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<ハロウィン妄想。新婚設定>
家に帰って深行を出迎えるのは、食欲をそそる夕飯の匂いと泉水子の笑顔。
ドアを開ければ待っている人がいる。
この幸せを一番実感しているのは、泉水子よりもきっと深行のほうだと思う。そうでなかった昔を知っているから。
今日の食卓はやけにカラフルだった。メインはど真ん中に置かれたかぼちゃのグラタン。半分くりぬいたものを器にし、ジャックランタンのドヤ顔の蓋と目があった。
(・・・ああ、今日はハロウィンだっけか)
少し前から街並みがハロウィンカラーに染まっていることには気づいていた。
クリスマスほど大々的ではないけれど、商業施設は躍起になってハロウィンを宣伝していた。
だいたい日本にハロウィンなんて関係ないはずなのに、無節操でお祭り好きな人種はこれ幸いと「商売道具」として利用する。
そう冷めたことを思っていたけれど、深行にはくだらないことでも、泉水子にとっては季節を感じることは大事なことなのだ。
「ちょっと張りきりすぎちゃった」
「本当にこういうの好きだよな」
恥ずかしそうにはにかむ泉水子を愛しいと思うのに、相変わらず憎まれ口しかでてこない。泉水子はさして気にするふうでもなく、もう、と頬を膨らませただけだった。
深行はなかなか心の内を素直に零せない。
誤解が生じてケンカに発展することが少なくないが、それでも年月を重ねれば泉水子もなんとなく察してくれるようになった。
甘えているのは分かっているけれど。こういうとき胸があたたかくなる。
鳳城学園卒業後、自立してはじめてのハロウィンも泉水子は張り切ってかぼちゃの料理を作っていた。
冬至は今日じゃないぞと言ってむくれさせたことは記憶に新しい。思わず笑みが零れた。
泉水子がきょとんと首をかしげる。
「どうしたの? 何か楽しいことあった?」
「・・・いや」
結婚前もよく食事を作ってくれた泉水子は、こうした季節の行事を大切にしていた。
そのひとつひとつが深行の内側に積み重なっていく。
あたたかいかぼちゃの料理は作り手の心を表すように優しさで満ちていて。
深行はこの幸せを噛みしめた。
<5月23日。キスの日妄想@ 高2設定>
深行が朝のニュースをスマホでチェックしていると、本日5月23日は『キスの日』という記事が目にとまった。
日本ではじめてキスシーンのある映画が公開された日らしい。
他にも『恋文の日』だの『亀の日』だのいろいろ書いてある。
毎日やってくる○○の日。つまりはなんだっていいのだ。くだらない、と思った瞬間には次の記事を読んでいた。
「深行くん。・・・今日は何の日か知っている・・・?」
放課後、生徒会室での勉強中に、泉水子がおずおずと聞いてきた。赤く染まった彼女の頬を見て、瞬時に朝の記憶がよみがえる。
「・・・いや」
つい否定してしまった。
相手はこの泉水子なのである。きっと別のことを言い出すのだろう。そう思っても、真っ赤になってもじもじしている泉水子に、深行の心拍数が上がっていく。
(まさか・・・。でも・・・)
「いつも、深行くんには助けてもらってばかりだから・・・。わ、私・・・深行くんに」
伏せられていた泉水子の目がこちらを見上げる。上目で恥じらう様子に、胸をどっと撃たれた感覚がした。
「鈴原・・・っ」
「これ、読んでほしいの」
深行が手を伸ばしたのと、泉水子が何かを差し出したのは同時だった。
「え・・・?」
「あ、あのね。5月23日は、その・・・手紙の日なんだって。だから、私の感謝の気持ちを」
しどろもどろな彼女が持っているものを見てみれば、それは手紙だった。
手を出さなくてよかった。心からそう思って、深行はひとつ息をついた。そういえば、と恋文の日でもあったことを思い出す。
―――恋文!?
