マイ「艦これ」「みほちん」(第参部)EX回 第5話『疑念』 |
何か、気に触るようなことしたかな?
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マイ「艦これ」「みほちん」(第参部)
EX回:第5話 『疑念』
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私のところに寛代が戻って来ると袖を引っ張る。
「なに?」
「……」
何かをブツブツと言っている。何となく察した。
「そうか、彼が来られるか」
どうやら、この鎮守府の提督が私たちの直ぐ近くまで来ているらしい。一時的にでも、私たちはお世話になるわけだ。こちらから出向いて、きちんと挨拶するか。
「寛代、すぐに全員を招集してくれ」
「……」
寛代が通信した直後、受信したらしいテーブルの金剛と夕立が、もぞもぞと反応している。何だか死にかけたゾンビみたいだ。特に夕立は、やっぱり金髪の貞子に見える。
しかし二人とも、なかなか体調が戻らないな。やはりこの暑い気候も影響しているのか? 元気な人間には良い感じだけど、体調不良の者に暑いのはキツい。
ちなみに青葉さんは夕張さんを連れてもっと取材したいとのこと。それは許可を出した。彼女はデータにも強い。夕張さんを補佐にして二人でこの鎮守府を、もう少し探索してもらおうという魂胆もある。あの技術参謀も気になるが本省の将校だ。ヘマはしないだろうと信じて放置。
やがて数分で祥高さんと日向、赤城さん龍田さんが私のところへ集まってきた。
「ここの提督が近くに居られる。皆で挨拶に行こうか」
私は立ち上がる。
「うー、▲☆……◎◆」
金剛は比叡に支えられてヨロヨロと立ち上がっている。
夕立には日向がサポートについたが……。
「ぽ……」
かなりダウンしている。金剛も夕立も立っているのがやっとだ。
どうしようか? この二人は休ませて私たちだけで挨拶に行こうか? そう思っていたら広場の反対側に白い制服の男性が見えた。それも、かなりラフな感じだ。ひょっとして彼がここの提督だろうか。
私は直ぐに決めた。
「向こうに居るブルネイの提督に挨拶してくる。金剛と夕立は無理せず、この場で待機してくれ」
そう言いながら私は、まともに動ける艦娘たちと共に広場の反対側に向かった。
お祭り広場は、賑やかだった。ブルネイというよりほとんど日本の縁日だな。いろいろな艦娘の姿もある。え〜っと、あれは島風? いや、違う。頭のウサギ耳は島風っぽいけど、ほかの部分は「金剛」だ。もしかしたら、あれが噂の量産型なのか? こっちの金剛が見たら、ショックかな?
仮装行列のようなカオスっぷり。もはや旅の疲れと混沌さに私自身が混乱しかけている。
やれやれ、艦娘との日常生活に、やっと慣れてきたばかりなのに、いきなり艦娘が「増殖」しているわけだ。
あの嵐から、おかしなことばかり起きた。最後に来て、この鎮守府だ。しかも、お祭りで。もはや正常な判断を妨げる要素が多すぎる。だが事実は目の前にある。ここは、腹に力を入れよう。
「あ、あの……」
私はおずおずと声をかける。
体格の良い相手も気が付いたようだ。すぐに直立してシャツのしわを伸ばすと、敬礼をした。
「美保鎮守府の提督殿でありますな。お会い出来て光栄です。私はこの鎮守府を預かる金城大将です。以後、お見知り置きを」
え! 大将か? 私より上か。道理で自由な雰囲気というかスケールの大きなものを感じさせるわけだ。妙なところで相手の指揮官の器に感心する。私の周りの艦娘たちもザワザワしている。
ただ、挨拶もそこそこに大将は、私を上から下までジロジロと見ている……何か、気に触るようなことしたかな?
続けて彼は、私の後ろの艦娘たちも見て、ちょっと安堵したような表情を浮かべた。普通の鎮守府の人間だと理解したようだが? それは妙な雰囲気だった。
彼は思い直したように腕時計を見ると言った。
「さぁ、時間もそろそろですから、会場に向かいましょう」
「へっ? 会場? なんの?」
何のことか理解できない私。
彼は腰に手を当てて大きく笑った。
「ハハハ、今更何を仰いますやら。これから、私の艦隊と貴方様の艦隊とで、模擬演習を行うのではないですか」
「え……えええぇぇぇぇ〜!?」
いったい、何事なんだ?
少し遅れて比叡も「ひぇええ」と叫んでいた。お前の恐れていた通りの事態だな。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中〜(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第参部」の略称です。
説明 | ||
お祭り広場の側で待機していた美保司令は、この泊地の提督に挨拶をする。しかし彼は怪訝そうな表情を浮かべていた。 | ||
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