英雄伝説〜光と闇の軌跡〜エレボニアカオスルート
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〜パンダグリュエル・パーティーホール〜

 

「オレ達それぞれの”個人としての意見”か………」

「その答えを出す事も私達にとっては難しいよね……」

トワの問いかけに対してガイウスとアリサはそれぞれ複雑そうな表情で考え込み

「その……やっぱりユーシスとラウラは指揮下に入った方がいいと思っているの?レン皇女殿下もさっき二人は貴族だから”貴族の義務”として、貴族連合軍の兵士達を殺す事も当然だって言っていたけど……」

「…………ああ。俺の場合は今回のメンフィルとの戦争勃発の原因となった”アルバレア公爵家”の一員として皇女殿下や皇帝陛下達―――”アルノール皇家”に対する贖罪をする意味もあるが……自らの権力を維持したいが為に内戦を引き起こしてエレボニアの民達を苦しめ続け、挙句の果てには皇帝陛下達を自分達の”大義名分”として利用し続けている貴族連合軍の所業は帝国貴族として許し難い所業だ。そのような”賊”共を斬り、エレボニアの平和を取り戻す事も”貴族の義務”だ。」

「……私もユーシスと同じ意見だ。私達帝国貴族はエレボニアの民達が納めてくれる税によって、生きている。民達は有事の際、私達帝国貴族が先頭に立って解決してくれると信頼し、税を納め続けているのだから、その信頼に応える事もまた”貴族の義務”なのだからな。」

「アンもこの場にいれば、二人と同じ事を言うんだろうね……」

「うん……アンちゃんは普段は貴族からかけ離れた事をしているけど、何だかんだ言っても肝心な時になれば貴族の一員として、立派に”貴族の義務”を果たしてきたものね。」

「………………」

エリオットに問いかけられたユーシスとラウラはそれぞれ肯定し、ジョルジュとトワはそれぞれある人物の顔を思い浮かべて複雑そうな表情をし、アルゼイド子爵は目を伏せて黙り込んでいた。

「君達とはまた別の理由だけど、正直僕も”特務部隊”の指揮下に入って、一日でも早く貴族連合軍を制圧して、内戦を終結させるべきだと思っている……今回のメンフィルとの戦争や内戦も元を正せば”革新派”と”貴族派”の派閥争いなのだから、その派閥争いに深く関わっている父さんの息子である僕もその責任を果たす必要があるだろうしな……」

「その件で君達が罪悪感等を抱く必要はないよ。本来派閥争いを治めるべき人物は私達――――”アルノール皇家”なのだからね。」

「お兄様の言う通りですわ。ですから、マキアスさん達が辛い思いを抱えてわたくし達と共にする必要はありませんわ。」

複雑そうな表情で答えたマキアスにオリヴァルト皇子とアルフィン皇女はそれぞれ慰めの言葉をかけた。

 

「お気遣い、ありがとうございます。でも父さんが今回の件を知ったら、エレボニアが衰退する原因は間違いなく自分である事にも気づいて自分自身を責めるでしょうから、父さんの息子としてその罪悪感を少しでも和らげたいんです。」

「マキアス…………」

マキアスの答えを聞いたエリオットは辛そうな表情をし

「………わたしはわたし自身の事情があるから、”殲滅天使”―――特務部隊の指揮下に入る事に賛成。」

「フィーの事情って………」

「貴族連合軍に雇われている”西風の旅団”の猟兵達ね?」

フィーの話を聞いたアリサが戸惑っている中サラは複雑そうな表情でフィーに確認した。

「ん。多分”殲滅天使”達は貴族連合軍に雇われている猟兵達に関しては言葉通り”殲滅”するだろうから、例えゼノとレオが殺されるにしても、せめて二人の口からゼノ達―――”西風の旅団”のみんながわたしを置いて行った理由を聞きたい。」

