英雄伝説〜光と闇の軌跡〜エレボニアカオスルート
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〜パンダグリュエル・パーティーホール〜

 

「何ですって!?」

「ク、クロウ君が七耀教会に”外法認定”された可能性があるって……!」

「どうしてカシウス准将はクロウまで”外法認定”されている可能性があると推測しているのですか?」

シェラザードからのカシウスの伝言を聞いたその場にいる多くの者達が血相を変えている中サラは信じられない表情で、トワは表情を青褪めさせて声を上げ、ジョルジュは辛そうな表情でシェラザードに訊ねた。

「その……和解交渉の時に第五条の内容でエレボニアがリィン君に適した”騎神”を贈与するって内容があるでしょう?その内容について七耀教会の代表者であるカラント大司教が”騎神”は”古代遺物(アーティファクト)”の可能性があるから、メンフィルは本来七耀教会が回収して管理すべき”騎神”を軍事利用してはいけないみたいな事をシルヴァン皇帝に指摘して、その意見に対してシルヴァン皇帝が七耀教会は既に”騎神”が古代遺物(アーティファクト)ではない事を認めているって指摘して、カラント大司教の反論を封じ込めたんだ。」

「”騎神”は”古代遺物(アーティファクト)”ではないのですが………」

「ま、教会の連中からすれば”騎神”は”古代遺物(アーティファクト)”同然の存在なんだから、何としても回収して管理したいんじゃないのかしら?」

「フン、”管理”という名の一種の独占だな。」

「ま〜、七耀教会は”古代遺物(アーティファクト)”が関わってくるとホント、見つけた”古代遺物(アーティファクト)”を渡せってしつこくてうるさいんだよね〜。ギリアスのオジサンも遊撃士の次は星杯騎士をエレボニアから完全に追い出したいみたいな事も言っていたくらいだよ。」

「お願いしますから、そういう事は皆さんの前で口にしないでください、ミリアムちゃん……」

「それと口にするにしても、少しはオブラートに包んだ言い方にしてくれ……」

「そんな事よりも何でクロウの”外法認定”に”騎神”や教会は既に”騎神”が”古代遺物(アーティファクト)”ではない事を認めているみたいな事が関係しているのよ?」

アネラスの説明を聞いたエマは複雑そうな表情で答え、セリーヌは目を細めて呟き、ユーシスは鼻を鳴らして七耀教会に対する皮肉を口にし、ミリアムが呟いた言葉を聞いたその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中クレア大尉とマキアスは疲れた表情でミリアムに注意し、サラは厳しい表情でアネラスに訊ねた。

 

「それが………シルヴァン皇帝はカラント大司教に”星杯騎士団”は帝国解放戦線のリーダーが操縦する”騎神”の回収や、その騎神の”操縦者”である帝国解放戦線のリーダーを抹殺していない事を指摘してカラント大司教を黙らせたんです………」

「!なるほど………”そういう事”ですか。」

「え……シャロンは今の話がどういう事なのかわかったの?」

不安そうな表情で答えたアネラスの話を聞いて目を見開き、真剣な表情で呟いたシャロンの言葉を聞いたアリサは事情がわかっていそうな様子のシャロンに訊ねた。

「はい。―――恐らくメンフィルは先程アネラス様が仰った件――――”騎神”の件で七耀教会を煽り、”星杯騎士団”にクロウ様を抹殺させる為かと。」

「何だと!?」

「一体どういう事よ、それは!?」

シャロンの答えを聞いたその場にいる多くの者達が血相を変えている中トヴァルは信じられない表情で声を上げ、サラは厳しい表情でシャロンに訊ねた。

「サラ様達もご存知のように”星杯騎士団”の役割は”古代遺物(アーティファクト)”の回収、並びに七耀教会が”外法認定”した者の抹殺です。そして今回メンフィルはリィン様に適した”騎神”を手に入れ、軍事利用する事に対して七耀教会は”騎神”は”古代遺物(アーティファクト)”の可能性がある為、”騎神”を利用しようとしているメンフィルに苦言をしましたがメンフィルは現状判明している”騎神”――――クロウ様が操縦している”蒼の騎神(オルディーネ)”を、”星杯騎士団”が回収していない事を理由に『七耀教会は”騎神”を古代遺物(アーティファクト)ではない事を認めている』と指摘されたのだと思いますわ。」

「そ、それは……でも、そこにどうして星杯騎士団がクロウ君を殺していない事まで関係してくるんですか……?」

シャロンの説明を聞いたトワは不安そうな表情で答えを濁したがすぐにある事に気づき、シャロンに訊ねた。

 

