剣の化身と片想い |
説明 | ||
紅い瞳の王に恋をした…。 ほんの小さな土地を納める領主の娘では、 到底その恋が叶うことはないのは理解していた。 王が自分のことなどどうとも思っていないことも理解していた。 戦争で引き裂かれる恋が星の数ほどあることも理解していた。 流行病におかされた自分の命が長くないことも理解していた…。 剣を手に取れないのであればこの命を差し出すまで、 純潔の魂を代償に剣の化身と契約を交わす。 化身が私の代わりに剣を振る。私の命が武器となる。 どうぞ、この【武器】をお使いください、 褒美も名誉もいりません。 愛してくれとも言いません。 ただ、貴方の胸の片隅に私の名前を刻んでほしいのです。 私の名は――― |
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