、それとも…………

 

「それでもね? 敵はやってくるんだ。盗賊、山賊とかいろいろ。その敵はボク達の仲間を殺していくんだ。ボク達は何も悪いことしてないのに。そして思うんだ、『この敵をボクが殺さなくちゃボクの仲間が殺される』って。だからボクは敵を殺す…………」

 

季衣の独白は続く。

それは俺が決断しなくてはいけないことを季衣に決断させているようで不快だった。

 

「季衣…………もういい、もういいんだ」

「兄ちゃん………」

 

俺はいつのまにか季衣を抱きしめていた。

抱きしめながら俺は…………誓った。

 

 

 

 

―――――――――俺は今から人を殺す…………

 

 

 

 

―――――――――それは私利私欲ためじゃない…………

 

 

 

 

―――――――――こんな優しい少女にこんな思いをさせないために…………

 

 

 

 

―――――――――俺の主が修羅の道を突き進むために…………

 

 

 

 

―――――――――でも、いくら綺麗事を言ったって、人殺しは人殺しだ…………

 

 

 

 

―――――――――だから俺は誓う。

 

 

 

 

―――――――――俺は人を殺すことに溺れないと。

 

 

 

 

―――――――――俺は自分が殺した人間を悪と決めつけ自分を正義と決めつけ、その覚悟を背負っていく

 

 

 

 

「そろそろ作戦が始まるころだな………行くか、季衣!」

「…………うん、兄ちゃん!」

 

俺は抱きしめていた手を緩め、季衣を立たせる。

そして二人で華琳達がいるところに歩いていく。

 

 

 

 

 

俺はここで覚悟を決め、誓いを立てた。

ならその誓いを死ぬまで掲げよう。

この“北郷一刀”という存在が死ぬその時まで。

-5ページ-

戦いの野に、激しい銅鑼の音が響き渡る。

 

「……………」

 

響き渡る………

 

「……………」

 

響き………

 

「……………」

 

………響き渡る銅鑼の音は、こちらの軍のもの。

でも響き渡る咆哮は、城門を開けて飛び出してきた盗賊達のもの。

 

「………桂花」

「………何よ?」

「これも作戦か?」

「………流石の私もこれは想定外だったわよ」

「………だよなぁ」

 

俺は呆れながら飛び出してくる盗賊達を見る。

………これは本当に春蘭より馬鹿だな。

春蘭でも敵の銅鑼を味方の銅鑼だと思って突っ込んでこないしな。

 

「連中、今の銅鑼を出撃の合図と勘違いしているのかしら?」

「多分そうだろうなぁ………」

「………そう」

「どうした? あぁ。華琳、挑発の言葉とか、用意していたのか?」

 

確かこの時代の戦じゃ、そういう舌戦を戦う前にあったんだっけ。

 

「………一応、こういう時の礼儀ですからね。まあ大した内容ではないから、次の賊討伐の時にでも使うことにするわ」

「そうすることが、賢明だな」

 

俺は華琳にそう告げて笑い合った直後、季衣が駆けよってきた。

そう言われ、俺は敵の方に目を向ける。

おお………少人数のこっちに比べて、相手はハンパなく多い。

もしかして、これって全軍か…………?

 

「ふむ…………まあいいわ。多少のズレはあったけれど、こちらは予定通りにするまで。総員、敵の攻撃を適当にいなして、後退するわよ!」

 

華琳の号令とともに本隊は後退する。

これで俺達は後、春蘭達の奇襲が成功するまでいなすだけだ。

 

 

 

「それにしても………遅いなぁ」

「そんな事言っても仕方ないでしょ?」

 

俺は春蘭達の奇襲が遅いことを心配していた。

華琳も口ではあんなことを言っているが、少し心配しているようだ。

 

「まぁどうせ春蘭のことだからこんな事になってるだろうさ」

「どんな事?」

 

