真・恋姫この双子に爆焔を!T 第二話
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冒険者ギルド

酒場兼食堂にて

 

 

カズマ「仕事紹介してください(土△下座)」

 

かずぴー「妹よ、三行で頼む」

 

めぐみん「冬に成り

     仕事に碌な物が無く

     私達が冬を越すお金が無い」

 

クリス「積んでるねぇ」

 

ダクネス「ああ、この時期の冷気もまた堪らん///」

 

かずぴー「・・・先んずは奢らせてくれカズマ」

 

カズマ「マジで助かる」

 

アクア「はいは〜い!シュワシュワとカエルのから揚げが良いで〜す♪」

 

 

 

妹が所属しているカズマパーティーと一緒に居た

 

あのベルディアがこの街に来た事で俺への指名依頼が前回の報告を持って完了と言う事になった。故にあれ以来廃城にはめぐみんの付添のカズマ以外見に行っていない、俺とクリスもだ

あれ以来俺への指名依頼は特に無く、髑髏が多い仕事もクリスと二人で徹底的に準備を整えてから赴き、年がら年中張りっぱなしだった依頼書を消化していった

クエスト報酬に討伐したモンスターの素材を丸々入手して懐はウッハウハ♪・・・・・の筈なのだが

 

 

 

フミ♪フミ♪

 

かずぴー「あぁ〜癒される、ありがとう」

 

ちょむすけ「なぁ〜♪」

 

カズマ「その猫偶にめぐみんと一緒に居るが二人が飼っているのか?」

 

かずぴー「ああ、我が店の招き猫様だ。だけどウチの店主が碌でもない商品を仕入れちゃって±ゼロ、むしろマイナス一直線だ。幾ら髑髏一杯のクエスト熟しても消えて行く、しかも悪意が一切ないからどうしようもない」

 

カズマ「奢ってもらっててなんだが。まぁ飲もう」

 

 

そうなのだ、ステータスに刻まれている幸運値±ゼロがリアルにここまで影響を受けるとは。しかも商売関係で商才が全くないウィズが関わった事でもうどうすればプラスに成るの?である

 

ある意味で身内で苦労を抱えている者同士と言うことで意外に仲良くしている。今日もそんな感じでギルドで仕事の話しをしつつ腹ごしらえをしているのだ

 

だがこの街の冒険者で冬の間仕事が出来るのはかずぴーと彼が作ったアイテムや武器防具・魔道具の支援を受けた腕のいい盗賊のクリスくらいだ

 

この異世界の冬は冗談抜きでヤヴァイのだ。それこそ冬の間は勇者候補の転生者たち以外の冒険者の殆んどが雪が降る前に金を溜め暖が取れる宿に引き籠る位には

 

例えは白狼、別名ホワイトウルフとも呼ばれる名前の通り白い狼は基本的に群れで行動しており個々でも高い戦闘能力が集団に置いて発揮される。ハッキリ言おう、準備も無しにアレの相手は魔力がいくらあっても足りない

 

後は雪精と呼ばれる某名作に登場する団子大家族が如く緩いほわわ〜んとした癒し系の姿をしている滅茶苦茶弱いと言うか脆い。コレを一匹倒すごとに冬が半日早く終わる?らしいのだが。先に言ったように冬に活動する冒険者は日本出身の転生特典のチート持ちだけだ。彼等が活動している中。精霊が彼等の思念?思考?から冬と言えば冬将軍っというふざけた理由で某炎髪で灼眼の打ち手の得物に宿る鎧武者(氷属性版?)が生まれてしまった

 

精霊は人のイメージに影響を受けてその姿形を取ることがある、冬場に動くのは日本人達ばかり、そして天気予報等で冬・雪と言えば冬将軍と想像してしまい、雪精を危機的状況、例えば討伐しすぎると守護者として現れる。しかもベルディアに次ぐ二億エリスと言う高額賞金首。もし問答無用に攻撃するタイプだったらベルディアよりも高い賞金が掛けられるほどに強い

 

ただ、将軍と言うイメージ故か寛大で。得物を持っていればそれを手放し、誠意を持って対処すれば見逃してもらえると言う・・・・・本当にコレの存在を知った時は安楽少女やオークと言う名の別の生命体を知った時並みの頭痛に悩まされたかずぴーであった

 

他にも色々あった気がするが代表例を挙げるのならこんな感じだろう

 

 

 

 

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かずぴー「だからまず間違っても雪精討伐は止めろ、白狼は当たり前だが。冬眠から目覚めてしまった一撃熊も止めろ、お前の所の壁役は堅いだけで役立たずだ、アレ相手だと肉壁にも成らん」

 

ダクネス「に・・・くぅ!?///」

 

カズマ「おい兄弟、あの変態に餌を与えるな」

 

かずぴー「すまん」

 

クリス「アハハハ♪カズマはダクネスの扱いをもう熟知したんだね」

 

カズマ「全然褒められてる筈なのに嬉しくない」

 

めぐみん「それはそうと兄さんの御蔭で私達は餓死だけは免れてますが凍死の危機は脱け出していませんよ」

 

かずぴー「妹よ、飯だけとは言え俺を当てにしないでくれないか?って言いたいところだがこの時期、二重の意味で飯のタネになるジャイアントトードは眠ってるしなぁ」

 

 

この冬に活動しているモンスター、活動できるヤツは例外無く強い

 

そんな連中バカリが跋扈するこの時期にカズマ達問題だらけなパーティーでも達成可能な仕事・・・あるにはあるがさっき忠告したばかりなんだよなぁ

 

 

かずぴー「一応かなり美味しいと言うかうまくすれば冬を越せるくらいの金は手に入る仕事がある」

 

カズマ「マジか!?」

 

かずぴー「だが数日ばかり準備する時間をくれ、それから後で言うが幾つかのルールは絶対遵守してくれ、特にダクネスが言う事聞かなそうだからカズマにはクリスを付けるから何とかしてくれ。当日はアクアには俺に補助・回復魔法を御願い、常に支援に徹して効果を絶やさずにしてほしい。上手く言ったら良いお酒買ってあげるから。めぐみんにも当日は爆裂してもらう、来るべき時に備えて爆裂一歩手前で留める練習をしてくれ」

