英雄伝説〜光と闇の軌跡〜エレボニアカオスルート
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〜パンダグリュエル・パーティーホール〜

 

「え、えっと……少なくても側室の娘である私やレン、サフィナお姉様、それにシルヴァンお兄様の側室であるセシリア様がリィンさん達の関係をどうこう言うのは間違っていると思いますのでその件について私達からリィンさんに指摘や注意する事はせいぜい、将来後継者争いなどが起こらないようにお互いが円満な関係になれるように努力して欲しいとしか言いようがありませんので……」

「それにリィン達が既にそう言った関係である事はメンフィル帝国としてはある意味安心できる事でもありますし……」

「何故普通の婚約関係を結んでいる男女たちと比べると彼らの仲が深い関係である事がメンフィル帝国も安心できるのでしょうか?」

アリサの質問に困った表情で答えたプリネとサフィナの答えを聞いて疑問を抱いたアルゼイド子爵は困惑の表情でプリネ達に訊ねた。

「”ハニートラップ”対策になるからです。」

「”ハニートラップ”……?”トラップ”―――”罠”という言葉があるから、何らかの罠だと思うのだが……」

「まあ、”罠”であるといえばそうなんだが……」

「”ハニートラップ”とは主に女性の諜報員が対象男性を誘惑して性的関係を利用して懐柔したり、その関係を弱みに脅迫して機密情報を要求する諜報活動の一種で、その事から”甘い落とし穴”とも呼ばれていますわ♪」

「そ、その……先に言っておきますが”情報局”はそのような諜報活動は一切行っていませんよ?」

「まあ、そんな諜報活動をやっている事がバレたら”情報局”どころか、”革新派”も一瞬で崩壊するだろうから、オジサンもさすがにそこまでする事は考えなかったんだろうね〜。そもそも諜報活動の為に言葉通り”自分の身体を張ってまで諜報活動をする”女の人なんて、いないと思うし。」

苦笑しているセシリアの説明を聞いて首を傾げて呟いたガイウスの推測にトヴァルが疲れた表情で答えを濁しているとシャロンが代わりにからかいの表情で答え、苦笑しながら答えたクレア大尉に続くようにミリアムは呑気な様子で答え、クレア大尉とミリアムの説明を聞いたアリサ達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「そ、そんな諜報活動があるのですか……」

「……なるほどね。いわゆる”色仕掛け”の諜報活動って訳ね。」

「フン、確かに今回の戦争の活躍によって大出世したリィンには既に関係を持っている女性達が複数いる事によってリィンがそんな下らん罠に嵌ってしまう可能性は皆無と言ってもおかしくないのだから、メンフィル帝国も安心できるな。」

アルフィン皇女は信じられない表情で呟き、セリーヌとユーシスはそれぞれ呆れた表情で呟いた。

「という事はメンフィル帝国が私の身柄をマスターが引き取る事を了承した理由の一つは私も敵勢力のマスターに対する”ハニートラップ”の対策にもなるからなのでしょうか?」

「何で今の話を聞いてそんなとんでもない推測が出てくるんだ……?」

「ア、アハハ……リィンさん達も説明したように、リィンさん達―――シュバルツァー家がアルティナさんを引き取る事をメンフィル帝国が許可した理由は戦争で手柄をあげたリィンさんに対する”褒美”の一つですから、そんな理由でアルティナさんをリィンさん達に預けた訳ではありませんよ。」

ジト目で推測を口にしたアルティナの推測を聞いたリィンは疲れた表情で頭を抱え込み、プリネは苦笑しながらアルティナの推測が間違っている事を指摘した。

 

「ちなみにメンフィル軍の諜報部隊には睡魔族もいるから、”ハニートラップ”―――略して”ハニトラ”専用の諜報員もいて、今回の戦争でも貴族連合軍―――エレボニアの情報収集に役に立ったのよ♪」

