風邪引きゆりゆり(ラブライブ!サンシャイン!) |
「38度……」
昨日の練習の出来栄えに納得がいかず、一人残って練習をしていた。当時室内にいたとはいえ、かなり冷えていた。しかしダンス練習という激しい運動をしていた善子はあまり寒さを感じず、二時間以上も続けていた。
その時の無理と、あとは帰宅後すぐに風呂に入らずネット中継に小一時間ほど夢中になっていたのが良くなかった。その日、見事に風邪を引き、今寝込んでいる。
「はぁ、なんで……」
と弱気になりついぼやいてしまうが、思い当たるフシがある故、考えるほど気分が滅入ってしまう。
「まぁ、たまにはゆっくり寝られる日って考えるしか無いわよね」
そう呟き、そっと目を閉じた。
ふと思い浮かぶのは、同じAqoursのメンバーである、桜内梨子の笑顔。いつも自分を応援してくれ、ヨハネの演技も暖かく見守ってくれる、大切な存在。
たとえ風邪が辛くて寝苦しくても、その娘の事を思うとふと楽になれる気がした。
そうして善子は静かに眠りについた……
「はぁ、はぁ……」
身体の熱さと激しい喉の乾きで善子は目が覚めた。何時間経ったのか分からない。時計を見たいが、身体が動かない。
(やばい、これやばい)
このままでは悪化してしまう。すぐに着替えて水分をとならないといけない。分かっているが、自身の身体が動かいことに、心の中に焦りが芽生える。
(うそ、でしょ?誰か、助けて……)
こんな時に限って、家族は誰もいない。助けてくれる人はいない。だから、自分でなんとかしなければならない。
腕に力が入らない。けど起き上がらなければ。精一杯力を入れて、なんとか身体を起こそうとする。
しかし熱のせいで重くなった身体はまるで鉛のようで、起き上がろうとするたびに息が荒くなり、全身が苦しくなる。
苦しさとだるさに耐え、なんとか上体は起こせた。しかし益々荒くなった息は喉の渇きもあり苦しさに繋がる。全身の汗も止まらない。早くしなければ本当に悪化してしまう。だが今の善子の体力ではすぐに行動に移せなかった。
「はは、ヨハネとあろうものが、こんな……」
自嘲気味に出た声は掠れ、続かなかった。
せっかく上体までは起こせたのに、これ以上動ける気がしなかった。
「……梨子ぉ」
「善子ちゃん!!」
一瞬、何が起こったのか分からなかった。聞き慣れた声が、すごく焦った感じで聞こえてきた。
気のせいだと思った。だから声がしたかもしれない方に顔を向けた。
「もう、すごく汗かいてるじゃない!そんな状態でお布団からでたらだめでしょ!」
「梨子……?」
自分の大切な人が、すごく焦った表情でこちらに向かってくる。
嘘じゃない。本当に、来てくれた。
「梨子ぉ」
「もう善子ちゃんったら」
「善子じゃないヨハネよぉ」
「はいはい」
梨子の笑顔は優しく、善子は嬉しさを隠せなかった。
「どうかな?おかゆ、美味しかった?」
「よっぽどヘタクソじゃない限り、おかゆくらい誰だって普通に作れるでしょ?」
「もう善子ちゃんったら」
「だからヨハネ!」
あの後すぐに梨子に着替えを手伝ってもらい、梨子が持ってきたポ◯リで水分を取った。そのおかげで少し楽になれた。
今度は梨子が台所を借りたいというので、なんだろうと思ったら、善子へおかゆを作りたい、だった。
朝から何も食べてなかったので、善子はすごく嬉しかった。だが素直になれず、「つ、作るんなら食べるけど、あんまり食欲無いかもしれないから、食べきれないかもよ!」と言ってしまい、今も素直に美味しいと言えず、心の中ではすごくしょんぼりしていた。
そんな善子の気持ちが分かっているのか、梨子は優しい笑顔で応え、善子が食べきったおかゆの茶碗と薬を飲んだグラスを片付けに行った。
「はぁ……」
なんで自分はこんなにも素直になれないんだろう。と内心思う。
自分を心配して来てくれて、今こうして看病をしてくれているのだ。もっと感謝しなければならない。
善子は決して頭は悪くない。常識くらいは分かる。けど、どうしても素直になれない。
台所で食器を洗う音を静かに聞きながら、梨子が戻ってくるのを待った。
