優しき修羅 #6 |
流琉が仲間になってから一か月がたったころ
華琳「これを見てみんなはどう思うのかしら」
一刀「……はっきり言っていいのか?」
華琳「もちろんよ 一刀 たぶん私と同じことを思っているだろうし」
一刀「くそつまらない茶番だな 今洛陽にこんなうわさは入ってない むしろ逆だからな」
全員集まって議論をしていることは袁紹が持ってきた檄文についてのことだった。その内容は
「董卓が洛陽にて暴政の限りをやっています 帝をお助けして董卓をうちましょう」
こんな訳の分からない檄文がきていたのである。
一刀「俺の忍びたちから聞くには洛陽は以前の十常侍に比べて治安はよくなって市民たちは笑顔に溢れているとのことだ」
桂花「確かにあの馬鹿は自分が目立つようなことばかりするもの ほかのことは考えていないでしょう」
一刀「でどうする 華琳 参加はするんだろ? この戦に勝てば俺たちは黄巾以上の名声を得れるからな」
華琳「もちろんよ でもね董卓どういった人物かわからないんでしょう?」
一刀「あぁ 忍びたちでも宮中内までは探れなかった 相当優秀な謀将がいるようだ」
華琳「えぇ あなたの忍びは私たちでも知らない情報をもってるわ だから董卓がどんな人物なのかわからないことには…」
一刀「……分かった 俺が行く」
華琳「それは許可できないわ あなたほどの人物を敵地に送るなんて」
一刀「じゃあどうするんだ 敵を知らないことには何もわからないぞ」
華琳「……いいわ その代わり猶予は3日とするわ その時には私たちは連合の集合地点にいるだろうからそこに来て頂戴」
一刀「分かった じゃすぐに出立する」
華琳「えぇ お願いね 一刀」
一刀「あぁ 大丈夫だ ちゃんと帰るから」
華琳「えぇ じゃほかの者たちは出立の準備を 3日後に連合本拠地に迎える準備だけしておきなさい では解散!」
一刀「さて俺も今日には出立しないとな」
そういって一刀は必要最低限の装備と旅費をもって洛陽へとむかったのであった。
その夜
一刀「ここが洛陽か 治安は陳留には及ばないが相当いい治安だな さてひとまず宿屋に入らないとな」
宿主「いらっしゃいませ おひとりですか?」
一刀「あぁ 空いている場所はあるか? 3日分の費用としてこんだけあるんだが」
宿主「はい ございますよ ではこちらへ」
そういって宿主に案内されて一室へ入っていった。
一刀(さて明日からは街を見て民たちの意見を聞かないとな 夜には城に入る準備をしないと)
そう考えて一刀はひとまず寝床について寝始めた
翌朝
一刀「ふむ やはり街は以前に比べて活気があふれているな」
一刀は以前報告にあった洛陽を勝手に見に来たことがあったのだった その時は路上には死臭がただよい民たちは絶望するようなおもむきのものばかりだった。
一刀「あれは生き地獄だったな あ 店長 豚まんを2個売ってくれないか?」
店長「へい まいど! はいこれね」
一刀「ありがとね そういえば店長 以前の洛陽はこんなに活気はなかったはず なんでこんなに活気が満ちたんだ?」
店長「そりゃ董卓様のおかげさ あの方のおかげで賊の数も少なくって様々な人が入ってくるようになったんだ」
一刀「なるほど 董卓様がきてからこんなにいい街になったんだな」
店長「あぁ! ところで後ろの子は連れの子かい?」
一刀「いや 俺は一人にはずだが…… うお」
