本編補足 |
一声
C1 受け入れ
C2 疑心暗鬼
C3 望まぬ一騎打ち
C4 王族の意地
C1 受け入れ
ロズマール共和国イズン荒地。ガルデンブルグ砦。紅の改造されたゼームス級機動城塞から、南方を睨むロズマール共和国の将軍ゼオン・ゼンゼノス。その傍らにはゼオン・ゼンゼノスの配下のザーコ。拳を震わすゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『ガグン殿は血迷っておられる。』
ゼオン・ゼンゼノスを見つめるザーコ。
ザーコ『…ゼオン。ガグンの肩を持つのは分からんでもないよ。お前にパレードの主役を譲ったことに恩義を感じているんだろ。でもな。あの男は評価をする眼はもっていても、元々血迷ってるんだぜ。頭のネジが吹っ飛んでるんだ。貴族波討伐での勝手な一騎打ち、世界強武に一騎打ちを挑むは、あの塔には一人で勝手によじ登るは、それで挙句の果てに、待遇に不満があれば、即座にアンセフィムに牙を向いただろ。ありゃもともと狂犬だ。あんまりかかわらない方がいいぜ。』
眼を閉じるゼオン・ゼンゼノス。
ザーコ『噂じゃ対貴族連合戦じゃ、後方の味方の上官を襲撃してろくに活躍もせずに送り返されたって言うじゃ…』
眼を開くゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『…アンセフィム殿を迎え入れる。』
ゼオン・ゼンゼノスを見つめるザーコ。
ザーコ『は…。』
紅の改造されたゼームス級起動城塞の方へ向かうゼオン・ゼンゼノス。彼に向かって駆けるザーコ。
ザーコ『お…おいおい。正気か!?アンセフィムを迎え入れるなんて!』
ゼオン・ゼンゼノスの一斉に向くゼオン・ゼンゼノスの配下達。
ゼオン・ゼンゼノス『ああ。』
ザーコ『そんなことをすりゃ…。』
ザーコはゼオン・ゼンゼノスの配下達を見回した後、ゼオン・ゼンゼノスの方を向く。
ザーコ『分かってるのか。あのガグン軍とやりあうことになるんだぞ。』
眉間に皺をよせ、頷くゼオン・ゼンゼノス。彼の傍らにやってくるゼオン・ゼンゼノスの参謀で狼獣人の女性イシュトリッタールとその友人で空間魔法の使い手で百目族の女性のドメキ。
イシュトリッタール『ゼオン様。それならば、近隣のイロニア山岳に我が軍とアンセフィム様の軍でガグン軍を釘付けにし、ラファイエット様、ヴロイヴォローグ様、リョ・メルディオ様の援軍で挟み撃ちにするのがよろしいかと。部隊を分ければ罠を仕掛ける時間も十二分にあるかと。』
首を横に振るゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『イシュト。君はガグン軍の突破力を知らんのだ。我々とアンセフィム殿の軍の数で押しとどめることは絶対にできない。』
ゼオン・ゼンゼノスはゼオン・ゼンゼノスの配下達を見回す。何人かのゼオン・ゼンゼノスの配下がゼオン・ゼンゼノスから目をそらす。
ゼオン・ゼンゼノス『…それに、ガグン軍と対峙すると聞き、震える者もいる。下手な小細工と生兵法では返り討ちにあうだけだ。生半可な増援では絶対に勝てない。…ガグン殿の軍勢と互角に渡り合うには、その数倍の数だ。正攻法で挑む。』
ゼオン・ゼンゼノスを見つめるイシュトリッタール。ゼオン・ゼンゼノスは配下の女性のドグラマの方を向く。
ゼオン・ゼンゼノス『ドグ。ラファイエット殿とヴロイヴォローグ殿、リョ・メルディオ殿に連絡を。』
頷くドグラマ。
ドグラマ『はい。』
イシュトリッタール『援軍ならば、リトロールのテイラー殿にド・ウゼー殿に…。特にテイラー殿は近く…。』
イシュトリッタールを見つめるゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『…ただ兵をかき集めればいいという訳ではないよ。イシュト。盤上のように人は動かない。テイラー殿とその配下はアンセフィム殿に不満を持っている。ド・ウゼー殿は日和見する。動いたところで…どうでるか私には予測ができない。』
イシュト『は、はい。』
ゼオン・ゼンゼノスはゼオン・ゼンゼノスの配下達の方を向く。