「トワ様や皆様方にとってはクロウ様は”大切な仲間”ですが………エレボニアに加えて各国のVIP達が集まった”西ゼムリア通商会議”でもテロを起こした”帝国解放戦線”のリーダーであるクロウ様は世間一般からすれば、テロリスト―――それも国際犯罪組織同然の犯罪組織のリーダーです。世間一般からそのように評されているクロウ様が騎神―――古代遺物(アーティファクト)を利用―――ましてや”反乱軍”である”貴族連合軍”を勝利させる為に軍事利用し続けているのですから、七耀教会からすればクロウ様はどのような存在になるのでしょう?」

「!!」

「―――間違いなく”外法”ね。」

「そして七耀教会――いや、”封聖省”は古代遺物(アーティファクト)らしき存在を古代遺物(アーティファクト)ではないと認めたという”例外”を作る事によって、今後その例外を理由に各国が”盟約”を破る事をさせない為に”星杯騎士団”に帝国解放戦線のリーダーを抹殺させて、”蒼の騎神”を回収させるようにシルヴァン皇帝は七耀教会を煽ったって事か……!クソッ、交渉の場で教会に帝国解放戦線のリーダーを抹殺させるように煽るなんて、まさかシルヴァン皇帝は”Z組”が”特務部隊”の指揮下に入らざるを得ない状況へと追い詰める為に、そんな事をしたのか……!?」

説明をした後辛そうな表情で問いかけたシャロンの問いかけを聞いて事情を察したサラは目を見開き、セリーヌは目を細めて呟き、トヴァルは厳しい表情で自身が推測したシルヴァンの意図を口にした。

「さすがにカシウス先生もその件でシルヴァン皇帝がZ組を追い詰めるみたいな事は口にしなかったけど………それでも帝国解放戦線のリーダーはどういう状況なのかわかったでしょう?」

「つまりクロウは七耀教会にも命を狙われている可能性が高いという事ですか………」

「そ、そんな……!何か……何か七耀教会がクロウの命を奪わないようにする方法はないんですか!?」

「そう言えば先程シェラザードさんがカシウス准将のオレ達への忠告でその方法があるような事を言っていたが……」

シェラザードの問いかけに続くようにジョルジュは辛そうな表情で呟き、エリオットは悲痛そうな表情で声を上げ、ある事を思い出したガイウスはシェラザードを見つめた。

 

「ええ。方法は二つ。一つは貴方達が特務部隊の指揮下に入る事で特務部隊に戦闘を仕掛けてくる可能性がある”帝国解放戦線”のリーダーを捕える事よ。レン達の話によると”帝国解放戦線”のリーダーはレン達が今回の戦争で”帝国解放戦線”の幹部を殺害した事に対してリーダーである”C”が仲間を殺したメンフィルに憎悪を抱いている可能性は非常に高いって言っていたわ。」

「………なるほどね。特務部隊――――メンフィルに復讐する為にクロウが特務部隊に戦闘を仕掛けてくる可能性はかなり高いから、その時にクロウを捕まえる事ができるね。」

「フン………憎悪を抱いている”鉄血宰相”を抹殺する為に今までテロを起こしてきた奴の執念深さを考えれば、ほぼ確実に特務部隊に戦闘を仕掛けてくるだろうな。」

「だ、だがその為には……」

「私達が”特務部隊”の指揮下に入る必要があるわよね……」

「レン皇女殿下もオレ達が特務部隊の指揮下に入るのならば、オレ達に配慮してクロウは”殺害”ではなく”捕縛”にすると仰っていたからな………」

シェラザードの説明を聞いたフィーは静かな表情で呟き、ユーシスは鼻を鳴らした後目を細め、マキアスとアリサ、ガイウスはそれぞれ複雑そうな表情をしていた。

「シェラ君、もう一つの方法はどんな方法なんだい?”空の女神”が関係しているようだが………」

「もう一つの方法は”特務部隊”の件同様単純な話よ。このゼムリア大陸のどこかにいる”空の女神”を探し出して、”空の女神”に”C”を”外法”扱いしないように七耀教会に命令するように頼む事よ。」

「……なるほどな。七耀教会は”空の女神”を崇めているから、その崇めている”空の女神”自身の命令も間違いなく従うだろうから、”空の女神”から『帝国解放戦線のリーダーを殺すな』って指示を出されたら、その指示に従うだろうな。」

「でもその方法ってぶっちゃけ、”特務部隊”に同行してクロウを待ち構えるよりも難しいよね〜。」

「はい………”空の女神”はこのゼムリア大陸のどこにいるかわかりませんし、そもそも”空の女神”がテロリストのリーダーであるクロウさんを守る事に賛成するかどうかわかりませんし………」

「……シェラザード、アネラス。カシウスさんは”空の女神”の居場所について何か言っていなかった?」

オリヴァルト皇子の質問に答えたシェラザードの説明を聞いたトヴァルは静かな表情で呟き、シェラザードが答えた二つ目の方法がどれだけ難しいかを悟っていたミリアムは疲れた表情で呟き、ミリアムの言葉にエマは不安そうな表情で頷き、サラは真剣な表情でシェラザードとアネラスに訊ねた。