そういって一刀は振り返ると一人の女の子が一刀を上目遣いで見上げていた。
一刀(……なんなんだ? この子は)
…「??」
その女の子は首をかしげながら一刀のほうをじっと見ていた。
…「……(ギュルル)」
一刀「……ほしいのか?」
…「(パァァァ)コクコク」
そうして一刀はその女の子に豚まんを渡したらそのまま食べ始めた
…「モキュモキュ」
一刀(な、なんなんだ このかわいい生き物は)
そう思っていた矢先
…「食べきっちゃった」
一刀「店長 この子に豚まんもう少し売ってやってくれ 代金は俺が払うから」
…「いいの?」
一刀「まだ腹へってるんだろ? いいさ」
…「……お前いいやつ」
店長「ではこちらを」
そういって店長は代金には見合わない数の豚まんを袋に入れてくれた
一刀「店長 さすがにこれだけの量は払えないぞ」
店長「いや こんなにうまそうに食べてくれるんだ 代金はさっき分だけでいいさ」
一刀「すまないな 店長」
…「……ごちそう様」
一刀「え もう食べたのか」
…「……恋」
一刀「え… それって真名じゃないのか」
恋「お前いいやつだから真名」
一刀「そうか じゃ俺は北郷か一刀って呼んでくれ」
恋「……分かった 一刀」
一刀「それじゃ店長 話ありがとな」
店長「おう また寄ってくれや」
一刀「恋 一緒に来るか?」
恋「……うん」
そういって一刀は恋と一緒に街を巡り始めた。
一刀「そういえば恋 真名じゃないほうの名前ってなんなんだ?」
恋「……呂布奉先」
一刀「なるほど 呂布か……って呂布!?」
恋「??」
一刀(こんなかわいい女の子が呂布だって!? まぁこんな世界だからな 小さい女の子が覇王と呼ばれてるし)
華琳「へくしょん」
桂花「どうかしましたか 華琳様 風邪ですか?」
華琳「いえ どこかで噂でもされたのかしら?」
一刀「そっか じゃ恋は……」
と話そうとした瞬間
…「ちんきゅーキィィィィック」
一刀「うお あぶな なんだこの子は」
…「恋殿から離れるのです!」
恋「ねね っめ」
ねね「しかし恋殿 こいつが」
恋「ねね……」
ねね「うぅ 分かったのです」
一刀「恋 この子は?」
ねね「お前 恋殿の真名を!」
恋「この子はちんきゅ ちんきゅも真名」
ねね「しかし恋殿 こいつは!」
恋「ねね 一刀はいい奴」
ねね「うぅ 分かったのです ねねは陳宮 真名は音々音なのです 呼びにくかったらねねって呼ぶがいいです!」
一刀「ねねか 分かった」
ねね「あ 恋殿 董卓様から呼ばれています! すぐ行きましょう」
恋「ん 分かった 一刀またね」
一刀「あぁ またな」
そういって恋はねねと一緒に城の方へと歩いて行った。
一刀「あの子は天下の飛将軍か……今日忍び込むか」
そういって一刀は夜に備えるために宿屋へと戻っていった。
夜
一刀「さて中には入ったがどこにいることやら」
…「でもさぁ賈駆っち どないするんや?」
賈駆「どうするにもどうしようもないでしょ! あんの駄名族…」
…「しかし賈駆 このままではいかんだろ 戦うんだろ?」
賈駆「当然でしょ! このまま月を犠牲になんてしないわ」
一刀(……見るからに董卓軍の将軍たちだな であの子が軍師か」
そういって一刀は3人の会話を聞いていた
…「詠ちゃん…」
詠「月! どうしてこんなところに!」
そういって出てきた子は月明りに照らされて儚いような少女だった
…「董卓様!」
一刀(董卓だって!?)