ゼオン・ゼンゼノス『これより、我が軍は、アンセフィム殿の軍と合流する為、進軍する。合流後は速やかに、撤収する。場所はすぐにイーゲルティン殿より連絡があるはずだ。』
ゼオン・ゼンゼノスはゼオン・ゼンゼノスの配下達を見つめる。
C1 受け入れ END
C2 疑心暗鬼
ロズマール共和国イズン荒地。紅の改造されたゼームス級機動城塞。艦橋。モニターに映るアンセフィム配下の高級将校Aを見つめるゼオン・ゼンゼノスとゼオン・ゼンゼノスの配下達。
アンセフィム配下の高級将校A『…貴公の申し出は分かった。アンセフィム様にお伝えしよう。』
一礼するゼオン・ゼンゼノス。モニターから姿をけすアンセフィム配下の高級将校A。ザーコがゼオン・ゼンゼノスの方を向く。
ザーコ『…何だよ。ありゃ、こっちが助けてやるってのにあの態度は。だいたいアンセフィムすら出てきてねえじゃんか。』
ザーコの方を向くゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『まあ、そう言うなザーコ。聞えるぞ。』
口に手を当てて抑えるザーコ。モニターに映るアンセフィム配下の高級将校A。
アンセフィム配下の高級将校A『我が君は貴公を疑っておられる。』
眉を顰めるゼオン・ゼンゼノス。
アンセフィム配下の高級将校A『我々も同様。しかし…。』
アンセフィム配下の高級将校Aはゼオン・ゼンゼノスを睨み付ける。
アンセフィム配下の高級将校A『…この状態では貴公を頼るしかあるまい。』
ゼオン・ゼンゼノス『酷い動揺ですね。いつもの自信に満ち溢れたアンセフィム殿らしくもない。』
アンセフィム配下の高級将校A『それは貴公にはどうでもいいことだ!!』
アンセフィム配下の高級将校Aを見つめる一同。頷くゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『では、合流先は…セ。』
アンセフィム配下の高級将校A『いや、リトロールだ。』
眉を顰めるゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『リトロール…。』
アンセフィム配下の高級将校A『確かに懸念はある。しかし、モグラ共の偵察によれば、ガグン軍は距離を詰めてきている。』
ゼオン・ゼンゼノス『モグラ?』
アンセフィム配下の高級将校A『ああ。モグラの傭兵だ。』
顎に手を当てるゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『アンセフィム殿が獣人を雇うとは…。』
アンセフィム配下の高級将校A『無駄話をしている暇はない。』
頷くゼオン・ゼンゼノス。
アンセフィム配下の高級将校A『ガグンの軍勢は拙速だ。最短距離はリトロールしかない。』
ゼオン・ゼンゼノス『分かりました。しかし、合流した後はすみやかにパトシェット砂漠へ向かい、イーゲルティン殿、ヴロイヴォローグ殿、リョ・メルディオ殿の軍と合流し、陣を整えます。』
アンセフィム配下の高級将校A『決戦の地を砂漠にするのか?』
頷くゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『ガグン殿に小細工は通じません。勢いにねじ伏せられるだけです。数倍の数の正攻法で戦うしか方法はありません。』
ゼオン・ゼンゼノスを見つめるアンセフィム配下の高級将校A。
アンセフィム配下の高級将校A『むぅ。』
右側を向くアンセフィム配下の高級将校A。彼は2、3回頷いた後、ゼオン・ゼンゼノスの方を見る。
アンセフィム配下の高級将校A『了解した。こちらにも時間がない。』
一礼するゼオン・ゼンゼノス。切れるモニター。ゼオン・ゼンゼノスはゼオン・ゼンゼノスの配下達の方を向く。
ゼオン・ゼンゼノス『よし、これよりリトロールに向かう。テイラー殿が不穏な動きをしても対応できるように、各員ぬかるな!』
一同『は!』
C2 疑心暗鬼 END
C3 望まぬ一騎打ち
ロズマール共和国リトロールの地を走る紅の改造されたゼームス級機動城塞。前方から現れるアンセフィム軍の2機のドラケン級機動城塞と1機のティガー級機動城塞に、ドラケン級機動城塞とチェーンで繋がった台車の上に乗るモグラ獣人の傭兵カルガザス・デズツァイアをはじめとするモグラ獣人の傭兵の数機の人型機構。ゼオン・ゼンゼノスはティガー級起動城塞を見つめる。ゼオン・ゼンゼノスの方を向くドグラマ。
