ポケモンDPt 時空神風伝 24
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ノモセジムのマキシ

 

ポケモンセンターでノモセ大湿原での沼と泥の汚れを落としたクウヤは翌日、早朝からノモセジムに挑みにきた。

ポケモンジムはプロレスラーを副業としているマキシにあわせているらしい、プールつきでプロレスリングを思わせるバトルフィールドに、周りには観客席がありそこには観客だらけ。

バトルフィールドにはスポットライトもあたっている。

 

「さぁ今日ここに、ここのジムバッジを求めてやってきたポケモントレーナーが現れました!

そのため、ポケモンリーグの公式戦を行います!」

 

わぁぁぁぁぁという歓声が、ポケモンジムの中響きわたる。

ちら、と観客席をみると、ミクリもそこにいた。

 

「兄ちゃん・・・本気でおれの実力をみる気でいるな・・・」

「ではここで、今回戦う二人のポケモントレーナーを紹介します!!」

 

そう実況してジャッジは、クウヤとマキシを紹介する体制に入る。

ぱっと、二人にスポットライトがそれぞれ当てられていき、ジャッジは彼らを紹介していく。

 

「チャレンジャァァァクウヤァァァァ!!!

ジムリーダーアァァァ、マキシィィィィィ!!!!」

 

わぁぁぁぁぁぁと歓声が上がり、クウヤとマキシは互いに向かい合う。

 

「待っておったぞ、クウヤくん!

キミの実力を全力で私にぶつけ、この私に見せてくれ!」

「おぉ!」

「それでは試合開始・・・レディィィゴォォォォ!」

 

そのジャッジの掛け声とともに二人はバトルフィールドにモンスターボールを投げ込み、ポケモンを出す。

 

「いけギャラドス!」

「レッツゴー、トーム!」

 

マキシが出してきたのは水と飛行タイプのギャラドス。

クウヤが出してきたのは電気とゴーストタイプのトーム。

 

「いきなり相性で攻めるか・・・」

 

電気技はギャラドスに対して大きなダメージを与えることができる。

最初から有利なタイプで挑み、自分のペースに巻き込み勢いをつけようという作戦であろう。

だがそういうものは、マキシは想定済みであろう・・・それでも相性の有利さで勝利を収められるかどうかは、クウヤ次第だ。

 

「トーム、まずはこれでいくぞ、でんげきは!」

 

先手をとってトームの電気技で攻めようとするクウヤ。

でんげきはは必ず相手にあたる技だ、よけることはできない。

 

「ギャラドス、アクアテール!」

 

だがマキシはギャラドスにアクアテールを指示し、でんげきはを打ち消しながらトームを攻撃した。

 

「大丈夫か、トーム!」

「トーットトト!」

 

アクアテールを受けながらもトームは無事に耐えた。

 

「くぅ、やっぱギャラドスのパワーってすげぇや!

でもまだいくぜ、ほうでん!」

「りゅうのいかり!」

 

ほうでんとりゅうのいかりは混ざり合って弾け飛ぶ。

マキシはその爆破の間にギャラドスにかえんほうしゃを指示してトームを攻撃しようとする。

 

「さらにギャラドス、かえんほうしゃだ!」

「おっと、トーム、あやしいかぜ!」

 

あやしいかぜでかえんほうしゃを相殺し、クウヤはトームに続けて10まんボルトを指示してギャラドスを攻撃する。

 

「シャドーボール!」

「かみつくでうちくだけ!」

 

相手を追いつめるためシャドーボールで攻撃するが、それはギャラドスのかみつく攻撃でうちけされる。

 

「へへ、きたぜ!」

「なにっ」

「トーム、そこだ、もう一度10まんボルト!」

「なにーっ!」

 

シャドーボールでかみつくをださせ、トームをギャラドスに接近させるのが目的だったクウヤ。

トームはギャラドスに至近距離から強力なでんき技を放ち、ギャラドスに大きなダメージを与えて戦闘不能にした。

 

「ギャラドスたおれたぁぁぁぁ!

