母の死 |
平成●年1月●●日
かぁさんが死んだ・・・・
そう電話で父から聞いた時
僕はどんな気持ちでいたのだろう
もしくはどんな表情をしていたのだろう
・・・そんなことはどうでもよかった
-ガタンッ
電話を落した
通話口から聞こえる父の声は泣き震えながら僕を呼んでいた
「………かぁさん…」
僕がそう呟いていても母はもういない
そう思った時
目から暖かくしょぱい涙がでてきた…
-ツーツーツーッ
電話はもうきれている
僕は急いで服を着替え走って出掛けた
「はぁ…はぁ…」
走って約8分…
今は人通りの多い場所にいる
今…叫びたい
この気持ちを
そして僕は
なぜか歌ったんだ
皆にこの気持ちをぶつけたいために
母が趣味で作曲したアカペラの歌を・・・
母が死んだ・・・・・
そう頭に浮かべながら歌っていると
涙を流しながら歌っているのに気付いた
周りの人は見て聞いてるだけだ
当然とおりすぎるものもいる
聞いてる人に母が死んだと告げた時・・・
僕の心はなぜか和(やわ)らいだ
歌い終り
僕は走った
病院へと…
涙を浮かべながら
病院へ着くと急いで母が入院していた部屋に行った
…母は顔の上に白い布をのせている
父さんはいない…
今なら泣ける
そう思い
泣き狂ったよう
まるで子供が転んだ時に大声で叫びながら泣くように
「かぁさん!かぁさん!…かぁさん!!!」
やはり叫んでも母は帰ってこない
泣きながら僕の頭には
走馬灯のように母の思い出がよみがえる
《かぁさん!かぁさん!》
《なぁに?》
《かぁさん!あれかって!あれかって!》
《買って買って言うんじゃないの》
《ぶーケチ》
今の僕の頭には
何でもっと優しくしてあげられなかったのだろう…
っと頭に浮かんでいた
「ねぇ…やだよ…こんな別れ方……ねぇ…かぁさん!目をさましてよ!…お願…い……だか……ら・・・・三人で・・・・三人で一緒に旅行に行こうって・・・いったじゃっ・・・ないかよっ」
僕は泣き疲れた
今は父と二人でいるが
無言
まだ僕たちさ母の死を受け入れたくないんだ
「父さん…しばらく一人にさせてくれ」
そう言い僕は走っていろいろな場所に行った
そして
歌った
人通りの多い場所で歌ったやつを
夕日がさす頃
もう歌い疲れて歩いていると
-キーッドンッ
僕は車にひかれたようだ
「かぁ…さ……ん」
今僕の目の前にかぁさんがいる
そう見えた
それが僕の見た今日最後の記憶だった
※男の子が死んだわけじゃないよ?
今日最後の・・・だからね?
END
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友人の母の死を 本人の許可を得て書いています |
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