SAO~黒を冠する戦士たち~ 英雄外伝 第16話 静かになった酒場(バー)にて
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第16話 静かになった酒場(バー)にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「僕たちも帰ろうよお姉ちゃん、色々ありすぎて疲れちゃったよ。」

 

「そうだな、帰るか。」

 

カヤの発言に頷くマヤ、二人は座っているカウンターの丸椅子から立ち上がった。

 

「レクスさん、ゼウスさん、ありがとうございました。」

 

「ああ・・。」

 

「おう、いいってことよ。」

 

二人にお礼を述べるカヤ、そして、マヤというとどこかそっぽむいていた。

 

「お姉ちゃんも、お礼言わないと。」

 

「え? あ、ああ・・。」

 

カヤに言われて1歩前に出るマヤ、まずレクスの方を向いてお礼を述べた。

 

「レクスさん、今日はありがとうございました。あなたのおかげで無事帰ってくることができました。」

 

「・・・(コクッ」

 

レクスが相槌を打つのを確認すると次にゼウスの方を向いた。

 

「おっさん・・いや、ゼウスさん・・・その、ありがとう・・ゴザイマス。」

 

どこか恥かしそうにお礼を述べるマヤ、声も小さくて最後の方はよく聞こえなかったのか

 

「・・・え?なんて?聞こえない。」

 

カウンターから顔を乗り出し、耳に手をあててマヤの言葉をもう一度聞き取ろうとした。

 

「・・・・ッ、もういい!帰る!」

 

「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?」

 

マヤはゼウスに背を向けて歩き出し、いそいそと店から出て行った。カヤも慌てて後を追っかけて出る前に一礼して店を出て行った。残ったのはレクスのみ、店はいつものように静けさが戻った。

 

「・・・・・・お前、本当は聞こえていただろう、マヤの言葉。」

 

「そりゃあもちろん。ああやって、おちょくるとマヤも可愛いだろ?」

 

「お前のやることは、全くもって理解できん・・・・・・・同じものを頼む。」

 

「あいよ」

 

空になったグラスを渡し、ゼウスは先ほどと同じ工程でカクテルを作りレクスに渡した。それを受け取ったレクスは再びゆっくり飲み始め、ゼウスはマヤ、カヤ、アオバが使ったグラスを洗い始めた。

 

そして、再び口を開いたのはレクスだった。

 

「ゼウス1ついいか?」

 

「ん?なんだ・・?」

 

「お前、本当は知っていたのではないのか?・・・キリトが二刀流を使うことを。」

 

「・・・・・・。」

 

レクスのいきなりのカミングアウトに特に動じることなくグラスを洗うゼウス。グラスを洗い終わったのかレクスに背を向けて、グラスをしまい始めた。

 

「何で俺が’キリトが二刀流を使う‘ことを知ってると思ったんだ?」

 

「・・・・・お前の驚きに違和感を感じた。ただ、それだけだ・・。」

 

「・・・・なるほどね」

 

このレクスという男は思慮深く、物事をよく見ている男だ。というのも、ゼウスと同じ元同僚の人間だ、自分の演技を見抜かれてもおかしくないと思いつつ、グラスをしまい終えてレクスと向かい合わせに座るのだった。

 

「たしかに、俺はアオバの話しを聞くまでにキリトが二刀流を使えるってことは知ってたさ。あと、これを知っているのはこのことを話したエドくらいだな。」

 

「何故と聞いても・・?」

 

レクスの問いかけに自分のカクテルを一口飲んでから、ゼウスは口をひらいた。

 

「・・・・ある夜の出来事だった。その日俺は散歩で夜のフィールドを歩いていたんだ、そしたら、キリト(アイツ)がいたよ、モンスターに対して斬りかかっていた。最初はレベル上げかな?と思っていたんだ・・・・・だけど。」

 

「だけど・・・どうしたんだ?」

 

「普段の様子と違っていたんだ、いつも凛々しいだけど・・・その時は荒々しかった。自分からモンスターに斬りかかり、終われば次に斬りかかる・・・まるで、獰猛な獣を見ているようだった。それと同時に、何かに怯えているような・・・忘れ去ろうとしているようにも見えた・・・・。」

 

「黒の魔剣士にそんな一面があるとは・・・」

 

そう言って少し驚くレクス、そして、再びゼウスは話し始めた。

 