ドグラマ『アンセフィム軍より通電です。』
頷くゼオン・ゼンゼノス。
モニターに映るロズマール共和国国王でロズマール王家の直系のアンセフィム。
ゼオン・ゼンゼノス『これはアンセフィム殿。』
眉間に皺を寄せるアンセフィム。
アンセフィム『ゼオンか。分かった。指示に従おう。』
カルガザス・デズツァイアをはじめとするモグラ獣人の傭兵の数機の人型機構がブースターから火を放ちながら飛び上がる。
ゼオン・ゼンゼノス『んっ…。』
カルガザス・デズツァイア機のコックピットが開き現れ、モグラ獣人の傭兵カルガザス・デズツァイアが叫ぶ。
カルガザス・デズツァイア『我々はゼオン・ゼンゼノス殿に加勢するーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!』
唖然とするゼオン・ゼンゼノスとゼオン・ゼンゼノスの配下達。アンセフィム軍の機動城塞に斬りかかるモグラ獣人の傭兵カルガザス・デズツァイアをはじめとするモグラ獣人の傭兵の数機の人型機構。バランスを崩すアンセフィム。
アンセフィム『何!』
ゼオン・ゼンゼノスを睨むアンセフィム。
アンセフィム配下の兵士の声『滑走路がやられました!天空部隊出動できません!』
アンセフィム『おのれ、ゼオン!貴様、やはり騙したな!』
首を横に振るゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『違う!』
アンセフィム『貴様!』
ゼオン・ゼンゼノス『アンセフィム殿!誤解だ!』
アンセフィム『何が誤解だ!くっ、ゼオン!貴様、モグラ共と結託して謀ったな!じいを貶めてまで!!許さん!!絶対にお前は許さん!!!』
ゼオン・ゼンゼノス『な、なんのことだ!!?それは…。』
アンセフィム『全軍出撃!ゼオンを殺せ!!』
切れるモニター。拳を震わすゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『…くっ。なんということだ。あの馬鹿な傭兵共に繋げるか?』
首を横に振るドグラマ。
ドグラマ『いえ、それどころではありません!』
前方に展開されるアンセフィム軍のヴェルクーク級人型機構群。紅の改造されたゼームス級機動城塞の方へ向かうカルガザス・デズツァイアをはじめとするモグラ獣人の傭兵の数機の人型機構
ゼオン・ゼンゼノス『…こいつら。アンセフィム殿の軍を誘導するか!なんて奴らだ。』
砲撃音。爆発が巻き起こり、揺れる紅の改造されたゼームス級機動城塞。舵を切るゼオン・ゼンゼノス配下の操舵手A。
イシュトリッタール『ご指示を、このままでは。』
歯ぎしりするゼオン・ゼンゼノス。砲撃音。爆発が巻き起こり、揺れる紅の改造されたゼームス級機動城塞。
ゼオン・ゼンゼノス配下の操舵手A『いつまでも避けてはいられませんよ!』
イシュトリッタール『戦闘の指揮を!』
ザーコ『このままじゃやられちまうぜ!』
先頭で剣を振り上げる壮麗な装飾が施されたアンセフィム仕様ロードヴェルクーク級人型機構を見つめるゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『こうなれば、やむおえまい。…アンセフィム殿を説得する。』
ゼオン・ゼンゼノスの方を向く一同。
ザーコ『説得って、お前、あの軍勢を。』
ドメキの方を向くゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『ドメキ殿。』
ドメキ『はい。』
ゼオン・ゼンゼノス『あなたの空間魔法で私とアンセフィム殿を異空間へ送ってくれ。』
ドメキ『し、しかし、危険が。』
ゼオン・ゼンゼノス『そういう場合ではない。そうすれば軍は止まる。頼んだ。』
駆け去って行くゼオン・ゼンゼノス。頷くドメキ。繰り返される砲撃、その全てを避ける紅の改造されたゼームス級機動城塞。迫るアンセフィム機とアンセフィム軍のヴェルクーク級人型機構群。飛び回るカルガザス・デズツァイアをはじめとするモグラ獣人の傭兵の数機の人型機構。
