2017年賀 〜鶏鳴喚暁〜
説明
「おまえの声は朝喚ぶ声 人々の魂を暗い海から光の船へと掬い上げる」

まだ昼と夜の境が曖昧だった頃、太陽を管理する暁の神はその境をはっきりと定めるため、自らの使いとして一羽の鳥(鶏)を生み出した。
暁の神は鶏に良く通る声を授け、地上へ遣わし、澄み切った夜空に響き渡るその甲高い声を合図に、太陽を空へ解き放つことに決めた。
放たれた太陽は1日分の光のエネルギーを失うと自動的に暁の神の元へ戻ってくるが、「声」に比重を置いて創られた鶏には天まで飛ぶ力は無く、地上に残って役目を果たすことになった。
しかし、鶏は文句ひとつ言わずに毎日役目を果たし続けたため、暁の神は満足と感謝の印として存分に卵を産む力を与え、その種族の繁栄を太陽と同じく永遠のものにしたのだった。
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