ポケモンDPt 時空神風伝 15
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テンガン山を越えたクウヤはいま、ヨスガシティに到着した。

 

「うっひゃー、広い町だなー!」

 

ヨスガシティの広さに声を上げつつも、クウヤはまずポケモンジムがどこにあるのかを探す。

 

「へぇー、店がたくさんあるなぁー。

でもなんか、似たようなのたくさん並んでる気がするんだけど、気のせいか?」

 

ヨスガシティはお洒落な町であることで有名だというのを、クウヤは知らなかった。

美容室やコスメショップやアクセサリーショップ、ブティック、喫茶店などなど・・・女の子が好きそうなお店がたくさん並んでいた。

だが、クウヤは男の子なので、ただ似たような商品が並んでいる店がたくさんある通りだという認識しかなかった。

今の彼が強く興味を持っているのは、やはりヨスガシティジムやポケモンバトルの施設なのだ。

その証拠に、クウヤは地図に載っているポケモンジムを迷わずめざしたった今到着した。

 

「どひゃあ〜でけぇジム〜!

まるでドームみてぇだ!」

 

広いヨスガの町に相応ともいえる大きなドーム型のポケモンジムに感心しつつ中に入ろうとしたそのとき。

 

「あらあら、これはまたかわいい坊やだこと。

貴方もしかして、このジムの挑戦者の方かしら?」

「え、ああ、うん」

 

女性口調の男性に突然話しかけられ、もしかしてこの人がジムリーダーではないだろうかと戸惑いつつも答えるクウヤ。

男性は女性口調のままクウヤへ話し続ける。

その口からは、予想外の言葉が飛び出た。

 

「あららら・・・ごめんなさいね坊や。

このジムのジムリーダーのメリッサさん、今ちょっと外にでていて、留守なのよ」

「えーっ!?」

 

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「ポケモンコンテストの会場、会場・・・」

 

クウヤはジムを離れてポケモンコンテストの会場を探していた。

あの男性の話によればメリッサはポケモンコンテストでもトップの地位に立っており、よくポケモンコンテストの会場に向かってはそこでパフォーマンスを披露したり審査員となったりなど手伝いもしているようだ。

もし今日がコンテストで忙しいのなら仕方ない、潔く今日のジム戦はあきらめるつもりでいた。

だが今日バトルが無理だとしても、また明日にでもジム戦を頼めないものかと思っていた。

できるだけお願いしてみたいとおもい、クウヤはポケモンコンテスト会場まできたのだ。

 

「ついた、ここだな!」

 

ポケモンコンテスト、という文字が大きく飾られた大きい建物を発見し、ここがコンテスト会場だと知ったクウヤは早速その建物に入ろうとした、そのときだった。

 

「みみっ!!」

「うごぉ!」

 

前から飛んできたなにかによってクウヤはしりもちをついた。

 

「いっつつ・・・なんだ?」

「みみぃ?」

「ミミロル?」

 

クウヤの胸に飛び込んできたのはミミロルだった。

耳にピンク色のリボンをつけていることから、トレーナーがいることがわかる。

そこに、ミミロルとお揃いのリボンをつけた女性がクウヤに駆け寄る。

 

「ミミちゃん!」

「ミミちゃん?」

「ごめんなさい、そのミミちゃんは私のポケモンです!」

「え、そうなの?

ほら、トレーナーのとこにいきな」

 

クウヤはミミロルをその女性に手渡した。

 

「この子今日はなんだか落ち着かないの、なにかがあったかのように・・・」

 

ミミロルはまだばたばたと手足を動かした。

クウヤもそんなミミロルの様子が気になっていたら、今度はボリュームのある紫の髪に同色のドレスを身にまとった長身の女性が現れた。

 

「オー、ミミィさんここにいましタカー!」

「メリッサさん!」

「え、メリッサさん?」

 

メリッサという名前を聞いて反応するクウヤ。

 

「ごめんなさい、メリッサさん・・・この子が落ち着いてくれないんです。

緊張しちゃってるのかしら・・・」

「オゥ」

 

メリッサはミミロルをのぞき込む。

そこでクウヤのことに気づく。

 

「あら、アナタは?」

「おれはクウヤ、ポケモントレーナーだよ。

実は今日ヨスガジムに挑戦するためにこの町にきて、んで、ジムリーダーのメリッサさんを探しにきたんだよ」

「オー、それはソーリー!

ワタシここから、またいそがしくなりそーなので今日のジムバトルは無理デース!」

「え、また忙しくなるって、どういうこと!?

ポケモンコンテストの仕事じゃないの!?」

 

クウヤの言葉に対しメリッサは少し困った様子で話し始めた。

 

「実は、ギンガ団って名乗る小悪党が現れたそーなのデース」

「ギンガ団!?」

「ジムリーダーとしても、これを見逃すまねはできない、だからワタシがギンガ団と戦って追い払っていかねばならないのデスヨ」

「メリッサさん!」

 

ギンガ団と聞いて黙っていられなくなったクウヤはメリッサに声を上げる。

 

「おれもギンガ団と戦うよ!」

「ノー、それはちょっと危険デース!」

「大丈夫、おれここまででも何度もギンガ団と戦ってるし・・・それにホラみてよ」

 

クウヤはメリッサに2個のバッジをみせた。

 

「ワオ、ヒョウタクンにナタネチャンにも勝ったのデスカ!