深行はすばやく手紙を受け取った。
「読んでもいいか」
「えっ い、今?」
「うん。今」
了承を待たずに深行は手紙を開いた。
ドキドキしたものの、期待したような内容ではなく、言った通り感謝の気持ちがつらつら綴ってあるだけであった。しかも少々支離滅裂で、以前に読ませてもらった紫子の手紙を思い出した。
くどくて内容がないからもう少し表現力を身につけろ、と。
思わず頬が緩んだ。
それでも、深行を大事に想う泉水子の精一杯の気持ち伝わってきて、体の内側からあたたかいものが広がっていく。
深行は、うつむいて羞恥に耐えている泉水子の顎にそっと手をかけた。
5月23日。深行はもうひとつの記念日で、気持ちを伝えることにする。
<キスの日妄想A 新婚設定>
リビングに続くドアを開けると、深行を出迎えてくれたのは、あたたかい灯りとキッチンに立つ愛しい存在。
「おかえりなさい」
「・・・ただいま」
これまでだって数えきれないほど一緒に夜を過ごしたけれど。やはり結婚は特別だと思う。
世界中が明るく優しく見える・・・などと柄にもないことを考えてしまうあたり、そうとう浮かれているようだ。
「ごはん、すぐに用意できるよ。それともお風呂にする?」
咄嗟に言葉が出てこない。
幸せをかみしめて見つめていると、泉水子は「味見してみる?」と嬉しそうに微笑んだ。
よほど腹を空かせて見えたのかもしれない。
それは正しい。だけど、
深行は泉水子の唇にちゅっと音をたてた。
「な・・・っ いきなり、なに、を・・・っ」
「なにって、味見だろ」
「そ、それは、このシチューのことを聞いたのっ」
真っ赤な顔で口をぱくぱくさせた泉水子の唇をもう一度ふさぐ。
夕飯でもなく風呂でもなく、もう一つの選択肢。
泉水子がいいと言ったら怒るだろうか。
<やったね!新婚ほやほや妄想>
ようやく仕事にキリがついた深行は、椅子に座ったまま軽く伸びをした。
腕時計を確認すると8時だった。今日はけっこう早く終わらせることができたと思う。
向かいのデスクに座る先輩が顔を上げ、申し訳なさそうに手を合わせた。
「終わった? 手伝ってくれて助かったよ、マジで」
「いえ。これくらい、全然。他になにかありますか?」
彼は入社当初深行の指導係で、かなり世話になった恩があった。役に立てるほど成長できたことも素直に嬉しい。
深行が微笑むと、先輩は嬉しそうに首を振った。
「おかげで俺ももうすぐ終わる。悪かったな、新婚なのに連日残業三昧で。いろいろ大変だろう。体力的にさ。いろいろ」
にやりと笑われて深行は素知らぬふりをした。いい人なのだが、人をからかうことが大好きなのだ。いつまで新婚ネタを引っ張られるのかと思うとうんざりする。
深行はパソコンの電源を落とし、速やかに帰り支度をはじめた。
「いいなあー、新婚。もしかして毎晩とか? ・・・って、つきあい長いんだっけ。さすがにそれはないか」
「・・・じゃあ、お先に失礼します」
去り際に小さく頭を下げると、彼はにっこり笑ってひらひらと手を振った。
軽くスルーしたが、深行は内心ドキリとしていた。
―――毎晩するのはおかしいのだろうか。
浮かれているつもりはまったくないけれど。新婚とはそういうものだと、世間一般的に認識していたのだが。
深行は自分が理性的な人間であると自負しているが、こと泉水子に関しては自信がなかった。熱情にブレーキがかけられないのだ。
言わないだけで、泉水子も思うところがあるのかもしれない。時々寝坊する彼女を思い出し、深行は自責の念にかられた。
帰るメールをすると、すぐに返信がきた。文字を見るだけで疲れが癒えていく。足取りが軽くなったことに気づき、深行はふと足を止めた。
これがまさに浮かれているという状態・・・?
