真・恋姫無双〜項羽伝〜三国編
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第五章12話 予兆

 

 

 

 

 

少し時を戻そう

 

「涼・・・・旅の支度を頼めるか」

 

それが久々に聞く、愛する人の声だった

 

「はい、少しお待ちください。それと御供はだれを?」

 

「・・・・凪と思春だけだ。現地で明命と落ち合う。他はいい」

 

「二人だけでよろしいのですか?」

 

涼は一刀の状態を心配しての一言であった。出来れば他に数人・・・・鷹もしくは医学に精通する者を連れていってほしいとの思いもあったからである

 

「大丈夫だ。これは少人数で動いた方が効率が良い。それに・・・・・いや、何でもない。頼んだぞ」

 

「・・・・・わかりました。少しお待ちください」

 

涼は何か不安を感じながらも部屋を後にして準備に取り掛かった

 

そして少したち

 

「旦那様、ここに全部そろえさせていただきました。それと、凪と思春にも準備をさせています」ガチャン

 

そう言いながら食料や武器、旅に必要な物一式を部屋の机の上に置いた

 

一刀は寝台から体を起こし机の前にいき

 

「・・・・これは置いて行く。涼、すまないが片づけておいてくれ」

 

そう言って一刀は今まで戦や争いごとの時、手放したことが無い『信月』と『晃鬼』を涼へ渡した

 

「え!これを・・・ですか?しかし!」

 

「かまわない。俺にはもうこれらを扱うことができないだろうからな」

 

「そんな・・・・ですが・・・」

 

涼は言いようのない不安がさらに増していく。このままこの方を出発させていいのか、無事に帰ってきてくれるのか心配で心配でしょうがなくなってきた。それに加えこの一言である

 

「そして、その服も置いて行く。・・・出来れば服を仕立て直せる準備をしておいてくれ」

 

その服が指すのはもちろん楚王の象徴、項羽として北郷一刀として常にあった純白の外套を指していた

 

「い、いったい・・・・・何をお考えなのですか?」

 

不安で顔を下げていた涼は勇気を振り絞り一刀へと問いかけたが

 

「・・・・・・」

 

その返答は無くただ

 

「これが最後の旅になるだろう」ボソ

 

小さく呟いた以降は黙々とただ無言で準備を始めたのだった

 

 

 

 

 

 

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そして時間は一刀達が長安で涼刀救出の策が大詰めのという時の事

 

バキン

 

その音は小さな音であったが確かに城中に響き渡った

 

「今の音は?」

 

部屋で仕事をしていた涼が疑問に思い、音の発生源と思える部屋、王の一刀の部屋へと向かった

 

そこで目にしたのはあまりにも衝撃的なものだった

 

ガタン

 

それを目にして立っていることができずに涼は壁にもたれて何とか支えることができたのだった

 

「一体、何が・・・・これは一体何を暗示しているの」

 

一時の間そう呟いてそこにある光景を見ている事しかできなかった

 

その光景とは

 

壁に掛けてあったはずの一刀の愛刀の一つ晃鬼が根元で折れ下にたたんでおいてあった純白の外套の左胸の部分に刺さっていたのである

 

 

 

 

 

 

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そして場所は長安へ

 

 

「お父さん。盧植さん達は何て?」

 

盧植の家を訪れた後、拠点に戻ってからの愛紗の一言だった

 

「ああ。お前達にも伝えないとな。凪、思春二人も聞いてくれ」

 

「「はっ!!」」

 

窓から外の警備をしていた二人がいつもの様に返事と供に一刀の前へと現れた

 

「相変わらず速いな〜〜二人は」

 

「「違います。今回は私の方が速かった!!!」」

 

同じ言葉を同時に勝ち誇った顔でお互いを見ながら言って

 

「違う!!私が速かった!!」

 

「何を言う!!お前の方が遅かった!!」

 

凪が否定すれば、思春がそれをまた否定した

 

「フフ、相変わらず仲がいいな。さて、本題に入るけど二人ともいいか?」

 

「「はっ!」」

 

「さっき愛紗から盧植から何を言われたかと質問があってな、この事はこれからの策に少し関わりがあるからお前たちも聞いて欲しくて来てもらった」

 

「盧植殿がですか?(盧植達は皇帝を支持していたはず。皇帝と涼刀様救出に何か関係しているのか?)」

 