「猟兵達は”殲滅”って………確か”特務部隊”は派閥争いを止めさせるために領邦軍―――貴族連合軍の一部も協力させるとの事だから、貴族連合軍が雇っていた猟兵達も協力させるんじゃないの?まあ、遊撃士の私達からすれば、天敵の猟兵達まで協力させることは複雑だけど………」

フィーの推測を聞いたアネラスは不安そうな表情で推測を呟いた後複雑そうな表情をした。

「―――いえ、恐らくレン達は猟兵達に関しては生かさず全て”殲滅”すると思うわ。”猟兵”は”報酬”で動く存在だから、報酬外の仕事――――領邦軍と一緒に特務部隊の指揮下に入る事なんてありえないでしょうし、”リベールの異変”の際襲撃してきた結社の”強化猟兵”や結社が雇った猟兵達に対するメンフィルの対応を考えれば、猟兵を生かす可能性はゼロよ。」

「かつて第三柱――――”白面”主導の下によって行われた”福音計画”に投入した強化猟兵や結社が雇った猟兵団―――”赤い星座”と”西風の旅団”の猟兵達はメンフィル軍によって、壊滅的な被害を与えられた為、”リベールの異変”に関わり、生き残った猟兵達は僅かな人数ですから、シェラザード様の推測は恐らく当たっているかと。」

「そもそも”特務部隊”には”魔神”のエヴリーヌ君やプリネ姫の使い魔であるアムドシアスがいるからね………”魔神”である彼女達はその気になれば、貴族連合軍どころかエレボニア帝国を僅かな時間で灰燼と化する事ができるのだから、そんな強力な戦力を”特務部隊”が有している以上、わざわざ猟兵達を雇うような無意味な事をしないだろうから、特務部隊は猟兵達を活用するつもりは最初からないと思うよ。」

シェラザードとシャロンの推測や説明に続くようにオリヴァルト皇子は疲れた表情で自身の推測を答え

「エ、”エレボニア帝国を僅かな時間で灰燼と化する事ができる”って……!」

「……殿下。”魔神”という種族はそれ程までに強力な種族なのですか?」

オリヴァルト皇子の推測を聞いたトワは信じられない表情をし、クレア大尉は戸惑いの表情でオリヴァルト皇子に訊ねた。

 

「ああ。レン君の説明にもあったように”魔神”とは”闇夜の眷属”の中でも”最強の種族”と恐れられているだけあって、身体能力、魔力等あらゆる能力が他の種族と比べると圧倒的に秀でていて、その圧倒的な能力のお陰で”魔神”が放つ技や魔術はどれも”兵器クラス”の威力で、奥義や大魔術クラスになるとそれこそ軍隊どころかガレリア要塞のような堅牢な要塞も一瞬で灰燼と化する事ができるのさ。」

「な――――――」

「ほええええええ〜っ!?”魔神”って言う種族って、そんなに滅茶苦茶強いの〜!?」

「まさに正真正銘の”化物(ばけもの)”じゃないですか!」

「甘いわね。実際に”魔神”の力をその目にしたら、”化物”という評価すらも生温いと思うわよ?」

「アハハ………ちなみに異世界の私達の知り合いの中にはその”魔神”や”神”すらも超える存在――――”神を殺した存在”もいるんだよ?」

オリヴァルト皇子の答えを聞いたクレア大尉は絶句し、ミリアムは信じられない表情で声を上げ、表情を引き攣らせて声を上げたマキアスにシェラザードは疲れた表情で指摘し、アネラスは苦笑しながら答え、アネラスのとんでもない答えを聞いたその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「ハア!?”神を殺した存在”―――”神殺し”まで異世界に存在するの!?」

「何で異世界って、そんな滅茶苦茶な存在がゴロゴロいるんだよ………」

「そのような”超越者”達が多数存在しているのですから、異世界は恐らく”神話”に出てくるような世界なのでしょうね………」

「”神話に出てくるような世界”か………」

アネラスの話を聞いたセリーヌは信じられない表情で声を上げ、トヴァルは疲れた表情で呟き、不安そうな表情で呟いたエマのある言葉が気になったガイウスは静かな表情で考え込んでいた。