 

ダクネス「ああ、めぐみんと瓜二つのショタっ子にぞんざいに扱われる・・・・いい///」

 

アクア「お酒?!やるやる、私頑張っちゃう♪」

 

めぐみん「ふっ、そのくらいの技術。習得するのは造作もありません!」

 

カズマ「解かった」

 

クリス「それでカズ、今回の相手は何かな?」

 

かずぴー「ああ、そいつは」

 

 

 

 

冬の大精霊だ

 

 

 

 

 

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とある雪山にて

 

癒し系の某団子大家族なゆるキャラ、丸くて小さなふわふわとした雪精が宙を漂う山の一角にて

 

 

カズマ「おっしゃぁああああ三匹目ぇ!三十万エリス!」

 

めぐみん「こっちは二匹です!っとマテェ〜!」

 

アクア「私は六匹捕まえたわ♪」

 

ダクネス「はぁぁぁ、寒い、それに剣が当たらない///」

 

クリス「この子達結構回避力あるからねぇっと十匹目」

 

かずぴー「なんか良心がメッチャ痛い」

 

 

無害で可愛い小精霊を狩る賊が、と言うか冒険者が居た

 

雪精討伐依頼を受けたかずぴー&カズマのパーティーは雪精が現れる人里から少しばかり離れた雪山に来ていた

 

今回此処に金策で来た理由は二つだ、まず一つ目は一匹討伐に辺り十万エリスの雪精を依頼達成分を討伐。雪精の危機に際して出て来るであろう大精霊、冬将軍の討伐である。雪精はめぐみんのような魔法職が杖を当てれば簡単に倒せて美味しく、かずぴーは特別指定されている冬将軍の賞金二億エリス、そして可能なら冬将軍の素材や身に付けている武具等を入手したいと言う事である

 

何故こんな危険を冒さねばならないか?答えは至極単純で俗物的。両パーティー共に金欠なのだ。特にカズマ達がヤヴァイ、今朝方馬小屋で目覚めた時まつ毛が凍っていたそうだ

 

かずぴーとクリスは店に宿があるから、かずぴーの金欠以外なんら問題無いが。カズマ達はガチ凍死しそうでヤヴァイのだ冗談抜きで、故にまずは先立つ物即ちちょっとした冒険を冒しての金策に乗りだしかずぴーの案に乗ったのだ

 

 

かずぴー「もうそろそろヤツが来てもおかしくない、めぐみんはクリスと一緒に潜伏スキルで絶好の爆裂の時まで隠れてて」

 

カズマ「マジか、索敵スキルには何の反応も無いが。うっし、アクア!ダクネス!俺達はもうチョイ雪精狩るぞ!それとアクア!冬将軍来たら誠意を持って土下座かませばマークが外れるんだな?」

 

アクア「そ〜よ、でもキチンと武器を手放してね?手放す時持ち上げちゃうと敵対行動って解釈されて首チョンパよ」

 

ダクネス「フフフ・・・!私とヤツ。どちらが強いか確かめようではないか」

 

カズマ「剣が当たらないんじゃぁ勝負もクソも無いだろ、ヘッポコクルセイダー」

 

ダクネス「んん・・・?!///」

 

クリス「それじゃぁ隠れるよめぐみん」

 

めぐみん「了解です、兄さんも気を付けてくださいね、相手は物理体勢は勿論魔法耐性も恐ろしく高いです、我が爆裂魔法でも一撃では」

 

かずぴー「だから俺が前衛でヤツを相手取るしかない、カズマや盗賊のクリスに前衛を任せる訳にはいかないしアクアは近接戦闘経験、それも得物持ち相手の戦いには成れていない。ダクネスはダメネスだからな」

 

ダクネス「かはっ?!///かっ、カズマといいめぐみんの兄と言い・・・・・私の目に狂いは無かった!」

 

 

と言う事だ、冬将軍が来る前に爆裂魔法が使えるめぐみんはクリスと一緒に隠れてもらい

 

カズマ・アクア・ダクネスは雪精討伐を続行、冬将軍が来たら即座に武装解除&ダクネスを無力化

 

かずぴーが冬将軍とガチンコバトル、回避不能な状況を創り出しかずぴーのオリジナル魔法とめぐみんの爆裂魔法で大ダメージ又は討伐を目指す

 

以上の段取りである

 

直、雪精討伐報酬はカズマパーティーに、冬将軍討伐報酬はかずぴーパーティーに事前に話し合って決めた

 

めぐみんがクリスの潜伏スキルで隠れ、かずぴーが大気の魔弾で十数体の雪精を纏めて討伐してすぐ。吹雪と共に現れた

 

 

 

 

 

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かずぴー「来たか」

 

 

雪よりも白く穢れない陣羽織を羽織り腰に刀を佩く極東風の鎧武者。天もk・・・もとい冬将軍

 

基準は良く分からんがどうやら俺はかなりのヘイトを稼いでいる様で冬将軍は自分の間合いに俺が完全に入ってしまう場所に突如出現、腰を落とし居合の構えを取っている

 

鞘を持つ手の親指が鯉口を切ると共に瞬時に刀の間合いからその内側へと身を滑り込ませ柄頭と柄を握る手を抑える

 

 

かずぴー「人型で、それも刀を使うのなら対処出来る」

 

 

居合、抜刀術の対処法の一つ。抜かせない、又は速度が出る前に勢いを止める・・・・と言っても対策しなければ幾ら防寒具を身に纏っていると言っても凍傷は避けられない冷気の塊が相手では長期戦は不利だった

 

女神が凄い綺麗な土下座してたり駄目なクルセイダーをカズマが雪に押し付けたり武器その辺に捨てたりと後ろが騒がしいが、コレで現状コイツは俺以外眼中に無い筈だ

 

時間を掛けたら逃げられるかもしれないし何よりこっちが持たない、故に

 

 

かずぴー「その首級、貰い受ける」

 

冬将軍「・・・!」

 

 

短期決戦

 