「ええっ!?メ、メンフィル軍の諜報部隊にはそんなとんでもない諜報活動を専門としている人達がいて、しかも今回の戦争でもその諜報活動をしていたんですか!?」

「ハハ、睡魔族はそう言った事に抵抗感や羞恥心がないとの事だから、まさにピッタリの役目だね。」

「……そのような不埒な罠にかかった貴族連合軍―――領邦軍の兵達は余りにも不甲斐なさすぎて、怒りを通り越してもはや呆れるしかないな……」

小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの答えを聞いたエリオットが驚いている中オリヴァルト皇子は苦笑し、ラウラは呆れた表情で呟いた。

「うふふ、メンフィルのハニトラ専用の諜報活動の餌食になったエレボニアの兵達は間違いなく、男として本望の殺され方だったでしょうね♪」

「”男として本望の殺され方”ってどういう意味なんだい……?」

からかいの表情で答えたベルフェゴールの答えが気になったジョルジュは不安そうな表情でベルフェゴールに訊ねた。

「あら、わからないのかしら?私達”睡魔族”の食事は性行為(セックス)による男からの精気―――生命エネルギーの吸収よ?で、生命エネルギーを根こそぎ吸い取られた男はどうなると思う?」

「!ま、まさか………!?」

「生命エネルギー―――霊力(マナ)は”人”が生きる為に絶対に必要なエネルギーだから、それらを全て吸い取られたらミイラになる―――つまり死ぬでしょうね。」

ベルフェゴールの問いかけを聞いてある事に気づいたエマは表情を青褪めさせ、セリーヌは目を細めて推測を口にした。

「ミ、ミイラになるって……!」

「!そう言えば………メンフィル・エレボニア戦争が勃発する少し前に、領邦軍に所属している者達の一部が”変死”―――ミイラ化した状態で発見されたという報告が挙がっていたが、まさか………」

「メンフィルのハニートラップ専用の諜報員達―――睡魔族が変死した連中から情報どころか、生命エネルギーを絞り取って連中を”腹上死”させたのか!?」

セリーヌの推測を聞いたアネラスは信じられない表情をし、ある事を思い出したユーシスは血相を変えた後重々しい様子を纏って思い出した出来事を口にしてレン達に視線を向け、それを聞いたトヴァルは厳しい表情でレン達に訊ねた。

「大正解♪うふふ、ベルフェゴールお姉さんの言った通り睡魔族はスタイル抜群の美女ばかりだから、そんな美女と関係を持った状態で死んだ―――つまり”腹上死”したのだから”男として本望の殺され方”でしょう?」

「……………メンフィル帝国軍の諜報部隊に所属している睡魔族達によって命を奪われた貴族連合軍の兵達はまさに言葉通り、”甘い落とし穴”に嵌ってしまったという訳ですか………」

「ハア………そんな殺され方で情報どころか命まで奪われた連中は同情すべきかどうか、微妙ね……」

「…………………」

小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの答えを聞いたアリサ達がそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アルゼイド子爵は重々しい様子を纏って呟き、サラは呆れた表情で溜息を吐き、ユーシスは辛そうな表情で黙り込んでいた。

「まさか睡魔族がそんなとんでもない存在だったとはね……という事は子供好きで、他の睡魔族みたいに男連中に興味がないリスティって睡魔族の中でもかなり珍しい類なのかしら?」

「ええ。まあ、リスティさんの場合、精気を分けてくれる相手が主であるお父様ですから、わざわざそんな事をする必要がない事も影響しているのか、リスティさんは他の睡魔族みたいな活動はしていないのです。」

「というかエヴリーヌからしたらリスティは相手がリウイお兄ちゃんだからわかるけど、睡魔族の中でも最高位の種族の”リリエール”のベルフェゴールがただの人間のリィンだけで満足している事が不思議なくらいだね。」

疲れた表情で呟いたシェラザードの推測にプリネは苦笑しながら答え、エヴリーヌは静かな表情で答えてベルフェゴールを見つめ

「うふふ、出会った頃は初心だったけど、今ではこの私が満足しても続けられるくらいの絶倫へと成長したし、性行為(セックス)の技術もとっても上手くなったのよ♪」

「ブッ!?頼むからこれ以上何も話さないでくれ……」

「というか兄様がそんな風になった大半の原因は何度も兄様に夜這いをして、性行為を強要した貴女だと思われるのですが?」

「ア、アハハ……」

エヴリーヌの疑問に答えたベルフェゴールの答えにアリサ達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中リィンは噴きだした後頭を抱えて疲れた表情で指摘し、エリゼはジト目でベルフェゴールを見つめ、セレーネは苦笑していた。

