TAMA・FIGHTER |
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「こいつか?例の新型機ってのは」 青年は呟いた。呟いたと言っても実際に声に出したわけではない。手に持っていた小型電子端末からインターネットにより接続されたソーシャルネットワークサービスを使ってだ。 「お前も見たのか?」 自らの呟きにレスが入る。間柄は同僚と言ったところだ。 「ああ。ヘンなカタチしてやがるな」 「だよな。これが例の丸い重機と同型機だなんてにわかに信じられねぇよな」 先程見た整備兵による定期呟きによると、このアン○ーンみたいな形をした機体は防衛機構が導入準備を進めている丸い重機を、戦闘に特化させたものらしい。所謂ファイター(戦闘機)と言ったところだな。 「乗ってみるか?まだ訓練の日ではないがコクピットでシミュレーションは出来るぜ」 相互関係(通称)である整備兵からレスが入る。そのレスが先ほどの同僚を巻き込んでのレスになっていた。この整備兵はそういうところがある。 「テメェ巻き込んでんじゃねぇよ。ブロックで叩き割るぞ」 同僚が腹を立てていた。自分は巻き込みをしないように気をつけているが、そう怒っている人を見ると一層気を付けようとビビってしまう。 「いいのか?勝手に乗り込むなんてヤだぞ」 整備兵にレスをする。 「大丈夫大丈夫許可ならさっき、上司にDMで取ってあるさ」 整備兵は同僚を無視しながら自分に返信をくれた。 「そうか。なら少し触らせてもらうぜ」 そうレスを返し、特異な形状の戦闘機のコクピットへ登り始めた。通常のFAの腰並みの高さにコクピットがありながら、機体に梯子のようなものは付いていない。これ欠陥品だろ。 案の定、自分はコクピットに到達する前に足を滑らせ、落下した。 骨折だった。 |
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