出来ればめぐみんの出番が来ない様に立ち回ろう。目と鼻の先に居る冬将軍と至近距離で睨み合う。賞金こそ手を出さなければ無害故にベルディアよりも一億エリス程少ないが。冬将軍の方が・・・・・強い

 

其処からは息が出来ない程の瞬き分の時間の休みすらない、駆け引きが始まった

 

俺は冬将軍の最高にして最強の戦力たる刀を抜かせない様に。とにかく居合を潰し徒手格闘に持ち込んだ

冬将軍は武士や侍のイメージが濃いからか、空手や柔術、合気道と言った日本独自の武道武術を駆使し。隙あらば抜刀しようとする

ハッキリ言う、慢心も油断も無かったが・・・・・見誤っていた。速く鋭くそれでいて力強い、刀を抜かなくても十二分に

 

 

かずぴー「故に昂る!」

 

 

相手は恐らく他にも居る精霊種の中でも最強、魔王軍幹部をも凌駕する武を持つ武士(もののふ)

武者震いなんてこの世界に生を受けて初めて感じた!

 

 

かずぴー「魔装・焔、展開」ゴアッ!

 

冬将軍「・・・!?」

 

 

魔装、マギ・ア・マギクス、上級派生形魔法でしか使えない自己強化魔法

魔法をその身に宿し纏う事により、拳や蹴りに魔法が付与され。属性によりその威力・効果が変わる

今俺が纏ったのは焔。火の属性、即ち今の俺の体は上級火属性魔法その物

 

ジュワァァァと冬将軍は打ち合う拳や蹴り、弾き逸らす際接触したヶ所にダメージを受けている、鎧武者が付けている仮面がある故に表情は見えないが、蒼白い瞳と呼気から動揺が窺える

 

魔力を注ぎ更に文字通り火力を上げ。畳み掛けた、冬将軍も俺相手に刀を抜く隙は無いと思ったのか鞘から完全に手を離し徒手格闘で応戦して来た

顔をすぐ横を正拳突きが通り過ぎ髪を数本巻き込み散り。鎧通しを撃ち込めばダメージを与えるも怯まず反撃され、手刀足刀が繰り出され戦闘制服がまるで鋭い刃物で切られたかのように裂かれ。雪が積もる足場を陥没させるほどに踏み込み上段蹴りを叩き込み仮面に罅割れるも足を掴まれ放り投げられた

 

空中で態勢を整えて飛ばされる方向にあった木に着地して呼吸を整える

 

かずぴー「ふぅ〜・・・無限魔鎖!業火」ボフンッ

 

 

地面に手を叩きつけ練りに練り上げ仕込んだ魔法を発動させる

上位派生形魔法、無限魔鎖、上位魔法ライト・オブ・セイバーを参考にして編み出した魔力を魔法を込めれば込めるだけ強度を増し決して絶たれる事の無い、たとえ断ち切られても魔力が。魔法さえあれば無限に産まれる魔鎖

今まで立ち回った場所、俺が踏み込んだヵ所から鋼鉄を溶かす灼熱の魔鎖が冬将軍を捕えんと踊り出る

 

 

冬将軍「!・・・・・!?」ジャラララララララララ・・・・・ガキィ!?

 

かずぴー「幾ら無限の鎖でとらえようとした所でその刀が抜かれれば切り落とされるだろうことを、俺が考えなかったとでも?」

 

 

先ほどまでの近接戦から何故隙が大きい足技を見舞い、素直に投げられたと思う?

既に仕込みは済ませてあるからだ

 

 

かずぴー「文字通り切羽を詰めさせてもらった」

冬将軍「・・・!」

 

 

冬将軍は四肢を体を束縛する鎖に焼かれながらも刀を見て、理解した

無詠唱で放たれていたフリーズ、即ち凍結魔法で切羽どころか鞘と鍔、濃口が氷に覆われていたのだ

だがこの程度で倒せると思っているのか?と、戦意を失っていない青い瞳を鎖の維持に専念している俺を見る、それに答える様に凄みのある笑顔を浮かべる

 

 

かずぴー「この程度で大精霊を倒せるなんて思っちゃいないさ。今だ!ブチかませぇ!!」

 

めぐみん「薙ぎ払えっ!エクスプロージョンッ!」

 

 

クリスの潜伏スキルで今の今まで隠れて爆裂魔法を何時でも放てるように待機していためぐみんの一撃が。雪深い山の一角を薙ぎ払った

 

 

 

 

 

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冬将軍に爆裂魔法が撃ち込まれた後、俺は、いや。俺達兄妹は

 

 

かずぴー「俺達の所為で済まなかった」土下座

めぐみん「すみませんでした」土下座

 

カズマ「いやいやもう大丈夫だって一瞬だったから痛みとか無かったし。それにエリス様に逢えてむしろラッキーだったし」

 

アクア「もう一度エリスの所に送ってあげましょうか?このヒキニート!」

 

ダクネス「まぁまぁ、それでは蘇生した意味が無いじゃないか・・・・オヤ?クリスは何処に?」

 

 

カズマに土下座を決行している、爆裂魔法を撃ち込んだ時の余波で発生した爆風で起こった吹雪に飛ばされ。落下したところがかずぴーと冬将軍との戦いで硬く冷たい地面に落下し首がゴキッと鳴ってはいけない音と共に剥いては行けない方向を剥いてしまい二度目の死を痛みを感じる隙も無く迎えた

この世界での死者蘇生は、寿命や病気以外にもう一つ効果が無い物がある。それは一度死んだ者だ

それをアクアが今此処に居ない彼女の秘密を暴露するぞ?と脅して二度目の蘇生が叶った。生き返ったカズマが最初に見たのは彼を間接的にとは言え死なせてしまった当事者二人が先ほど冬将軍に土下座していたアクア以上に綺麗な土下座をしていた

 

カズマは二人に許すと言うが二人は謝罪だけは心苦しいので、めぐみんは今回の自分の取り分の七割を。かずぴーは現金の持ち合わせが無いので。カズマの頼みを優先で聞く、武器防具・魔道具やアイテムを格安で提供すると言う条件をかずぴーから呈示してカズマは之にクエストの同行やマジで困ったことがあったら助けて欲しいと言う条件も含めて両者は合意し