 

「え、えっと………」

「そ、その……今までの話を聞いてリィン君に対する印象が色々と変わったね……」

「確かに印象は思いっきり変わったね。主に下の方にだけど。」

「ニシシ、確かに色々な意味で”下”の方へと印象は変わったね〜♪」

「ミリアムちゃん……そんな下品な事、一体どこで覚えたんですか……」

トワとジョルジュは苦笑しながらリィンを見つめ、ジト目でリィンを見つめるフィーの言葉にからかいの表情で同意したミリアムにクレア大尉は呆れた表情で指摘し

「ハッハッハッ!いや〜、今の話を聞いて別の意味でアルフィンが心配になってきたよ♪」

「お兄様?それはどういう意味で心配しているのですか?」

声を上げて笑った後酔いしれた様子で自分に視線を向けてきたオリヴァルト皇子に対してアルフィン皇女はジト目で問いかけ

「フッ、それは勿論耳年増の割に実は初心なアルフィンの事だから、”夜の生活”で経験豊富なリィン君に調教され―――『せいっ!』あ〜れ〜っ!」

アルフィン皇女の答えにオリヴァルト皇子が酔いしれた様子で答えかけたその時シェラザードは立ち上がると同時に鞭を振るってオリヴァルト皇子をふっ飛ばし

「あいたた……あ、あの〜、シェ、シェラ君?一体どうしてこんな事を―――じゃなくて、何で鞭を構えているのかな〜?」

ふっ飛ばされたオリヴァルト皇子は壁にぶつかった後自分に近づいてきた鞭を構えた状態のシェラザードを冷や汗をかいて見つめて問いかけ

「……昨日も言ったわよね?あんまり羽目を外し過ぎていたら、”影の国”から帰還してから新しく覚えた技(クラフト)や魔術の実験台にするって。幾ら相手が妹とはいえ、女の子相手にこんな大勢の前でそんな事を言おうとした挙句学生の教育に悪すぎる事を言おうとするなんて、さすがに羽目を外し過ぎじゃないかしら〜?」

「ガクガクブルブル……!ごめんなさい、羽目を外し過ぎていた事は謝るので、マジで鞭や魔術は勘弁してください……!」

鞭に魔力による竜巻を纏わせ始めて威圧を纏った笑顔を浮かべるシェラザードの言葉を聞いたオリヴァルト皇子は恐怖の表情で土下座をして何度もシェラザードに頭を下げて謝罪し、その様子を見守っていたその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「天誅、ですわっ!」

「あいたっ!?」

そこにいつの間にかハリセンを取り出したアルフィン皇女が近づいてオリヴァルト皇子の頭をハリセンで思いっきり叩いた。

「お兄様?わたくしを”耳年増”扱いした事も聞き逃せませんが、他人(ひと)の未来の夫婦関係を想像するなんて、殿方としてマナー違反ではありませんか?」

「ゴメンナサイ、調子に乗り過ぎていた事は反省しますので、これ以上の追撃は勘弁してください……」

笑顔を浮かべて再びハリセンを構えたアルフィン皇女を見たオリヴァルト皇子は疲れた表情で謝罪し、その様子を見守っていたその場にいる多くの者達は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「ア、アハハ……昔のオリヴァルト皇子やシェラ先輩たちの様子を思い浮かべるような懐かしい光景ですね〜。」

「そ、そうですね。」

「やれやれ……放蕩皇子だけ、あれから全然成長していないのではないか?」

「というかオリビエが成長する方がありえないし。」

「さ、さすがにそれは言い過ぎだと思いますよ……?」

アネラスとプリネは苦笑し、レーヴェと共に呆れた表情で呟いたエヴリーヌにツーヤは苦笑しながら指摘した。

 

「クスクス……ハニトラの話をしていて思い付いたけどもしそっちが希望するのだったら、Z組のお兄さん達を含めたトールズ士官学院の学生達用の”娼婦”の派遣をレン達メンフィルが手配してあげてもいいわよ?」