(やばいな・・・)
少し自重しよう。そう心に決めて深呼吸をした。わざと歩調を緩め・・・ようとしたが、元来速足なので、すぐに家についてしまった。
「・・・ただいま」
「おかえりなさい」
ドアを開けると、嬉しげな声が出迎えてくれた。
いい匂いが玄関にまで漂ってきて、空腹を意識する。パタパタとスリッパの音がして、
「・・・っ」
深行は絶句した。
「深行くん?」
「・・・それ、」
かろうじて発した言葉は意味をなさず、けれども深行の目線で泉水子は言いたいことが分かったようだった。頬を染めてはにかむと、エプロンの裾をぴらっとつまんだ。
「あ、気がついた? あのね、」
泉水子が身につけているのは純白フリルのエプロンだった。ウエスト部分は太いリボンで、背中で蝶々結びされていることが前から見ても分かる。しかし、問題はその丈の短さだった。
泉水子の部屋着はショートパンツである。なので、見えようによっては・・・。
それに気がつかない方がおかしいだろ!と、突っ込みたくなったが、深行はかろうじて堪えて続きを待った。
「結婚祝いに大河内先輩と星野先輩から連名で届いたの。その・・・カードに、これからも深行くんを元気にしてあげてほしいって。私には可愛すぎるかなと思ったのだけど、せっかくだから・・・」
(あの眼鏡・・・!)
例えようのない苛立ちが込み上げ、深行は震える拳を握りしめた。にやにやした眼鏡コンビの顔が目に浮かぶ。絶対に思惑通りになどなってやるものか。
「お料理、もっとがんばるね」
裏に隠された意図に気づかない泉水子は、にっこり笑って手を差し出した。深行の鞄を受け取ろうとしているのだろう。
鞄を渡そうとして・・・ミニスカエプロンから除く白い足に釘付けになった。
深行は鞄をドサッと手放し、泉水子を抱き寄せた。
*
次の休日。眼鏡コンビが手土産を持って遊びに来た。
「へえ。いいとこ住んでるじゃん」
「リフォーム済みですけど、けっこう古いですよ」
先輩ふたりはソファにくつろぎ、きょろきょろ物珍しそうに見まわしている。居心地の悪い気持ちになるが仕方がない。式に出てもらったし、(本当に過分な)お祝いまでいただいている。新居に遊びに行きたいと言われれば断れるはずがなかった。
「あのう、先日はありがとうございました。来てもらえて嬉しいです」
後ろから妻の声とパタパタと控えめなスリッパの音。
朝から張り切っていた泉水子が料理を運んできたのだろうと深行は振り向き・・・ぎょっとした。
「な・・・っ、なんで、それを!」
先ほどまでは、確かにいつもの赤いエプロンだったはず。それなのに、泉水子はあのふりふりのミニスカエプロンをまとっていた。
ひざ下スカートなのでさすがにあのなまめかしさはなかったが、深行は動揺を隠せなかった。
「えっ。だって、せっかくいただいたからお礼を言わなくちゃと思って」
眼鏡コンビの視線を感じ、口の中に苦いものが広がっていく。二人が肩を震わせているのが視界の端でも分かった。
泉水子は料理の乗ったお盆を持ったまま、おろおろと小首を傾げた。
「ダメだった? でも、深行くんだって気に入って・・・」
「泉水子!」
慌てて泉水子の口を押さえても遅く、眼鏡コンビは堪えきれないとばかりに吹き出しゲラゲラ笑った。
深行はめまいを感じながら、この二人を新居に招いたことを心から後悔したのだった。
<大学生設定。お泊り数回目の朝>
深行の意識が浮上した時、腕の中の泉水子はまだすやすやと夢の中だった。
起きる時間にはまだ早いが、もう眠れそうもなく。深行はしばらく彼女を眺めた。
今の心情をどう言い表せばいいのだろう。一緒に朝を迎えるたびに幸福感で満たされる。泉水子といると、自分でも知らなかった感情がまだまだたくさんあるのだと思い知る。
起こさないように、抱きしめる腕にそっと力を込めた。細い肩だな、と初めて知ったのはいつだっただろうか。