 

「えっと……その事なんですが、どうやら”空の女神”はエステルちゃん達と一緒に行動しているみたいなんです。」

「ハアッ!?何でエステル達が”空の女神”と一緒に……」

「あ……そう言えば女神様はご自身の”目的”を果たす為に、ご両親や女神様の子孫であるカシウス准将閣下のご息女達と共に行動していると仰っていましたわ。」

「!?」

アネラスの答えを聞いたサラが驚いている中ある事を思い出したアルフィン皇女が内容を説明し、アルフィン皇女の説明を聞いたオリヴァルト皇子は血相を変えた。

「へ…………」

「い、今皇女殿下はとんでもない事を仰っていなかったか……?」

「うむ………カシウス卿が”空の女神”の子孫と仰っていたな……」

アルフィン皇女の話を聞いたエリオットは呆けた声を出し、表情を引き攣らせているマキアスの言葉にラウラは重々しい様子を纏って頷いた。

「ハア………貴方達にとっても正直信じられない話だろうけど、エステルやカシウスさん――――”ブライト家”は”空の女神”の子孫なのよ。」

「な――――――」

「何だと!?」

「あのカシウス卿が”空の女神”の子孫………」

「フフ、七耀教会にとっては”空の女神”に子孫が存在し、その子孫が今も生き続けている事は驚愕の事実でしょうね。」

疲れた表情で溜息を吐いた後答えたシェラザードの説明を聞いたその場にいる多くの者達が血相を変えている中クレア大尉は絶句し、トヴァルは驚きの声を上げ、アルゼイド子爵は呆けた表情で呟き、シャロンは苦笑していた。

 

「シェラ君、よかったのかい?エステル君達の先祖が”空の女神”である事は彼らにも教えてしまって………」

「空の女神自身がアリシア女王達の前でカシウス先生やエステルが自分の子孫だってバラしちゃったから、今更隠す必要なんてないわよ。現に”影の国”とは関係のない貴方の妹も知っていたでしょう?」

オリヴァルト皇子の問いかけにシェラザードは疲れた表情で答え

「あはは……それに”空の女神”は去り際に七耀教会にエステルちゃん達―――”ブライト家”を特別扱いするなって、命令して承諾させましたから、大丈夫だと思いますよ。」

「そうか……ハハ、七耀教会に命令をして、それを承諾させるなんて、さすがはあのエステル君の先祖だけあって、とんでもない存在だね………」

苦笑しているアネラスの話を聞いたオリヴァルト皇子もアネラスに続くように苦笑していた。

「殿下が先程我々にも隠していた”空の女神”の事はカシウス卿―――”ブライト家”が”空の女神”の子孫である事だったのですか?」

「ああ。”ブライト家”が”空の女神”の子孫だと世間に判明すれば、”ブライト家”を利用しようとする者達が現れ、そしてその中にはエレボニアの関係者も含まれている可能性は十分に考えられたからね。我が国の民にそのような愚かな事をさせない為にも黙っていたのさ。」

「例えばギリアスのオジサンなら間違いなく利用するだろうね〜。しかも内戦後のエレボニアの悲惨な状況を考えたら、絶対に”空の女神”を利用しようと思って、”ブライト家”の誰かを誘拐する指示をしたりするんじゃないかな〜?」

「ミリアムちゃん!」

「このガキは………」

「というかもしそんな罰当たりな事をすれば、オズボーン宰相どころかエレボニアは”七耀教会”や”空の女神”を完全に敵に回して、破滅の道を歩む事になるぞ………」

アルゼイド子爵の問いかけにオリヴァルト皇子が頷いた後に答えたミリアムの推測を聞いたその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中クレア大尉は声を上げ、ユーシスはミリアムを睨み、マキアスは疲れた表情で指摘した。

 

「まさかカシウスさんやエステルが”空の女神”の子孫だったなんてね………という事は”空の女神”はエステル達と一緒にいる事になるから、エステル達の居場所がわかれば”空の女神”の居場所も大体わかるわね。」

「シェラザード、アネラス。空の女神―――いや、エステル達は今どこにいるかわかるか?」

サラは疲れた表情で溜息を吐いた後真剣な表情で考え込み、トヴァルはシェラザードとアネラスにエイドス達の居場所を訊ねた。

 

説明
第50話
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コメント
本郷 刃様 そもそもエイドスを見つけたとしても、果たしてエイドスがZ組の頼みに応じる事やら…… 匿名希望様 まあ、多分予想通りの展開になると思います(sorano)
それでも時間が足りないように思う…特務部隊に入らない場合、カレイジャスを失うからねぇ…どうなるのやら…(匿名希望)
メンフィルの指揮下に入りつつ、エイドスらの居場所を探る様にしないと時間が短すぎるんですけどね〜(本郷 刃)
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