 

負傷したカズマを護送しつつアクセルの街へと戻るカズマ&かずぴー達。行きと違う事と言えば各自のレベルが少し上がったくらいだろうか?それと。かずぴーの腰に白雪の様に美しい刀を佩いていた事。そしてカズマが死に、アクアの無茶な頼みを聞く羽目に成り、本職に戻ったクリスが居ない事だろう

 

 

 

 

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カズマが不慮の事故を負って数日、血は流れてないがそこそこ全身にダメージが入っていると言うアクアの診断で身体が治っても激しい運動は控えるように言われ、カズマ曰く、大分回復したらギルドで他の冒険者に付いて行って荷物持ちの仕事を一緒にやらないかと誘われたかずぴーは、頼まれていた防具やアイテムを手にカズマが待つギルドへ向かった

 

 

冒険者ギルド

 

 

カズマ『大喜びで代わってやるよぉおおおおおおおおお!!!』

 

かずぴー「・・・はぁ、また面倒事か」

 

 

ギルドの入り口にたどり着いた途端に中から聞こえて来たのは最近パーティーを組む事が多いカズマの怒声だった。中に入って見るとカズマが一人の冒険者に突っかかっている、以前かずぴーが出したカエル殺し改の依頼を受けたダストとそのパーティーメンバーが居た

襟を掴まれただいま絶賛カズマから質問&説教を受けているダストとメンバーが座っている机を見てみるとジョッキがちらほらと。それを見てかずぴーはカズマの現状と行動を、カズマとパーティーメンバーの内情を知らない者から見た視線で考えて、ついでにカズマの文句と言うか愚痴と言うか嘆きを聞いて大体の事情を察した

とりあえずある程度ほとぼりがさめるか、話が終わるまでクエスト一覧を確認するもクリスと一緒に厄介なのは既に片付け。カズマの一軒で事後処理に追われている中単独でも達成可能なクエストは消化したので出来る物、または特定の職業限定だったり依頼内容と報酬が割に合わない物しか残っていない

 

 

かずぴー「はぁ、何でウチの店って貧乏なんだろう」

 

カズマ「お〜いかずぴー!」

 

かずぴー「ん?ああカズマ、話しは終わったのか?」

 

ダスト「誰だって若旦那じゃねぇか」

 

リーン「あっ、かずぴーじゃんやっほ〜」

 

テイラー「此処で合うのは初めてか?」

 

キース「よっす」

 

かずぴー「ダスト達も久しぶりだな、っでカズマ。俺は何をすればいい?」

 

カズマ「今日一日俺と金髪がパーティー入れ替えて活動しようって事に成った、かずぴーには俺と一緒にこの人達とクエストに同行して欲しい皆にはもう一人居れてもいいか了承してもらった」

 

かずぴー「そうか、反対されないのなら同行しよう」

 

リーン「うんうん、かずぴーなら大歓迎だよっ♪私の上位職だし勉強になるよ」

 

テイラー「ああ、簡単な仕事だが居て損は無いだろう」

 

キース「異議な〜し」

 

 

満場一致で迎えられた、その後すぐに準備を整えギルドを出て街道近くに住み着いたゴブリン討伐に出発した

 

 

 

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とある街道が通る山道にて。岩肌が目立つ街道の比較的入り口付近から頂上付近までは辛うじて大人数人でも隠れられる茂みが生い茂っている中を、前からテイラー・キース・カズマ・リーン・かずぴーの順で真っ直ぐ進んでいる

 

 

かずぴー「なぁテイラー、本当にこの山道の外れにゴブリンが居付いたのか?」

 

テイラー「そうだが、若旦那は何か気に成る事でもあるのか?」

 

かずぴー「その若旦那って皆言うのな。いや、この時期にしかもこんな住み心地最悪な所にゴブリンが引っ越してくるか?」

 

カズマ「なぁかずぴー、ゴブリンってどんな奴なんだ?」

 

かずぴー「基本的に複数体で行動する子供位の身長の小鬼だな、ただコイツ等は人型で知恵も多少だがある、武器や防具を身に付けて常に集団で戦う、それで家畜や人を襲うからジャイアントトードよりも危険視されている為に十倍の討伐報酬が出る。だがある程度装備やレベル、スキルを身に付けた駆け出しのパーティーでも危なげなく倒せるからトードみたいに駆け出し冒険者にとっては美味い相t・・・・駆け出し冒険者?」

 

カズマ「どうした?・・・皆、後ろから何かが近付いて来る。敵感知に反応がある、数は一体だけだな。ゴブリンって数体で行動するって言ったよな?じゃぁこの反応は」

 

かずぴー「今すぐ茂みに隠れろ!全員カズマに掴まれ。カズマは全員に掴まれたら潜伏スキル発動!」

 

 

かずぴーの指示に驚き困惑するもカズマは一番素早く動き茂みに隠れ、後を追うように三人も隠れそれぞれカズマの体の一部に手を置く。来た道を睨んでいたかずぴーも全員が隠れてから遅れてカズマに触れた所でカズマの潜伏スキルを使った

隠れ始めて一分も経たないうちに、その選択が正しかったと確信した

ネコ科特有の巨大な体躯に黒い毛並、そして口から飛び出している大振りなナイフのような二本の牙。真っ黒くて馬鹿でかいサーベルタイガーの様なモンスターが先ほどまで彼等が居た場所の地面の匂いを嗅いでいる、しばらくして嗅ぎ終わると元来た道を戻って行った

 

カズマが敵感知の範囲外に消えたと言うと共に、姿が見えなくなっても体を堅く息を殺していた面々がプハァと呼吸をする

 

 

リーン「しょっ初心者殺し!初心者殺しだよ!?」

 

キース「まさかゴブリンがこの時期にこんな所に来たのって」

 

テイラー「だろうな、それなら納得が行く」

 

カズマ「なぁ、アイツって見た目以上にヤヴァイのか?」

 

かずぴー「アレを倒せれば中堅の冒険者と大手を振って名乗れる位にはな」

 

キース「そんな軽い話じゃないでしょ若旦那!」

 

リーン「そーだよ!って言うか駆け出し君何で初心者殺し知らないの?!」

 