あの二人の実力は、ワタシも認めていマース。

ワカリマシタ、一緒にきてくだサイ。」

「りょうかい!」

 

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「あぁ〜メリッサさーん!」

「アラ、ミズキチャンではないデスカー!」

 

ヨスガの市街地に入って真っ先に遭遇したのは、金髪の女性だった。

 

「どうしたんデスカ?」

「それが大変やねん、ギンガ団とか変な名前を名乗ってる、とにかくセンスのない奇妙でへんてこりんな格好をしたこれまたキモいオカッパ軍団が、急にうちの家に攻撃を仕掛けてきたねんよー!」

「うっわー、すっげーぼろくそ言ってるー!

ホントのことだけど!」

 

口調からしてジョウトのコガネ出身らしいミズキの発言ははっきりしすぎている。

そんなミズキの、ギンガ団に対しての発言を一切否定することなくクウヤは向こうにいるギンガ団を発見した。

 

「ギンガ団発見!」

「げ、ジムリーダー!」

「オヤオヤ、何かをもっていますネー!」

 

メリッサの言うとおり、ギンガ団はなにかゲージのようなものを持っていた。

 

「あの中に、うちが預かってるイーブイがおんねん!

奴ら、いきなり家に攻撃しかけて、様々な進化の可能性を持っているからといってイーブイをよこせとかほざいてきよったんや!」

「じゃああの中にイーブイが!?」

「せや、いやがってたのに無理矢理つめこんだんやでー!」

「あんにゃろー!」

 

クウヤがつっこんでいこうとしたのをメリッサは制止した。

 

「メリッサさん?」

「ザコはワタシがあっさり倒しマス。

だからアナタはイーブイを助けに言ってくだサイ」

「・・・わかった!」

 

メリッサの言葉にうなずき、クウヤはケージをもって逃走していくギンガ団を追いかける。

一方、メリッサの相手になるギンガ団は一斉にスカンプーやケムッソ、イシツブテなどを出してきた。

 

「ムウマージ、おいでなサイ!」

「ムウマァジ」

 

彼女が出したのは、ムウマの進化系であるゴーストタイプのムウマージだった。

 

「ムウマージ、シャドーボールデース!」

 

シャドーボールで一気にギンガ団のポケモンを攻撃するメリッサ。

本来は相性の関係でスカンプーにはいまひとつなのだが、そんなことは関係なく一気に倒してしまった。

レベルが高ければ、相性を覆せてしまうのだ。

 

「すっげ、さっすがジムリーダー!

おれも負けてらんねぇ!

おいお前等、イーブイを返せ!」

「んだとガキ、おいニャルマー、やっちまえ!」

「お前もいくんだ、ガーメイル!」

「頼むぜ、ズーバ!」

 

クウヤはボールからズーバを出した。

 

「ニャルマー、みだれひっかきだ!」

「ズーバ、どくどくのキバ!」

 

みだれひっかきを回避しどくどくのキバでニャルマーを攻撃してどくを浴びせて、つっこんできたガーメイルに対してもつばさでうつで反撃して倒す。

 

「ギンガ団なんかどっかいけー!

ズーバ、エアスラッシュ!」

「!」

「うぎゃああーーーーっ!」

 

彼の指示にあわせてズーバはエアスラッシュを放ってギンガ団を攻撃し吹っ飛ばし、その反動でイーブイの閉じこめられたケージがギンガ団のところから離れて空中に投げ出される。

 

「ぶぃ・・・」

「とりゃあっ!」

 

弾き飛ばされたイーブイの閉じこめられたケージをジャンプでキャッチして、やりぃ、と白い歯を見せて笑った。

 

「ワァオゥ」

 

メリッサはクウヤの行動にただ感心していた。

 

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「ブイィィ」

「わっ」

 

頑丈なケージをヒーコのいわくだきで開けると、中からイーブイがすごい勢いで飛び出しクウヤの胸に飛び込んできた。

 

「よしよし、怖かったな」

 

自分にひっついて鳴き声をあげるイーブイをなでるクウヤ。

そんな彼に声をかけてきたのは、メリッサだった。

 

「さっきのギンガ団とのバトル、実にお見事でシター!」

「メリッサさん」

「明日、またジムにきてくだサイ、アナタの挑戦を受けまショー!

ワタシお待ちしていますカラネ!」

「ありがとう、じゃあ、明日バトルよろしくな!」

 

元気のいいクウヤの言葉にメリッサはにっこり笑って、手を振ってポケモンコンテストの会場に戻った。

どうやらまだまだ、コンテストでパフォーマンスを披露するという仕事が残っているらしい。

せっかくだしメリッサのショーをみようと思ったクウヤにたいしミズキはある提案を持ち込んできた。

 

「せやあんさん、この子ひきとってくれへん?」

「このイーブイを?」

「実はその子、引き取り手がいないねん・・・うちが引き取ってもよかったんやけどいっぱいいっぱいやし、広い世界を見せてあげたいねん。

身勝手なのは十分わかってるけど、どうや?」

「・・・」

 

ミズキの話を聞いたクウヤはイーブイと向かい合い、イーブイに手を差し出す。

 

「イーブイ、一緒にくるか?」

「ぶぅい〜」

 

クウヤがさしだした手に自分の前足を乗せて答えるイーブイ。

それが同意の証と知ったクウヤは笑ってモンスターボールをミズキから受け取りそれにイーブイをいれる。

 

「今日から仲間だな、ブーイ」

 

そう言ってクウヤはブーイと名付けられた新しい仲間の入ったモンスターボールをみた。

 

説明
ウルトラサンムンまでにおわるかな、これ
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