 

「殿下。先程その”魔神”という存在はエヴリーヌ殿とプリネ皇女殿下の使い魔という存在だとの事ですが……」

「プリネ姫には彼女に従う4人の異種族の使い魔がいてね……その内の一人の使い魔がアムドシアスという名前の”魔神”なのさ。」

「ええっ!?そ、それじゃあプリネ皇女殿下はその”魔神”という存在を従えているんですか!?」

「”アムドシアス”……―――!ま、まさかその”魔神”は……!」

「ソロモン72柱の1柱、”一角公”アムドシアスなのかしら?」

アルゼイド子爵の質問に答えたオリヴァルト皇子の説明を聞いたトワが驚いている中ある事に気づいたエマは信じられない表情をし、セリーヌは目を細めて訊ねた。

「ああ。まあ、本人は自分の事を”美を愛する魔神”にして、”音楽を愛する魔神”と語っているがね。」

「”美を愛する魔神”にして、”音楽を愛する魔神”とか意味不明なんだけど………」

「フン、どこぞの仮面怪盗を思い出させるような謳い文句だな。」

「そ、その”仮面怪盗”ってまさか………」

「フフッ、そう言えば”怪盗紳士ブルブラン”は”美”に関して独自の拘りがありましたわね。」

「”音楽を愛する魔神”なのだから、音楽が好きなエリオットならばその”魔神”と仲良くできるかもしれないな。」

「ええっ!?そ、そんなとんでもない存在と仲良くする事なんて、できないと思うんだけど………」

オリヴァルト皇子の説明にその場にいる全員は冷や汗をかいて脱力している中アリサはジト目で呟き、呆れた表情で呟いたユーシスの話を聞いてある人物を思い出したマキアスは表情を引き攣らせ、シャロンは苦笑し、ガイウスの推測を聞いたエリオットは驚いた後戸惑いの表情で答えた。

 

「そう言えばお兄様がリベールの旅行の際、”美”を巡る二人の好敵手と出会い、その内の一人があの”怪盗B”との事ですが、もしかしてもう一人の方が……」

「―――その通り。プリネ姫の使い魔であるアムドシアスも”美”を巡る我が好敵手なのさ。」

「ハア………一人でもまともに相手にしていたら疲れる存在であるあんた達3人が揃った事を考えると、ゾッとするわ……」

「アハハ……エステルちゃん達の話だと一度だけ3人揃った事があって、その時もエステルちゃん達は物凄く疲れたって言っていましたね……」

ある事を思い出したアルフィン皇女の問いかけにオリヴァルト皇子は髪をかき上げて笑顔で答え、オリヴァルト皇子の答えにアリサ達が脱力している中シェラザードは疲れた表情で溜息を吐き、アネラスは苦笑していた。

「まさか”一角公”がそんな酔狂な性格をしているなんてね………ソロモン72柱の大悪魔の名が泣くわよ………」

「さっきから気になっていたけど、その”ソロモン72柱”って一体何?」

「セリーヌ君は”大悪魔”って言っていたけど………」

疲れた表情で呟いたセリーヌの話を聞いたフィーは首を傾げて訊ね、ジョルジュは不安そうな表情で呟いた。

「”ソロモン72柱”とは古文書などに載っている古の王―――”ソロモン王”が使役したとされている72柱の大悪魔達です。恐らく七耀教会の”聖典”にも載っている有名な悪魔だと思います。」

「”ソロモン72柱”の悪魔達はどれも上位悪魔や最上位悪魔ばかりで、中には”魔王”もいてね………序列第67柱のアムドシアスは”公爵”の爵位を持っていると言われているわ。……先に言っておくけど、悪魔達の”爵位”は人間達の爵位と違って、その悪魔達それぞれが持つ”力”によって評価されているから、爵位を持つ悪魔は爵位が高ければ高い程強力な”力”を持っていると言われているわ。」