カズマ「えっと、初心者殺しってそんなにヤヴァイ?」

 

テイラー「奴は今回討伐に来ているゴブリンやコボルドを追い立てて。追い立てられたソイツ等を討伐括る、つまり俺達みたいな冒険者を狩る頭がいい上に強い、駆け出し冒険者が好んで狩る美味い雑魚モンスターを餌に駆け出し冒険者を狙って狩る事から初心者殺しの異名が着いている。この辺には出ない筈なんだが」

 

カズマ「何ソレ恐い」

 

キース「テイラー、どうする?」

 

テイラー「・・・ゴブリンを倒そう、ヤツは餌であるゴブリンやコボルドを他のモンスターから守っている、血の匂いに気が付いて餌を確認しに戻って来た時にカズマの敵感知と潜伏スキルでやり過ごそう」

 

リーン「逃げる時身軽の方がいいよね?、カズマ、自分の分の荷物は持つよ」

 

キース・テイラー「「べっ別にカズマのスキルを当てにしている訳じゃないからな?」」

 

かずぴー・カズマ「「おっとぉ、ツンデレはいりました〜」」

 

 

 

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カズマに預けていた荷物を背負い直した三人と共に山道を登る事十数分、ゴブリンが目撃された場所に到着した五人はゴブリンが住み着いていると思われる脇の坂道に降り始めた、片側は崖、もう片側は壁と言うお互いに逃げられない場所だ。脇道の先に洞窟でもあるのか警戒しつつ進んでいると曲がり角が見えて来た所でカズマが反応しった

 

 

カズマ「敵感知に反応があるかなりの数だ」

 

テイラー「当たりだな、ゴブリンは必ず集団で暮らし行動する」

 

キース「ちゃっちゃと行って討伐終わらせようぜ」

 

かずぴー「ふむ、カズマ、どれくらい感知した?」

 

カズマ「ちょっと数えきれない」

 

リーン「ねぇ二人とも、突撃する前にチラって角から様子見ない?幾らゴブリンでも数が多いとかなり危ないよ?それになんかイヤな予感が・・・」

 

キース「大丈夫だって、お先〜」

 

テイラー「待てキース!お前後衛だろう!」

 

 

先行してしまったキースを追ってテイラーも曲がり角に飛び出し、ゴブリンを視認した様で

 

 

テイラー・キース「「多っ!?」」

 

 

その言葉にカズマが完治した敵の数が予想以上だったのだのだろう。遅れてリーンとカズマ、最後にかずぴーが念のため後方を注意しつつ曲がり角を出て見れば

 

 

リーン・カズマ「「本当多っ!?」」

 

かずぴー「・・・キモイな、それに数が多過ぎる」

 

 

其処には地面が見えないほどゴブリンだらけだった。恐らく下手すれば三桁にも上る小鬼の大群にギロッと睨まれれば子供なら失禁は免れないような光景が広がっており、テイラーたちを認識すると共に奇声を上げて襲って来た

 

粗末な棍棒や片手剣・槍を手にしたゴブリンが前に出て。後ろには弓矢や石を手にしているゴブリン達が狙いを定めている

 

 

リーン「だから言ったじゃん!だから言ったじゃん!?ヤバいかもしれないから様子見ようって言ったじゃん!!イヤな予感当たっちゃったよぉ!!」

 

カズマ「あ〜もうどうして何時も何時も、テイラーは防御重視で俺と一緒に先頭のゴブをしばくぞ!キースは遠距離ゴブで装備がいいヤツを優先的に、リーンは支援魔法を!かずぴーは遊撃、好きに動いてくれ」

 

かずぴー「了解したっと敵ゴブリンが矢を射出!」

 

キース「ゴブの野郎共石も投げてきやがったぞ!リーン!風の防壁を!」

 

リーン「間に合わないよ!?」

 

テイラー「避けろぉ!」

 

 

先頭集団を相手取る為に最前列で腰を落とし構えるテイラー、喋りながらも既に何本も矢を射っているキース、支援魔法を使おうとするも発動よりゴブリンの攻撃が先に来ると言うリーン、ダメージ覚悟で射線に割り込み仲間に避けるよう指示した所で、一瞬アイコンタクトを取った二人が動いた

 

 

カズマ「『ウィンド・ブレス!』」

 

かずぴー「『クリエイト・ウォーター!』」

 

 

カズマは風を起こす魔法で跳んでくる矢の軌道を乱し、石の飛距離を縮め。かずぴーは迫ってくる先頭集団に向けてこんな寒い時期に浴びれば風邪を引くのは確実だろう水を掛け、勢いを奪い

 

 

カズマ・かずぴー「「『フリーズ!!』」」

 

リーン「『ウィンド・カーテン!』」

 

 

水を浴びたゴブリンと、ビショビショになるほどの水量で濡れた坂道を凍結魔法で凍らせ、リーンの魔法が発動し、遠距離攻撃のほぼ全てを無力化した

更に大量の水を撒き凍らせた事で坂はとても滑りやすくなりゴブリン達が昇ろうとしては滑り転んでいる、時前に居たゴブを巻き込み、時に先に行っていたゴブが転び登って来た後衛を巻き込みスタートラインに戻したりと、即座のトラップと戦場構築が上手く出来たようだ

 

 

カズマ「お〜お〜、いい感じに凍っているな。先頭に居たゴブリンが少し邪魔だが」

 

かずぴー「一気に氷漬けにしたからな、まぁアレくらいなら俺達でも問題無く対処できるだろう」

 

カズマ「それもそうか、おいテイラー!この酷い足場で登って来たゴブ一緒にしばこうぜ!キースはそのまま遠距離武器もったゴブを優先に射抜け!リーンはゴブが固まっている場所にデカイのを一撃喰らわせてやれ!」

 

かずぴー「敵集団に上位個体は確認されず、武器も防具も粗末その物。脅威はその数だがコレだけ距離があり有利な戦局、負ける方が可笑しいな、撃ち漏らしは俺が処理する・・・やっちまえ」

 

テイラー「助かった、凄いなカズマに若旦那!よっしゃ二人とも、此処まで御膳立てしてもらったんだ。コレで負けるなんて思っちゃいないよなぁ!?」

 