「おかゆ食べて、また少し汗かいちゃったと思うから、汗拭いて着替えようか?」
「うん……」
悪態をついてしまった申し訳無さから、善子は短く返事をした。
梨子の看病のおかげで、着替えを出来るくらいの体力は回復した。ゆっくりパジャマを脱ぐ。
汗ばんだ自分の身体。それをゆっくり、丁寧に拭う梨子。
善子の胸は自然と高鳴った。顔に熱を感じる。
もう少し、もう少しこんな時間が続けばいいのに。
そう、想わずにはいられなかった。
(善子ちゃんの肌、柔らかくて、綺麗……)
汗ばんだ善子の汗をタオルで拭きながら、梨子は彼女の肌に見惚れそうになっていた。
自分の、梨子にとって大切で、大好きな娘の肌に触れている。
今までこんなこと無かった。
先程はあまりの事態に何も考えられず、夢中で善子の看病をしていた。
けど今は善子も少し良くなり、看病する梨子にも多少の余裕が生まれた。
だから、今善子の肌を見て、触れて、自分の胸が激しくなっていることに気付いた。
滑らかで、繊細で、柔らかくて。
タオル越しなんてやだ。直接触れたい。感じたい。
鼓動の高鳴りに比例するように、梨子の想いは膨れ上がっていき、もう彼女自身抑えが効かなくなってきていた。
「ねぇ、梨子。手、止まってる、けど?」
徐々に動きが鈍くなっていた梨子に不安を覚えたのか、善子が声をかける。しかし梨子はもう、冷静でいられなかった。
「善子ちゃん!」
言葉と同時に、梨子は後ろから善子を強く抱きしめた。
「え!?ちょ、梨子!?」
何が起きたのか分からない。いや、事象は把握できる。しかし、なぜこんなことが起きたのか、全く理解が出来ない。
「やっぱり。善子ちゃんの肌、スベスベで、柔らかくて、温かい」
「あ、ありが、じゃなくて!ちょっと!なんで!」
「ちゅっ」
「あっ!」
善子の首筋に梨子の口が触れる。その感触に善子は全身がしびれるような感覚に襲われた。
「善子ちゃん、敏感なんだね」
「ちょ、いきなりそんなことされたら、誰だって」
「そう、じゃあ」
言うと同時に、梨子の両手は善子の豊満な双丘へ向かった。
「ひゃぁ!」
「やっぱり。善子ちゃん、大きくて、柔らかいね」
善子の双丘を梨子の両手が激しく揉む。時に強く、時に柔らかく激しく。
「いや、そんな、だめ……」
揉まれるほどに善子の息が乱れ、身体が熱くなる。
今、どうしてこんな事が起きているのか分からない。理解しようにも身体が今までにないくらい熱くなり、考えがまとまらない。
梨子の手は止まることなく、善子の双丘に激しく食い込む。
「梨子、だめ、よ。私達、その」
「だめじゃないよ。だって、ほら」
梨子の両方の親指と人差し指が、双丘の先端を強く摘む。
「あ、あーーーーーっ!!」
「感じてるんでしょ?固くなってるよ」
今度は先端に狙いを変え、指先を激しく動かす。
「いや、そん、な。はぁ、あぁ」
思考が回らない。何か言おうにも息が乱れて上手に発せない。
急に梨子の手が止まった。
梨子はそっと善子から離れ、すぐに善子の目の前に移動した。
「はぁ、はぁ。り、こ?」
「善子ちゃん、私ね、善子ちゃんのことが好き」
ドクンッ。
「善子ちゃんは、私の事、好き?」
「え!?えええええ??」
本当に何が起こっているのか分からない。善子としては、いきなり自分の身体を弄られ、目の前に周ってきたと思ったら、今度は告白をされた。
しかも、同じアイドルグループで頑張る仲間に。
善子は考える、思考をまとめる時間が欲しかった。
「答えてくれないの?だったら」
「ひゃぁ!」
しかし梨子はお構いなしだった。今度は三本の指で善子の先端を摘み始めた。
クリクリと摘み、ギュッと掴み、少しだけ伸ばす。
その度に善子から艶な声が出る。それがまた梨子の欲望を掻き立ててしまう。
もっと聞きたい。その想いで梨子は更に指を動かす。
少しだけ快感に慣れてきたのか、善子はなんとなく考える余裕が生まれてきた。
今、梨子は自分に厭らしいことをしている。そして自分を好きと伝えた。
つまり、これはそういうことなのだと。
「梨子……」
今にも切れてしまいそうな微かな声だったが、梨子は聞き逃さなかった。
