真・恋姫無双 魏End -Re:TAKE 07_1- |
<ドドドドドドッ!!>
一刀が華琳から与えられた自室でのんびりしていると何かが走る音がする。
一刀「あ〜・・・、また春蘭が走ってるなぁ」
一刀「そろそろ"華琳様〜"って声が・・・」
<ドドドドドドッ!! ピタッ!>
一刀「あれ?」
思ったよりも近くで止まる音に違和感を覚える。
その違和感が警報を鳴らし、一刀が扉に目を向けると、
春蘭「北郷ーーーっ!!」
<ドカンッ!!>
吹っ飛ぶ扉と掌底を構えている春蘭がいた。
一刀「あのさぁ、春蘭」
春蘭「む? なんだ」
一刀「扉ってのは取っ手を回せば開くものなんだぞ? 殴って開けるものじゃないと思うんだけど」
春蘭「ちょっと叩いただけだっ! それよりも貴様に用がある」
一刀「いやいやいや、とりあえず扉を直してからにしてくれよ」
春蘭「そんなことはどうでもいいっ!! 早く来い」
そう言って一刀の襟首を掴んで引っ張っていく。
一刀「お、おいっ! どこに連れて行く気だよ〜」
春蘭「む? そうだっ! 北郷! 剣は?」
一刀「剣? ああ、刀なら部屋にあるけど」
春蘭「なぜ持ってきていないっ?」
一刀「うわー。 いきなり襟首掴んで引っ張ってきたヤツが言うかな」
春蘭「ふんっ! いいからその刀を持って中庭に来い」
一刀「なして?」
春蘭「いいから急げよっ!」
<ドドドドドッ>
一刀「あー、行っちゃった。 なんなんだ一体・・・?」
しかし行かなかったらまた後で首を刎ねるとか言われるのは目に見えているので、
大人しく部屋にある九字兼定を取って中庭に向かう。
中庭に出ると中庭の中央に春蘭が剣を地面に突き刺して待っていた。
春蘭「遅いぞっ!」
一刀「はいはい。 で何のようかな?」
春蘭「手合わせするぞ!」
一刀「はぁ・・・? なんでいきなり」
春蘭「初めて見たときから、その剣は気になっていたのだ」
春蘭「見たこともない形の剣、それを使うものなら多少はできるのであろう?」
一刀「多少でも評価してくれるのはありがたいけど・・・、忘れてるだろ? 春蘭」
春蘭「?」
一刀「この剣抜けないんだぞ」
春蘭「なにっ!? 聞いてないぞ! そんなこと!」
一刀「いや、尋問されたときに言ったから」
秋蘭「たしかに言っていたぞ、姉者」
一刀&春蘭「秋蘭っ!」
秋蘭「ほら、北郷」
秋蘭が一刀に一振りの剣を投げる。
一刀「ととっ」
剣を受け取り、鞘から出してよく見てみると、
両刃の剣だがこの世界の剣と比べて細いものだった。
秋蘭「両刃で刃が反ってはいないが、長さや重さ的にはちょうどよいだろう?」
一刀「うん。 両刃の剣って初めて手にしたけど、これは結構しっくりくるな」
秋蘭「刃は潰してあるから、姉者の相手をしてやってくれ」
春蘭「秋蘭に感謝するんだぞ」
一刀「はぁ・・・、結局やるワケね」
一刀「(でも、楽しみでもあるんだよな。 歴史上の英傑と手合わせできるんだから)」
一刀「(どこまでできるかわからないけど、本気でいくかっ!!)」
秋蘭「ほぅ」
一刀の雰囲気の変化に気付いた秋蘭が驚きの声を上げる。
秋蘭「(これはよい拾い物をしたかもしれんな)」
秋蘭「(我らには及ばずとも、一般の兵には遅れはとるまい)」
そして一刀に相対している春蘭も内心驚いていた。
春蘭「(多少はできると踏んでいたが、ふむ。 おもしろそうだ)」
春蘭「ゆくぞっ! 北郷!」
一刀「応っ!」
一刀の答えと同時に春蘭が走る。
とりあえずは様子見なのだろう上段からの一撃。
一刀「(速いけど見えないほどじゃないっ!)」
一刀は剣筋を見てかわす、
が避けた先で一刀が見たのは、
振り下ろされていた剣が力づくで横薙ぎに振るわれているところだった。
春蘭「それで避けたつもりかっ!!」
一刀「っ!?!?」
咄嗟に剣で受けるが、体勢も悪く吹き飛ばされた。
一刀「つぅ・・・、なんつー馬鹿力だよ!」
たった一合受けただけで、手を痺れさせてしまうほどの一撃。
春蘭「ふん、この程度は反応できるか」
秋蘭「(この程度とは言うが、一般兵なら初撃もかわせぬ一撃だがな))」
春蘭「よし、次だ。 ゆくぞ!」
一刀「ちぃっ!!」
受けてしまえば剣を持っていられない一刀はひたすら避けることに専念した。
横撃、縦撃、突きとあらゆる斬撃が不規則に飛んでくる。
しかし、不規則なのにあまりに的確な斬撃だった。
全ての斬撃がこちらの隙を狙った斬撃なのだ。
一刀「(本能のままに振るう剣かっ!)」