(姫神との八王子城跡はそんな余裕なかったし)
異界まで迎えに行ったとき? それとも横浜で肩を抱き寄せたときか。
そんなことを思い出して、感慨深い気持ちになる。
「・・・泉水子」
眠っているのをいいことに髪をくしゃっと撫でて、額にキスを落とした。形容しがたい満足感。
あどけない寝顔がどうしようもなく愛しく見える。
抑えきれず、今度は頬に口づけた。
「・・・・・・」
想いが込み上げ、うっかり好きだと囁きそうになったところで急に恥ずかしくなる。
誰も見ていないと分かっていても。
さらに追い討ちをかけたのは、彼女の鎖骨あたりの赤い痕。最中は夢中になっているからどうってことないのに、頭が冷えるとこんなに・・・。
いたたまれない気持ちで眺めていると、泉水子の顔がみるみる紅潮していく。
―――もしかして。
泉水子の鼻をつまむと、むきゅ、と可愛い声をもらした。
ぱちっと目を開けた泉水子は、真っ赤になって口をぱくぱくさせた。
「あ、あの、寝たふりをするつもりはなくて、タ、タイミングを逃してしまったというか」
とても聞いていられず彼女の唇をふさいだ深行は、開き直って泉水子に覆いかぶさった。
*
パソコンのキーボードを打つ指を止め、深行は柱時計を見上げた。
レポートに没頭するうち、あっという間に2時間近く経っている。軽く伸びをして後ろを振り向けば、ソファに座って本を読んでいた泉水子はいつしか眠ってしまったようだった。
無防備にすうすう寝息を立てる姿が可愛い。深行は泉水子の膝から落っこちそうになっている本をラグの上に置き、おさげをひとふさ手に取った。
しばらく見つめ、しっかり眠っていることを確かめてから、泉水子の頬にキスをした。
(懲りない人でいてほしい(笑))
<新婚設定>
お仕事だもの。遅くまで、本当にお疲れさま。
繁忙期らしく、深行はここのところ毎晩残業だ。
遅くなって悪いと言われ、泉水子が精いっぱい笑顔をこしらえてそう答えたのはつい昨日のこと。
一生懸命働いてくれる彼に対して感謝の気持ちでいっぱいだし、もちろん体調面も心配だ。日頃から「鍛え方が違う」と言う深行だけど、さすがにここ2、3日、少々疲れの色が見えるようになった。
だけど泉水子の心には、それよりもっとごまかしきれないものがあった。
(・・・寂しいな)
ひとりきりだとごはんも味気ない。テレビだって面白くない。好きな本を読もうにも、時計ばかり見てしまう。
泉水子は小さくため息をこぼした。
ふと、無造作にソファに置かれている、深行のパーカーが目にとまった。
泉水子はもう一度時計を確認した。おそらくまだまだ帰ってこないだろう。
そっと手を伸ばし、少し迷ってからそのパーカーを抱きしめた。
よく馴染んだ柔らかい匂いがして、心がきゅうっとした。今となっては同じ洗濯洗剤を使っているのだから泉水子も同じ匂いだと思うのに、やっぱりどこか違うのだ。
大好きな匂い。
すーっと息を吸い込んだ。抱きしめられたときと同じ匂いがする。
いい匂いだから好きだと感じるのか、それとも彼の匂いだから好きと感じるのか。
―――好き。
早く、帰ってこないかな。
「・・・深行くん」
気持ちが溢れ出すみたいに呟いたとき、ガタタッと何かがぶつかる音がして、泉水子はソファに座ったまま飛び上がった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
しばらく見つめ合う。
先ほどの音は深行が肘をどこかにぶつけた音だったらしく、痛そうに肘をさすりながらも少し驚いた様子で泉水子を見つめている。
どうして彼がここにいるのだろうか。まだまだ帰宅する時間ではないはず。帰ってくるにしても、いつもは連絡をくれるのに、泉水子のケータイはずっと沈黙していた。
―――いや、それよりも!