指の動きを止め、善子の目を見つめる。
「私も、好き」
考える必要はなかった。ただ、今の自分の想いにしたがって発した。
言葉に発してわかった。自分の気持ち。
梨子への好きは、そういう想いだったのだと。
「善子ちゃん……」
梨子は、自分の鼓動を強く感じた。激しく高鳴っている。顔が熱い。
大好きな善子が、自分を好きと言ってくれた。
その事がすごく幸せに感じた。
「善子ちゃん!」
同時に、強く抱きしめる。
「り、梨子!そん、んっ!」
視界が暗くなったと思ったと同時に、自分の口が塞がれる。
目の前には、大好きな梨子の顔。
口には、柔らかい温もりがある。
そっと離れたとき、二人共お互いの顔が真っ赤になっていることと、自分たちの鼓動が激しくなっていることを感じた。
「善子ちゃん。私、今すごく嬉しい」
「うん、わたしも」
どちらかともなく、二人の口は再び触れた。離れては触れ、それが何度も、何度も繰り返される。
たまたまか。触れた際に二人の口が開いた。どちらからかは分からない。けど、今度は二人の舌が触れ合う。
「ん、あ、はぁ、ん」
舌と唾液が混ざる音が響く中、二人の舌は動きを激しくし、お互いを求めた。
二人の顔が離れる時、ほんの少しだけ唾液の糸が二人を繋ぐ。
「なんか、えっちだね」
「梨子が先にしてきたくせに」
「うん?」
「ねぇ、私だけ、このままなの?」
「え?
「私も、梨子の、見たい」
「うん。全部、見て」
善子から離れて、梨子は自分の服を脱ぎだす。
その手はたどたどしく、顔は更に赤くなり、服が乱れていくと比例して梨子の息も荒くなってくる。
それを見る善子もまた全身が熱くなり、息が細かく荒くなる。
そうして、梨子は生まれた状態の姿となった。
「梨子……」
綺麗。善子はそう思った。
今までに見たこと無い美しさ。大好きな梨子の本当の姿。
触れたい。今度は自分が同じことをしたい。
だが善子が触れる前に、梨子の手が善子の半身へと伸びる。
「え!?ちょ、梨子!?」
「善子ちゃんも、同じになろ?」
その言葉に逆らえず、梨子の手の動きに合わせて善子も動く。
自分の大事なところが、梨子の手によって露わになる。
そう思うと、ものすごく恥ずかしさを感じる。
「善子ちゃん、可愛い」
「なによ。その、梨子のほうが、綺麗よ」
「そんなことないよ。でも、ありがとう」
そう言い、梨子は善子の口へ触れた。
「……ねえ、触っていい?」
「え、ここ、を?」
「うん。善子の大事なところ、もっと知りたい」
恥ずかしい。けど、身体の熱さが梨子の手を求めている気がした。
言葉には出せず、小さく頷いた。
梨子はそっと触れた。温かく、そして濡れていた。
その事が嬉しくて、梨子の手の動きは徐々に加速し、激しさを増す。
「あっ!ああっ!」
今までにない感覚に善子は身体を震わせる。上半身が倒れるのを防ぐため、両手でベッドのシーツを強く掴み、必死に身体を支える。
その間にも梨子の手の動きは激しくなる。
自分の大事なところに、大好きな娘の指がある。そしてそこから厭らしい音が響く。
恥ずかしい。けど、そこから広がる熱のこもった快感。
もっとしてほしい。
「善子ちゃん。その、私も、我慢できなくなっちゃった」
「え、と」
指の動きを止めずに、梨子が言う。
その目は蕩けて潤んでおり、梨子もまた自分と同じものを求めていることがわかった。
「……分かった。一緒に、しよ?」
「うん!」
「ん、はぁ。んんっ、ん」
「はぁ、ん、くっ、んんっ!」
二人の舌が、お互いの大事な場所を刺激する。
どうすればお互いいいのか少し悩んだとき、善子が「一緒に、舐める?」と言い出したのを機に、お互いの身体を密着させ、そうしている。
「ん、はぁ!だめ、梨子。気持ち、いいよぉ」
梨子の舌による刺激と快感に身体が震え、善子の舌の動きが鈍くなる。
梨子もそれは分かっている。けど自分の舌の動きを止めない。
もっと、善子が欲しい。
その想いが梨子の舌の動きを更に激しくする。
「りこぉ……」
梨子から送られる快感が気持ちいい。でもこのままは何か悔しくて。
そう思った時、善子は梨子のもう一つの穴が目に入った。