オリヴァルト皇子達の様子を面白そうに見守っていたレンは小悪魔な笑みを浮かべてとんでもない提案をし

「ハアッ!?何でメンフィルがそんな事をするのよ!?」

レンの提案にアリサ達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中サラは驚きの声を上げた後レンに訊ねた。

「あら、Z組を含めたトールズ士官学院の学生達は特務部隊の指揮下―――――つまり一時的にメンフィル帝国軍に所属する事になったのだから、当然メンフィル帝国軍の兵士達が受けている待遇とある程度同じ待遇を請けさせる義務がメンフィル帝国にはあるでしょう?で、メンフィル帝国軍は他国との戦争の際、他国に遠征した兵達用に”娼婦”の派遣を手配するから、メンフィル帝国軍に一時的に所属しているZ組のみんなやトールズ士官学院の学生達も自分達用の”娼婦”の派遣をメンフィル帝国に要請できる権限はあるのよ?」

「確かにその通りですが、彼らは”軍の見習い”であると同時に”学生”でもあるのですから、彼らの教育に悪影響を与える可能性があると理解していて、何故そんな提案をするのですか……」

「メ、メンフィル帝国軍が戦争の時に遠征した兵達用に”娼婦”を派遣するって……!ほ、本当にメンフィル帝国軍はそんなとんでもない事をしているんですか!?」

「はい………ちなみに娼館と交渉して娼婦達を派遣してもらう為の交渉等は私を含めたメンフィル軍の上層部やメンフィル皇族の役目の一つでして………ちなみに今回の戦争でも娼婦達の派遣していて、今回の戦争ではメンフィル軍の上層部に昇進してからまだ2年程度しか経っていないツーヤとレーヴェに経験を積ませるという意味もあって、経験がある上層部の方達を補佐につけて二人に娼館との交渉をしてもらいました……」

「ええっ!?という事はツーヤちゃんとレーヴェさんがそんな所と交渉したんですか!?」

レンの説明を聞いたサフィナは呆れた表情でレンに指摘し、信じられない表情をしているトワの疑問に疲れた表情で答えたプリネの答えを聞いたアネラスは信じられない表情でツーヤとレーヴェに視線を向けた。

「……正直したくなかったですけど、マスターの親衛隊長―――メンフィル軍の上層部になったからにはいつかは必ずあたしもする必要がある事ですので………」

「……まあ、”蒼の深淵”と比べれば娼館の責任者の娼婦の方がまだマシだった事が唯一の救いだな。」

「そ、その……お疲れ様です、お姉様……」

「ふふっ、レーヴェ様がそのような交渉をしている事を知った他の結社の方々は間違いなく驚くでしょうね♪」

「そんな所の責任者の方がヴィータよりマシって、一体ヴィータはアンタにどんな接し方をしたのよ?」

「セ、セリーヌ!」

それぞれ疲れた表情で答えたツーヤとレーヴェの答えにその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中セレーネは苦笑しながらツーヤを労い、シャロンはからかいの表情で呟いてレーヴェを見つめ、呆れた表情で呟いたセリーヌの疑問を聞いたエマは顔を赤らめて声を上げた。

 

「あ、あの……何故メンフィル帝国は、戦争の際、兵達の為にそのような方達を軍に派遣するのですか?」

「”娼婦”―――売春行為を行う女性を軍に派遣すれば、軍の規律が乱れると思うのですが……」

「逆よ、逆。むしろ娼婦を軍に派遣した方が兵や騎士達の欲求やストレスとかが派遣された娼婦達を抱く事で解消される事によって、レン達の目を盗んで占領した領土に住んでいる民である女性達を強姦したり、同じ軍に所属している女性の兵士や騎士達、レンやセシリアお姉さんのような女性の皇族や指揮官に対して欲情を抱いたりしなくなる事で軍の規律が守られるから、レン達の世界ではメンフィルに限らず他の国の軍も戦争の際は軍に娼婦を派遣する事が当たり前の国もあるのよ?」