凪は腑に落ちない表情で少し訝し気に聞き返した

 

「ああ。盧植からはこれからの策の内容と言うより、攻める場所の特定だった」

 

「攻める場所?ですか?」

 

思春は一刀の発言を聞き返す様に呟いた。

 

劉協を避難させるためなのか、それとも裏切りを考えているのか。盧植の考えを思いながらの言葉であった

 

「思春、そんなに怖い顔しなくて大丈夫だぞ。せっかくの可愛い顔が台無しだ」

 

一刀は思春の頭を撫でながら笑顔でそう言った

 

「///////////ア、アウ」プシュ―――

 

思春は顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせて言葉にならない声をだしていると

 

「「ずるい!!」」ズイズイ

 

娘ともう一人の忠犬が声を合わせて言うや否や二人とも撫でて撫でてと言いたげに一刀に頭を突き出したのだった

 

「フフ、仕方がないな。おいで」

 

一刀は思春と同じくらいの長さ二人の頭を撫でてあげて

 

「さて、話を戻すが盧植達は俺達の騒ぎに乗じて劉協を連れ出すつもりらしい」

 

「お父さん、劉協って空丹ちゃんの妹の事?」

 

「ああ。その劉協だ。今回俺たちは明命から報告があった怪しい二か所何太后の屋敷と、宮殿に忍び込み涼刀を発見して救出をするつもりだったが、盧植たちは俺達が宮殿を攻めているときに乗じて劉協を連れ出し、身を潜めるつもりらしい」

 

「お父さん、盧植さん達は空丹ちゃんの妹さんと何処に隠れるの?」

 

「わからん。そこまで聞いていないな」

 

「そうなんだ。出来れば家に来てくれたら嬉しいのに」

 

「少し落ち着いたら話って見てもいいんじゃないか?家には空丹も居るから来ない事は無いだろう」

 

「うん!そうしてみる!」ニコ

 

愛紗は笑顔でそう答え、劉協が建業に来たときどこを案内しようかなと色々楽しそうに考え始めた

 

「あの一刀様、張讓はどうされますか?」

 

疑問に思った思春の一言だ

 

「張讓か・・・・あいつの行動は俺でも分かりかねるところが多い。今回も何をするかわからん。触らぬ神に祟りなし、と言うし邪魔じゃ無ければ無視。邪魔であれば殺す方向で行こう」

 

「わかりました。それで、盧植の方は単独で行動をさせるのですか?」

 

「明命を付けている。何かあったら明命が主で動くだろう」

 

「それで一刀様、此方はどの様に別れるのですか?愛紗様も居られるので二人ずつだとは予想できますが・・・・」

 

凪は出来れば御主人様と供に在りたいと思いドキドキしながら聞いてきた

 

「そうだな・・・・・・俺とな「やったーーーー!!!」「そんな・・・・・・」が宮殿、愛紗と思春が何太后の屋敷だ」

 

「うん。了解」

 

愛紗だけ普通に答え、自分の名前を呼ばれて喜ぶ凪と打ちひしがれる思春の姿だった

 

「さて、夜も更けてきたことだし、そろそろ寝るぞ。結構は明日の夜。心してかかるぞ」

 

「「はい!!」「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

暗がりの部屋

 

「あ・・・・・う・・。これを・・・・さ・・」

 

「ええ、そうよ。そして・・・・・フフフフ」

 

 

 

 

あとがき??

 

 

お久しぶりです。やっと続きが書けました。少しずつですがまた更新ペースを上げて行けたらなあと思います。

 

お待ちしてくれていた読者の皆さん本当にありがとうございます。

 

項羽伝はまだ続くと思いますのでこれからも楽しんでもらえると嬉しい限りです。

 

説明
続きです。少し書き方を変えてみました。前の方が良いと言われる方が居られましたら、コメントで報告ください。
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コメント
未奈兎さんありがとうございます。訂正しました。メモしていたのを消し忘れたみたいです(あか)
なんか住所みたいなのが混ざってますよ(未奈兎)
更新お待ちしておりました。続きを気長に待っております。しかし、最後の場面が何だか嫌な感じ…。(mokiti1976-2010)
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 思春 愛紗 項羽 真・恋姫無双 

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