キース「ぶひゃひゃひゃ♪何だコレ、蜂の巣にしてやんよぉ!」

 

リーン「逝っくよー!とびっきりの撃ち込むよー!」

 

 

その後の戦闘は戦いは数と言う格言?を完全否定出来うる結果を残した

ただでさえ数が多いのに狭い場所に押し込められたゴブリン達のリーンの習得している魔法で比較的火力が高い中級魔法で半数近くを討伐し、キースは矢が無くなるまで射続け、テイラーとカズマが何とか登って来た足場が不安定でプルプルしているゴブリンを地面にしっかり立っている二人が危なげなく斬り倒し

最後までこちらから撃って出ず有利な立ち位置で戦い続けた。この時レベルが上がったカズマはキースから弓・狙撃・千里眼のアーチャーのスキルを教えてもらい。かずぴーから貰った折り畳み式の弓でキースと一緒にゴブリンを射抜きまくり更に討伐数と経験、レベルを更新した

 

ちなみにカズマが使った刀はかずぴーが頼まれて整備し直した物で、少量の魔力を注ぐ事で強度と切れ味を上昇させ。小さな傷や汚れを修復する機能を持ち、習得している初級魔法分の属性だけだが刀身にコーティングできると言うプチ魔法刀に仕上げたお詫びの品だ。普通に百万エリスは下らない名品である

弓は簡単に組み立てられる和弓とアーチェリーを組み合わせたシンプルな作りで、之も市販で売りに出されていれば弓に携わる物ならば必ず手にしたいと思う逸品である

 

テイラーがカズマに語った、簡単な仕事は髪の毛一本。防具にすら掠り傷一つ付けずに無傷で圧勝した

 

 

 

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ゴブリンの大群討伐を終え、帰りの平原でまさかの初心者殺し複数に追い立てられると言う。運があるのかないのか判断に困る状況に陥るも殆どの初心者殺しをかずぴーが相手をし討伐、だが数が多かったためどうしても一頭後ろに通してしまい逃げていた四人の内テイラーたちがカズマだけは逃がそうと殿を務め。逃がそうと手を掴むリーンを振り払いカズマがテイラーの陰に隠れて初級魔法のクリエイト・アースを手中に生成した砂、初心者殺しが至近距離に入った瞬間、潜伏スキルで隠れていたカズマのウィンド・ブレスで飛ばされた砂で目つぶしを喰らわせ。更に脚にクリエイト・ウォーターで水を掛け先のゴブリン戦の時の様にフリーズで凍らせ動きを大きく制限し、カズマの行動の意味に気が付いたリーンも参戦しとにかく視覚を奪われた初心者殺しの機動力を奪う為に水を掛け凍らせる作業を繰り返す、途中で目が開いたがキースが狙撃で横から両目が貫通するように射抜き。あっけなく目を射抜き完全に視力を奪った完全に身動きが取れなくなった所でテイラーとカズマが一方的に凍りついていない首や胴体に剣を振り降ろし。見事無傷で初心者殺しを討伐した

 

複数体の初心者殺しの討伐を終えて合流したかずぴーが見たのは、泣きながら笑顔と言う器用な表情を浮かべているリーンに腹を抱えて笑い転げるキース、そしてお互いにド突き合いながら豪快に笑い、何しやがった!?初級魔法だよ!!と聞いて答えるテイラーとカズマの姿を見て、何か羨ましいなと思いながら片手を上げ彼等の元へ向かった。十頭近くの氷漬けにした初心者殺しをロープに括り付けて引きずりながら

 

 

冒険者ギルド

 

食堂兼酒場にて

 

 

 

テイラー「それじゃ、全くの想定外な事や危険が多々あったが。ゴブリン討伐クエスト達成に初心者殺し初討伐を祝して」

 

テイラー・キース・リーン・カズマ・かずぴー『『『『『かんぱ〜い!』』』』』カシャンッ♪

 

 

テーブルに並ぶご馳走の数々、そして普段は手を出せないいいお値段の酒が入ったジョッキを手に乾杯し、他の人が持つジョッキとぶつけいい音を鳴らしてから一杯煽った

 

 

キース「くあぁ〜っ!効くねぇ」

 

テイラー「冒険の後の一杯は格別だな」

 

リーン「それにしても今回二人が居なかったらヤバかったよねぇ、ゴブリン達に殺られる前に後ろから初心者殺しにガブッ!ってされても不思議じゃなかったし。若旦那は解かるけどカズマって本当に冒険者?若旦那以上に初級魔法を使いこなしていたし。知力とかどうなってるの?」

 

かずぴー「そう言えばカズマは知力が平均より高かったな、後は幸運が途轍もなく高いがそれ以外は魔力量も含めて平均値だったよな。最近のステータスはどうだ?」

 

カズマ「今回のクエストでゴブリン大量に狩ったり、初心者殺しにも結構ダメージ与えてたみたいだ。全体的にステータスが上昇してるな」

 

リーン「どれどれ・・・・うわっ!本当だ!冒険者にしては平均的にステータスが高い!それに幸運が信じられないくらい高っ!?」

 

テイラー「そんなにか?」

 

キース「へぇ〜どれどれ?」

 

 

・・・チ〜ン♪

 

 

テイラー・キース「「高ぁっ?!」」

 

かずぴー「その幸運、俺にも少しでイイから分けて欲しいよ」

 

カズマ「かずぴーは幸運±ゼロだからなぁ」

 

リーン「えっ?マジですか?」

 

かずぴー「マジなんです、ほら」

 

リーン「あっ、綺麗なカバー・・・・・って無!低いとか高いとか言うレベルじゃなくて無!無い!?」

 

テイラー・キース「「マジで無ぇ?!」」

 

かずぴー「アハハハ・・・・はぁ」

 

キース「今回大量のゴブリンや複数の初心者殺しとエンカウントして生き残れたどころか倒せたのって二人の幸運値と実力の御蔭じゃね?」

 

テイラー「おい二人ともカズマに拝んどけ!御利益があるかも知れないぞ!若旦那には接待だ!最後の最期で初心者殺しを何体も引き受けてもらったんだからな」

 