「少し気になって声をかけたんだ、その時は軽くあしらっていたんだが・・あまりにもしつこすぎたのかな? ピックを投げてきてよ、それでも帰らなかった事が災いしたのかねぇ・・・いきなり斬りかかってきやがった。まぁ、不意をつかれたとはいえ、俺はプロですから、斬られる前に止めることはできたんだけどな・・。」

 

「・・・・・・・・。」

 

ゼウスの話しに耳を傾けるレクス、話しはまだ続きそうだと思い、黙って話しを聞くのだった。

 

「そこから、何回か剣を受け止めたあと、アイツ、ムキになったのか、いきなり使っていた剣をしまいやがったんだ、そして刀を取り出した。それも、二本もだ。両手に一本ずつ持つようにしてだ・・・・そこで俺は初めてキリトが二刀流を使えることを知ったのさ。」

 

「なるほど・・・二本となると流石のプロのお前でも苦戦をしたのではないのか?」

 

「鋭いな・・たしかにあの時はやばかったな。」

 

そう言ってその時の様子を思い出すゼウス。相手は二刀流に対して自分は1本のククリ剣のみ、誰が考えても不利になる状況は見えていたのだった。

 

「で、勝敗は?」

 

「やぼだね、俺に決まっているだろ。もっとも、誇れるような勝ち方じゃあないがな。」

 

思えば正直ギリギリだった。ありとあらゆる小細工で何とかキリトに勝ったのだ。(というよりも暴走を止めるということに近かったが)当然自慢できるような勝ち方ではないので必要ではない限りしゃべらないようにしているのだった。

 

「そうか・・・それにしても今でも考えられないな、凛々しくどこか大人びていると思っていたのだが・・・」

 

「大人びていてもまだまだ少年、思春期まっただかってハナシよ。あの辺の時期は心がぐしゃぐしゃみたいだぞ?それに付け加えキリトを含めて黒衣衆(あいつら)は・・・」

 

「’狩人‘」

 

「そう、そういうこと。人を殺めているとなるとアイツらは、そこらの思春期の連中よりさらに複雑化しているってわけよ・・。」

 

「なるほどな・・。」

 

そう言ってレクスはグラスの飲み物を一気に飲み干し、ゼウスもまたグラスの飲み物を飲み干した。

 

「(今はまだ平常を装っていても、いずれかはガタが来る・・・だが、大切な人を見つけた時、そしてそれを受け入られた時、きっと大きく変われるはずだ・・・)」

 

そう、ゼウスは思った。そしてこれは自分の経験でもあり、実際に自分の経験は悲劇的な結末だったが、それがあって今の自分がある。黒衣衆(アイツら)も今いる大切な人に受け入られて、大きく変わって欲しいものだと願うのだった。

 

 

 

 

Tobecontnued…

 

 

 

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あとがき

 

 

 

第16話いかがだったでしょうか?実はゼウスは二刀流知ってましたというオチです。もちろん、詳しい内容は先になりますが書いていくつもりです。ただ、文章で戦闘が書けるか不安がありますね。

キリト君の葛藤している様子はある三次創作の小説で書かれています。私もそれを読んで影響を受けて、その葛藤中にゼウスが現れたら・・・という形で話しを考えたりしています。

 

機会があれば、読んでみてください、ある意味過激ですがwww

 

 

次回、キリトとヒースクリフの一騎打ち!? そして、新たなキャラ登場です。

 

 

 

それでは、このへんで・・・ではまた。

 

説明
どうも、グルメです。

オーディナル・スケール見てきました。いや、最高でした。アクションはもちろん、キリアスのイチャイチャも濃厚でした。時間があればもう一回見に行きたいものですね。そして、今日はアクセルワールドとクロスしたゲームの発売日。
アクセルワールド事態はアニメを見ていないのでよく知らないのですけど、余裕が出来たら買って遊びたいものですね。

さて、今回のお話しはアオバが帰ったあとの話となります。

それでは、どうぞ。
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コメント
本郷さん ゼ「勝ったのは勝ったけど、結構格好悪い勝ち方なんだよな・・・純粋に剣技だけだと多分死んでたと思う」主「どう格好悪かったのだ?」ゼ「例えば手当たり次第ストレージゲージのアイテムをキリトに投げつけたりとか、まぁいずれ話すけど余裕は本当になかったな」(グルメ96)
まぁいくらウチのキリトさんでも精神面と経験値の差があれば、さらにSAO時であればプロなら勝てるというのは正解です……それとキリトの葛藤を描いたあの三次創作の設定は自分公認なので使いまわしていただいて大丈夫ですw(本郷 刃)
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