「ま、俺達の世界は表向きは売春行為を行う施設―――”娼館”を禁止しているゼムリア大陸と違って”娼館”は公共施設扱いの上、娼館の利用者が多い職業は軍の規律とかでストレスが溜まりやすい軍人だからな。で、戦争で他国に派遣される事によって娼館が利用できなくなったら、溜まったストレスを発散させる為にレン皇女殿下が仰ったようなバカな事をしでかして軍の規律を乱そうとする奴等もいるから、下っ端の連中のストレスやそのストレスが溜まった事によって起こりうる出来事を理解している軍や国の上層部は娼婦の派遣を手配してくれるんだぜ?」

アルフィン皇女とクレア大尉の疑問にレンとフォルデはそれぞれ答え、レン達の答えを聞いたアリサ達は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「メ、メンフィルに限らず異世界の国では戦争の際、そんな人達を軍に派遣するのが当たり前だなんて……」

「それも”異世界の文化の違い”なのだろうな……」

「ったく、そんな施設を公共施設扱いしているから、そんな施設を堂々と利用できた兵達のストレスが余計に溜まって、そんな事をする羽目になっているんじゃねぇのか?現に”百日戦役”でもリベールの領土を一時的に占領したエレボニア軍も強姦みたいな性犯罪を犯したような話は聞いた事がないぞ。」

我に返ったエリオットは信じられない表情をし、ガイウスは困った表情で答え、トヴァルは呆れた表情で答えた。

「あら、エレボニアは軍じゃないけど貴族のような上流階級の人達が似たような事をしているじゃない。現にエレボニアの貴族達の中には”庶子”――――平民の女達との”火遊び”等によって生まれた子供達がいて、血統主義のエレボニアの貴族達の大半はそんな子供達は自分の子供として認知していないのでしょう?」

「それは………」

「………………」

「ハハ……確かに言われてみればその通りだね……そう言う意味では親に自分の子供として認知してもらえた私やユーシス君はまだ運が良い方なのだろうね……」

「お兄様………」

レンの指摘に反論できないラウラとユーシスはそれぞれ複雑そうな表情をし、疲れた表情で呟いたオリヴァルト皇子の様子をアルフィン皇女は辛そうな表情で見つめていた。

「うふふ、それで話を戻すけどトールズ士官学院の学生達に娼婦の派遣は必要かしら♪」

「そ、その……レン皇女殿下のご厚意はありがたいですけど、トールズ士官学院の学生達には必要ありませんので遠慮します。」

「むしろそんな人達が派遣されたら、今まで良好の関係を築いていた女子学生達との関係がこじれる男子学生達も出る事もありえますから、娼婦の人達の派遣は必要ありませんよ。」

「そもそも教官のあたし達が、そんな教育に悪すぎる連中の派遣なんて絶対に許さないわよ。」

小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの問いかけにアリサ達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中トワとジョルジュはそれぞれ困った表情でレンの提案を断り、サラはジト目で断りの理由を口にした。

 

「うふふ、色々と話が脱線したけど私も今後の戦いに参加する事もあるから、よろしくね♪ちなみに貴女達みたいな純粋可憐で処女の恋の相談は乗ってあげるから、もし恋の悩みがあったらいつでも遠慮なく私に相談してね♪」

「よ、余計なお世話よ!」

「というかベルフェゴールはむしろ相談したら一番ダメな相手だと思うんだけど。」

「同感よ。それにそう言った事は担当教官のあたしで十分間に合っているから、誰もあんたになんか相談をしないわよ。」

からかいの表情で答えたベルフェゴールの答えにその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて脱力している中アリサは顔を真っ赤にして反論し、ジト目で答えたフィーの答えにサラは呆れた表情で同意した後ベルフェゴールをジト目で睨んだ。