リーン「そう言う事で、ささ。若旦那これ美味しいよ」

 

かずぴー「ありがとうリーン」

 

テイラー・キース「「ははぁ・・・!」」

 

カズマ「頼むから頭を上げてくださいお願いします!?ホラホラ!今日はゴブリンの御掛けで懐があったまったしじゃんじゃん飲もうぜ♪」

 

 

騒がしくも賑やかに楽しく宴が始まり、周りに居た冒険者も巻き込んだ大宴会と冒険譚が披露される中。かずぴーは受付から抜けて来たルナと軽く一杯やった後。普段から世話に成っているからと宝石としての価値は無いが磨けば装飾品に使うのに何ら問題が無い鉱石の原石を欲しがったので差し上げギルドを後にしウィズが待つ魔道具店へと報酬が入った袋を手に帰路に付いた

 

なお、余談ではあるがこの後。ダスト率いるカズマパーティーの女性陣が帰還し、ダストはカズマにガチの土下座と謝罪をし。何とか元のパーティーに戻ったのであった

 

 

 

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ウィズ魔道具店。かずぴーの部屋にて

 

 

かずぴー「久々に戻って来たと思ったらだらけ過ぎじゃねぇか?」

 

クリス「しょうがないじゃないの〜、アクアさんの所為で此処に来るまで一睡も一分も休めなかったんだから〜」

 

かずぴー「・・・・・ちょむさん、彼女にふみふみを」

 

ちょむすけ「にゃっ!」

 

 

産業もとい三行で説明すると

 

クリスが帰って来た

エリスとして全く休まず仕事漬け

反動でめっちゃヘタレってる

 

現状は簡単に略すとこんな状態だった、無理もない。天界規定と言う神々の法では一度死んだ人間をもう一度蘇生する事は出来ないのだから。それを脅迫(パット)して強行させてしまったのだから、事後処理が大変なのは想像に難くない

ただ、今度から彼女用のソファーを用意しようと思う。異性が普段寝起きしているベットでうつ伏せに成り御猫様にふみふみしてもらっているのは大変眼福でよろしいのだが・・・妹と違って残り香とかね?そこっ!変態言うな!こちとら精神は兎も角肉体は思春期の最盛期まっただ中なんだよ!えっ?ウィズ?ポンコツ店主ですね

 

さて、まずは茶と茶菓子を用意しないとな。大き目のポットの底に剥いたリンゴの皮を入れて、茶葉を適量入れお湯を注ぎしばし待つ間に剥いたリンゴをカットして更に盛り、爪楊枝を二本プスッと刺したところでティーカップを用意し紅茶を注ぎリンゴと一緒に御盆に載せベットに持って行く

 

 

かずぴー「とりあえず飲んで食べな、美容と健康に悪すぎる」

 

クリス「ありがと〜♪」

 

 

コクコクシャクシャクと某猫紳士さん式の御紅茶とお茶請けを貰ったクリスは、相当疲労が溜まっていた様でどちらも一口一口じっくり味わって破顔してしまっている。俺も隣りに座り紅茶を一口。うん、美味く淹れられている、その後ちょむすけと二人でにゃぁにゃぁ戯れリフレッシュしたところで

 

 

クリス「さてと、もうちょっとこの時間を楽しみたいけど、残念ながらお仕事の時間だよ」

 

かずぴー「天界には労働基準法は無いんだな。それで?神器の回収か?それともついに銀髪で動くのか?」

 

クリス「ふっふっふ〜♪なんと今回のお仕事は。ベルディアが居る廃城への潜入及び破壊工作で〜っす」

 

かずぴー「・・・・すまん、良く聞こえなかった。もう一度言ってくれ」

 

クリス「じゃぁ端的に言うよ?デュラハンの野郎の家に不法侵入して色々ちょろまかしたりぶっ壊す」

 

かずぴー「バカじゃねぇの!?」

 

クリス「アタシだってやりたくないわよ!でも此処に来る前にギルドに寄ったら」

 

かずぴー「つまり結構上の方からかよ。依頼書見せてくれ」

 

クリス「ほい」

 

かずぴー「え〜何々?・・・・・懇切丁寧にかなり遠回しに確かに書かれているな。魔王軍幹部とその私兵の集団にコッソリ忍び込んで月まで吹っ飛ばせとか頭おかしいんじゃねぇのか王都支部!」

 

クリス「多分だけどコレ王家が発注したのかも」

 

かずぴー「ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード、長いからベルゼルグでいいや、あの王家がこんな駆け出しの街の駆け出し冒険者にこんなバカみたいな指名依頼発注するなよ、むしろなんで俺達なんだよ?」

 

クリス「今までこなしてきたクエスト」

 

かずぴー「身から出た錆だった!?」

 

クリス「それで、どうするの?依頼主たちは良くて廃城を滅茶苦茶に、ついでに私兵のアンデットナイトの戦力を殺ぐ、あわよくばデュラハンの討滅がお望みっぽいわよ」

 

かずぴー「冗談は名前だけにしてくれスタイリッシュでソードな王家・・・!」

 

クリス「ついでに言うとその分報酬も破格だよ?エリス魔銀貨で直払い、失敗しても半額は支払われる上に失敗のペナルティは無しだって、どうする?多分断ると貴族達が煩いかもよ?」

 

かずぴー「俺が真面な紅魔族だからと思って好き勝手やってくれる」

 

 

アッハッハッハ♪久々に感情に身を任せようか。最近はウォルバクさんが離れないでずっとそばにいるおかげで俺が居なくても凶行(仕入)は阻止できている・・・・・うん、今の所断る理由も問題も無いな

 

 

かずぴー「現状断る理由は無いもんな。受けるか」

 

クリス「了解、それでどうするのリーダー?」

 

かずぴー「リーダーってたった二人のパーティーに必要か?」

 

クリス「それじゃぁ筆頭?御頭?」

 

かずぴー「却下だ、潜入任務に必要な道具を用意しないとな。準備に三日くらい時間をくれ」

 

クリス「アイサー!アタシはその間何をすればいいかな?」

 

