マイ「艦これ」「みほ3ん」(第参部)EX回 第14話『Bar Adomiral』 |
「あまり人には言わないんですよ」
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マイ「艦これ」「みほ3ん」(第参部)
EX回:第14話『Bar Adomiral』
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私は一瞬、言葉を失っていた。この提督は、ただ者ではないと思っていたが、さすがにこの設備には度肝を抜かれた。
美保鎮守府の面々は、あまりにも意外な展開に感嘆の声を上げている。
「WOO!」
「スゴイ、凄いです!」
「まさか鎮守府の執務室に、バーがあるとは」
私が搾り出すように言うと、祥高さんも驚いたように言う。
「しかもボタン一つで出し入れ出来るんですね」
龍田さんが感心したように言う。
「まさかブルネイに、こんな素敵なものがあるなんて驚きね」
そこで日向も補足する。
「そうだな……大艦隊を掌(つかさど)る指揮官は、このくらいの度量が必要なのだろう」
なるほど確かにそうだ。
彼女の言葉で私も驚くばかりではいけないと思った。むしろこの提督を見直すべきだな。
驚く私たちを尻目にブルネイの艦娘達は馴れた様子で各自がサッと着席する。
ハッとして我に返った私たちも彼女たちに続いて近くの席に着いた。
早速、カウンターに入った提督は、手馴れた手つきで準備を始めている。その雰囲気は、完全にマッチしていた。
彼は言った。
「さてウチの店にはメニューがないんだ」
「?」
私が不思議そうな顔をすると彼は微笑む。
「簡単に言うと、お客様の注文は可能な限り受けるって処だ。それが俺のポリシーなんだよ」
「なるほど」
それは、ある程度の調理の腕が無ければ出来ない芸当だな。
「さぁ、まずは何か景気付けに飲むかい?」
そこで私は困った。こういう類の店には、ほとんど行かないのだ。
しかも私自身が普段から、お酒は飲まない。特に美保鎮守府に着任してからは敢えて飲まないようにしている。
私は提督に言った。
「ご好意は有り難く頂戴致します。申し訳ないですが私は酒を飲まないので……」
「あらら、もしかして下戸?」
ブルネイの青葉が突っ込んでくる。
「うーん、なんて言うかな?」
私が頭を掻きながら返答に窮した。
提督はカウンターで食器類を動かしながら、ちょっと考えているような表情をしている。
「そうか……まぁ、好みもあるからな。だがウチは、ご飯物も作るから安心してくれ」
するとブルネイの金剛が口を開く。
「司令は何かワケありですか?」
やはり言うべきか……私は軽く手を組んで提督やブルネイの艦娘たちの方向を向いて説明を始めた。
「実は私、願掛けで酒断ちしてましてね」
提督の表情が少し変わった。
「ほう」
私は軽く頷くと続ける。
「部下たる美保の艦娘たちが沈まないように……」
そこで一呼吸をおいた。美保の艦娘たちはしきりに頷いている。
私は、そんな様子を見ながら苦笑して続けた。
「今どき、こんなことするのは正直、古めかしいですよねえ」
ブルネイの艦娘たちも、急に真剣な表情になっている。彼女たちも、こういうことは理解できるようだな。
「ま、軍人としては、ちょっと恥ずかしいので、あまり人には言わないんですよ」
すると提督は黙りこんでいる。よく見たら、さっきからこちらに顔を見せないようにしている……ちょっと泣いてるのか?
きっと彼は、きっと情が厚い、ホットな男なのだろう。
美保の赤城さんが口を開いた。
「私たち……違う鎮守府の提督と艦娘たちが、こうやって同じ食事の場を通して交わるっていうのは……貴重なことなのでしょうね」
それを受けて龍田さんも言う。
「そうね。やっぱり、この場は偶然ではなく何らかの意図が働いたのだと……そう思いたいわ」
その言葉に一同は深く頷くのだった。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中〜(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第参部」の略称です。
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Bar Adomiralを目の当たりにして、提督と艦娘たちは驚いた。そこで、様々な人間模様が展開する。 | ||
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