紅の改造されたゼームス級機動城塞の格納庫のハッチが開き、現れるゼオン・ゼンゼノス使用の黒のヴェイ級人型機構。頭部が紅の改造されたゼームス級機動城塞の艦橋にいるドメキの方を向く。頷き、呪文を唱えるドメキ。アンセフィム機に向かい駆けて行くゼオン機。アンセフィム配下のヴェルクーク級人型機構がゼオン機に向かう。ゼオン機とアンセフィム機がまばゆい光に包まれる。立ち尽くす一同。上空に現れる丸い透明な異空間で対峙するゼオン機とアンセフィム機。
C3 望まぬ一騎打ち END
C4 王族の意地
ロズマール共和国リトロールの地。上空の丸い透明な空間を見上げるゼオン軍とアンセフィム軍。カルガザス・デズツァイアをはじめとするモグラ獣人の傭兵の数機の人型機構。ティガー級起動城塞とドラケン級起動城塞の砲塔が火を吹く。爆発音。立ち上がる煙。無傷の丸い透明な空間で対峙するゼオン機とアンセフィム機。両機のコックピットのハッチが開き、現れる白馬に乗ったアンセフィムと黒馬に乗ったゼオン・ゼンゼノス。ゼオン・ゼンゼノスを睨むアンセフィム。
アンセフィム『ゼオン!!!』
アンセフィム機とゼオン機が切り結ぶ。アンセフィムは剣を振り上げ、飛び上がりゼオン・ゼンゼノスに斬りかかる。アンセフィムの剣をゼオン・ゼンゼノスは剣で受け止める。呪文を唱えながら後ろに飛ぶアンセフィム。打ち合うアンセフィム機とゼオン機。アンセフィムの手から無数の火の玉がゼオンに向けて発射される。飛び上がり、火の玉を全て切り払い、アンセフィムへ突撃するゼオン。
アンセフィム『なっ!』
自機のコックピットのハッチの上に乗るアンセフィム。アンセフィムの鳩尾に蹴りを入れるゼオン・ゼンゼノス。
アンセフィム『ごふっ!』
落馬するアンセフィム。ゼオン・ゼンゼノスはアンセフィムを見つめ、馬から降りる。立ち上がるアンセフィム。
アンセフィム『まだだ。まだまだ!貴様などに負けるか!私は王族だぞ!たかが傭兵上がりの貴様なぞに…んっ?』
アンセフィムは馬から降りたゼオン・ゼンゼノスを見つめる。
アンセフィム『おい。真剣勝負にお前は何で馬から降りている!』
ゼオン・ゼンゼノス『アンセフィム殿。』
ゼオン・ゼンゼノスに剣の切っ先を向けるアンセフィム。
アンセフィム『…フェア精神か。この私も舐められたものだな!』
大振りに剣を振るアンセフィム。避けるゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『聞き分けの無い人だ。』
ゼオン・ゼンゼノスはアンセフィムの腹を殴る。
アンセフィム『ぐっ!』
腹を押さえるアンセフィム。彼はゼオン・ゼンゼノスを睨む。
アンセフィム『げほっ!ごほっ!なぜ、剣を…ぐっ、使わない!貴様、どこまでも私を…この王族である私を馬鹿にするのか!』
首を横に振るゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『アンセフィム殿。私はあなたと戦うつもりで、このようなことをしているわけではない。』
ゼオン・ゼンゼノスを見つめるアンセフィム。
ゼオン・ゼンゼノス『誤解がある。』
立ち上がるアンセフィム。
アンセフィム『…なんだと!!お前、遊んでいたのか!』
俯くアンセフィム。
アンセフィム『随分と、随分と下に見られたものだ。』
顔を上げるアンセフィム。
アンセフィム『王族であるこの私を愚弄しているのか!』
アンセフィムを見つめるゼオン・ゼンゼノス。
アンセフィム『ふざけるな!!こっちは…こっちは全力でやっているんだぞ!』
アンセフィムの剣が勢いよくゼオン・ゼンゼノスに振り下ろされる。アンセフィムの剣をはじくゼオン・ゼンゼノスの剣。アンセフィムの剣が飛び、空間の壁に当たり、空間の下に落ちる。自身の剣の方を向くアンセフィム。
アンセフィム『あ…あぁ…。』
崩れ落ちるアンセフィム。
ゼオン・ゼンゼノス『こちらの話もお聞きください!』
下を向くアンセフィム。
アンセフィム『黙れ!赤猫目!!』
立ち上がるアンセフィム。
アンセフィム『…私は腐っても王族だ。』
