今気づいた。これはすっごく奇妙なことだったんだと。

　午後のカフェーで我々は偶然にも出会った。彼女はコーヒーごしでも大変美しかった。特に、微笑んで細められた目の、あの濃い睫毛が印象的だった。

　我々は通りを二つ越えた映画館にて、お互い気になっていた映画を見た。暗闇の中で、銀の手に私は自分のを重ねた。

　中途半端な空き時間ができてしまい、噴水がある公園で少し休むことにした。彼女は少し濡れてしまった。私もまたはしゃぎすぎてしまった。

　疲れた我々は、セレストのレストランで早めの夕食をとった。バルコニーから見える川は相変わらず汚れていたが、それでもやっぱり白ワインはおいしかった。冗談半分に、君の瞳に、と言ったら彼女は、この出会いにと返した。我々は大笑いした。

　その後、私のアパルトマンに行った。我々はベッドですべてを忘れた。

　……すごく、すごく奇妙な事件だ。

　彼女が起きたら聞いてみよう。