第一試合はロトムの勝利です!」

 

実況に対し周囲の客がおおおおおおおおと声を上げる。

ただミクリだけは周りの観客とは対象的な態度をとっていたが、その口元には笑みを浮かべていた。

 

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「お疲れさまだなギャラドス、あとは休め!」

「へへへ、やったぜトーム!」

「トートトトト!」

 

マキシはギャラドスを戻しその健闘をたたえ、クウヤはトームと一勝できたことで喜び合った。

 

「クウヤくん、そのロトムの電気技は相性以上のパワーを感じるぞ!

だが、このポケモンにはどう戦うつもりだ!?

ゆけ、ヌオーッ!」

 

次にマキシが繰り出してきたのは、水と地面をあわせもっているぬまうおポケモン、ヌオーだった。

 

「ヌオーか・・・戻れトーム!」

 

地面に電気は通じない、それはクウヤもわかっていたことだ。

これからどんなポケモンがでるかわからないこともあって、水に有利なトームはとっておこうと思って、クウヤはトームを一度下げ、別のポケモンをそこに出した。

 

「ここはおまえの出番だ、ヒーコ!」

 

クウヤが出してきたのはなんと、ヒーコだった。

そんな彼の行動にたいし会場にどよめきが走り、ミクリも目を丸くした。

 

「水相手に炎・・・」

 

クウヤに策があるとは思うが、それはなんなのか・・・ミクリはさらに試合をみるその目に力を入れる。

過去にクウヤは炎タイプのポケモンで自分の師匠のポケモンに勝利したことがあると聞いていたから、こういう風に試合をみることができるのだ。

だがあのときクウヤが使った炎タイプのポケモンは、自分が初めてパートナーとして、ともに長い期間、ホウエンの旅を続けてきたポケモンだ。

シンオウの旅を始めてから仲間にしたそのモウカザルで、果たしてどこまでできるのか・・・。

とにかく今は彼の実力を見定めようとミクリがそんな思考を巡らせているとジャッジの合図がそこに響きわたった。

 

「ヒーコ、マッハパンチだ!」

 

真っ先に動いたのは素早いヒーコで、マッハパンチを繰り出しヌオーを攻撃した。

その攻撃はヒットしたが、ヌオーには大きなダメージにはなっておらず、そのままヒーコにたたきつける攻撃を繰り出した。

 

「モォウゥ!」

「ヒーコ!」

「もう一度、たたきつけるだ!」

「かわせ!」

 

もう一発のたたきつける攻撃が命中する前に、ヒーコはクウヤの声にあわせて動き、それを回避した。

 

「かえんほうしゃ!」

「みずのはどう!」

 

高くジャンプしてからのかえんほうしゃを、ヌオーはみずのはどうで打ち消す。

打ち消された瞬間、ヒーコは壁を蹴って足場についた。

 

「マッドショット!」

「かえんぐるまだ!」

 

着地した瞬間、ヌオーはヒーコに向かってマッドショットを放ち攻撃にでたがクウヤはあわてずかえんぐるまを指示して、その熱を利用してマッドショットをただの土くずへと変えて防ぎ、さらにそのままヌオーにぶつかって攻撃する。

 

「なんと!」

「もういっちょ、かえんぐるま!」

「ヌオー、みずのはどう!」

 

みずのはどうによってかえんぐるまはかき消され、ヒーコもダメージを受ける。

マッハパンチでつっこんでいくが、また耐えられた。

 

「たたきつける!」

「いわくだきでむかえうて!」

 

ヌオーのたたきつけるに、いわくだきで迎え撃つヒーコ。

その二つの技は相殺しあい、お互いにうちあうこととなった。

大きなダメージを与えるには、やはり炎技しかない・・・でもどうしたらいいのだろうとクウヤは考え、やがて一つの結論を導いた。

 

「ヒーコ、かえんぐるま!」

「無駄だ、ヌオー、みずのはどう!」

「そこだ、かえんほうしゃ!」

 

かえんぐるまで突進しながらのかえんほうしゃ。

火力が上がったその一撃はみずのはどうをうちけし、そのままの勢いでつっこんできたその一撃を受けたヌオーは弱った。

 

「とどめいけ、マッハパンチ!」

 

ヌオーがよわったところをついて、ヒーコはマッハパンチを打ち込み、ヌオーを倒した。

 

「ヌオー!」

「おぉぉぉぉっとおっ!