下から来る気持ちよさを感じながら、善子は指で梨子のもう一つの穴に強く触れる。
「!?善子ちゃん!」
「なに?ここ、気持ちいいの?」
「だめ!そんなとこ、汚いよ!」
「汚くなんて無いわよ。……可愛い」
「善子ちゃん……!」
指で梨子のソコを弄くり回す。その度に梨子から嬌声が漏れ、耳からの刺激が善子の興奮を高め、更に指の力が増す。
梨子はソコからくる快感に抗えず、先程まで激しかった舌の動きが止まってしまう。
(だめ、このままじゃ、私)
ソコから来る快感が、梨子の大事な箇所にも伝わる。それが熱になり、全身に届く。
また善子も梨子のソコに触れる指が、梨子の声を聴く耳が、梨子と触れ合っている肌の温もりが気持ちよさとなる。
「善子ちゃん!善子ちゃん!!」
「梨子!梨子!!」
互いの名前を呼びながら、お互い違う箇所を刺激し合う。
「善子ちゃん、待って!」
「なに?」
梨子の強い声に善子の動きが止まる。
「私、もう、イキそう……」
「うん、わ、私も」
「その、イクなら、善子ちゃんと、キスしながらが、いい」
「はぁ、んっ!」
「んっ、んんっ!!」
口が触れ、舌が絡み合う中、片方の手はお互いを支え、もう片方の手の指はお互いの秘部を刺激し合う。
快感が声として漏れそう。でも、口を離したくない。だから、指の動きとしてそれを現す。指と水分がぶつかり合う音が激しく響く。
「「ん、んんーーーーーーっ!!」
同時に二人の身体は震え、反り、絶頂を向かえた。
「はぁ、はぁ」
「一緒にイケたね、善子ちゃん」
「うん」
身体が熱い。快感が全身を駆け巡る。
そして愛しい顔が目の前にある。
二人はまた温かく口を交えた。
ピピピッ。
電子音が響くと同時に、梨子はその発生源へ目を通した。
「38度、かぁ」
翌朝身体のだるさを感じ、念のため、と思い測ってみたが、案の定だった。
「これじゃ、練習行けないよね」
熱があると認識した途端、身体のだるさが増し、重みを感じるようになった。
我ながら現金だな、と思いつつ、携帯を手に取り一通だけ連絡を打つ。
「……まぁ、良かったのかな?」
練習を休んでしまうことについては、みんなに申し訳なさを感じる。
けど、昨日“あんなこと”があり、その該当者と顔を合わせにくいという思いもあった。
決して嫌というわけではない。単に恥ずかしくて耐えられそうに無かったから。
「一先ず薬飲んで寝よ」
重い体を引きずるように起き上がらせた梨子は母に体調のことを伝え、薬を飲んでまた布団に入った。
「……こ。梨子」
「?お、かあ、さん?」
「少し熱下がったみたいね。良かった」
いつの間にか寝ていたようで、気付くと目の前に心配と安心を合わせた母の顔があった。
「ごめんねお母さん」
「いいのよ。それと、お母さんちょっとだけお買い物行かないと行けないの。ごめんね」
「ううん、大丈夫だよ」
「ありがと。そうそう、お友達が来てるわ。お母さんがいない間、見てくれるって」
「お友達?」
その言葉に母は答えず、静かに部屋を後にした。
誰かは分からない。けど少しずつ部屋へと向かう足音が聞える。
母が買い物へ出たタイミングで、梨子の部屋のドアが開く。
「全く、あんなことしたら移るでしょ」
「善子ちゃん!?」
「心配だから見に来てあげたわ。このヨハネに感謝しなさい」
「うぅ……」
恥ずかしい。善子の顔を見た途端、昨日のことを思い出し、布団で顔を隠す。
しかし目の前の善子は気にする様子などなく、梨子に近付いてくる。
元気になってよかった。と同時に、自分だけ恥ずかしがっているようで、それが余計恥ずかしさを増す。
善子はベッドに近づき、静かにベッドの横に腰をかける。
途端、梨子の顔をぐっと近づけ、その口に温もりを与えた。
「!?!?」
突然のことで、一体何が起こったのか分からなかった。
顔がそっと離れて、やっと自分がキスされたことを認識した。
「……おかえし」
「え?」
「今日は、私が看病する。だから、いい、わよね?」
「……うん」
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