…「……月っち 賈駆っち ちょっと下がってな そこにいるやつ出てこんかい!」
一刀(っち さっきので気づかれたか)
そう思って一刀は庭の茂みから出てきた
…「出てきたな あんた何者や うちらの者じゃないな」
一刀「……俺は曹操軍所属の北郷一刀だ 訳あってここにきている」
…「ほぅ お前さん たしか黄巾の乱のときに見たことあったな 男のくせにすさまじい戦果あげたやつやないか」
一刀「そんな風に広まってるのか 一応聞きたいんだがあなたたちの名前は」
…「うちは張遼や」
…「私は華雄だ」
一刀「張遼殿と華雄殿か」
張遼「話は戻すけどなあんたこんなところで何のつもりや あんな檄文きたから暗殺にでもきたんか」
一刀「そんなつもりはない ただ董卓殿がどんな方なのかを知りたくてな」
月「……へぅ」
そういって月は照れ始めた
詠「あんた 月に色目使ってんじゃないわよ 霞、華雄 こいつを捕らえて!」
霞「言われなくても見られたからには逃がさんよ」
華雄「覚悟しろ」
そういって二人は武器を構えた
一刀「張遼殿と華雄殿をいっぺんに相手するとは さすがに分が悪いですね」
霞「あんたもさっさと武器構えな その腰のは飾りか?」
一刀「……はぁ 仕方ない」
そういって一刀は双頭牙狼を構えた
霞「あんたは強いからな 手加減なしでいくで」
華雄「覚悟しろ」
一刀「………」
そうして一刀は霞と華雄と相対してそのまま黙りこくった。
霞(……なんや こいつ黙った瞬間あり得ないくらいの殺気が溢れてきたぞ)
華雄(っく… なんなんだこいつは 張遼とともにやっても勝てる気がしない)
そうして数分硬直状態が続いたとき
恋「……一刀?」
一刀「恋か よく来たな」
恋「…どうして一刀がここに」
一刀「恋 俺は北郷一刀 曹操軍の将なんだ」
恋「…てことは敵なの? 一刀」
一刀「あぁ 今わな だけど恋 俺は今回の戦いで董卓殿を犠牲になんてさせない そのためにここにきているんだ」
恋「……分かった」
霞「恋!?」
恋「…霞 大丈夫 一刀は敵だけど敵じゃない」
霞「…わーったよ 今は恋に任せよか 華雄」
華雄「そうだな」
一刀「あなたが董卓殿ですね 俺は北郷一刀 字と真名はないので北郷か一刀と呼んでください」
月「はい」
一刀「ではいくつか質問を …あなたはこの戦どうするおつもりですか?」
月「戦います でも誰かが傷つくのであれば私の首でみんなを助けてもらう覚悟です」
一刀「そうですか… 分かりました それだけ聞ければ十分です」
月「あの一刀さん」
一刀「何でしょうか 董卓殿」
月「私の真名を「ちょっと月! こんなやつにそんなことは」詠ちゃん これは私の気持ちなの」
詠「でも…「詠ちゃ〜ん」」
と月はほっぺたを膨れさせて怒ったように見せるが正直言ってとてつもなくかわいい
詠「うぅ 分かったわよ」
月「私の真名は月です これからはそう呼んでください」
一刀「分かりました では月様 またお会いしましょう」
そういって一刀はそのまま城を出て華琳たちが待つ連合の本拠地へと向かっていった。
月「なんだか不思議な人だったね」
詠「でもあいつなんであんなことを…」
恋「……月を助けるため」
詠「えっ… どうゆうことなの?」
恋「…恋知ってる 一刀優しい だから犠牲になるようなことほっておけない 恋の時もそうだった」
霞「北郷一刀とかいったか 恋がこんだけいうんだから本気なんだろう まぁひとまず部屋に戻って明日の準備をしようか」
と董卓軍全員は明日の戦に備えて部屋に戻っていった。
はづきです ついに一刀と恋の邂逅です
正直言って一刀と恋は今の状態ではほぼ互角です
さて次は水関の戦いです
黄巾党以来の本格的な戦闘なので頑張って書いていこうと思います
では次回作をお待ちください
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はづきです ついに董卓連合への話になります 気合い入れて書かせていただいたのでよければどうぞ |
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コメント | ||
はこざき(仮)さん<コメントありがとうございます 恋の食事姿はかわいい! (異論は認めない(はづき) あぁ恋がハムスターのようにほっぺを膨らませてもきゅもきゅしているのが想像できる…w(はこざき(仮)) |
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