目を潤ましながらゼオンを睨み付けるアンセフィム。
アンセフィム『敵の軍門になど絶対に下るものか!』
ため息をつき、腰に装着した捕縛用の縄に手をかけるゼオン・ゼンゼノス。
エンジン音と爆撃音。
上空を飛ぶエビ戦闘機に護衛されたブラックエビ級爆撃機。弾倉が開き、落とされる爆弾。紅の改造されたゼームス級機動城塞付近に着弾する爆弾。爆風で紅の改造されたゼームス級機動城塞が激しく揺れる。バランスを崩すドメキ。アンセフィム軍のヴェルクーク級人型機構数機が爆風で吹飛ぶ。上空の丸い空間が歪む。周りを見回すアンセフィムとゼオン・ゼンゼノス。
アンセフィム『な、なんだ。これは。』
ゼオン・ゼンゼノス『くっ!これは。』
ロズマール共和国リトロールの地に現れるテイラー・ワロスのティガー級機動城塞数十機にドラケン級機動城塞五十数機、展開されるテイラー・ワロス軍のヴェルクーク級人型機構。先頭のテイラー・ワロス仕様のヴェイ級人型機構のコックピットのハッチに立つロズマール共和国の軍人でコアラ獣人のテイラー・ワロス。
テイラー・ワロス『我ら!ゼオン・ゼンゼノス殿にお味方する!!おう、アンセフィムを討てーーーーーーーーー!』
アンセフィムはゼオン・ゼンゼノスを睨み付ける。
アンセフィム『ゼオン!貴様、テイラーとも謀ったのか!どこまでも汚い奴!』
ゼオン・ゼンゼノス『違う!誤解だ!』
アンセフィム『黙れ!赤猫目!!この状況で何が誤解か!!』
ゼオン・ゼンゼノスに体当たりするアンセフィム。雄叫びが上がり、アンセフィム軍に襲い掛かるテイラー・ワロス軍。
組み合うゼオン・ゼンゼノスとアンセフィム。アンセフィムのコックピットのハッチを勢いよく転がり落ち、歪む空間の壁を伝って勢いを増していく。空間に現れる歪。勢いでアンセフィムの手が離れ、空間の歪に向かい飛んで行く。
アンセフィム『なっ!』
ゼオン・ゼンゼノス『ア、アンセフィム殿!』
空間の歪に飲み込まれていくアンセフィム。
アンセフィム『うわああああああああああああああああああああああああああああ!』
起き上がるゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『アンセフィム殿!!!』
ゼオン・ゼンゼノスは空間の歪に飲み込まれていくアンセフィムに手を伸ばす。空間に穴が開き現れるドメキ。
ドメキ『ゼオン様!』
ドメキの方を向くゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『ここは危険です!もうすぐ崩壊します!』
空間の歪を見つめるゼオン・ゼンゼノス。
ドメキ『こちらですはやくお逃げください!』
俯くゼオン・ゼンゼノス。
ゼオン・ゼンゼノス『アンセフィム殿…くっ。』
ロズマール共和国リトロールの地。紅の改造されたゼームス級機動城塞の付近の空間から出て来るゼオン機。コックピットのハッチに白馬と黒馬にドメキ、そしてゼオン・ゼンゼノス。ゼオン・ゼンゼノスは周りを見つめる。アンセフィム軍の破壊されて炭で黒く染まった瓦礫になった機動城塞に多数のヴェルクーク級人型機構の破壊されたコックピットからは肉片がはみ出、血で染まり、所々に死体が転がる。眉を顰めるゼオン・ゼンゼノス。ゼオン機の前に集うテイラー・ワロスの軍勢。
テイラー・ワロスの軍勢『ゼオン万歳!ゼオン・ゼンゼノス万歳!アンセフィムを討ち破ったゼオン・ゼンゼノス万歳ーーーーーーーーーーーーーーーー!』
ゼオン・ゼンゼノスはテイラー・ワロスの軍勢を見つめた後、下を向き、歯ぎしりしながら拳を震わす。
C4 王族の意地 END
END
説明 | ||
・必要事項のみ記載。 ・グロテスクな描写がございますので18歳未満の方、もしくはそういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。 ・心理的嫌悪感を現す描写が多々含まれておりますのでそれういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。 |
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