一刀「(なら・・・、賭けるか・・・)」
一刀に余裕はなかった。
春蘭の一撃毎に増す威圧感に押され、精神的にも限界だった。
秋蘭「(あの姉者の威圧感の中よくあれだけ動けるものだ)」
春蘭ほどの英傑の威圧感を受ければ、
普通の兵なら足がすくんで動けないだろう。
そんな状況の中、一刀は春蘭の斬撃を辛うじて避け続けていた。
<ガキィッ!!>
その一刀が初めて自分から春蘭の斬撃を受けた。
秋蘭「む?」
一刀「くぅ・・・、ホ、ホントに馬鹿力だな」
春蘭「うるさいっ!!」
少しの間押し合い、その後距離を取る。
一刀「はぁっ、はぁっ・・・」
春蘭「ふぅぅぅ」
一刀&春蘭「はぁっっ!!」
2人とも一呼吸おき、再度ぶつかった。
再度一刀が春蘭の剣を受けようとする。
春蘭もそのつもりで剣を振るった。
しかし、春蘭の剣は空を切った。
春蘭「!?」
剣がぶつかる瞬間、一刀が剣を手放したのだ。
剣を放した一刀が春蘭の足目掛けてローキックを放つ。
一刀「シッ!」
<ビシィッ!!>
春蘭「うわっ!!」
突然にしかも受けたことのない技に動揺しモロに食らってしまう。
一刀「(もらったっ!!)」
とどめの追い討ちを掛けようと踏み込む。
<ドガッ!!!!>
<グシャッ!!!>
春蘭が倒れこんでいる場所から10mほど離れたところに一刀が落ちた音だ。
一刀「・・・」
秋蘭「あー、 姉者。 あれはまともに入っていたぞ?」
春蘭「むぅ、しかたなかろう。 突然のことで手加減できなかったのだ」
春蘭が倒れながらも横薙ぎに振るった剣が一刀の腹部を直撃し、吹っ飛んだのだ。
秋蘭が一刀に近づき、声を掛ける。
秋蘭「あー、北郷? 大丈夫か?」
一刀「・・・」
秋蘭「完全に気を失っているな」
春蘭「軟弱なヤツめ」
秋蘭「そういうな、姉者」
秋蘭「姉者とあそこまで戦える者もそうはいまい?」
春蘭「・・・、たしかに今のこの城では華琳様と秋蘭くらいしかいないからな」
秋蘭「で、どうだ? 北郷は」
春蘭「体力に難があるようだが、悪くはない」
秋蘭「あまり虐めすぎるなよ? 姉者」
春蘭「ふんっ!!」
秋蘭「時に姉者」
春蘭「うん?」
秋蘭「姉者の我侭からこのようなことになったのだから、最後まで面倒みるのだぞ?」
春蘭「?」
秋蘭「北郷の手当てはどうするんだ?」
春蘭「ほっておけばよいっ!!」
秋蘭「はぁ・・・、いきなり呼びつけて、吹き飛ばして終わりはさすがに北郷も可哀想だぞ」
春蘭「むむむ」
秋蘭「せめて部屋に運ぶくらいしてやれ」
春蘭「むぅ〜。 わかった」
春蘭「まったく世話の掛かるヤツだ」
秋蘭「ふふふ、可愛いな、姉者は」
愚痴りながら一刀を片手で担ぎ、
一刀の部屋に向かう春蘭を見送りながら秋蘭が呟いていた。
あとがき的な
ええ〜、また更新空いてしまいました(( ;゚Д゚))ブルブル
今回は春蘭編です。
一応次の秋蘭編に続きます。
華琳様編も一応書いてます。
しかし話の流れからデレなしというのは
拠点といえるのだろうか・・・。
説明 | ||
Re:TAKE 第7話の1つ目です。 拠点(?)で3話の予定です。 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
12939 | 9844 | 117 |
コメント | ||
なんか一刀が吹っ飛ばされるところだけきれいに再生できたんだけど(VVV計画の被験者) >jackry様 見事に吹っ飛びますたw(しゅうまい) >ブックマン様 手加減なしの春蘭ですからw(しゅうまい) >nanashiの人様 なるべく賢く書きたいんですが作者がパァですからwww(しゅうまい) >motomaru様 ちょい強めでちょっと成長しますw(しゅうまい) 一刀よく飛んだな〜w(ブックマン) 結構やるじゃないwこれで頭がパァとかだったら斜め上過ぎて噴くがww 本編同等程度でもおつむがあればこの2ターン目華琳は相当な拾い物をしたことになるよ 2ターン目華琳ってだけでもこの外史の魏は相当やヴぁいけどww(nanashiの人) 本作品よりはちょい強めなのかな?勝てないところを見ると凪とか季衣くらいのつよさ?(motomaru) |
||
タグ | ||
恋姫無双 真・恋姫無双 一刀 春蘭 秋蘭 | ||
しゅうまいさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |