それでも太陽は赤く染まる!第6回「思考停止!(-_-)」
説明
イラスト小説「それでも太陽は赤く染まる!」の続きです。版画を用いています。よろしくお願いいたします。

第6回 「思考停止!(-_-)」

新学期の校外で新入生のさやかとさやかとなれなれしく親しげな男子生徒に対するやきもちの一件、(僕)ひとしの頭と心の中は嫉妬に似た熱い太陽の炎で全焼してしまったらしく、思考回路が完全にショートして機能不全をおこしていた。
まあそのおかげで2年A組の新しい教室でもほとんど緊張せずにあいさつをしてくれる同級生たちに自然と返すことができたのだけど。
でも存在感が薄いせいか春休み前からインフルエンザをこじらせてずっと休みがちだった事を聞いてくる知人は誰もいなかった。小学校の頃からの幼なじみや一年の時に一緒だった子たちが何人かいたけど、とりわけ親しかったわけではない。

ひとしがため息まじりで窓側のはしの席に座るとタイミングよく同時にチャイムがなった。

新しい担任の先生は理科の山岡俊之と言う人で動物が大好きらしい。僕も魚が好きだからひょっとしたら話しがあうかもと思ったが一年の頃から先生の授業さえ赤点続きの成績だったからそれどころではないかもしれない・・・(;´д`)トホホ。一年の時の美術の節穴先生程じゃないけど怒らせたら何かと熱血感のある風格を感じるから、できればあまりかかわらないようにしたいな・・・。

本当に久しぶりの学校で新学期という感覚があまりない中、ひとしは先生の話しも上の空(思考回路が停止しているからも含め)でずっと外を眺めていた。遠くに名古屋のテレビ塔が見える。

ひとし
「今日は金曜日か・・・。そろばんの帰りに自転車であそこまで散歩してみるかな・・・。」

すっかり自分の世界に入ってしまっているひとしを置き去りにして、体育館で朝礼をするらしくみんなばたばたと一斉に立ちだす大きな音が・・・。
瞬間、停止していたはずのひとしの思考も一斉に蘇った。

ひとし
「はあ〜、やだなあ〜。(-_-)」
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