俺はやることがないので、華琳と軽口を叩き合う。

そこに季衣と桂花も加わった。

 

『ふむ………。そろそろ頃合いかな』

『まだだ。横殴りでは、混乱の度合いが薄くなる』

『ま、まだか………?』

『まだだ』

『もういいだろう! もう!』

『まだだと言ってるに………少し落ち着け、姉者』

『敵の殿だぞ! もういいな!』

『うむ。遠慮なく言ってくれ』

『総員、突撃ぃぃぃぃっ!』

 

「ってな感じに」

「あははっ。確かにそんな感じでしょうね」

「兄ちゃん、おもしろーい」

「中々の想像力ね、北郷」

 

俺達四人は俺の想像していた春蘭達の光景で笑い合っていた。

そんな中、待ち望んでいた報告が兵士によって知らされた。

 

「後方の崖から夏候惇さまの旗と、矢の雨を確認! 奇襲、成功です!」

「流石は秋蘭だな。こうも簡単に成功させるとは」

 

俺は感心しながら敵の後方に目をやる。

あの春蘭を制御しながら奇襲を仕掛けるなんざ、普通の人間じゃ絶対無理だ。

 

「そうね。皆おしゃべりはそこまでにしなさい。この隙を突いて、一気に畳みかけるわよ」

「はっ!」

「季衣。あなたの武勇、期待させてもらうわね」

「分っかりましたーっ♪」

 

俺はその言葉を聞き、身を引き締めるとそれ以上に身を硬直させる言葉を投げかけられた。

 

「一刀。あなたも季衣と同様に敵の殲滅に向かいなさい」

「………何?」

「この様子だと私の危険もないだろうし、あなたが出てくれた方が時間も短縮できるもの」

「……………」

 

俺は沈黙した。

確かにさきほど覚悟はしたが、こうも早く人を“殺す”場面に出くわすとは。

だがあえて俺はここで決断する。

 

「………わかった」

「期待してるわよ?」

「あぁ、いくぞ、季衣!」

「うん、行こう、兄ちゃん!」

 

俺は駆けだし、季衣もそれに付いてくる。

それは俺の覚悟に対する試練なのかも知れない。

そんなことを思いながら俺は敵の方に駆けていた。

-6ページ-

さて、あとがきを書く前に言い訳w

 

ズッシャァーーーーーーー

 

すいませんでしたぁぁぁぁあ!(スライディング土下座)

一週間を目途とか言っておきながら二週間かかってしまいました……………

ほんとすいません………夏休みだから余裕ぶっこいていたら時間が物凄く経っていましたw

それでも仕方ないと思いますよ? なんたってPCがアボンwwってな感じになって執筆してたものが全て消え飛んだんですからwww

それでも挫けず書きあげたんですよ?(まぁ少し鬱になって違う感じの恋姫のssを書いたりしてましたがww)

だから悪気はなかったんです。だから許してください!ww

 

さて謝罪もここまでにしてあとがきに移りましょうか。あまり謝罪ばっかりだと逆にうざそうですしw

なんていうか今回のあとがきは特に書くことがないなぁw

強いて言うなら、戦闘描写がなかったところ?

あぁ、今回のあとがきは謝罪ってことでいいじゃないでしょうかwそうしましょうww

ってことで今回のあとがきはこれでお終いです。次回はまともなあとがきを書きたいなぁww

 

 

では今回もコメ返しをしておわかれです。今回の作品を見てくれたかたに大いに感謝を。コメントをくれた方に最大限の感謝を。

では次回でお会いしましょう。

 

birdさん>特に恭也を意識してたわけじゃないんですけどwそういえばよくよく読んでみると恭也になんとなく似てるような気がしますねww

 

ブロンコさん>声援ありがとうございます。ん〜出来れば無理はしたくないんですが無理しないと一週間で仕上げられないwwとりあえず完結目指して頑張ります!w

 

メルさん>俺もメルさんの小説読んでますよ〜ww自分の小説ってなんか駄文と思いますよね?wですけど私も頑張るのでメルさんも頑張ってください!