ヌオー、まさかのノックアウト、モウカザルが勝利したぁぁぁぁぁっ!!!」

「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

ジャッジの判定が響きわたり、再び観客が歓声を上げる。

 

「・・・まさか、炎技でつっこんでくるとは・・・!」

「ヒーコの自慢はスピードと火力だからな、水に負けるなら火の力を強めたらいいと思ったんだよ!」

「おぉ、そういう発想にでるとは・・・見事だ!」

「おぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

歓声を聞いていたジャッジはさらにアナウンスを続ける。

 

「相性の不利を覆したぁぁぁぁ!

最初の観客の不安から一転、勝利した途端にこの大歓声ぃぃぃ!!!

なんと現金でてのひら返しがうまいことかぁぁぁぁ!!!

ある意味、尊敬に値するであろぉぉぉうぅぅぅぅ!!!」

「なんかあの審判、いっちゃいけねぇこといってねぇか・・・?」

 

そんなジャッジのアナウンスに、クウヤはジト目でそのジャッジをみながらツッコミをいれる。

 

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「クウヤ・・・本当に驚かせてくれたな・・・」

 

ヒートアップしていく会場。

ミクリは相変わらず冷静に試合をみて、クウヤの実力を確かめている。

 

「マキシさんは残り1匹、対するクウヤは3匹残っている・・・ここからどうするつもりだろうな?」

 

決して慢心して油断するな、という気持ちを込めて、クウヤに鋭い視線を送る。

 

「なんだろ・・・兄ちゃんの指すような視線を感じるぜ」

「モウ?」

「なんか、絶対に気を抜くなって言ってるみたいな視線を感じるぜ・・・!」

「モウ」

 

背筋がぞくっとする謎の感覚を感じていると、実況が入ってきた。

 

「さぁぁぁ、ジムリーダーのマキシ選手、残るポケモンはあと一匹となりました!

果たしてここから巻き返せるのかぁぁぁ!」

「最後はこいつの出番だ、フローゼル!」

 

マキシが出したのはうみいたちポケモンのフローゼルだ。

ギャラドスやヌオーとはまた違うバトルスタイルを持っていそうなポケモンだが、クウヤとヒーコは気を引き締めてやる気満々の姿勢で挑もうとする。

 

「ヒーコ、先手必勝でいくぜ!

マッハパンチでつっこめ!」

「威勢がいいな、むかえうつぞフローゼル!

アクアジェットだ!」

 

アクアジェットとマッハパンチが衝突する。

その威力は互角だったが、フローゼルは直後ソニックブームを放ってヒーコを攻撃し始めた。

 

「ヒーコ!」

「フローゼル、アクアジェットだ!」

「かえんぐるま!」

 

アクアジェットにかえんぐるまで迎え撃とうとするヒーコ。

 

「みずのはどうだ!」

 

だが、アクアジェットでつっこみつつみずのはどうをうちこまれたことでヒーコは大きなダメージを受けてしまいたい力を大幅に削られる。

大きく体力を奪われながらもヒーコは立ち上がり、マッハパンチで攻撃してフローゼルに一撃を決めることに成功するがこおりのキバからのソニックブームを打ち込まれさらに傷を負ってしまう。

 

「みずのはどう!」

「かえんほうしゃ!」

 

再び飛んできたみずのはどうにかえんほうしゃで迎え撃とうとしたが、ダメージを多く負い疲労していたヒーコは押し負けてしまい、みずのはどうをまともにうけてしまった。

 

「ヒーコッ」

「モウカザルKO、フローゼルWIN!」

「おおおおおおおおっ!!」

「・・・よくがんばったなヒーコ、戻ってやすんでくれ」

 

そう言いクウヤはヒーコを戻して、別のモンスターボールを手に取りそれをバトルフィールドめがけて投げる。

 

「トーム!」

 

再びそのバトルフィールドに、トームが姿を現した。

 

「相性上等だぁー!