(み、見られた・・・!?)
身体中が一気に熱くなった。
「あのう・・・ええと・・・」
いつの間に帰ってきたのか、いつから見ていたのか。
いずれにせよこの状況では、深行のパーカーを抱きしめて名前を呟いたところは確実に見られてしまったに違いない。
(絶対にひいてる・・・)
いつもの調子でからかってくれるのならば、まだ良かった。
気まずい空気に耐えかねて泉水子はうつむいた。
顔がひどく熱い。恥ずかしくて、情けなくて、涙がじわりと浮かんだ。
ひたすら自分の手元を見つめていると、深行が近づいてくるのが気配で分かった。
「ただいま」
穏やかな声と同時に、頭にふわっと優しく触れる大きな手の平の感触。
おずおずと頭を上げれば、なんとも言えない嬉しそうな微笑みとぶつかった。
固まったまま口をきけずにいると、深行は片手でネクタイを緩めながら泉水子の頭をぽんぽんと撫で、クローゼットの方へ歩いて行った。疲れを微塵にも感じさせない機嫌の良さである。
ひかれなくてよかったと思う。
けれども、あんなに嬉しそうにされると、それもまた反応に困る泉水子であった。
<新婚設定>
「ただい・・・なっ! なんでお前がいるんだよ!」
「ご挨拶だな。お前の父が新居に遊びに来たって、なにも不思議ではないだろう」
「今までさんざん放っていたくせに、どの口が。お前も俺がいない時に入れるなよ。なにか妙なことを言われなかったか?」
「ううん。深行くんの話をたくさん聞けて・・・嬉しかったよ」
「・・・俺の話? 例えば・・・?」
「あ・・・、言ってもいいのかな。お気に入りのタオルを握ってないと眠れなかったとか」
「いつの話をしてるんだよ!」
「ええと、中学生?」
「そんなわけねえだろ・・・!!」
<高1・3学期くらい。前林くん捏造&しょうもない小話です>
「相楽ー。ちとケータイ貸してくれ。調べたいことがあるんだけど、充電切れそうなんだ」
昼休みが終わる直前。次の授業の準備をしていると、隣席の前林が困ったようにケータイをちらつかせた。
深行は一瞬考えこんだ。
見られてまずいものはないはずだ(メールも画像もパスをかけている)。待受も(今は)問題ない。
ロック画面を解除し、ケータイを貸してやった。
「ほら。すぐに返せよ」
「サンキュー!」
しばらく大人しかった前林であったが、急に忍び笑いをもらした。
「・・・なんだよ」
「すまん、予測変換が揺るぎなくて・・・」
くくくと笑う前林に、深行の頭に疑問符を浮かぶ。
予測変換・・・。
ハッと気づいた深行は、前林から自分のケータイをひったくった。
慌てて画面を見てみれば、何を調べようとしたのか、『い』と入力してあり、予測変換のトップに『泉水子』の文字が。
メールで泉水子の名を直接呼ぶことはないけれど、ユーザー辞書に登録していたのだった。
どうしようもない羞恥と腹立たしさをない交ぜに感じながら、深行は努めてポーカーフェイスを装い、机の上に置かれた前林のケータイを素早く奪った。
「あっ、おい!」
スライド式のロックで、すぐに解除できた。仕返しのつもりで適当に文字をフリックする。
「『そ』・・・その発想はなかったわ・・・?」
深行は思わず眉をひそめた。
『ま』を入力すれば『マジ天使』と出てきたり、『つ』と入れれば『通報しますた』。
『なにそれこわい』『ぬこ可愛い』『歪みねえな』・・・etc。
・・・そうではないかと思っていたが、転入当初から何かと世話を焼いてくれた級友は、どうやら執行部の先輩コンビと同じ人種らしい。
脱力を感じながら、深行はそっと前林にケータイを返した。
説明 | ||
みゆみこ短編詰め合わせです。6巻後、時系列バラバラ。妄想捏造激しいのでご注意ください。 | ||
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