「失敬ね〜。少なくても残念美人で将来売れ残る確率が高い貴女よりはよっぽど良いアドバイスはできるわよ?」

「誰が残念美人で売れ残りですって!?それにあたしのどこが残念美人なのよ!?」

ベルフェゴールの答えを聞いたサラはベルフェゴールを睨んで反論したが

「うふふ、そこまで言うんだったら答えてあげるわ♪貴女が残念美人である主な理由は普段の生活が自堕落である事と酒癖が悪い事ね♪」

「な――――な、何で見てもいないのにあたしの生活がそんな感じだって言えるのよ!?」

ベルフェゴールに普段の生活を言い当てられたサラは絶句し、そして信じられない表情でベルフェゴールに訊ねた。

「これでも相当な年月を過ごして色々な人を見たり接してきたお陰で観察眼には自信があるのだから、たかだが20数年くらいしか生きていない”お子様”の普段の生活を見抜く事なんて、簡単よ♪」

「へ、へえ?まさかこのあたしを”お子様”扱いする命知らずが存在するなんてねえ?まあ確かに何百……いえ、何千年生きているかわからない”お年寄り”にとったら20代のあたしなんて”お子様”でしょうけどねえ?さすが、骨董品レベルの年代を生きている”若作り”のお年寄りと言った所かしら?」

「フン、図星だからと言って、そんな幼稚な口喧嘩を仕掛けようとするとは……余りにも見苦しい姿だな。」

「というか実際その通りなんですから、普段の生活を言い当てられた事が本当に悔しかったのだったら、これを機会に普段の自分の生活を見直してくださいよ……」

ベルフェゴールにからかわれて顔に青筋を立てて身体を震わせてベルフェゴールに対して喧嘩を売るような言葉を口にしているサラを見たユーシスとマキアスはそれぞれ呆れた表情で指摘した。

 

「うっさいわね!余計なお世話よ!」

「うふふ、中々楽しませてもらえたし、まだ紹介していないご主人様の婚約者は残っているから私はこれで一端失礼するわね〜♪」

ユーシスとマキアスの言葉を聞いたサラが二人を睨んでいる中ベルフェゴールはからかいの表情で答えた後リィンの身体の中に戻り、その様子を見守っていたその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「ふふっ、お嬢様達が混乱する人物が二人程いるとリィン様は仰いましたけど、一人はベルフェゴール様だったのでしょうね♪」

「そうね。あらゆる意味で驚いたり、混乱したわね。」

「しかもリィン達の関係がどこまで進んでいる事とか、わたし達にとっては知りたくもない事まで知ってしまったね。」

「う”っ………」

からかいの表情で呟いたシャロンの言葉に頷いたアリサはフィーと共にジト目でリィンを見つめ、見つめられたリィンは唸り声を上げた。

「ふふふ、ベルフェゴールが終わりましたから、次は私の番ですか。」

するとその時リザイラがリィンの傍に現れた。

 

「あ………」

「彼女はオレやエリオット達がバリアハートで戦ったもう一人の……」

「ああ………確か”精霊王女”という種族で名前はリザイラだったよな?」

リザイラの登場にエリオットは呆け、考え込みながら呟いたガイウスの言葉に頷いたトヴァルはユミルでの時を思い出しながらリザイラを見つめて確認し

「何ですって!?」

「ええっ!?それじゃあ、貴女は”精霊”―――いえ、”精霊王”なんですか!?」

トヴァルの言葉を聞いたセリーヌとエマは血相を変えて声を上げ

「ふふふ、正確に言えば私(わたくし)は”精霊王女”―――貴女達にわかりやすく説明すると精霊族の王女の一人です。――――改めて自己紹介を。私の名はリザイラ。精霊領域”リスレドネー”の長にして、ご主人様と将来共にする事を決めた女性の一人でもあります。なお、私のご主人様の妻としての序列は五位です。」

「貴女がシルヴァン皇帝陛下達のお話にあった伝承で出てくる精霊の…………今回のメンフィル・エレボニア戦争の和解条約の関係でリィンさんの妻の一人として嫁ぐ事になったアルフィン・ライゼ・アルノールです。以後お見知りおきお願いします。」

リザイラが自己紹介をするとアルフィン皇女は目を丸くした後会釈をして自己紹介をし

「彼女が伝承で出てくる”精霊”の王女…………」

「……確かにリザイラ殿からはメサイア皇女殿下同様”王女”としての風格も伝わってくるな。」

「ああ。”魔王”と呼ばれているベルフェゴールとは大違いだな。」

(しっつれいね〜。私が寛容な性格じゃなかったら、今頃あの世行きよ?)