フローゼル、アクアジェット!」

「かげぶんしんでかわせ!」

 

アクアジェットをかげぶんしんでかわしつつ、でんげきはを放ってフローゼルに攻撃するトーム。

そんなとき反撃で飛んできたのは、なんとノーマル技のスピードスターだった。

 

「スピードスター!?」

「こう使うのだ!」

 

スピードスターはかげのすべてに当たり、トームのかげぶんしんをすべて消してしまった。

 

「うわっ」

「フローゼル、本体にこおりのキバだ!」

「まずっ、ほうでん!」

「スピードスターで相殺しろ!」

 

こおりのキバをヒットさせないためにほうでんで攻撃したらスピードスターと衝突、相殺しあいはじけとぶ。

そこにマキシはみずのはどうを指示してフローゼルはそれをトームめがけて放つ。

 

「みずのはどう!」

「トトトッ!」

「トーム!」

「続けてこおりのキバ攻撃だー!」

 

みずのはどうがヒットした直後のこおりのキバで、トームは凍り付いた。

 

「トームッ!」

「・・・」

 

凍り付いたポケモンをみて、クウヤはどういう対応をとるのだろう・・・と、このときミクリはおもった。

 

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「トーム・・・!」

「フローゼル、アクアジェット!」

「あっ・・・」

 

フローゼルは容赦なくトームにアクアジェットで突撃して攻撃する。

アクアジェットを受けて壁にぶつかって水に沈んで、氷の中のトームはたまったものではないだろう。

クウヤはきっと緑色の目に力を入れて、大きな声でトームの名前を呼ぶ。

 

「トーム、聞こえろよ、トーム!」

 

クウヤは必死にさけぶ。

 

「お前、このままじゃやられっぱなしだぞ!

そんなの、悔しすぎだろ!?

そしてお前の体は、いろんなものすり抜けられるんだろ!

無理ならすり抜けれるようにいっきに電気をまき散らせ!」

「・・・!」

 

そんなクウヤの声が届いたらしい、トームは氷の中からほうでんをおこし氷を打ち砕き脱出した。

 

「なにぃ!?」

 

これにはマキシもフローゼルも驚いていた。

氷から脱出したトームは笑っていて、そのトームの姿を見たクウヤにも、笑顔が戻る。

 

「トトトトトトーーッ!」

「トーム・・・!」

 

ふと図鑑の異変に気づき確認をすると、トームは新しい技を覚えていた。

その技をみたクウヤは使うタイミングを計りつつ、マキシとの勝負を続行させる。

 

「フローゼル、みずのはどう!」

「シャドーボール!」

 

みずのはどうをシャドーボールで打ち消し、でんげきはを放ってフローゼルを攻撃しようとすればそれはスピードスターと相打ちになる。

爆風から逃れるためフローゼルは一度プールに潜って、そこからアクアジェットで攻撃する体制に入る。

 

「アクアジェット!」

「トーム、今だ、かみなりだ!」

 

かみなりトームが新しく覚えた技だ。

そんなでんきタイプの大技がプールにささり、電気が広がり、アクアジェットでつっこんできたフローゼルを攻撃した。

 

「フロォォォォウ!!」

「フローゼルッ!」

 

水は電気を、よく通す。

その技が決まって戦闘不能になったフローゼルが、それを証明していた。

 

「試合終了ーっ!」

 

そして、ジャッジの実況が入ってくる。

 

「今勝負がつきました、この試合は・・・・!

WINNERーーーー!

チャレンジャァァァァァクゥゥゥヤァァァァ!!!」

「わぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

会場に歓声が上がり、マキシはフローゼルの健闘をたたえ、クウヤはトームとともに勝利を喜び合う。

 

「よくやったぞ、フローゼル。

お前の今日の頑張り、明日へつなげよう!」

「ふろぉう」

「やったぜトーム!

ありがとうな、おれの声に答えてくれて!」

「トートットトトトトトーッ!!!」

 

すべての試合を見たミクリも、静かにほほえみクウヤを温かい目で見る。

 

「クウヤ・・・いい試合をしてくれたな・・・。

そして、本当に強くなって、ポケモンとともにいられるポケモントレーナーによく成長した」

 

説明
今日でDPから11年なんだね。
当時プレイしててものすごく楽しかったのを今でも覚えてますよ。
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オリトレ オリキャラ 長編小説 ポケモン ポケットモンスター DPt 

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