 

タンデムさん>そうですね〜。本当は一刀は華琳や春蘭より殺気や威圧感が大きくて、華琳の方が覇気に関しては大きいんですけどねww俺の中では殺気は相手を殺す思い、威圧感は威圧して相手を動けなくする気持ちと戦闘に関する心で、覇気が人の魅力? みたいなリーダーシップみたいな感じと思ってますw何か違うと思いますけどww

 

クォーツさん>よろこんでもらえて大変、蒼はうれしいですwギャグについてですが本筋ではギャグはしない予定です。どんな感じかというと、

       本筋√…ギャグ要素などなくシリアスな雰囲気と戦闘が中心。70%

       拠点√…ここはギャグやほのぼのとした感じで進行予定   30%

       とこんな感じになってますねwまぁあくまで予定ですけど。とりあえずギャグ一色ってことはないです。蒼はギャグのセンスがないんでwww

 

逢魔紫さん>またもや脱字報告ありがとうございます。本当に助かりますw続きは来週くらいになるかもしれませんが頑張りますので待っていてくださいね?w

 

motomaruさん>事件ですねwwさすがカンスト一刀www

 

naoさん>頑張っていきますよ〜!続き待っててください。

 

munimuniさん>そうですね〜wですけど章が進んでいく毎にもっとカッコよくなってきますよ?w(多分ですけどww)

 

ブックマンさん>そう言ってもらえると助かりますwオリについて所々入って行くと思うの見ていてください

 

jackryさん>そうしてくれるとホントうれしいですwそうですね…………ってか史実の呂布ってどのくらいの強さだったっけ?wwwwwww

 

PANDORAさん>ありがとうございます!これからの一刀の道は苦難が待ち構えているかもしれませんが、皆さんの声援を受け頑張って行きます!!

 

悪来さん>声援ありがとうございます!次回も頑張って行きますよ〜

 

伏宮真華さん>まだまだ一刀の『闇』の部分は出てきませんが気長に待っていてくださいw作調についてはクォーツさんのコメ返しに書いた感じになります。

 

ストーさん>それはもちろん三国一!wwww

説明
二週間ぶりくらいの投稿になった、蒼です。
ホント遅くなってすいません…………
PCがアボンwwってなって執筆途中だったものが全て消え泣き叫んでいましたwww
それでも俺は帰ってきた!ww
まぁ言い訳はあとがきにでも書くので本編へどうぞw
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
8555 6140 76
コメント
4ページ目の城を射ちからは 内からでわ?(BALIS)
逢魔紫さん、雄さん、Poussiereさん>誤字報告ありがとうございます。修正しておきました。(蒼)
次回が楽しみです(アイン)
一刀が桂花を落とすの早そう〜次が楽しみです(cielo spada)
この桂花は、そのうちデレるのか……? 続き、楽しみにしてます。(伏宮真華)
敵の大軍にどんな戦い方を見せてくれるか楽しみです。(ブックマン)
一刀かっこいい〜 さて、どうなるのかね〜愉しみやわ^^w(Poussiere)
誤字3p目 「言ってくれるでしょう? 一刀、春蘭」 行っての間違いですね。(Poussiere)
さてこれでさらに一刀はさらにつよくなるか!!凪に会いたいぜい!!←すんません。私欲です。(motomaru)
一刀の洞察力にビックリ・・・ 桂花の策を見破るって・・・ww(ストー)
このカンスト一刀は、人を殺す事に理性は耐えられるのか。 其処が次の見所とも言うべきでしょうね。 続き待ってます!(タンデム)
「度胸とその知某」の某は謀なのではないでしょうか(雄)
誤字:文館をやったり←文官(トウガ・S・ローゼン)
タグ
恋姫無双 真恋姫無双 北郷一刀 

蒼さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com