「ええっ!?こ、”公爵”!?」

「しかも爵位持ちの悪魔は爵位が高ければ高い程強力な”力”を持っているとの事だから、爵位の中でも頂(いただき)を冠する”公爵”の爵位を持つそのアムドシアスという”魔神”も凄まじい”力”を持つ存在なのだろうな………」

「おいおい……エクソシストの役割も兼ねている星杯騎士団が知れば、洒落にならない事が起こるんじゃねぇのか?」

エマとセリーヌの説明を聞いたエリオットは驚き、ラウラは重々しい様子を纏って呟き、トヴァルは疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「話を戻すけど………フィー、あんたは本当にそれでいいの?特務部隊の指揮下に入ったら、最悪自分の手で”西風の旅団”の猟兵達を殺す事になるかもしれないわよ?」

「………ん。例えどんな相手であろうと”戦場”で”敵”として出会えば、どちらかが倒れるまで終わらない事は猟兵時代に団長達から教わっていたから覚悟もできている。」

「フィー…………」

真剣な表情をしたサラに問いかけられたフィーは一瞬僅かな辛そうな表情をしたがすぐに冷静な表情になって頷いて答え、フィーの様子をラウラは心配そうな表情で見つめていた。

「ん〜………ボクも特務部隊の指揮下に入る事に賛成かな〜。メリットを考えると、そっちの方が断然いいし、自由に行動した所で学生のボク達ができる事なんて大した事はないし、どうせメンフィルによって内戦が終結させられるんだから、いっそ開き直ってメンフィルと一緒にさっさと内戦を終結させた方がいいと思うしね〜。」

「ミリアムちゃん………」

「その………ミリアムは本当にそれでいいのか?特務部隊の指揮下に入ったら、今もどこかで生きていると思われるオズボーン宰相を裏切るような事になると思うが………」

フィーに続くように答えたミリアムの答えを聞いたクレア大尉は複雑そうな表情をし、マキアスは複雑そうな表情でミリアムに訊ねた。

「アハハ、オジサンはそんな細かい事は気にしないと思うよ。特にレクターとか、いつ裏切るかわかんない人で、オジサンはその事も想定してレクターを重用しているしね〜。」

「お願いしますから、そう言った問題発言を何の躊躇いもなく口にしないでください、ミリアムちゃん………」

無邪気な笑顔を浮かべて答えたミリアムの爆弾発言にその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中クレア大尉は疲れた表情で指摘した。

「レクター………確かあんたがエレボニアに帰国する直前にグランセル城を訪問した”鉄血宰相”の傍にいた妙に隙のない足運びの書記官ね?」

「ああ。彼も”鉄血の子供達(アイアンブリード)”の一人で、主に裏からの手回しや交渉を得意としている宰相殿自慢の秘書さ。」

「そ、そんな人が離反の可能性がある人だなんて………」

「………どうやら”鉄血の子供達(アイアンブリード)”は一致団結して”鉄血宰相”に仕えているって訳じゃないようね。」

「………………」

かつての出来事を思い出したシェラザードに問いかけられたオリヴァルト皇子は頷いて説明し、オリヴァルト皇子の説明を聞いたアネラスは信じられない表情をし、サラは静かな表情で呟いて複雑そうな表情で黙り込んでいるクレア大尉を見つめた。

 

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次回でZ組の答えが出ます……まあ、話の流れを考えたら答えは既に決まっているようなものですがwwそれと暁、なんと10連でフィーが当たりましたww

説明
第54話
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コメント
本郷 刃様 確かにアリアンロードと互角の可能性があると言われていますから、単独で戦える可能性はあるでしょうね d-sword様 登場人数が多くなるとどうしても影が薄くなるキャラが出てくるんですよね……(sorano)
ガイウスいたのか。まだ合流してないものかと・・・。10連なんて・・・風の★4しかでやしねえ。そもそも閃のキャラばっか追加されてもなあ。いい加減クロエとナハト強化してくれよ(d-sword)
総長のアインだったらソロモンの個体によっては案外少しは戦えそうな気がする…(本郷 刃)
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