ガイウスは呆けた表情でリザイラを見つめ、ラウラの評価に同意したユーシスの答えを聞いたベルフェゴールは呆れた表情で呟いた。

「さっきの二人の事と言い、セレーネといい、何で貴方が婚約している相手って、色々と凄い存在なのよ!?」

「同感だ……百歩譲って異世界の大国の皇女だったメサイア皇女殿下はまだわかるが、竜に魔王に、精霊の王女って、どれも非常識過ぎる存在だぞ……」

「いや、別に意図的に集めた訳ではなく、気づいたらこうなってしまったんだ………」

「7人もの色々と”規格外な部分がある”女性達を婚約関係を結んだマスターがそんな事を言っても、説得力に欠けると思われるのですが。」

「うふふ、リィン様は少なくてもゼムリア大陸一の女性と出会う運に恵まれた殿方でしょうね♪」

アリサとマキアスの指摘に疲れた表情で答えたリィンの様子を見たアルティナはジト目で指摘し、シャロンはからかいの表情で呟いた。

 

「”精霊王女”……そう言えばプリネさんの使い魔の一人―――フィニリィも”精霊王女”だけど、彼女と比べると随分と違うわね?」

「た、確かに……フィニリィちゃんはまさに精霊や妖精のお姫様って感じに見えますけど、リザイラさんは正直私達”人間”とほとんど変わらないように見えますよね?」

リザイラの種族を聞いてある事を思い出したシェラザードは静かな表情で呟いてプリネに視線を向け、シェラザードの意見に同意したアネラスも続くようにプリネに視線を向けた。

「ええっ!?という事はプリネ皇女殿下も精霊族の王女と使い魔契約を結んでいるのですか!?」

「はい。―――フィニリィ。」

二人の話を聞いて驚いたエマに視線を向けられたプリネは苦笑しながら頷いた後フィニリィを召喚した。

「ふええっ!?こ、今度はプリネ皇女殿下から異種族の人が……!」

「話の流れからすると彼女も精霊族の王女の一人なんだろうね……」

「……間違いなくそうでしょうね。そのリザイラって精霊からもそうだけど、新たに現れた精霊からも凄まじい霊力(マナ)を感じるわ。」

フィニリィの登場にトワが驚いている中目を丸くして呟いたジョルジュの推測に頷いたセリーヌは真剣な表情でフィニリィを見つめた。

 

「あら、そこの使い魔は中々わかっていますわね。―――それよりも、こうして直に会って話すのは久しぶりですわね、リザイラ。」

「ええ、久しぶりですね。それにしても以前と比べると性格が穏やかになりましたね?確か私の記憶の貴女は人間達を”野蛮”と称して忌み嫌っていたのに、半分とはいえ人間の血と精霊とは相いれる存在ではない”魔”の血を引くそちらの皇女の使い魔になる程貴女の考えが変わるなんて、興味深い出来事ね?」

フィニリィに話しかけられたリザイラは静かな笑みを浮かべてフィニリィに問いかけ

「……人間を危険視していた癖にその人間と使い魔契約を結んだ挙句伴侶にする事を決めた貴女にそんな事を言われる筋合いはありませんわ。そちらの人間が貴女と使い魔契約を結んだ経緯は私も耳にしましたけど、確か貴女、人間たちを”管理”する為に貴女の領域に住む”リスレドネー”の精霊達と共にゼムリア大陸の人間たちの国に戦争を仕掛けるつもりだったとか?一体何があって、考えを変えて今の状況になったのですか?」

「ふふふ、メサイアの2番煎じという訳ではありませんが”色々あった”とだけ言っておきましょう。」

(リ、リザイラ様……)

(うふふ、メサイアみたいに説明が面倒になったから、誤魔化したわね♪)

ジト目のフィニリィの問いかけに対して静かな笑みを浮かべて答えを誤魔化したリザイラの答えにその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて脱力している中リィンの身体の中にいるメサイアは表情を引き攣らせ、ベルフェゴールはからかいの表情で呟いた。