かずぴー「とりあえずは、店番かな」

 

 

 

この日からかずぴーはメチャクチャ開発し。クリスはめちゃくちゃウィズと格闘(仕入阻止)し、ちょむすけは可愛かった、異議は認めない

 

 

 

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準備が整った、クリスが帰って来てから四日目

 

晴れながらも雪が降る中、以前の指名依頼で使っていた観測所及び本拠点に二人はやって来ていた。一度本拠点で作戦を再確認し、観測所から廃城の様子を見てから作戦決行・・・・・・の、筈だった

 

 

かずぴー「・・・クリス、現状を端的に言って。どう思う?」

 

クリス「あはは・・・ハッキリ言って最悪だね」

 

 

今二人が居るのは廃城の最奥、ベルディアがふんぞり返っていたであろう廃城の主の間。そして隅から隅々まで暴力的な浄化を受け聖に反する魔の気配が消え去った廃城。最後にかずぴーが持つ書類を見て冷汗をかいて頭痛と胃痛に耐えている引きつった表情をした二人

 

 

かずぴー「魔王軍幹部の占い師が視た大きな力、それを見た時期から考えてアクアとカズマがこっちに来た事が原因だとは思っていたが、まぁアクアの事が魔王軍側にバレてないだけマシか」

 

クリス「それよりどうするの、コレ。絶対妹さんの仕業だよね」

 

かずぴー「ああ、ついでに言うとウィズが居る事も知っているのに逝ったって事は、ブチギレてるって事だよな?」

 

 

二人が見上げる頭上には、空が見えた。天井では無い、空である

天井は元より屋根がない。と言うよりコレは、この部屋全体の状況から考えるに

 

 

かずぴー「ついにこんな奥深くを撃ち抜いたとか、我が妹ながら事爆裂魔法に関しては恐ろしいなオイ」

 

 

そう、未来・・・イヤ既に頭のおかしな爆裂娘の称号をほしいままにしている某紅魔族の少女が。この廃城奥深くの嬢主の間に爆裂魔法を叩き込み、何重にも補強し対爆裂強化された城をブチ抜き、青空教室成らぬ青空城主の間を作り上げ。トドメに色んな物を吹き飛ばした跡が見受けられる

 

問、毎日毎日爆裂魔法をブチ込まれたデュラハンさんはどう思う?

 

答、超・・・キレます

 

 

クリス「それより早くアクセルの街に戻った方がいいよねコレ」

 

かずぴー「まぁ今街にはカズマ達が居るから大丈夫だろ、この城またアンデットとかに再利用されないように聖属性の結界を張ってから向かう」

 

クリス「四十秒で支度出来る?」

 

かずぴー「三十秒で済ます」

 

 

 

 

 

 

 

 

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急いでアクセルに戻った二人が最初に見たモノは

 

 

かずぴー「コレって・・・・・人災成らぬ神災?」

 

クリス「せんぱぁい・・・」

 

 

空から突如発生した高純度の聖水による水害が発生した現場だった

なんか洪水と言うか落ちる水柱の真下にベルディアとダクネスが居た様な気がするが気にしない二人は、周囲一帯が水没し、街の防壁が崩壊するのを只々見ているだけだった

魔法で作られたからなのか、水は直ぐに無くなり辺り一面を水浸し巨大な水たまりを一つ作り防壁を破壊しただけにとどまった・・・・・だがかなり弱ってはいるもののベルディアは健在だった。ダクネス?どっかに流れて行った

 

 

かずぴー「なぁクリス、もしアクア神格が残っていたらどうなっている?」

 

クリス「考えたくも無いわ。それよりカズマが」

 

かずぴー「・・・・・・うわぁ、幸運チート乙」

 

 

クリスが教えて最初に被害を被ったスキル、スティールでベルディアの・・・・・頭部を窃盗し手中に収めているってヤヴァイ笑顔を浮かべ、リアル俺選手、お前ボールな?なサッカー冒険者達と始めた

 

 

かずぴー「俺達急いでこっちに来る事無かったな」

 

クリス「全くよ」

 

めぐみん「おやぁ?兄さんじゃぁないですかぁ」

 

かずぴー「来る途中で感じたが今回もいい一撃を放ったようだな」

 

めぐみん「・・・b!」

 

 

ラッコが如く水面をスイ〜と漂って来た妹とも合流したところで。いつの間にか戻って来たダクネスが動かなくなったベルディアの本体に剣を叩き込んでいた・・・・・仲間の仇って言ってるが直ぐに赤面する事は必須である。ちなみにアクアが蘇生魔法使う事態が起きていたので、本職に戻った為不在である

 

現状を見て自分がいる必要が無いと判断したかずぴーは、光の柱と化している破魔・退魔魔法とベルディアの悲鳴?を背にアクセルへと帰還し、ギルドの事の顛末を報告しに向かった

 

 

 

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後日

 

 

カズマ「寝床と仕事を紹介してください」土下座

 

かずぴー「来ると思ってた」

 

 

ベルディア襲来にして討伐を果たした次の日、ウィズ魔道具店にカズマ達がやって来た。ウィズの正体がバレてアクアと一悶着があったが事情やら何やら話せる内容をある程度話して何とかなり、落ち着いたところでカズマの開幕土下座から始まるのであった

 

 

かずぴー「大方アクアの作った水で出た水災の復興費が討伐報酬を上回ったって所だろ?」

 

カズマ「全くもってその通りで。目出度く五千万エリスの借金パーティーに」

 

かずぴー「・・・・・五千万?」

 

カズマ「ん?ああそうだが、ヤバいだろ?金額が」

 

かずぴー「確かに、ちょっとばかし洒落に成らないな・・・・・・ウィズ、確か知り合いの不動産屋が抱えてた物件のアレはどうかな?」

 

ウィズ「アノ物件ですか?確かにカズマさんたちにピッタリな条件ですけど」

 

カズマ「宿どころか家が手に入るのか?!」

 

説明
幸運パーティー?いいえ、借金パーティーです
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真・恋姫この双子に爆焔を!T この素晴しい世界に爆焔を! かずぴー クリス カズマ ダスト 冬将軍 ベルディア サキュバス 

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