「全く……そう言う所も相変わらずですわね。ま、いいですわ。私の用事は済みましたから、一端失礼しますわ。」

フィニリィは呆れた表情でリザイラを見つめた後プリネの身体の中に戻り

「そういう訳ですから私も貴方方の今後の戦いに参戦する事もありますので、以後お見知りおきを。それと、私はメサイアやベルフェゴールのように貴方方が驚いたり混乱するような事情はありませんのでご安心下さい。」

「さっきのフィニリィって精霊との会話を考えたら全然信用できない言葉なんだけど?」

「精霊達と共にゼムリア大陸の国に戦争を仕掛けると仰っていましたから、私達にとっても他人事ではありませんものね……」

静かな笑みを浮かべて答えたリザイラの言葉を聞いたその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アリサはジト目で指摘し、クレア大尉は困った表情で呟いた。

「え、えっと………今のリザイラはそんな事を考えていないから、安心してくれ。」

「クク、とんでもない事を考えていた張本人を使い魔にしている挙句婚約もしている本人の言葉だから、事情を知らない連中も信頼できるだろうな♪」

「フォ、フォルデ先輩。」

リィンの答えを聞いて口元に笑みを浮かべて指摘したフォルデの言葉を聞いたステラは冷や汗をかいた。

 

「というか事情云々以前にリザイラの”正体自体”がわたし達が混乱したり驚いたりする事だと思う。」

「リザイラ殿は伝承で出てくる”精霊”の王族だからな………」

「ふふふ、私の正体を知った驚きや混乱等後一人残っている私と同じご主人様の婚約者を知れば、吹き飛びますよ?」

フィーの言葉にラウラは苦笑しながら同意し、二人の会話を聞いたリザイラは静かな笑みを浮かべて二人に指摘した後リィンの身体の中へと戻り、リザイラの二人への指摘を聞いたその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「バリアハートの件を考えると、後一人残っている婚約者は恐らく………」

「……バリアハートで私が剣を交えた結果私が為す術もなく敗れた尋常ならざる剣(つるぎ)や力を持つ女性か……」

「ええっ!?エレボニア最高の剣士と謳われている子爵閣下が為す術もなく敗れたのですか!?」

「……まあ、普通に考えたら信じられないけど、相手が”余りにもとんでもなさすぎる存在”だから、子爵閣下が仰った話は本当の事でしょうね……」

「ア、アハハ………まだ紹介していないリィン君の婚約者の最後の一人を考えたら、間違いなく和解交渉の時に出て来たサティアさんの妹さんの事でしょうしね。」

リザイラの指摘を聞いたサラは真剣な表情で考え込み、静かな表情で呟いたアルゼイド子爵の言葉を聞いて驚いているアルフィン皇女の様子を見たシェラザードは疲れた表情で溜息を吐き、アネラスは苦笑していた。

「サティアさんの妹だって?あのサティアさんの妹という事は、まだ紹介してもらっていない6人目のリィン君の婚約者の”正体”はまさか―――――」

アネラスの言葉を聞いてある事に気づいたオリヴァルト皇子が驚きの表情でリィンを見つめたその時

「ふふっ、そう言えばセリカ達が持っていた”影の国”に巻き込まれた人達全員が集合した写真に貴方も写っていたから、貴方もアストライアお姉様と面識があったわね。」

リィンが装備している太刀の一つからアイドスが苦笑しながらリィンの傍に現れた!

 

 

 

 

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これにてベルフェゴールによる混沌は終わりました。……が、今度はある意味ベルフェゴールよりも驚く存在であるアイドスの登場ですwwなお、アイドス登場から次回のBGMはZEROの”約束の剣”かLadeaの”La erteno”、”女神の縁”のどれかだと思ってください♪

 

 

 

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第61話
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コメント
本郷 刃様 まあ、エウシュリシリーズではサティアに並んで救われて欲しい人物ですよね、アイドスは……(sorano)
慈愛の大女神であるアイドス、思えば彼女は本当は被害者側ですよね…人間大好きで地上に残って戦争やめてって言い続けその挙句に利用されてバリハルト勢力にも使われ、結果的に直接的にも間接的にも姉であるアストライアと殺し合うハメになって…だからここで幸せそうで嬉しいw(本郷 刃)
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